医療や介護関係のお仕事についてもっと知りたい。
体を使うお仕事を知りたいんだけど、どんな仕事があるのかわからない。
そんな方に今回は作業療法士のお仕事を紹介したいと思います。
作業療法士と聞き、一体どのようなお仕事なのかわからない方もいると思います。
また、興味があった方もこの記事を読んでいただければ
作業療法士の魅力やどんなお仕事なのかを理解することができます。
作業療法士は幅広い分野で活躍しとても魅力的なお仕事です。
一体どんなお仕事なのか、どんな場所で働くのか、
今回はこれらの点について詳しくお話していきたいと思います。
お給料や作業療法士のなり方については別の記事で説明していますので
ぜひそちらも合わせてチェックしてください。
作業療法士ってどういう仕事なの?
作業療法士とはリハビリテーション業界のプロフェッショナルです。
人の生きがいをサポートするプロフェッショナルとも言われています。
基本的な身体能力、応用能力、そして社会適応能力
この3つの能力を回復させることに力を入れています。
そして、それぞれの怪我の状況に合わせた「作業」を行います。
その「作業」を通し、自立した暮らしができるように支えていきます。
それだけではなく作業療法士は患者様の「心」のサポートも行います。
まさに「心」と「体」のプロフェッショナルです。
また、作業療法士のことを英語では「Occupational Therapist」と言い、
「OT」と略して呼ぶことがあるので覚えておきましょう。
詳しい仕事内容
まず作業療法士は人間の能力を3種類に大きく分けます。
- 基本動作能力
- 応用動作能力
- 社会適応能力
一つづつ説明していきます。
基本的動作能力
人間が生きていく上で必要不可欠となる動作です。
立ち上がったり、歩いたり、寝返りを打ったりという基本的な能力です。
応用動作能力
体の基本的な動きを使った作業です。
料理を作ったり、トイレに行ったり、裁縫をするといった動作に使う能力です。
社会適応能力
一人で暮らしていくために必要となる作業です。
コミュニケーションを取り、仕事に近い環境を用意したり、外出したりする能力です。
基本的動作能力は生きてく上での基本中の基本になります。
まずはこの基本をしっかりと回復させ、そこから徐々に応用動作に入ります。
応用動作では、先ほど訓練した基本動作を使って、さらに日常生活に近づけた作業をしていきます。
そして最後の社会適応能力では人と関わる機会を増やす、外に出るなど、自立した生活に近い環境
を提供します。
3つの作業時期
それぞれの状況によって以下の3つの期間に分けて治療を行います。
- 急性期の作業療法
- 回復期の作業療法
- 生活期の作業療法
一つづつどのようなものか説明していきます。
急性期の作業療法
早期段階でのリハビリテーションになります。
動作の基本能力の回復に集中します。
怪我をしてしまったばかりの患者様は落ち込んでいることも少なくありません。
作業療法士の腕の見せ所になります。
回復期の作業療法
患者様の状況が安定し始め、体をよく動かす時期になります。
外に出てみたり、料理を作ってみたりと、自立した生活に
繋がるように仕向けていきます。
徐々に患者様が明るくなり、前向きに行動し始める時期です。
生活期の作業療法
共同作業や自立した暮らしに向けて援助を行います。
地域での活動や、仕事をする場所に非常に近い環境でリハビリなどを行います。
治療の最終段階です。
身体面だけではない精神面のサポート
体だけではなく、心にダメージを負っていることは少なくありません。
中にはうつ病や統合失調症の方などの心の病に罹っている方もいます。
人と関わることを嫌がっている方もいます。
人との繋がりに楽しさを見出したり、不安を減らしたりするため、軽い運動や、
コミュニティ作りをして、少しづつ人との距離を近づけていきます。
作業療法士は身体的に問題がなくなれば終わりというわけではなく身体面、精神面
その両方でのサポートをします。
作業療法士と理学療法士の違い
2つの職業は一見似ているように思えますが役割が異なります。
そちらもリハビリテーションの業界には必要になるお仕事。
その違いをここでは説明いたします。
理学療法士について
理学療法士とは基本動作能力を扱います。先ほど説明した通り、基本動作能力とは
立つ、歩く、寝返りを打つなどの基本中の基本の動作になります。
腕や足を動かす訓練をしたり、筋肉の麻痺を治療します。
また、運動治療だけではなく、物理療法という熱や電気を使って筋肉を物理的に刺激する
治療も行います。
筋肉や体の動きにとても詳しいのが理学療法士の特徴です。
理学療法士との違いは?
作業療法士は精神面と肉体面、その両方を支え、生きがいをサポートします。
理学療法士は体の運動機能、基礎機能を専門にサポートします。
医療業界だけでなくスポーツ業界からも期待されている職業です。
理学療法士が体の基本的な動作などの治療を行うのに対して、
作業療法士はそれらを利用した動き(料理を作ったり、仕事をしたり)を行います。
2つの仕事は似ているようで違う仕事です。
身体のサポートをするという意味では同じですが、働く現場や治療方法が異なるので
間違わないように注意しましょう。
身体面だけではなく精神面のサポートやコミュニケーションの部分をサポートするのは
理学療法士との1番の違いと言えます。
作業療法士はどこで働いてるの?
作業療法士の需要はとても多い
- 総合病院や一般病院
- リハビリテーション病院
- 児童養護施設
- 特別支援学校
- 地方自治体
- 老人保健施設
など
多くの現場で活躍し、高齢者から子どもまで幅広い年齢層の患者様を支援します。
多くの場合は、医療、介護、福祉施設での勤務担当になりますが、
精神面でのサポートに特化し、精神科病院で働く作業療法士もいます。
さらに現在作業療法士のお仕事は国内だけには留まらず、海外ボランティアや青年海外協力隊
として発展途上国で活動するなど、その活動領域は海外にまで広がっており、国内国外問わず、
多くの現場から必要とされています。
また、病院や施設で働くという道以外にも、独立開業する方もいます。
実際に自分で会社を立ち上げている作業療法士もたくさんいます。
今後もリハビリテーションの専門知識を活かして、独立する方は増えていくでしょう。
自分次第で、施設や病院という場所だけではなく海外から独立など、
多くの道を選択できるのも作業療法士の魅力です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
作業療法士はたくさんの現場で必要とされています。
人を喜ばせたり、助けることがるのが好きな方にとっては
これほどピッタリなお仕事はないのではないでしょうか。
また、将来海外で働きたいと考えている方も、自分次第でその可能性は充分にあるので
作業療法士として働くことを視野に入れてみるのはいかがでしょうか?
高齢化社会が進んでいるだけではなく、コロナウィルスの影響によって
さらに少子化が進むとも言われております。
そのような中、さらに医療や介護の需要は進んでいくのではないでしょうか。
このお仕事が無くなることはなさそうですが、作業療法士の人数の増加は進んでいるので
作業療法士になって何がしたいのかを明確にすることが大事になっていくと思います。
それでも様々な場面での需要があり、国家資格を必要とする職業なので
安定して働くことができそうです。
興味のある方は作業療法士として働いてみるのはいかがでしょうか?