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助産師って働きやすい?雇用形態の種類・給与・勤務時間や将来性についても徹底解説!

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妊産婦さんや生まれたての赤ちゃんなどの、心身のサポートを行う「助産師」

これまで助産師に関する様々な記事を公開してきましたが、今回は「助産師の働き方や将来性」について詳しくご紹介をしていきたいと思います。

尚、これまでに公開してきた助産師に関する記事は、以下にリンクを貼っておきますので、よろしければそちらもご覧ください。

≪助産師という職業について≫

≪助産師のなり方について≫

≪助産師に求められる適正や、向き・不向きについて≫

助産師の”働き方”について


まずは、助産師の”働き方”について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

ただし、助産師の勤務先は「病院の産婦人科」「マタニティクリニック」「助産所」など、実に多くの勤務先があるため、全てが以下で紹介するものに当てはまっている訳ではありません。

あくまでも、参考程度にご覧いただけると幸いです。

募集している「雇用形態」は?

助産師という仕事は、“母子の健康を支え・命を預かる仕事”であることから、業務に対する責任は非常に大きなものとなっています。

それもあってか、助産師の求人募集を見ると「正職員」が多くを占めているように思います。

パートやアルバイトでの求人はあまり目にすることはなく、仮にあったとしても“非常勤”であったり、“夜勤専門”など、少し特殊な求人募集であることが多いようです。

さらに、助産師になるには「看護師」「助産師」の2つの国家資格を必要とし、どんな雇用形態であったとしても、“資格は必須”となります。

また、助産師としての実務は“未経験”でも募集が掛かることはありますが、“看護師の実務経験が求められる”傾向は強いかと思います。

この理由は、「看護師としての経験がある=医療現場の多忙さや様々な事情が理解できるから」が挙げられます。

◆「正社員」の募集が多い
◆「2つの国家資格」を必要とする
◆「看護師の経験が求められる」傾向がある

このことから、助産師になるためのハードルは他職種に比べて高いと言えるでしょう。

「生活リズムが不規則になりがち」って本当なの?

助産師や看護師の仕事は、「生活リズムが不規則になりがち」と言われています。

その最大の理由は“夜勤”にあります。

妊産婦さんや生まれたての赤ちゃんは非常に繊細(デリケート)で、いつ体調が急変するかも分かりません。

そのため病院や助産所などは、基本的に24時間365日体制で運営されています。

こういう施設は「交代制」を取り入れており、「2交代制」もしくは「3交代制」でシフトを回しているところがほとんどとなります。

※交代制については、以下の記事をご覧ください※

簡単に説明すると、以下のようなシフトで現場を回していくこととなるのです。

【2交代制】
◆「日勤(昼間の仕事)」
◆「夜勤(夕方から翌朝までの仕事)」

【3交代制】
◆「日勤(昼間の仕事)」
◆「準夜勤(夕方から真夜中の仕事)」
◆「夜勤(真夜中から明朝までの仕事)」

特に正職員で働く人は、“夜勤は(交代制)は必須”といっても差し支えありません。

勤務する時間帯が日によって大きく異なることから、「生活リズムが不規則になりがち」と言われるのです。

また、お産が発生する時間帯はいつになるか……ある程度の予想はできても“絶対”はありません。

陣痛など、真夜中に妊婦さんの様態が急変することだって十分あり得ます。

そのため、医師・助産師・看護師は、例えお休みであっても緊急時に出勤を求められることもあります。
(特に、規模の小さなクリニックや助産所ではよくある話です)

事業所によっては、「オンコール勤務」を勤務形態として取り入れているところもあります。

(勤務先によっては)休みの日でもいつ連絡が入るか分からないため、気が休まる時がなく、心身ともに疲れ果ててしまう方もいる……と言われているのです。

ただし、「交代制」「オンコール勤務」がデメリットばかりか?と言われると、そんなこともありません。

理由は、後述で紹介する“給与”に大きく影響してくるからです。

「夜勤手当」「オンコール手当(出勤時には別途手当も)」が支給されることから、正職員はもちろん、人によっては“夜勤専従(パート)”で勤務して高収入を得ている人もいます。

