「あん摩師になりたいけどどうすれば良いんだろう?」「あん摩師になるにはどれぐらい学費がかかるんだろう?」
今回はそんな人に向けて、あん摩師として働くのに必要な試験や学校について解説していきます。
あん摩師になる為には?
あん摩師とは?
あん摩師とは、マッサージによって身体の不調を整える専門家です。
正式名称は「あん摩マッサージ指圧師」ですが、略してマッサージ師と呼ばれることが多いです。
対象とする症状は肩こりや腰痛などの慢性的なものから、病気や怪我による麻痺など多岐に渡ります。
あん摩師は医師の同意があれば、保険適用による施術を行うことができます。
平成30年に厚生労働省が実施した「第1回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」の資料によると、平成28年のあん摩マッサージ指圧師の人数は全国で116,280人という結果でした。
また、公益社団法人東洋療法学校協会が実施したアンケートによるとあん摩師は約4割が女性という結果になっています。
あん摩師になるには国家試験に合格すること
あん摩師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格する必要があります。
国家試験は毎年2月に全国の主要都市で行われます。
あん摩マッサージ指圧師は業務独占の資格なので、国家資格を持っていない人がマッサージ行為を行うことは法律で禁止されています。
国家試験を受験するための受験資格は、あん摩師になるための大学や専門学校を卒業することで得られます。
あん摩師国家試験の合格率は?
あん摩師の国家試験の難易度は、例年約8割と高い傾向にあります。
毎年1,500人前後が受験をしていて、1,300人前後が合格しています。
他の医療職の合格率と比べると、柔道整復師が約6割、はり師・きゅう師が約7割という結果になっています。
あん摩師の合格率は8割を超えていますが、油断をせずにきちんと対策をして試験に臨むことが大切です。
あん摩師になる為の学校について
あん摩師の大学・専門学校
あん摩師の国家試験を受験するためには、専門の学校を卒業することで受験資格を得る必要があります。
学校の種類は、①4年制大学②専門学校の2パターンに分けられます。
あん摩師は、鍼灸師とともに働くことも多いことから専門学校でも同じ学科で学ぶことが多いです。
もともと東洋療法として中国で古くから伝わる技術なので、共通する部分も多いと言えます。
学費はどれぐらいかかる?
あん摩師になるための学校は、①4年制大学と②専門学校の2パターンです。
それぞれの学費について、詳しく解説していきます。
①4年制大学
4年制大学(国公立)の学費は、授業料が約50万円で入学金が約30万円程度です。
・筑波技術大学
入学金:282,000円
年間授業料:535,800円
その他にも保険料として、年間3,070円がかかります。
②専門学校
専門学校の学費は年間100〜160万円程度で、入学金として30万円程度かかるところが多いです。
・東京医療専門学校
入学金:300,000円
年間授業料:1,660,000円
・長生学園
入学金:1,020,000円
年間授業料:760,000円
・東洋鍼灸専門学校
入学金:700,000円
年間授業料:1,000,000円
専門学校で学ぶ内容
あん摩マッサージ指圧師の専門学校で学ぶ内容は、大きく分けて①基礎分野②専門基礎分野③専門分野の3分野です。
それぞれ詳しく解説していきます。
①基礎分野
主に初年度に学ぶ内容で、栄養学や心理学など一般教養的な内容について学びます。
学校によっては英語などの語学を学ぶ学校もあります。
②専門基礎分野
1〜2年次に学ぶことが多く、内容としては身体の構造やリハビリテーション・衛生学など医学に関する基礎的なことを学びます。
③専門分野
2〜3年次に学ぶことが多く、あん摩に関する基礎やマッサージの技術を深く学びます。
また、臨床実習として現場での実習を通してより実践的な内容を学びます。
学校を卒業した後の就職先
あん摩師の学校を卒業した後の主な就職先について解説します。
①整骨院、マッサージ院
あん摩師の就職先で一番多いのは、整骨院やマッサージ院です。
整骨院では柔道整復師とともに働いたり、マッサージ院では鍼灸師とともに働くことも多いです。
患者さんの症状を診察し、それぞれに合った手法でマッサージを行っていきます。
②医療機関
病院や診療所などの医療機関に勤めるあん摩師もいます。
リハビリテーション科や整形外科に所属することが多く、医師の指示に従ってマッサージを行います。
怪我などによって麻痺や拘縮のある患者さんに対して、施術を行うことが多いです。
③介護施設
あん摩師は機能訓練指導員として、デイサービスなどの介護施設に勤務することができます。
主な仕事内容はリハビリや体操などの指導を行うことですが、ケアマネージャーへの報告書の作成など事務的な仕事をする場合もあります。
④スポーツ関連
スポーツジムやスポーツチームでトレーナーとして活躍しているあん摩師もいます。
日々のトレーニングの助言や、マッサージによる身体のケアなどを行います。
⑤開業をする
あん摩師は、自分でマッサージ院などを開業できる開業権を持っています。
開業するためにはある程度の知識や技術が必要になるので、まずは治療院や病院などで経験を積んでから独立する人が多いです。
あん摩師に向いている人とは
コミュニケーション力のある人
あん摩師に限らず、人と接する仕事をする上でコミュニケーション力は必須となります。
特にあん摩師は患者さんと密に関わることも多く、信頼関係を築いていく力が求められます。
あん摩師は様々な職種の人と関わる機会も多いので、きちんと自分の意思や必要事項を伝えられる技術を持っている人があん摩師に向いていると言えるでしょう。
身体を動かすことが好きな人
あん摩師は自分の身体を大きく使って施術を行うことも多いので、普段から身体を動かすことが好きな人は向いていると言えるでしょう。
また、あん摩師はトレーナーとしてスポーツ業界に就職する人も多いので、スポーツの経験がある人も活躍できる仕事ではないでしょうか。
身体を動かすことが好きな人や、体力に自信のある人はあん摩師に向いていると言えます。
向上心のある人
あん摩師は、自分で治療院などを開業することができます。
将来的に自分で院を開業して経営していきたいという向上心のある人は、あん摩師の仕事に向いていると言えます。
最近ではマッサージ院や整体などの店舗も増えてきているので、競合の多い業界になります。
開業する場合あん摩師としての技術力はもちろん、集客などの経営面の知識やスキルも必要になります。
様々な分野に興味を持ち学ぶ姿勢のある人や、チャレンジ精神の旺盛な人はあん摩師として開業することに向いていると言えます。
まとめ
あん摩師になる為には、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格する必要があります。
国家試験を受験するための受験資格は、あん摩師になるための学校で学び、単位を取得することで得られます。
卒業後はマッサージ院や病院、介護施設など様々な分野の就職先があります。
人と接することが好きな人や、身体を動かすことが好きな人、向上心のある人はあん摩師に向いていると言えます。