肌の「ターンオーバー」という言葉の意味をご存じでしょうか。
肌のターンオーバーは、健康で美しい肌を作る上で非常に重要な作用の一つです。
しかし現代は肌のターンオーバーが乱れがちな人も増加傾向にあります。
肌のターンオーバーとはなにか?
なぜ、乱れるのか?
今回は、肌の健康を守るために、「ターンオーバー」について詳しくご紹介をしていきたと思います。
「ターンオーバー」ってなに?
概要
まずは、「ターンオーバーとはなにか?」という点からご紹介したいと思います。
人間の肌というのは、一定のサイクルで新しく生まれ変わっています。
この“肌の代謝のしくみ”のことを、「ターンオーバー」というのです。
ちなみに、「肌」……というより「皮膚」は、以下の3つが重なってできています。
◆「真皮」
◆「皮下組織」
今回ご紹介している「ターンオーバー」は、肌の一番外側にある「表皮」で起こっているのです。
“仕組み”について
上記でご紹介した「表皮」は、肌の外側から順番に、以下の4つの層に分けられることとなります。
●「顆粒層」
●「有棘層」
●「基底層」
そして「基底層」(表皮の一番内側にある)でつくられた細胞が分裂して新しい細胞を作り、少しずつ形を変えながら肌の外側の層に向かって押し上げられていきます。
最終的に、「角層」(表皮の一番外側)まで到達した細胞が、”垢”となって剥がれ落ちることで、表皮の細胞が生まれ変わる……これが、ターンオーバーの仕組みとなります。
ちなみに、“健康な肌”の場合は、このターンオーバーは“約6週間”で起こると言われています。
◆舌の層から上へ上へと押し上げられ、表面の肌へと成長する←約4週間ほど
◆上記から約2週間後に、一番外側から垢となって剥がれ落ちていく←約6週間ほど
流れとしては、上記のようになります。
尚、上記でご紹介した「周期=約6週間」というのは、20代での話です。
ターンオーバーの速さは人それぞれであり、肌の状態や年齢によって変わるのです。
年代別の周期の目安としては、以下が挙げられます。
●20代 約28日
●30代 約40日
●40代 約55日
●50代 約75日
●60代 約100日
あくまで目安ではありますが、上記を参考にしてもらえると分かりやすいかと思います。
周期の乱れが起こすデメリットとは?
現代は、上記でご紹介した“ターンオーバーの周期が乱れている人”が増加傾向にあります。
その理由は後述でご紹介しますが、先にこの「周期が乱れることで起こるデメリット」について、ご紹介したいと思います。
結論、以下のような「肌の健康状態が悪化」することとなります。
◆肌の張り
◆肌の弾力
◆肌のシミ
◆肌の凹凸
◆毛穴の開き
◆ニキビや吹き出物 など
要するに、“肌トラブルの原因”となり得るのです。
なぜそうなるのかというと、「周期が遅い=古い細胞が肌に長く残り続けてしまう」からです。
古い細胞ばかりが残り続けると、細胞同士のつながりが弱くなってしまい、バリア機能が低下してしまいます。
そうなると、外的環境からのダメージ(紫外線・ホコリ・乾燥など)を防ぐ手段がどんどんなくなってしまい、結果として肌のトラブルを引き起こす原因となってしまうのです。
尚、“周期が乱れる=遅くても・早くても肌の健康に良くない”ということになります。
“遅い”と古い細胞が肌に長く残り続けてしまい、さまざまなダメージを防げなくなってしまいます。
逆に”早すぎる”と、不完全で刺激を受けやすい細胞が、その弱い状態のままで生み出されてしまうため、結果としてさまざまなダメージを受ける原因となってしまい、こちらも肌のトラブルを引き起こす要因となってしまうのです。
なぜ、ターンオーバーの周期が乱れてしまうのか?
