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「介護福祉士」ってどんな仕事?働き方や収入について

この記事は約7分で読めます。

今も昔も、『介護』という仕事は、社会において無くてはならない重要な仕事の一つです。

特に、近年は『高齢化社会』と言われる時代に突入しており、『介護』の需要は日に日に増加しています。

そして、介護の世界には実に様々な資格が存在し、『介護福祉士』もそんな介護の世界を支える重要な仕事の一つに分類されます。

  • 介護福祉士とはどんな仕事をするのか?
  • どんな場所で働くのか?
  • 収入はどのくらいのものなのか?

今回は、この介護福祉士という仕事について、色々とご紹介をしていきたいと思います。

介護福祉士ってどんな仕事?

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介護福祉士は、1987年に制定された『社会福祉及び介護福祉法』によって定められた、国家資格のことです。

数多く存在する介護資格の中で唯一の国家資格であり、高い専門知識と介護技術を有しています。

この仕事のことを端的に表現すると、以下のようになります。

・要介護者の『身体介護』『生活援助』を行う
・介護者(利用者)の家族に対して『相談』や『助言』を行う
・現場で働く介護スタッフの教育・指導を行う

上記の要介護者というのは、高齢者の方や身体・精神に障害があり自分一人の力で日常生活を送ることが困難な人のことを指しています。

そして、これは介護を必要とするレベルによって、「要支援1~2」と「要介護1~5」の7段階に分類されます。

以下で、このレベルの違いについて詳細をお話していきましょう。

要支援?要介護?認定レベルって何?

サービスを受けるためには、認定が必要となる

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まず、高齢者が介護サービスを受けるには、お住まいの市区町村から『介護保険の認定』を受けなくてはいけません。

前述でもお話した通り、認定レベルは「要支援1~2」「要介護1~5」が存在します(左から順に、症状が重くなる)。

認定レベルは、介護保険の申請をした後に、以下を通じて決定されます。

・一次判定:自治体の職員による、コミュニケーション能力の確認やヒヤリングを行う
・二次判定:『主治医意見書』という医師によって作成される書類を基に、判断する

尚、申請から認定の通知までは、約1ヶ月ほどかかります。

両者の違いは何?

『要支援』と『要介護』の最たる違いは、「日常生活上の基本的動作を自身で行うことができるかどうか」という点です。

“日常生活上の基本的動作”とは、例えば『食事・排泄・入浴・起き上がり・歩行』などが、それにあたります。

『要支援1or2』というのは、上記の基本的動作は行えるものの、若干の介助(サポート)を必要とする状態のことを言います。

加えて、要介護状態になる前の予防も行います。

そして、『要介護』というのは、基本的動作を自身のみで行うことが困難な状態であり、介助が必須となる状態です。

要介護1or2は「日常生活の部分的な介助」となりますが、
要介護3であれば「日常生活全般の全介助が必要な状態(ただし意思疎通は可能)」、
要介護4だと「全介助に加えて意思疎通も難しい状態」
そして要介護5だと「完全に寝たきりの状態」となります。

ちなみに、『要支援2』と『要介護1』は近しい状態であり、何を基準にして違いを分けているのかの判断が付きにくいと言われています。

これは、下記2つの要素で判断がされています。

  1. 状態の安定性
  2. 認知症高齢者の日常生活自立度

要介護度を決定するのは、利用者や家族ではありません(介護認定審査会という会議で話し合われる)が、参考程度に覚えておくといいかもしれません。

必ずしも介護保険サービスを受けられる訳ではない

前述でご紹介した通り、『要介護』の状態は日常的に他者の支援が必要不可欠であり、支援がない状態での生活は難しいものとなります。

そのため、介護保険サービスの利用が必須となるのは『要介護』からです。

しかし、上でご紹介したのはあくまで一例であり、要介護度を判断・決定をするのは『自治体職員』と『医師の診断』です。

例えば、身体に不自由がなく「すぐに介護や支援を必要としない」と判断された場合は、『非該当(自立)』となります。

『非該当』と判断されたら、介護保険サービスを利用することはできません。

尚、少し余談となりますが、『要支援』と『要介護』は、利用できるサービスや利用開始においての手続きの方法に違いが存在します。

「何に認定されるのか?」「どういう介護を行うのが望ましいのか?(介護保険が適用できる範囲で)」などは、ケアマネージャーに相談をしながら、状況に応じて決めていくといいかと思います。

仕事はキツイ?介護福祉士の実態について

どういうところで働くの?

