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「オンコール勤務」の働き方・特徴・オンコール時の過ごし方について解説!

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介護業界に「登録ヘルパー」という業界独特の働き方があるように、看護業界にも「オンコール勤務」という独特な勤務形態が存在します。

このオンコール勤務は非常に特殊な働き方であり、施設によっては“事業所に出勤する必要がありません”

“自宅待機”でも良いのです。

今回は、この働き方・特徴について、詳しくお話をしていきましょう。

「オンコール勤務」とはなにか?


まずは、看護業界特有の働き方である、「オンコール勤務」についてお話をしていきたいと思います。

“緊急時”に備え、”待機”しておくこと

看護師は、病院や病棟以外にも、様々な勤務先があるのが特徴の一つです。

例えば、特別養護老人ホームや老人保健施設であったり、グループホームや小規模多機能型居宅介護であったり。

また、「訪問看護(訪問看護ステーション)」も看護師の新しい働き方として、現在注目を浴びています。

これら施設の多くは、「病気・怪我をしている人/高齢者/障害・難病を抱えている方」が入居もしくは利用する施設であり、“不測の事態(体調の急変など)”が起こりうる可能性もあるため、基本的に24時間運営し、常に利用者の看護や見守りを行っています。

ただ、施設や勤務者の人数によっては、“24時間ずっと人員を配置し続けることが難しい”ところもあります。
(看護師が常駐しないorできない現場も存在する)

それは、訪問看護ステーションがもっともイメージがしやすいかと思います。

訪問看護は、その名の通り“利用者宅に看護師が訪問し、看護業務を行う”ことです。

そして、利用者のほとんどは“日中”にサービスを利用します。

そのため、基本的に訪問看護師が夜間に利用者宅に訪問することはありません。

この状態で、「夜間にも訪問看護ステーションに人員を配置する」と、事業所にとっても労働者(看護師)にとっても、あまりメリットがないと言えます(人件費がかかる上に、スタッフもただ施設に待機しているだけの日が発生してしまうこともあるため)。

しかし、例え夜間であっても「体調が急変した……」など、不測の事態が起こらないとも限りません。

その緊急事態に備えて、夜間や休みの日であっても、訪問看護師は“待機”しておく必要があります。

この、“看護師の待機状態”のことを、「オンコール勤務」と言うのです。

尚、これは以下のように呼ばれることもあります。

◆「オンコール担当」
◆「オンコール当番」
◆「電話当番」 など

ちなみに、オンコール勤務は“訪問看護”だけに発生する勤務形態ではありません。

入院施設のある病院や病棟であれば、「夜勤」という形での勤務となるでしょうが、“病院の手術室”は看護師の常駐の必要がないため、オンコール勤務を行うことがベースとなります。

他にも療養型の病棟・特別養護老人ホームなど、比較的多様な施設で採用されています。

オンコール勤務は、上記のように「看護師が常駐しなくてもいい現場」「必要最小限の人数で稼働している現場」で活用される働き方なのです。

オンコール担当者は、待機中どう過ごしているの?


次に、オンコール担当者が“待機中にどのように過ごしているのか?”という点を、掘り下げていきたいと思います。

基本は「自宅待機」である

あくまで緊急の呼び出しや訪問に備えて“待機”している状態なため、基本的に「自宅待機」としている施設がほとんどです(特に訪問看護ステーション)。

中には、施設内で待機するパターンもありますが、基本は自宅待機となります。

担当者は、専用の携帯電話を持っており、利用者や家族・勤務先から連絡が掛かってきた際に、対応にあたる……という流れとなります。

ただし、勤務先によっては“連絡が入る=出勤する”とは限らない場合があります。

例えば、手術室からの連絡の場合、緊急手術を行うことがほとんどであるため、職場に急行するケースが中心となります。

しかし、訪問介護や看護の場合、利用者や家族から「不明点や質問などで連絡をしてくる」パターンもあるのです。

その場合は、出勤せず電話での応対だけで問題が解決することもあります。

オンコール勤務が、“電話当番”と呼ばれる理由はここにあるのです。

オンコール勤務中に、”注意すべきこと”

