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救急救命士に適性のある人ってどんな人?仕事の辛いところ・大変なところも詳しく紹介

この記事は約8分で読めます。

「救急救命士」とは、救急車に同乗し・傷病者を病院まで搬送する間に救急救命(特定行為)の処置を行う仕事および国家資格の名称のことを言います。

そして、この仕事に関するものとして、これまで様々な記事を公開してきました。

【仕事内容や勤務地、救急救命士の歴史について】

【救急救命士のなり方・国家試験の内容や合格率について】

「救急救命士の勤務形態・給与や福利厚生について」

救急救命士は、“危険と隣り合わせ”であり、“人々の命を預かる”仕事です。

そのため、ただ「国家試験に合格すれば良い」という訳ではなく、この仕事に向いている人・向いていない人(適正があるかどうか)も重要となってきます。

また、この仕事は人為災害・自然災害ともに危険と隣り合わせの仕事であるため、続けていくうえで辛いことや大変なこともあります。

今回は、これら「適正のある人」「辛いこと・大変なこと」について、詳しくご紹介していきたいと思います。

救急救命士に適性のある者とは?


最初に、“救急救命士に適性のある人”について、ご紹介をしていきたいと思います。

1.冷静な判断力

まず、この仕事にもっとも求められるのは「冷静沈着さ」です。

救急救命士が治療にあたる人(向き合うべき人)は、心肺停止状態などの重度傷病者となります。

病院に搬送するまでの救急車内で、医師の指示のもとで適切な判断(処置)を下していかなくてはいけないため、(患者が)どんな状況であっても常に冷静さを失ってはいけません。

また、救急救命の処置を行うためには、医師の判断だけでなく“家族の同意”も必要となります。

救急車には家族も同乗して、状況説明を受けなくてはいけません。

しかし、この時に救急車の中でもっともパニックになっているのは“同乗している家族”であることが多いです。

混乱したり・泣き崩れていたり……人によっては状況説明をまともに受けることができない場合もあります。

「状況が状況なのだから、家族がパニックになっても仕方ない……」

その気持ちは痛いほどに理解できますが、その1分1秒でも患者の命に関わる可能性があるのです。

こうした時に、救急救命士自身がつられて焦ってしまっては助かる命も助からないかもしれません。

だからこそ、「冷静沈着さ」が必要なのです。

家族を落ち着かせ、状況説明を受け、医師の指示のもとで適切な処置を行い、命を救う……。

これが、救急救命士にもっとも必要とされることだと言えます。

2.医療に関する知識

いくら医師の指示(メディカルコントロール)のもとで処置を行うといっても、救急救命士自身に医療の知識がなければ救える命も救うことはできません。

「救急車」という狭い空間の中にも、様々な医療機器が存在します。

そして、重度傷病者の状況は、人によって千差万別です。

だからこそ「どんな状況であっても適切な治療ができるよう、医療・医療機器に関する確かな知識を有し、さまざまな医療機器を使いこなせる技術を有しておく必要がある」のです。

これは、上記の冷静沈着さにも関連してきます。

なぜなら、人は“慣れないものを目の当たりにした時、パニックに陥るから”です。

絶対にあってはならないことですが、

「目の前の患者に関する適切な処置を瞬時に判断できない」
「医師の言っていることを理解するのに、時間を要する」
「医療機器の使い方が分からない……」

1分1秒を争う状況下の中で一瞬でも判断が遅れれば、最悪の場合目の前の患者を救うことができない場合もあります。

このようなことがないように、常に医療に関する知識の習得に日々努めることが必要となるのです。

救急救命士に向いている人


次に、“救急救命士に向いている人”について、ご紹介をしていきます。

1.体力に自信がある人

以前に「救急救命士の働き方」の記事内でもご紹介通りですが、消防署に勤務する救急救命士は24時間勤務の交代制で仕事を行うことがほとんどです。

24時間勤務→休みを繰り返すため生活リズムが不規則になりやすく、その上で“長時間勤務+危険と隣り合わせの現場”で働くことになるため、体力的に非常に過酷な仕事となります。

