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介護のお仕事の男女比はどのくらい?

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職種によっても男女比率は変わるものですが、介護の仕事の男女比率はどのくらいかご存じでしょうか。

これから介護の仕事に就きたいと検討している方に向けて、介護のお仕事の男女比率や、年齢構成、現場の声について解説します。

介護の仕事は看護職員や生活相談員などいろいろありますが、この記事では、介護職員と訪問介護員について着目してみました。

介護の仕事の男女比率

看護師

まずは介護の仕事の男女比率について解説します。

現在、施設などで働く介護職員の男女比率は、女性が73%、男性が23.3%で、訪問介護員として働く男女の比率は、女性が88.6%、男性が7%と、女性が圧倒的に多い傾向です。

介護の仕事は何かと力が必要なため男性が重宝される現場ではあるものの、細かい気配りなどができる面や、いざというときの精神面の強さなどもあり、現状は女性中心の現場となっています。

どうして女性の方が多いのか

介護の仕事をはじめた女性の多くが、「将来親の介護をできるようスキルを身につけたいから」「元々介護経験があったからスキルを生かせると思った」「女性が多い職場で働きたいから」などの理由で介護の仕事を選ぶ傾向にあります。

また、「介護の仕事は未経験者OKの求人数が多く、子供が大きくなってから仕事復帰するときに応募をしやすい」なども、女性の働く率が増えている理由といえるでしょう。

主婦・シングルマザーの女性が働いている率が多いため、いざという時に支え合えるのも魅力です。

女性にとって何かと融通が利きやすいことから、女性が多い職場だと考えられるでしょう。

男性職員が少ない理由

介護の現場に男性職員が少ない理由として、考えられることを挙げてみました。

介護職のお給料の安さ、同性の職員が少ないこと、訪問介護の場合は家事能力が求められる、異性介護の問題などが考えられます。

 他の仕事に比べてお給料が安い
 同性の職員が少ないのでやりにくい面がある
 家事能力なども求められることに抵抗がある
 異性に介護されるのに抵抗のある利用者が多い

施設によっては男性がほとんどなところも

もちろん、施設や職場によっては女性職員よりも、男性職員の方が多い場所もあります。

元々介護の仕事は力が必要な仕事ですので、男性を積極採用している職場も少なくありません。

男性のみ募集をかけている施設もあるほどですので、女性が多い職場が苦手という方は、そういった施設の職員に応募する手もあるでしょう。

正規職員と非正規職員の割合

ここからは、正規雇用をされている正規職員とアルバイトやパートなど、非正規職員の労働割合についてみていきましょう。

施設などで働いている正規職員は56.5%非正規職員は41.4%とそこまで差はありません。その反面、訪問介護員として働く方の割合は、正規職員が17.5%非正規職員が78.4%と圧倒的に非正規職員が多い傾向にあります。

訪問介護員の場合は施設職員と異なり、利用者の自宅に赴き決められた時間内でケアを行うことが、正規職員よりも非正規職員の雇用が多い理由といえるでしょう。

正規職員の男女比

正規職員の男女比を見てみます。介護職員の場合、男性32.6%、女性67.4%、訪問介護員は男性23.7%、女性76.3%です。いずれも女性の方が多い比率です。

介護職員 訪問介護職員
男性 32.6% 23.7%
女性 67.4% 76.3%
出典:厚生労働省「介護労働の現状」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

正規職員のメリット・デメリット

介護の正規職員のメリット・デメリットをまとめました。

メリット

 昇給がある。
 収入面で安定している。
 仕事に深くかかわれるのでやりがいを感じる。
 同じ介護業界であれば転職しやすい。
 社会保険、有給休暇、福利厚生などがしっかりしている。

