医療・介護・福祉・保育業界専門の求人をお探しの方は医療・介護・福祉・保育bizへ。詳しくはこちら!

【交代制ってなに?】「二交代制」「三交代制」などの具体的な違いを徹底解説!

この記事は約7分で読めます。

医療(看護)や介護の業界は、24時間体制を求められることの多い業種の一つです。

このことから勤務形態も多様な形が存在しますが、その中の一つに「交代制」というものがあります。

職場(施設)を休みなく回すための独特な働き方となりますが、医療(看護)・介護業界ではこの交代制にも種類が分けられます。

今回は、この「交代制」の特徴について、詳しくお話をしていきたいと思います。

尚、「雇用形態とはなにか?」については、以前に別の記事にてご紹介しておりますので、下記にリンクを貼っておきます。

「交代制」ってどんな働き方なの?


交代制は、なにも医療(看護)や介護の業界だけに導入されているものではありません。

多くの人に馴染みのあるお店でも利用されており、実際に交代制を経験されている方も多いのではないかと思います。

ここでは、まず「交代制」というものを詳しく説明していきたいと思います。

「交代制」の概要

「交代制」というのは、「出勤の時間帯や、月の休日取得日を”従業員ごと”もしくは”職場ごと”に決めて働く制度」のことをいいます。

別の言い方だと「シフト制」とも呼ばれており、どちらかというと「シフト制の方が馴染み深い」という人も多いかもしれません。

どんな場合に「交代制(シフト制)」が導入されるの?

交代制(シフト制)が導入されるのは、“1日の営業時間が長い店舗や施設”となります。

多くの人がもっともイメージしやすいのは、「コンビニ」でしょうか。

コンビニは、基本的に24時間営業のところが多いため、同じ人が長時間ずっと働き続けることはできません(そもそも労働基準法に対する違反行為となる)。

そのため、働く時間をあらかじめ“シフト”として決めておき、そのシフト表に従って交代でお店を回していくこととなるのです。

交代制を経験されたことがある人ならご存じかと思いますが、シフトは一定期間ごとに従業員の希望を確認した後に、店長・施設長・看護師長などの責任者の方が情報を取りまとめて設定していきます。

期間は、半月や1ヶ月単位がベースとなり、当然ながら全ての従業員の希望通りに完璧なシフトを組むことは相当に難しいです(というより無理です)。

最後に。

上記ではコンビニを代表例として挙げましたが、他にも「接客業」「販売業」「警備」「介護」「医療」など、数多くの店舗や施設が交代制を採用しています。

営業時間が長くなった現代では、交代制(シフト制)は“導入していて当たり前”と言えるほど浸透している雇用形態の一つと言えるでしょう。

医療(看護)・介護における「交代制」とは?


話を、医療(看護)・介護の業界に戻したいと思います。

これら業界では、シフト制よりも「交代制」と呼ばれることが多く、多くの施設・事業所で交代制が導入されています。

この項目にて、詳細をご紹介していきましょう。

“24時間体制”の施設・事業所は多い

医療(看護)・介護の業界で、交代制がもっともイメージしやすいのは「病院」かと思います。

特に、入院施設のある病院です。

そして介護の業界で言えば、以下のような施設が、24時間体制で利用者の介護にあたることが多いかと思います。

◆特別養護老人ホーム
◆老人保健施設
◆グループホーム
◆小規模多機能型居宅介護 など

つまり、“入所型”の施設となります。

また、「訪問”介護”ステーション」「訪問”看護”ステーション」なども、事業所によっては夜間も対応しているところがあり、この場合は交代制が導入されます。

ただし、訪問看護ステーションの場合、“オンコール対応”であることの方が多いかと思います。

「オンコール」とは、“普段通りの生活を送りつつも、緊急連絡があった場合に夜間の緊急看護に向かう”システムのことです。

中には、自宅ではなく訪問看護ステーション(事業所)内で待機して、緊急時の対応をされているところもあります。

看護や介護の業界は、患者(利用者)の容態が急変することもあるため、24時間体制で緊急対応可能としている施設・事業所が多いのです。

「夜勤専従」とは何が違うの?