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介護の仕事は、『障害者』『高齢者』に分野が分けられています。

よって、どちらの分野を担当するかによって、勤務先は大きく異なります。

障害者分野の場合は、『身体障害者施設』などの社会福祉施設で働くこととなります。

例えば、

  • 身体障害者寮護施設
  • 知的障害者施設
  • 精神障害者福祉施設
  • 重症心身障害児施設

などが挙げられます。

そして、高齢者分野の場合は、老人ホームなどの介護施設が、勤務先の中心となります。

こちらも、介護施設と一言でいっても多数の種類が存在します。

例えば、

  • 『訪問介護』
  • 『通所介護(デイサービス)』
  • 『介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)』
  • 『サービス付き高齢者住宅』
  • 『グループホーム』
  • 『小規模多機能型ホーム』

など、様々です(他にも多数存在します)。

雇用形態は何がある?

介護職の雇用形態は様々に存在します。

正社員はもちろん、契約社員/派遣社員/アルバイト・パートなど、働き方は自分の状況に合わせて選ぶことができます。

ただし、介護福祉士は国家資格なので、正社員雇用として勤務できる可能性も高いのが特徴です。

加えて『介護職員』としてだけでなく、『サービス提供責任者』としても勤務できる可能性があります。
(サービス提供責任者については、ここで話すと長くなってしまうので、別記事にてご紹介できればと思います)

勤務時間はどのくらい?

これは、勤め先によって様々です。

例えば、訪問介護などの居宅型サービスは利用者の自宅に訪問しての介助となるため、日勤であれば1日3件前後ほど訪問することが基本となります。

そして、特別養護老人ホームなどの施設型サービスの場合は、勤務先の施設内での介助となります。

どちらの場合も、『日勤』と『夜勤』の勤務シフトが存在します。

訪問介護の場合は施設によりけりですが、施設型サービスの場合は24時間の介護サービスが提供されていることがほとんどです。

訪問介護の夜勤が無い勤務先の場合、勤務時間は『9時~17時(多少の前後あり)』が基本となります。

そして、夜勤ありの勤務先の場合は、『日勤と夜勤を織り交ぜた24時間のシフト制』がベースとなります。

ただし、勤務先や雇用形態によっては『日勤のみ』や『夜勤専従』など、仕事時間を選べる場合もあります。

休日はどのくらいある?

介護の仕事は、『シフト制』で、スタッフが交代で休みを取ることがほとんどです。

その理由は、「利用者の多くが、365日常に介護サービスを必要としている」ためです。

特に施設型サービスの場合はこれが顕著であり、介護福祉士も決まった休日が取れることは少ないとされています。

ただし、勤務先によっては固定の曜日が休みになる場合も(少なからず)存在します。

また、訪問介護(居宅型サービス)の場合は、勤務先によっては『土日休み』となることもあります。

尚、上記の例は『正社員』として勤務する場合の話です。

例えば、アルバイト・パートなどの場合は、シフト制であることに変わりがなかったとしても「週〇日、1日〇時間~OK」など、勤務時間や休日をある程度コントロールすることも可能です。

これは勤め先によって様々に変化するので、自分の働き方のスタイルに合わせて、勤務先・雇用形態を選択していくといいかと思います。

アルバイト・パートの場合は、時間の融通が利く場合がある

『介護』という仕事は、現状人手が足りておらず、多くの施設で求人募集がかかっています。

上記でも記載した通り『正社員以外』の雇用形態の場合、「週〇日、1日〇時間~OK」など、勤務時間や休日をある程度コントロールすることが可能となる職場が多いのも特徴の一つです。

例えば、「結婚・子育てで一度は退職したけれど、多少子育てにも余裕ができてきたので、空いた時間を(資格を活用して)仕事にあてたい」という理由が挙げられます。

もちろん、全てが自分の希望通りといかない場合もありますが、『自分の状況に合わせて働き方を選べる』というのは、介護の仕事を行う上での利点の一つと言えるかもしれません。

給与はどのくらい?

結論から言うと、『介護の仕事は収入が低水準』というのが現状ではあります。

もちろん、勤務先・役職・雇用形態によって収入は変動しますが、一般的には以下が基準となります。

・月給(手取り):15~17万円
・年収:250万~400万円

実際に勤務している人からは「仕事量(仕事内容)と、給与が見合っていない」と言われることも多く、ここに納得がいかずに離職をする人も多いのが現状です。

ただし、全てが上記に当てはまる訳ではありません。

介護の事業所は、『社会福祉法人』『医療法人』『民間の会社』など、多様に存在します。

中には、給与体系がしっかりしているところもあれば、期末手当や福利厚生が充実しているところもあります。

後は、国家資格である『介護福祉士』を所持しているという点から、資格手当が支給されるところもあったり、無資格の人に比べて給与が優遇されている場合などもあります。

「給与水準が高い」……とは決して言える環境でないことは確かですが、資格を所持している分、『未経験者』や『無資格者』に比べて、給与面はある程度確保されている可能性がある……と言えるかもしれません。
(もちろん、勤務先によりけりではありますが……)

介護の仕事って大変なの……?