デメリット

 拘束時間が長い。
 残業や転勤がある。

非正規職員の男女比

非正規職員の男女比も見てみます。

介護職員の場合、男性14%、女性86%、訪問介護員は男性4.1%、女性95.9%です。いずれも圧倒的に女性の方が多い比率です。

介護職員 訪問介護員
男性 14.0% 4.1%
女性 86.0% 95.9%

出典:厚生労働省「介護労働の現状」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

非正規職員のメリット・デメリット

介護ならではの非正規職員のメリット・デメリットです。

メリット

 ライフスタイルに合わせたシフトなので助かる。
 扶養内で働ける
 残業がないことが多い

デメリット

 賞与や退職金の制度がない
 社会保険、厚生年金、雇用保険などが適用されない。

訪問介護員は非正規職員がほとんど

訪問介護員と施設に勤務する介護職員で正規、非正規を比べてみます。

以下は厚生労働省のデータを参考にしました。訪問介護員46万人中の正規職員、非正規職員の数です。圧倒的に非正規職員の方が多いことがわかります。

正規職員 13万人
非正規職員 33万人

この数にくらべ、施設等に勤務する介護職員の方は正規職員の方が多いです。以下は介護職員122万人の正規職員、非正規職員の数です。

正規職員 89万人
非正規職員 34万人

出典:厚生労働省「介護労働の現状」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

介護の仕事の年齢構成

介護の仕事の年齢構成をご紹介します。介護職員に多い年代、訪問介護に携わる人が多い年代による男女比です。

この結果から見える介護現場の現状について考えてみましょう。

20代 30代 40代 50代 60代
男性 24,5% 34.8% 18.7% 10.7% 8.6%
女性 9.7% 17.9% 25.0% 25.6% 19.0%
介護職員 19.0% 24.0% 22,4% 19.7% 12.0%
訪問介護員 4.4% 11.5% 22.9% 27.5% 31.6%

出典:厚生労働省「介護労働の現状」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

女性は40代が多め

表を見てわかりますように、女性は40代が多いです。

この年代になると、シフトで働けるため、子供のいる女性でも働きやすいです。出産でいったん仕事をやめた人が復帰したり、新たに介護の仕事を始めたりするケースもあるのではないでしょうか。

また、家庭の事情も考えられます。離婚のために働かなくてはいけないとなると、求人の多い介護職を選ぶ女性は少なくありません。

介護はお給料が余り高くないと言われていますが、最近は少しずつ改善されつつあります。子供を抱えたシングルマザーが働きやすい職場とも言えます。

男性は20代や30代が多め

男性で見ますと、20~30代という若い世代が比較的多めです。

ここから言えることは、若い男性に介護職が広まってきているということではないでしょうか。

保育士、看護師という従来は女性が主だった仕事にも男性の増える割合が増えています。介護の現場にもその兆しは見えています。

訪問介護員は60代の労働率が多い

訪問介護員のみで見ますと、60代の労働率が多いです。

それも男性が圧倒的に少なく女性が増えています。

お風呂の介助などは、体力がいるので、若い男性の方がふさわしいように思われますが、ここで性による羞恥心なども出てきます。

身体介護となると、異性よりは少しでも年齢の近い同性の方が良いという女性は少なくありません。

逆に利用者が男性でしたら、同性の方が良いようにも思えますが、男性は女性に介護してもらうことに抵抗を感じる人は、女性ほど多くないようです。

年齢による男女比

男性が比較的若い人が多いのに比べ、女性は年齢が高いほど増えてきます。

介護の求人に年齢制限がないことが原因かもしれません。他の職業ですと、40代50代の転職は厳しいですが、介護業界に至ってはOKで、資格があれば60代でも転職可能です。

それに比べて男性は、年齢が高くなるほどに減少していくのは、介護は女性の仕事という考えの人が、上の年齢には比較的多いのかもしれません。

または、年齢が高くなればなるほどに、異性の中で仕事をしていくことに厳しさを感じる人が多いことも考えられます。

介護現場の声

介護現場の介護職員、訪問介護員の声をご紹介します。

性別、年齢別で集めてみました。介護現場でのお仕事を希望されている方は、参考になるのではないでしょうか。

男性職員の声

男性職員の声を20代30代でご紹介します。

リアルな男性職員の本音から、介護現場のあり方を考えてみたいものです。

① 20代Nさん

私は実家で祖父母と暮らしていたので、高齢者に関わる仕事をしたくて介護士になり、現在に至ります。仕事に就いた当初は、男性の少ない現場であること、お給料面では他の業種に比べて1~2割安いと言われていることが不安でした。

しかし、私の働いている施設では昇給制度があり、今後5年、10年と経験を積んでいくと年収400~500万円になると聞き、安心しました。現在は5年目なので、入った当初よりは昇級になっています。