原因その1.生活習慣やライフスタイルの乱れ
結論から言うと、要因は以下のようにさまざまです。
◆無理なダイエット
◆ストレス
◆食生活の乱れ(野菜不足・脂肪分過多)
◆疲労
◆冷え性
◆タバコ
◆就寝前の飲食・飲酒
◆過量のアルコール
◆便秘
◆運動不足 など
要するに、「毎日の生活習慣」や「ライフスタイル」と密接な関係があると言えます。
現代の人々は、この生活習慣が乱れている人が多く、お肌のトラブルにも発展しやすいのです。
“生活習慣を整える=健康的な毎日を過ごす”ことにもつながり、お肌のキレイを保つためにもとても重要となるのです。
生活習慣のすべてを正せるかどうかは人それぞれにもよりますが、できるだけ規則正しい・健康的な毎日が送れるように意識してみてください。
原因その2.間違ったスキンケア
代表的なものを挙げると、以下でしょうか。
◆洗浄力が強すぎる洗顔やクレンジングを使っている
◆ピーリング・ゴマージュ(※)をし過ぎている
(※)ピーリング・ゴマージュ:不要な角質を落とすスキンケアのこと
結論、なにごとも“やらなさ過ぎ・やり過ぎ”はいけないということです。
洗顔やクレンジングが不足していると、角質が定着し、毛穴の黒ずみの原因になってしまいます。
逆に、洗顔・クレンジング・ピーリング・ゴマージュなどをやり過ぎると、返って肌を刺激し過ぎることになり、ターンオーバーのサイクルが早まったり・必要な角質まで落としてしまいかねません。
場合によっては、刺激によって炎症が起こり、色素沈着が進んでしまう原因にもなってしまいます。
ただ、“適度が一番良い”とはいえ、この”適度の度合い”は人によって異なります。
この点は、いろいろ試してみながら、自分にあった方法を模索するのが良いかと思われます。
原因その3.乾燥や紫外線
最後は、「乾燥」や「紫外線」などの外部からの刺激です。
◆紫外線を浴びる
これも、立派な外部刺激となるのです。
「乾燥」による刺激は、水分不足を引き起こし、ターンオーバーの遅れの原因となります。
そして「紫外線」は、肌の炎症を起こす原因となります。
「肌の炎症が起こる=次のダメージに備え”メラニン”を生成する」こととなります。
(これが色素沈着したものが、いわゆる「日焼け」の状態である)
紫外線のダメージを長く浴び続けると、過度なメラニンを生成することとなるため、「シミ」の原因となってしまうのです。
極力、お肌の乾燥防止や紫外線防止の対策が取れるように、工夫をしてみてください。
まとめ
以上が、「ターンオーバー」の仕組みと原因のご紹介となります。
原因としてもっとも多いのは、「生活習慣の乱れ」です。
特に現代はストレス社会であり、ストレス+不規則な睡眠が多い現代人にとって、これをどうやって解決するかがカギとなってくるのではないでしょうか。
また、他にも「不適切なスキンケア」や「紫外線・乾燥」なども原因に挙げられます。
そのため、「ターンオーバーを規則的な周期にしたい!」というのであれば、上記で挙げたすべてを徹底的に意識する必要があると言えます。
例えば、どんな高いスキンケアを意識したとしても、生活習慣が悪ければ元も子もありません。
逆に、どんなに生活習慣を改善しようと、スキンケアが不足or過剰過ぎても、お肌に周期の乱れを引き起こす原因となってしまいます。
もちろん、乾燥や紫外線もお肌の天敵です。
すべてに意識を向けて、徹底的に対策を施す……。これは、正直にいうとかなり厳しいかとは思います。
そのため、まずはできる範囲のことから、対策を講じてみることをオススメします。
そして、徐々に対策できる範囲を増やしていけば、体への負荷(=ストレス)も少なくて済むのではないかと思います。
まずは、自分のお肌の状態をチェックし「何が足りないのか?」を考えてみてください。
そのうえで、少しずつ対策を講じつつ、徐々にできることを増やしてみてください。
そうすれば、知らず知らずのうちにターンオーバーの周期の乱れも低減されていき、お肌のトラブルも少なくなってくるはずです。
少しずつでいいので、まずはいろいろ実践してみてください。