あん摩師とは、マッサージ師と一般的に呼ばれる人たちのことです。
手技のみで体の不調を改善するのがはり師やきゅう師と違いになります。
この記事では、あん摩師の仕事や年収について見ていきたいと思います。
あん摩師とはどんなお仕事なの?
あん摩マッサージ指圧師について
あん摩師とは、「あん摩マッサージ指圧師」という名前の国家資格のことです。
いわゆるマッサージ師を名乗ってマッサージ行為を行っている人たちは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っています。
もともとは、はり・きゅうとともに中国の東洋療法として確立した手法として日本に伝えられました。
主な施術内容としては、慢性的な肩こりや腰痛などの症状に対して「揉む」「押す」などの手を使った方法でその改善を目指す専門家です。
また、あん摩師は慢性的な症状以外でも、医師の同意があれば保険適用で怪我の治療のための施術をすることができます。
あんま師の施術内容
マッサージ師と呼ばれるあん摩師ですが、施術は大きく分けて「あん摩・マッサージ・指圧」の3つがあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
①あん摩
「押す、揉む、叩く、摩る」といった手を使った方法によって身体に刺激を与える手法です。
身体に刺激を与えることでコリが改善されたり血行を促進することができ、身体の不調を整えることができます。
②マッサージ
もともとマッサージはヨーロッパで誕生しました。
あん摩は衣類の上から身体に刺激を与えるのに対し、マッサージは直接肌に触れて刺激を与えます。
また、あん摩は心臓と反対向きに施術を行うのに対し、マッサージは心臓の方向に向かって刺激を与えます。
そうすることで、血行など身体の巡りが良くなって不調を整えていくことができます。
③指圧
あん摩の中にある「押す」という方法によって確立されたものです。
手を使って身体を押すことで刺激を与え、身体機能の向上を図る手法です。
これらの手法を組み合わせながら患者さんひとりひとりに合った施術を行います。
あん摩師の施術と整体って違うの?
あん摩師のマッサージと整体は、よく間違えられますが明確な違いがあります。
まず、マッサージ師を名乗ってマッサージ行為を行うためにはあん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要です。
それに対して整体院で行われる整体には、国家資格が存在しません。
あん摩師の施術は慢性的な症状や怪我を改善することが目的で、医師の同意があれば保険適用での施術も可能です。
整体は身体の歪みを整えるものですが、不調の予防やリラクゼーションを目的とした位置付けとなっています。
あん摩師の平均年収は?
あん摩師の平均年収は300〜400万円
あん摩師の平均年収は、300〜400万円程度です。
公益社団法人東洋療法学校協会が実施した調査では、あん摩師・はり師・きゅう師の平均月収は20〜25万円が一番多い結果となりました。
男女別に見ると、男性が月額22.8万円、女性が16.8万円となっています。
この結果を見ると他の職種に比べて少し低いような気もしますが、自身で開業しているあん摩師の平均月額は37.1万円とかなり高い結果となっています。
あん摩師は治療院を自身で開業することができるので、やり方によっては十分年収をアップさせることは可能です。
年齢別に見る平均月収
公益社団法人東洋療法学校協会が実施したアンケート調査によると、あん摩師の年齢別に見る平均月収は以下の結果となっています。
年齢別の一番月収が高い時期が、25〜34歳の21.9万円という結果になっています。
また、年齢別の結果から見て、あん摩師の初任給は約18〜19万円程度だと言えるでしょう。
経験年数別に見る平均月収
公益社団法人東洋療法学校協会が実施したアンケート調査によると、あん摩師の経験年数別に見る平均月収は以下の結果となっています。
経験年数 | 平均月収 |
1年 | 17.2万円 |
2年 | 19.4万円 |
3年 | 20.7万円 |
4年 | 21.1万円 |
5年 | 24.5万円 |
この結果を見ると、あん摩師は経験年数に応じて月収もアップしていくということが分かります。
このことから、経験を積んだり自身のスキルを磨いていくことが大切であると言えます。
他の医療職と比べた平均年収
ここでは他の医療職と比べた平均年収について見ていきます。
他の医療職の平均年収は以下の通りです。
柔道整復師:300〜600万円
理学療法士:400〜500万円
はり師・きゅう師:350〜450万円
柔道整復師や理学療法士と比べると平均年収は少し低い結果となっていますが、はり師・きゅう師と大体同程度になっています。
あん摩師が年収をアップさせるには?
あん摩師は他の職種と比べて平均年収はやや低い傾向にありますが、自分次第で年収をアップさせることも十分に可能だと言えます。
ここではあん摩師が収入をアップさせる方法について解説していきます。
①独立開業をする
あん摩師は自身で治療院などを開業することができる開業権を持っています。
自身で開業しているあん摩師の中には年収600万円を超える人もいると言われています。
また、独立開業をすることである程度自分に合った働き方ができるようになります。
年収をアップさせたい、自分のペースで長く勤めたいという人は、自身で院を構えるのも良いかもしれません。
②認定訪問マッサージ師になる
認定訪問マッサージ師とは、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会などが認定する「訪問マッサージ」の需要に合わせた制度です。
この認定制度は、一定の講習を受講することで認定を受けることができます。
認定訪問マッサージ師は、あん摩師の技術向上や訪問マッサージの需要に合わせて作られたものです。
つまり、認定を受けていると自身のスキルアップに繋がります。
また、近年では高齢化に伴い訪問によるマッサージのニーズも増えてきています。
認定を受けておくことで、仕事の幅も広がり収入アップにつながると言えるかもしれません。
あん摩師の仕事のやりがい
患者さんから感謝されること
あん摩師の仕事で一番のやりがいは、やはり患者さんから感謝されることではないでしょうか。
あん摩師は自身の手を使った手法のみで施術を行うため、薬などは使用しません。
ですから自分の技術によって患者さんの症状を改善することができたという達成感も、他の職種に比べて大きいものかもしれません。
症状が改善された患者さんから感謝の気持ちを伝えてもらうことが、あん摩師のやりがいの一つだと言えるでしょう。
多くの人とコミュニケーションを取ることができる
あん摩師は地域の治療院などで勤務する場合はほとんどです。
地域に根ざした治療院では、地元の人たちなど多くの人とコミュニケーションを取ることができます。
施術するあん摩師との会話を楽しみに通院している患者さんも少なくないでしょう。
人とコミュニケーションを取ることが好きな人や、人との会話を楽しむことができる人にとって、あん摩師はとてもやりがいのある仕事であると言えます。
まとめ
マッサージ師と呼ばれる人たちは、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を持っています。
その仕事は、あん摩・マッサージ・指圧などの手を使った手法で肩こりや腰痛・怪我などの症状を改善することが主な内容です。
あん摩師の平均年収は300〜400万円程度となっていますが、独立開業をすることができるあん摩師は自分次第で年収をアップさせることも可能だと言えます。
患者さんから感謝をされたり、人との会話を楽しめるあん摩師の仕事は、とてもやりがいのある仕事だと言えるでしょう。