オンコール勤務の基本は“自宅待機”であり、基本的には普段と同じ生活を送っていて問題はありません。

買い物に出掛けるのも良し、夜であれば睡眠を取るのも良し。

ただし、いくつか注意しておかなくてはいけない点も存在します。

常に電話に出られる状態にしておくこと

“利用者や施設からの連絡=緊急連絡”であることから、連絡があった際はすぐに応対できる状態にしておかなくてはいけません。

サイレントモードにしていたり、受話音量を下げたりしていると気づかない可能性もあるため、着信をしっかり確認できる状態にしておく必要があるのです。

加えて、外出・食事・お風呂・睡眠など、日常生活を送る中でも常に着信がないかを確認できる状態にしておかなくてはなりません。

お風呂に入る時などは、(防水携帯でなければ)「防水の透明袋に入れて、お風呂場に持ち込んでおく」と言った、涙ぐましい努力をされている看護師さんも数多くいらっしゃいます。

ちなみに、オンコールの際に利用される専用携帯は、使いまわしで利用時のみ所持することが多くなります。

「電池切れや電源を切ったまま放置していて、連絡に気づかなかった……」ということもあり得ますので、この点も注意しておいた方がいいかと思います。

近場に住む必要がある

緊急連絡に応対できたとしても、利用者や施設に到着するのに1時間もかけて出勤していては本末転倒です。

そのため、オンコール勤務を行う施設に勤務する人は、“施設の近場に住む”必要があります。

もしくは、「出勤に〇分以上かかる人は、施設の当直室で待機」となります。

上記の理由から、当然オンコール勤務中に遠出をすることもできません。

ちなみに、訪問看護ステーションでの緊急対応の場合、ステーションではなく利用者宅へ直接訪問することとなります。

「利用者宅の場所によっては、時間がかかることもあるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、その点は心配いりません。

なぜなら、各ステーションには“訪問エリア”が定められているからです。

この訪問エリアは地域が限定されているため、そこまで遠方の訪問を要求されることはないのです(地方は少し話が変わってきますが)。

夜中であれば、電車やバスなどの公共交通機関が止まっていることもありますので、バイクもしくは電動機付き自転車で利用者宅へ訪問するパターンが基本となります(地方によっては車などもあり得る)。

万が一に備え、”2人体制”となることもある

上記でご紹介した通り、“緊急時の電話に応対できる状態にしておく”ことが基本ではあるものの、いつ掛かってくるかも分からない携帯電話とずっとにらめっこし続けることはできません……。

この“もし万が一、電話に応対できなかった時に備えて”、オンコール担当を「メイン」と「サブ」の2人体制とする事業所も存在します。

そしてもう一つ、この体制は“オンコール対応が多い施設”でも採用される可能性が高いです。

例えば、重症度の高い利用者が多い施設やターミナルなどの場合が挙げられます。

「1人では対応しきれない状況が発生する可能性が高い時」にも、メインとサブの2人体制でのオンコール勤務が採用される場合があるのです。

ちなみに、訪問看護ステーションの場合、“1人体制:約4割”“2人体制:約3割”ほどと言われています。

オンコール勤務って、「お金(手当)」は発生するの?


当然ですが、オンコール“勤務”なので、「オンコール手当」というものが発生することとなります。

費用相場は、おおよそ“2,000円前後/回”と言われています(もちろん施設により額は変わる)。

また、2人体制の場合、「サブ」を担当する方はメインほど勤務に集中しなくていい(実働がない)という理由から、手当の額は少し下がることとなる……もしくは“手当自体がない”という場合もあります。

サブの費用相場は“1,000円前後”と言われていますが、これも施設によりけりです。

尚、上記オンコール手当はあくまで「オンコール(電話)応対のみ」に適用されるものであり、オンコールを受けて緊急訪問(=出勤)した場合は、上記手当とは別に以下の手当が発生することとなります。

「緊急訪問手当」と言うものです。
※「時間外出勤手当」や「呼び出し手当」などとも呼ばれることがある※

これは、実際に労働しているため別途手当が支給されることとなるのですが、相場は“2,000円~5,000円/1h”と言われています。

もしくは1回の出勤を定額制にしている事業所の場合、相場は“5,000円~10,000円”と言われています。

オンコール勤務の「回数」ってどのくらい?