もちろん、出動していない時は体力(筋力)をつけるためのトレーニングも行っていますが、日ごろから節制を心がけ、体力維持に努めることが大切です。

生活リズムを含め、心身ともに自己管理ができる人の方が向いている仕事と言えるかと思います。

2.知識を貪欲に吸収できる人

前項でもお伝えしたように、救急救命士は「非常事態において、冷静沈着に目の前の患者の救急救命にあたらなければならない」仕事です。

小さなミスを一つでも犯せば、もしかしたら救えるはずだったの命を失うことにも繋がりかねません。

だからこそ、消防・医療に関する知識はもちろん、災害や病気に関することなど……基礎から応用・そして最新の情報を常に知識として身に着ける努力が必要となります。

3.継続力のある人

出動時はもちろん、日々の勉強・毎日のトレーニングなど、救急救命士の1日は非常にハードです。

火災などの人為災害もそうですが、近年は自然災害の数も増加しており、それに合わせて消防隊の出動回数も増えています。

これによって、日々の疲れが蓄積している隊員も少なくありません。

しかし、それでも「人々の命を救う」ために、毎日の勉強やトレーニングを欠かすことはできません。

どんな状況・状態であっても、決めたことをやり通すそんな「継続力」のある人が、この仕事に向いていると言えるのではないでしょうか。

4.人を助けたいという気持ち

「給与や福利厚生が良いから」
「公務員として働ければ将来安泰だから」

確かに、給与も福利厚生も他の公務員(一般行政職)に比べて高水準です。

公務員として勤務できれば、よほどのことが無い限りクビになるようなことはなく、歳をとるにつれてさらに待遇も良くなっていくことでしょう。

しかしハッキリ言って、こういう気持ちだけで救急救命士の仕事を続けていくことは難しいです。

実際、“24時間体制の厳しい勤務時間”“人の命を扱う重責感”から離職してしまう人も多いのが現実なのです。

だからこそ「人の命を救いたい!」という強い気持ちが救急救命士には必要となります。

どんな物事でもそうですが、“なんとなく”で一つの作業を長く続けられる人は多くはありません。

“続ける=何かしらの目的or強い意思”が存在するのです。

まして過酷な現場・労働条件を求められる救急救命士の仕事であればなおさらです。

「綺麗ごとを……」と感じる人もいるかもしれませんが、少なくとも“なんとなく”でこの仕事を続けていくことはできません。

漠然と「医療分野や公務員に興味がある」というだけでなく、「人命を救うために救急救命士を目指す」という意識が重要ではないかと思います。

救急救命士の辛いこと・大変なこと


最後に、救急救命士の辛いこと・大変なことについて触れておきたいと思います。

この仕事のもっとも辛く・大変なことは、「プレッシャーが大きく、ハードな仕事である」という点です。

ここまでにお伝えしてきた通り、この仕事は「自身にとっても危険と隣り合わせの仕事」であり、「人の命を救う仕事」です。

時には、人為災害・自然災害のどちらであっても悲惨な現場に出向くことがあります。

そんな中でも、冷静かつ緊張感をもって、目の前の命を救うために最善の努力を尽くしていかなくてはいけません

しかし、どれだけ最善を尽くしたとしても、救えない命があることも確かなのです……。

「目の前の命を救うことができなかった」……ということはもちろん、そのご家族が悲しみに暮れる姿を目の当たりにするのは、救急救命士にとってもっとも辛い局面です。

まして「命を救いたい」という気持ちが強ければ強いほど、救えなかった時の苦しさは相当なものとなります。

それに加え、不規則な勤務体系や過酷な業務を抱えることになるため、心身ともにプレッシャーに耐え切れず、残念ながら離職を決意してしまう人もいるのです。

まとめ

救急救命士の仕事は非常にハードです。

どんな仕事でも同じではありますが、「資格を取得したから終わり」でも「職に就けたらゴール」でもありません。

むしろ、資格取得や就職は“スタートラインに立っただけ”とも言えます。

そこから、様々な現場を“経験”し、常に“知識”を貪欲に吸収し続け、ずっと学び続けなくてはいけません。

そして、どれだけ努力しても・最善を尽くしても、救えない命があることも事実です。

しかし、救急救命士の救急救命によって、“救える命”もああるのです。

救急救命士がいたからこそ、救われてきた命もたくさんあるのです。

この仕事をしている人がやりがいを感じる時は、「命を救うことができて、感謝されたとき」だと言います。

全力を尽くし、今目の前で命の危機に適切な処置を行い、無事病院に搬送する。

その結果、患者さんが無事に命の危機を乗り越えたときには、安堵感に包まれると同時に「仕事を頑張ってよかった」という思いになれます。

その後、助かった患者さんはもちろん、ご家族やご友人から「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらえたときに、あらためて救急救命士としてのやりがいを感じられるのです。

責任と覚悟を求められ・大変な仕事でもありますが、それと同じくらいのやりがいを感じられる仕事でもあります。

関心がある方は、是非様々な情報を調べ・知見を広げてみてください。

その上で「救急救命士になりたい!」と思える人は、是非夢に向かって一歩を進めてみてください。

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