この点は、人によって向き・不向き(合う・合わない)があるかと思います。

特に2交代制であれば、夜勤の勤務時間は(長い時で)16時間ほどもあるので、体力的にはかなりハードです。
(もちろん、その分休憩や仮眠時間も多く設けられてはいますが)

パートで働く場合は多少時間の融通が利く可能性もありますが、正職員で勤務する場合は「生活リズムを整える工夫をする」ことは意識しておいた方がいいかもしれません。

助産師の「給料」について

給料は”高水準”であることが多い


まず結論からお伝えすると、「助産師の給与は高額である」と言えます。

ボリュームゾーン的には、以下が目安と言われています。

◆年収:350万円~450万円
◆月給:250,000円~350,000円

※ここから税金や保険代などが引かれるため、手取りは上記よりも下がります※

もちろん勤務する事業所にもよりけりではありますが、同じ医療系の資格職である「看護師」よりも、多少高水準とされています。

この理由は、「”助産師”という、専門的な知識と経験が必要とされるから」です。

そもそも、助産師になるためには「看護師資格」「助産師資格」の2つの国家資格を必要とします。

両方の資格を合わせて取得するにせよ、それぞれ個別で取得するにせよ、専門の学校に通って勉強をしなければいけないため、職に就く(資格取得)までに看護師以上の時間と労力を要するのです。

さらに冒頭でもお伝えしたように“母子の命を預かる仕事”であることから、業務に対する責任は重大なものとなります。

加えて、前項で説明した「夜勤」「オンコール手当」なども発生する可能性が高いことから、比較的高額な給与となっている医院が多いのです。

ちなみに正職員の給与も高額ではありますが、夜勤専従のパートや派遣勤務の場合も、給与が高額になります。
(上手くいけば、正職員以上に時間に融通を利かせ、高額な収入を得られる可能性もある)

また、助産所を独立・開業して働く道もあり、経営者として運営すれば、さらなる収入の増加も見込める可能性があります。

ただし、要注意点としては、「どんな雇用形態であろうとも、”専門職”として相応の知識や経験が求められる」こととなります。

「パートだから」「派遣だから」は通用しません。

給与が高額であることには、必ず相応の理由があるのです。

その点だけは意識しておいた方がいいかと思います。

福利厚生もしっかりしている

どの雇用形態であっても、「助産師の福利厚生は充実している」のも特徴の一つに挙げられるかと思います。
(もちろん勤務先によりけりではあります)

昇給や社会保険完備はもちろんのこと、賞与(ボーナス)や各種手当(通勤・住宅・資格・時間外勤務)も用意されているところが多いです。

特に、総合病院や大学病院などの規模の大きな施設であればならさらです。

さらに、病院によっては宿舎や寮が利用できたり、深夜勤務の際にタクシー代が全額支給されたりするところもあります。

ただし、個人経営のクリニックなどは、福利厚生の内容がクリニックによって異なる場合がある点は要注意です。

もし「助産師の仕事を探している」という人がいらっしゃれば、求人募集を確認する際に、給与や福利厚生などの項目をしっかり確認しておくことをオススメします。
(もちろん、企業規模や勤務時間・休日なども)

そして、不明な点があれば必ず問い合わせや面接の際に質問するようにしましょう。

分からないままにしておくと、いざ勤務を開始してから「思っていたのと違う……」ということにもなりかねませんので……。

助産師の「現状」と「将来性」について


最後に、助産師の「現状」「将来性」について、お話をしておきたいと思います。

現状、助産師の数は”不足”している

以前に「助産師のなり方」についての記事にて“受験者数”“合格者数”の数字をご紹介しましたが、助産師の資格取得者は年々増加傾向にはあると言えます。

ただし、それでも“助産師は不足している状態”です。

助産師不足に陥っている大きな原因は、以下の2つが挙げられます。

①過重労働により、早期で退職してしまう人が多いから
②結婚・出産を機に離職する人がいるから

①については、前項でお話した通りです。

特に正職員で勤務している人は生活リズムが狂いがちであり、長時間勤務にもなりやすいため、ハードワークに耐え切れずに早期退職してしまう人が非常に多いのです。

そして②ですが、そもそも日本では助産師は“女性しか職に就けない”という法律が存在します。

そのため、結婚・妊娠・出産・育児のタイミングで離職する人……もしくはフルタイム勤務をやめる人も多いと言われています。

これらのことが原因で、十分な人員が揃わない職場もあるのが現状となっているのです。

将来性は……ある?ない?

結論から言うと、「人間という種が存在し続ける限り、これからも必要とされる職業である」と言えます。

確かに、現在の日本は少子化が進んでおり、昔に比べてお産の件数は大きく減少しています。

しかし、人間がいる限り、「分娩」「出産」というニーズ自体がなくなることは絶対にないため、将来的に「助産師の仕事がなくなる」ということもあり得ません。

加えて、現在は様々な業種で「機械化」が進んでいます。

しかし、助産師の仕事は「妊産婦さんや赤ちゃんの健康を気遣い、出産のサポートをする」ということから、業務の全てが機械にとって代わられることは絶対にありません。

人の細やかな感情の変化に気付けるのは、あくまで“人”だけです。

助産師の数はまだまだ不足しているので、将来性のことも含めると“これから助産師を目指す人にも十分職に就けるチャンスがある”と言えるのではないでしょうか。

今後「助産師に求められるもの」とは?

近年、助産師に求められるものが増加傾向にあります。

その理由は、以下が挙げられます。

①晩婚化に伴う”高齢出産”の数が増加している
②自然な形での”お産”を望む声が増えている
③不妊治療を利用する人も増えている

つまり、状況に応じて臨機応変に対応できるだけの“知識”“経験”を備えた助産師のニーズが増加しているのです。

また、最近の助産所などは妊産婦さんや赤ちゃんに対して、多様なサービスを提供する施設も増加傾向にあります。

そのため、助産師資格だけでなく、「マタニティヨガ」「アロマカウンセラー」「ベビーマッサージ」などの民間資格を取得して、多様なサービスに対応できる人材が求められる傾向にもあるのです。

助産師に求められるものは時代とともに変化し続けているため、助産師として仕事に就いている人はしっかりと情報収集して、時代のニーズを先取りしていく先見性を持たなくてはいけないのかもしれません。

まとめ ~助産師を目指す方へ~

ここまでにお伝えした通り、助産師の数は不足していることから、転職・求人サイトでも助産師の募集は比較的多く目にすることかと思います。

助産師を目指す人として多いケースは、看護師から助産師へのステップアップかと思います。
(もちろん、異業種から助産師を目指すためにイチから勉強をはじめる人もいらっしゃいます)

異業種からの転職にしろ、看護師からステップアップにしろ、「いずれも助産師になるための専門的な勉強が必要となる=学校に通い国家資格を取得する必要がある」ということになります。

そのため、お金と時間の両方に、ある程度の余裕を持っておくことが重要です。

「助産師の仕事に就いてみたい!」と感じたら、まずは情報収集をして助産師という仕事がどんなものかを知ってみてください。

そして、助産師になるために「どんな学校に通い」「どれだけの学費を必要とし」「どれだけの時間(期間)を要するのか」を明確にし、“助産師になるための行動計画”を立ててみてください。

その上で、「助産師として働きたい」と考えるのであれば、夢に向かってその一歩を踏み出してみてください。

近年では、より自然な形での「お産」を望む人も増えており、しっかりとした経験を積んだベテラン助産師は、独立し自分の助産所を開業するケースもあります。

そうなると、上手くいけば非常に高額な収入を得ることも夢ではありません(もちろん相応の努力が必要ですが)。

助産師は、様々な境遇の妊産婦さんと関わることから、ただ“助産師としての専門知識と技術があれば良い”という訳でもありません。

異業種からの転職であっても、「コミュニケーション能力」という点で、これまでに培ってきた社会人経験が生かせる場面も多々存在します。

女性であれば、どんな人でも助産師として働ける可能性があり、将来性も抜群です。

また、人によっては高額な収入を得ることもできる可能性があるため、夢のある仕事と言えなくもありません。

関心がある方は、是非知見を広げてその一歩を踏み出してみてください。

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