実際に、不満の声は大きい……

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残念ながら、仕事に不満を持って退職する人が一定数いるというのは事実です。

その理由として挙げられるのは、以下があります。

①仕事量(仕事内容)と給与が見合っていない
②職場の人間関係

①に関しては、やはり不満の声が多く挙がっているのが現状です。

『不規則な勤務時間』で在るが故に、どうしても体力的にハードな仕事となりますが……それに見合った収入とは言い難いのです。

そして②の人間関係の問題です。

介護という仕事は、社内の人間関係はもちろんのこと、利用者や利用者の家族など、数多くの人々と接する機会があります。

  • そもそもの気が合わない人との関わり
  • 上下関係の厳しさ
  • 利用者や、その家族の理解が得られない

など、人間関係に悩みを持って退職する人というのも、現実問題として挙がっているのです。

残念ながら、介護の仕事いうのは、目に見えた達成感を感じることは中々ありません。

『介護=日常生活のサポート』だからです。

極端な話、営業マンのように「努力した成果が数字として表れる」という訳ではありません。

また、要介護度の高い利用者の場合、認知症が進んでいる人や意思疎通が困難な人の場合もあります。

利用者のご家族の理解が、中々に得られない場合もあります。

そういった時に、「苦労しても報われることはないのでは……」と感じてしまう人も、実際にいるのが現状なのです。

離職率について

上記のことから、介護の世界に入ったものの、早期退職する人が多いというのも、問題点の一つとして挙げられることがあります。

例えば、『平成29年度 介護労働実態調査』の結果によれば、介護の離職率は『16.2%』であり、5~6人に1人が離職しています。

勤続年数で見た場合、

・1年未満:38.8%
・1年以上3年未満:26.4%
・合計:65.2%

という結果になっているのです。

もちろん、長く勤めている人も存在する

ここで一つ付け加えておくと、あくまで早期退職者が他職種と比べて高いだけであり、長く勤めている人がいないという訳ではないということです。

「介護の仕事にやりがいを感じて仕事を続けている」という人だってもちろんいます。

それに、離職=悪いイメージばかりでもありません。

介護の仕事を通じて、別の福祉業界の道に転職する人だっています。

介護業界の現状を考慮して、介護福祉士の待遇を国が後押しする動きも見られますし、今後『超高齢化社会』が必ず訪れる日本にとって、介護業界のあり方(給与や待遇面など)も改善される可能性は十分考えられます。

現状は「介護の世界は厳しい……」と感じることが多い場面もあるかもしれませんが、仕事の需要は確かに存在します。

今後、給与・待遇面などが改善されてくれば、介護福祉士および介護に携わる人にとって、働きやすい環境が整ってくる……と言えるかもしれません。

まとめ

ここまででお話してきた通り、現状は……『介護職=厳しい仕事』と言わざるを得ない環境ではあります。

ただし、現状の不満・不安は多くの介護に従事している人が述べている通りであり、それは大きな社会問題にも発展しています。

だからこそ、国として改善に向けての動きがあることも事実なのです。

そして、『超高齢化社会』に突入する日本にとって、介護の仕事は益々必要不可欠なものとなっていきます。

というのも、日本は急速に高齢化社会が進んでおり、核家族増加および生涯独身率が高まっていることから、以前のように『家族間だけでの介護を行う』ということが、どんどん難しくなっているからです。

今後、『介護職』という仕事そのものが大きく変化する時代が訪れる可能性はあるかもしれません。

だからこそ、それに向けて、資格を所持しておく意味合いは大きくなるかもしれないのです。

冒頭でもお伝えした通り、『介護福祉士』は、現状の介護資格における唯一の国家資格です。

国家資格を所持している分、給与面もそうですが、何より『就職先が見つけやすい』というメリットは確かに存在します。

今後、この資格を所持しているかどうかで、さらに就職・待遇面で有利になる時代が訪れるかもしれません。

その先々を見据えて、今から介護の世界・介護の資格を取得しておくのも、良いのかもしれません。

時代は、常に変化・進化を続けています。

先見性を持って様々なことにチャレンジしていくのも、自身の将来にとってプラスに働いていくのかもしれません。

介護福祉士の仕事については以上となりますが、『介護福祉士の資格の取り方』および『サービス管理責任者』については、改めて別の記事にてご紹介していこうと思います。

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