以前に、「夜勤専従」という勤務形態についてご紹介する記事を公開しました。

この2つの違いは、読んで字のごとくです。

「夜勤専従」は、“夜勤を専門として働く職員”のこと。

そして「交代制」は、“交代で、日勤も夜勤のどちらも担当する職員”のこととなります。

どちらの方が良い・悪いということはなく、どちらにもメリットがあればデメリットもあります。

夜勤専従のメリット・デメリットは下記記事にて詳細をご紹介しております。

交代制のメリット・デメリットについては、また改めて別の記事にてご紹介をできればと思います。

交代制の”種類”について


次に、“交代制の種類”について、お話をしていきたいと思います。

交代制は、2つに大別される

24時間体制で営業している施設や事業所では、「二交代制」「三交代制」の2つの交代制が存在することとなります。

この2つの違いは、名前の通り“勤務時間を、2つor3つに分けていること”です。

それぞれの特徴は、以下の通りです。

「二交代制」について

24時間体制の事業所の場合、「日勤」「夜勤」の2つに分かれます。

勤務時間は各事業所によって様々に異なりますが、例えを出すと以下のようになります。

◆「日勤」-8:00~17:00
◆「夜勤」-16:00~翌9:00

日勤と夜勤の時間帯が一部被っている部分がありますが、これは“業務引継ぎの時間を必要とするため”です。

また、日勤は労働基準法の関係もあり、勤務時間は8時間に設定されることがほとんどです(休憩は1時間)。

対して夜勤の方は「変形労働時間制」が採用されるため、“1週間あたりの労働時間が、原則40時間以内”として定められています。

そのため、1回の勤務時間は長いですが、その代わりに週or月の勤務回数は少なくなります(2~3回くらい)。

また、勤務時間が長いこともあり、仮眠や休憩時間が長めに設定されています(2~3時間ほど)。

「三交代制」について

三交代制の場合は、「日勤」「夜勤」に加えて、「準夜勤」が加わります。

余談ですが、「日勤」「準夜勤」の部分は、事業所によって呼び方が変わることがあります。

例えば、「早番」「遅出」であったり、「早出勤」「中出勤」などです。
※この記事内では「日勤」「準夜勤」と記載させていただきます※

そして、三交代制の場合の勤務時間についてですが、これも事業所によって時間設定は様々です。

例を出してみると、以下のようなスケジューリングとなります。

◆「日勤」-6:00~15:00
◆「準夜勤」-14:00~23:00
◆「夜勤」-22:00~翌7:00

二交代制の時と同じく、時間が被っているところは、業務引継ぎの時間となります。

また、三交代制の場合は、9時間を3つに分割して交代していくため、休憩時間はすべて1時間となる場合が多いです(実働8時間)。

「二交代制」と「三交代制」どちらの方が採用率が高いの?

勤務時間が大きく異なる「二交代制」「三交代制」ですが、採用率としてはどちらの方が高いのでしょうか?

まず結論としては、“施設によって様々”となります。

二交代or三交代”のみ”を導入している事業所もあれば、二交代と三交代を”混合して”導入している事業所もあります。

ただ、「介護施設」と「病院・病棟」で分けてみると、どちらの方を多く採用しているのか?の目安を確認することができます。

実は、「医療労働 2019年介護施設夜勤実態調査結果」の資料に、それぞれの採用率の記載がされているのです。

これによると、「介護施設」と「病院・病棟」での各採用率は以下のようになっています。

【介護施設】
◆二交代制のみ:87%
◆三交代制のみ:11%
◆両者混合:2%

【病院・病棟】
◆二交代制のみ:20.9%
◆三交代制のみ:42.8%
◆両者混合:36.3%

「介護施設」の方は二交代制が圧倒的に多いのに対し、「病院・病棟」は三交代制の方が他2つに比べ若干多めとなっています。

まとめ

様々な業態で「交代制(シフト制)」は導入されており、それは医療(看護)・介護の業界も例外ではありません。

特に「超高齢化社会」に突入している近年は、24時間体制で見守りを行う施設・事業所もどんどん増加しているので、今後も交代制を利用した勤務形態が多様化していくものと考えられています。

そして、上記でご紹介したように、交代制にも「二交代制」と「三交代制」があり、どちらを(どちらも)採用しているかは事業所によって様々です。

もし交代制を採用している事業所に勤務する際は、以下の点をしっかりと確認しておくことをオススメします。

◆「交代制の種類はどれか?」
◆「夜勤(準夜勤)は、月にどのくらい発生するのか?」
◆「各種手当(特に深夜手当)はどのくらい発生するのか?」

尚、二交代制と三交代制には、当然ながら双方にメリット・デメリットが存在します。

次回は、各交代制のメリット・デメリットに焦点を当てて、ご紹介していきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました