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「ストレス」とはなにか?原因や症状、ストレスとの向き合い方について解説します!

この記事は約11分で読めます。

現代社会は“ストレス社会”とも呼ばれており、日々の生活のさまざまなことからストレスを感じるようになっています。

少し時間を置いたり・リフレッシュすることで忘れてしまえるようなストレスならさほど問題はないのですが、場合によっては長期化・悪化してしまい「うつ病」「神経症」「心身症」などを発症してしまう恐れがあります。

ストレスを長く放置しておくと、“心の健康”だけでなく“体の健康”も害される可能性があるのです。

ストレスの原因とはなにか。

ストレスが溜まると、どんな症状を引き起こすのか。

そして、「どうやったらストレスとうまく向き合えるのか?」

今回は、こういった点に焦点を当てて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「ストレス」とはなんなのか?

概要


ストレスという言葉は、元々は機械工学の用語であり「物体のひずんだ状態」を意味しています。

そして、普段の生活の中で感じる医学用語としてのストレスの意味は、「外部からの刺激によって生体内に生じる歪みの状態」を指しています。

ただし、人の身体には、環境の変化に対応し、生体内の環境を一定に維持させるためのシステムが備わっています。

これを「ホメオスタシス(生体恒常性)」といいます。

例えば、「暑いから汗をかく(外気温の変化に伴って上昇する体温を下げる)」→「汗をかくと喉が渇く(適切な水分量を維持する)」という一連の行動も、ホメオスタシスの働きによるものなのです。

本来であれば、どのような環境下でも生体内はホメオスタシスによって一定に保たれるのですが、この生体内のバランスが崩れた状態……このことを「ストレス状態」というのです。

尚、一般に使用されるストレスには、以下2つの意味合いが含まれています。

◆「ストレス反応」:外からの刺激に対する身体の反応のこと
◆「ストレッサー」:ストレスの原因となるもののこと

ストレスの原因は人それぞれである

ストレスの原因(=ストレッサー)は、以下の4つに大別できます。

①物理的ストレッサー(高温や低温、湿度、騒音や振動など)
②化学的ストレッサー(酸素の欠乏、薬害、栄養の不足など)
③生物的ストレッサー(病原菌などの病気や睡眠不足など)
④精神的ストレッサー(人間関係や、精神的な苦痛など)

多くの人に共通しているストレッサーといえば、「精神的ストレッサー=人間関係」だと思います。

ただし、ストレスの原因は人によって大きく異なります。

影響を受ける度合いも、その人ごとの状況(環境・体調・精神状態など)によって変わります。

もし「ストレスを感じているな……」と思ったら、「どのようなストレッサーに強く影響を受けているのか?」を把握することから始めてみて下さい。

その上で、改善できる方法を探っていきましょう。

ストレスは人の身体にどんな影響を与えるのか?

ストレスは、「心」だけでなく「身体」「感情」「行動」にも影響を及ぼします。

どんな影響を受けるかも人によってさまざまですが、以下にて一例をご紹介しておきます。

≪心理的な影響≫
◆マイナス思考に陥る
◆集中して考えることができない
◆自分を責めてしまう

≪身体への影響≫
◆不眠、過眠などの睡眠障害
◆食欲の減退または増加
◆頭痛、めまい
◆強い疲労感
◆動悸、息切れ
◆眼精疲労
◆肌荒れ
◆下痢、便秘などの消化器の不調

≪感情への影響≫
◆憂鬱な気分で悲しくなる
◆気分が沈む
◆何にもやる気が出ない
◆イライラする

≪行動への影響≫
◆喫煙量の増加
◆飲酒量の増加
◆食品の過剰摂取
◆散財
◆引きこもり
◆暴言を吐く
◆暴力をふるう

特に辛いのが、上記の問題が複合的に組み合わさり、より悪循環に陥っていくことです。

ストレス反応が慢性化してしまうと、それぞれの症状がより悪化し「神経症」「心身症」に陥ってしまう可能性もあります。

尚、「神経症」や「心身症」は、いずれもストレスに対する過剰反応によって引き起こされる病気の総称です。

●神経症:「うつ病・パニック障害・社会不安障害・強迫性障害・ヒステリー」などの心に現れる病気
●神経症:「胃潰瘍・十二指腸潰瘍・気管支ぜんそく・狭心症」などの身体に現れる病気

ストレスは、誰にも蓄積する厄介者です。

自身が辛いことはもちろん、周囲の人にも迷惑が掛かってしまう恐れがあるため、できる限り「ストレスを溜めない(発散する)」方法を自分なりに見つけてみて下さい。

次項にて、いくつかストレス発散に役立つ方法をご紹介いたします。

ストレスを発散する方法


ストレスへの対処法は、その人の特性(気質・体質・持病など)やストレッサーの種類、重症度などによって異なります。

この項目にて、発散方法として良く用いられる手段をいくつかご紹介していきたいと思います。

方法1.趣味に没頭する

子どもの頃、時間も忘れて好きなことに没頭した記憶はありませんか?

大人になるにつれ、学校・仕事・家庭などのさまざまな事情で時間を取られ、「趣味に没頭できる時間が減った」と感じる人は増えていきます。

しかし、ストレスを発散する上で“趣味=自分の好きなことに集中する時間”を作ることは、非常に大切です。

音楽・映画鑑賞・カラオケ・読書・ゲーム・手芸・料理など、人の趣味は多種多様に存在します。

心身ともにリフレッシュするためにも、ほんの少しの間でもいいので“趣味に没頭する時間”を作ってみて下さい。

尚、中には「趣味と呼べるものがない」と考える人もいるかもしれません。

本当に、“楽しい”と感じることは何もありませんか?

子どもの頃に夢中になっていたことは何もありませんか?

意外と、「自分の気持ちに蓋をして、我慢している」ことはあります。

趣味とは、周囲に見せびらかすものではありません。

自分が、“楽しむ”ためにあるのです。

人に迷惑をかけるような行為でない限りは、何をしたって自由なのです。

もし、大人になって「趣味と呼べるものがなくなった」と感じる人は、「やってみたい」と感じることにチャレンジしてみて下さい。

周囲の目を気にする必要はありません。

「お金がない」「時間がない」とネガティブに捉える必要もありません。

「やってみたい」と思ったことを、自由にやってみて下さい。

方法2.ゆっくりと湯舟に浸かる

「忙しいから」「めんどくさいから」と、お風呂をシャワーで済ませている人はいませんか?

そういう人は、少しだけ時間を作って、湯舟にゆっくりと浸かってみて下さい。

入浴には、血行を促して、神経をリラックスさせる効果があります。

特に、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで「副交感神経」を優位にできます。

「最近しんどいな」「疲れが溜まってきたな」という方は、たまにはゆっくりとお湯に浸かって、心身をリフレッシュしてみて下さい。

方法3.良質な睡眠を取る

睡眠不足が続いてしまうと、自律神経やホルモンバランスが乱れてしまい、さらなるストレスの発生につながってしまいます。

適切な睡眠時間は人によって異なりますが、もし「ぐっすり眠れていないな」と感じる場合は、まずは“身体を休める=寝る”ことを意識してみて下さい。

この時に大切なのは、「どれだけ睡眠時間を確保できたか?」ではなく、「良質な睡眠時間をどれだけ確保できたか?」です。

疲れてソファで寝落ちしてしまうより、布団に入って眠った方が疲れは取れます。

人によっては、枕や布団など、寝具をちょっと高級なもの(体に合うもの)に変えてみるのもいいかもしれません。

休息は、身体にもっとも必要なものです。

心身ともに健康を保つためにも、睡眠の質にはこだわってみて下さい。

方法4.適度に運動する

運動は、心身のリフレッシュに役立ちます。

特に、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの同じ動きを繰り返すような運動がオススメです。

なぜなら、一定の動きを反復することで、精神を安定させ・安心を感じさせる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が高められるからです。

また、日光を浴びることでも「セロトニン」の分泌を促すともいわれています。

セロトニンが不足すると、ストレスや疲れをより感じやすくなってしまいます。

もちろん、運動の仕方は人それぞれです。

慣れていない人は、「少し歩いてみる」というところから始める。

歩く習慣がある人は、筋トレなどを取り入れてみる。

大切なのは、“習慣化させて、長く継続すること”です。

無理に運動しても長続きしないので、自分に合ったやり方で運動をしてみて下さい。

運動は、ストレス解消だけでなく健康にも良いため、長く続けただけ自分に“得”が返ってきます。

方法5.深呼吸やストレッチをする

仕事や学業など、「同じ姿勢のままじっとしていることが多い」という人は大勢います。

ストレスがかかっているときは、特に“筋肉が緊張”したり、“呼吸が浅くなったりする”傾向にあります。

そういう時は、“気分を切り替える”という意味で、深呼吸や軽いストレッチを行ってみて下さい。

深呼吸をし、軽く伸びをするだけでもリラックス効果があります。

人によっては、「デスクから離れられない」「時間がない」という場合もあるかもしれませんが、椅子に座ったまま体を後ろにひねり、背もたれをつかむだけでも軽いストレッチになります。

ぜひ実践してみて下さい。

方法6.考え方を変える

似た環境・境遇にいても、ストレスの感じ方は人によって変わります。

強くストレスを感じる人もいれば、さほど気にならないという人もいるのです。

これは、「物事の捉え方」「考え方の違い」が関係しています。

例えば、仕事でミスをしてしまったときに、「……怒られる……」とネガティブに捉える人もいれば、「失敗は成功のもと!次に活かそう!」とポジティブに捉える人もいます。

物事の捉え方を少し変えるだけでも、かなり楽になることもあるのです。

とはいえ、価値観や考え方は大人になるほど固執してしまうもので、「そんな簡単に考え方を変えるなんてできない」と考えてしまう人もいることは確かです。

特に、完璧主義者である人ほど、自分の考えに固執してしまう傾向にあります。

しかし、“この世にすべてを完璧にこなせる人間なんていない”のです。

「完璧な人間はいない」「ミスは誰にでもあるもの」「目標と現実のギャップがあるのは当たり前」と肩の力を抜くことで、大なり小なり“ゆとり”を持って物事に取り組めるようになるはずです。

ストレスが溜まると、何事もネガティブに捉えてしまい、周囲がまったく気にしていないことでもマイナスに考えてしまう傾向があります。

そして、独りで悪循環に陥ってしまうのです。

難しく考える必要はありません。

良い面に目を向け、少しでも多くポジティブな思考を意識することです。

「なるようになる」「じたばたしても仕方ない」

時には、開き直ることも必要なのです。

自分に合ったストレス解消法を見つけよう!

ストレスの解消方法は、人それぞれで異なります。

◆美味しいものを食べる
◆とにかく寝る
◆気の合う友人と喋る
◆旅行に行く
◆一人で趣味の時間に没頭する

……など、ストレス発散方法は、人の数だけ無数に存在します。

大切なことは、「自分に合ったストレス解消法を見つける」ことです。

何も難しいことはありませんし、周囲の目を気にする必要もありません。

とにかく、自分が“楽しい!”と感じることを見つけて、適度にその時間を作るように意識してみて下さい。

人によっては「専門医」に診てもらうことも重要です


中には、「頭では理解はしている……でも……」という人もいらっしゃるかもしれません。

◆何をしていても楽しくない・満たされない
◆寝ようとしているのに眠れない
◆ネガティブなことばかり脳裏によぎってしまう

こういう場合は、ストレスが慢性化して症状が悪化している可能性があります。

つまり、「うつ病」「神経症」などの可能性があるということです。

この場合は、“専門医に診てもらう”ことも検討してみるのが良いかと思います。

敢えてハッキリとお伝えしますが、“うつ病=心の病気”です。

風邪を引いたときに病院に行って薬をもらい安静にするのと同じで、適切な処置をしなければ症状が改善しないこともあるのです。

「寝たら治る」「少し休んだら良くなる」「病院に行くなんて大げさな……」と考えていると、余計に病気をこじらせて悪化してしまう恐れもあります。

少しでも疑問を感じるならば、メンタルクリニックなどに行くことも検討してみて下さい。

尚、メンタルの専門医は、「心療内科」「精神科」です。

◆心療内科→別名:心身医学科、心療医学科、心療科
◆精神科 →別名:神経科、精神神経科、神経精神科

例えば、「うつ病 クリニック 〇〇(←地域名)」とネットで検索をすれば、お住いの地域のメンタルクリニックが表示されると思います。

口コミなども参考にし、「良さそう」と感じたクリニックに診断を受けに行ってみて下さい。

もし「自分とは合わないな」と感じたら、別のクリニックに変えることも可能です。

相性は人それぞれなので、色々試してみて、自分に合ったところを選択することをオススメいたします。

仮に、「クリニックには行きづらい」「今すぐに話を聞いてほしい」という場合は、「電話相談機関(いのちの電話)」を利用してみるのも良いかと思います。

担当する心理カウンセラーが親身に相談に乗ってくれますし、必要であれば専門医も紹介してくれます。

大切なのは、「独りで抱え込まないこと」と、「ストレスを軽く見ないこと」です。

塵も積もれば山となるで、自分でも気づかない内にストレスは溜まっていたりもします。

そして、自分の状態は、意外と自分では判断しづらいものです。

無理をせず・我慢せず、何か気になることがあれば“専門医に診てもらう”という選択肢も考慮しておきましょう。

まとめ

ストレス対策で意識すべきことは、「普段からストレスを溜め込まないように気を付けること」です。

心身への負荷が長く続くと、体・心・感情・行動など、さまざまな面で異変が生じる恐れがあります。

ストレスを慢性化させないために、適度にストレスを解消することを心掛けてみて下さい。

とはいえ、ストレスの発散方法は人によって異なります。

色々試してみて、自分が「これだ!」と感じる方法を見つけてみて下さい。

そして、万が一にも「まったくストレスが解消されない」ということがあれば、無理をせずに早めに医療機関に相談してみて下さい。

大切なのは、“独りで抱え込まない”ことです。

改善方法はさまざまに存在しますので、それらをうまく活用して、できる限りストレスを軽減できるよう工夫してみて下さい。

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