仕事自体は大変なこともありますが、利用者の笑顔に元気をもらっています。皆さん、私のことを孫のように見てくれるのがうれしいです。

女性が多い職場で不安はありましたが、母親のような年齢の職員が多いので、息子のように接してもらえます。自分なりの目標をもって頑張れる職場です。

② 30代Oさん

この度、結婚しました。この仕事に就いたときは、家庭をもってやっていけるのか不安でしたが、10年経験を積み、年収は400万円です。

妻も同じ介護士として働いているので、夫婦合わせると年収は700万円くらいです。世間で言われているほどにお給料は悪くないと思います。

仕事は夜勤がきついのですが、高齢者のゆったりとした優しさに触れていると心が洗われます。

そんななかで、いずれは自分も通る道と思ってお世話している毎日です。今後は幹部を目指して頑張っていきたいと思います。将来的に男性の介護士が増えてほしいです。

女性職員の声

女性職員の声を40代50代60代でご紹介します。

それぞれの方は、不安もありますが、やりがいも感じているようです。現場のリアルも感じます。

① 40代Yさん

私はシングルマザーです。30代で離婚して実家の世話になって娘を育ててきましたが、両親も年老いてきたので、そろそろ経済的にも自立をしなくてはと思い、通信講座で介護の資格を取り、現場に入りました。

結婚前は事務職で働いていたので、介護現場は初めての経験です。

色々と勉強させてもらっている気持ちで頑張っています。利用者の方は親と同じ年代の方が多いので、親しみを持てました。実際に利用者さんにもよく「娘と同じくらいね。」と言われますので、温かい目で見てくれていると思います。

先輩職員で厳しい方はいらっしゃいますが、この仕事を続けていきたいので、注意されたことを繰り返さないようにメモを取っています。

そんな姿を施設長に褒められたのは、うれしかったです。まだ始めたばかりですが、娘のために何とかやっていきたいです。

② 50代Fさん

実はいったん介護の仕事を辞めたのです。30代で子どもの教育費を稼ぎたいと思ってパートから始めましたが、周囲の環境に馴染めずに辞めてコンビニでパートとして働いていました。

その仕事は、気楽で楽しかったのですが、不景気のためか店じまいになってしまい、再び介護職に復帰したのです。

この年齢での仕事探しというと、介護の仕事に限られてしまうところがあります。

前に辞めたので、トラウマはありましたが、転職サイトで前とは違うところを探しました。正直、お金がほしかったので、渋々の復帰でしたが、私が以前働いていた現場とは全然雰囲気が違いました。

今は20代、30代の若い人や男性も増えてきて、明るい雰囲気です。前の職場がこんなに風通しのよい職場だったら、やめなかったのにと思いました。

パートで週に4日働いていますが、もう少し増やしてもいいかなと感じています。親の介護の勉強にもなるので。

③ 60代Uさん

訪問介護員としてパートで働いています。

この仕事は不安定なところがデメリットです。急なキャンセルも多いから、お金にならないと感じる人は多いと思います。そのために若い人はやめてしまうんですよね。

私は仕方ないと思って続けてきました。私の場合、途中で家に帰って家事を片付けたりしながら、マイペースに働けるので、まあまあ満足です。お給料面は前のパートよりは上です。

利用者の家に自転車で行って、身体のお世話や生活のお世話をします。時には長いお話を聞くこともしばしばです。

楽しくやってはいますが、いつまで体力が持つかなと不安に思います。そのうちお世話されるようになるような気がして・・・。まあ、それまでは、頑張るつもりですが。

まとめ

介護現場の男女比は、圧倒的に女性の方が多いです。

しかし、施設によっては、男性職員が多かったり、20代や30代の比較的若い年代に男性が増えてきたりしています。

お給料の安さなども改善されつつあるので、今後は保育士や看護師のように、男性も増える傾向が見えます。

ただし、異性に身体のお世話されることに抵抗を感じる女性の利用者が少なくないことなどの課題も。

このあたりをクリアできれば、利用者を運ぶような力仕事など、男性に向いている仕事も多いので、男性職員にとっても働きやすい職場になるのではないでしょうか。

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