これは、事業所に所属するスタッフの人数によって変動します。

24時間体制で運営する施設には、基本的に“施設そのものの休み(いわゆる定休日)”というものが存在しません。

そのため、オンコール勤務も休みなく毎日行われることとなるため、事業所の人数によって“持ち回りの当番制”とすることが多いのです。

例えば、オンコール対応できる看護師が「5人」いる訪問看護ステーションだった場合。

1ヶ月=30日として、それを5人で割ることとなるため、1人あたりのオンコール勤務数は月6回ほどとなります。

ただし、上記はあくまで一例であり、詳細は事業所によって様々です。

小規模な事業所では、管理者がオンコールを一手に引き受けているというケースもありますし、2人体制でオンコールを行う場合、オンコール勤務の日数は上記よりも増えることとなります。

詳細は施設によりけりなので、もし「オンコール勤務がある事業所に勤務する」となった場合、勤務日数や手当の支給額はきっちりと確認しておいた方が良いかと思います。

連絡って頻繁に来る?緊急訪問って多いの……?

結論、下記の状況によって様々となります。

①事業所の規模
②時間帯
③季節・時期

まず、①の事業所の規模から。

大規模な事業所であればスタッフの数が多くなりますので、その分当番が回ってくる回数は少なくなります。

しかし、“規模が大きい=利用者が多い”となるため、当番の日になると電話応対の数は多くなる可能性が高いです。

次に②の時間帯ですが、オンコール勤務は、夜間だけでなく日中にも利用されることがあります。

例えば、厚生労働省が発表している資料によれば、平均的な訪問看護ステーションの場合、緊急訪問の必要がある利用者は“1割未満”で、その緊急訪問の回数は“利用者さん1人あたり月3回ほど”とのことです。

そして、緊急訪問が行われる時間帯も日中が基本であり、夜間や深夜に発生するケースは“3割ほど”となっています。

勤務する事業所によりけりではありますが、訪問看護ステーションの場合は夜間の緊急対応の数は基本的にほとんどなく、多くは電話相談で対応可能なものが多いということになります。

ちなみに、緊急訪問で実施するケア内容は、以下が多いと言われています。

◆病状のアセスメント
◆利用者およびご家族の相談支援
◆精神的なサポート など

ただし、ケア内容も施設によって様々です。

例えば、ターミナルの利用者が多いステーションの場合、「看取りケア」「エンゼルケア」を行うことも多くなります。

この点も、もし看護のお仕事をお探しの方がいれば、求人情報をしっかり確認しつつ見学や面接の際に詳細を質問してみることをオススメします。

まとめ

◆「オンコールは、月にどのくらい担当するのか?」
◆「電話はどのくらい鳴るか?」
◆「緊急訪問は多いのか?」
◆「手当はどのくらい発生するのか?」

何度も言うように、上記の点は事業所によってまちまちであるため、仕事を探している人は必ず問い合わせ・見学・面接の際に確認をしておくようにしましょう。

また、夜間のオンコール勤務があった場合、「翌日の勤務はどうなるのか?」も確認しておくべきかと思います。

上述でもお伝えしたように、夜間の緊急連絡は数が少なく、緊急訪問ともなれば月に1回ほどが基本となります(施設による)。

時には、「今日は1回も電話が鳴らなかった……」という日もあるはずです。

しかし、それでも緊急時のために“待機”しておかなくてはいけません。

人によっては常に待機している状態に対して、疲労やストレスを感じる方も少なくありません。

「連絡があったら対応する、それ以外は待機(普段通りの生活を)していれば良い」そんな簡単な仕事でないのがオンコール勤務の辛いところなのです。

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