理学療法士は、高校卒業後に養成校に進学しカリキュラムを終了したのち、国家試験を受験して合格しなければ取得できない資格です。
すぐに受験出来るわけではなく、養成校で学ぶ必要があり道のりが長そうだし、様々な実習や課題を乗り越えられるか心配、やる気が続くかどうか…という悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
時間がかかってしまうことによって、人はモチベーションが下がってしまう傾向にあります。
所定のカリキュラムを履修している間が勝負なのではなく、理学療法士になるには国家試験の合格がスタートラインです。
なるべくモチベーションを下げずに合格するためには、やる気を維持したまま最短ルートでの合格を目指すことです。
さらに、最短ルートでの受験は、学費などの費用面を抑えることにも有効です。
今回は、理学療法士になるための最速ルートについて解説していきます。
理学療法士になるまでの道のり
理学療法士に最短でなるための道のりは、
・18歳で高校卒業、養成校に入学
・21~22歳で養成校卒業
・22歳で国家試験を受験、合格する
というルートが最短で、最速は22歳で理学療法士になることが出来ます。
詳しく説明すると、理学療法士になるためには、国家試験を合格しなくてはならないのですが、国家試験は誰でも受験できるわけではなく、まずは受験資格を得ることが重要です。
受験資格を得る方法は、まず高校を卒業します。
その後、理学療法士国家試験の受験資格を得ることが出来る、大学か短大、専門学校へ進学します。
これらの学校で、所定のカリキュラムを終了することで、国家試験を受験することが出来ます。
最短ルートの始まりは短期大学か専門学校への進学
ここで最短ルートで合格を目指すために注目してもらいたいのは、大学と短期大学、専門学校の在籍年数の違いです。
大学は基本的に4年制、専門学校も理学療法士のカリキュラムが学べる学校では4年制を採用しているところもあります。
その中で注目してもらいたいのは、3年制の専門学校か3年制の短大に進学することです。
住んでいる地域によっては、3年制の専門学校や短大が少ない、もしくはないという場合もあるかもしれません。
最短ルートを目指す場合には、高校卒業後の進学先の在籍年数が重要なので、しっかり検討してくださいね。
3年制の専門学校や短大でも問題はない?
大学でも、専門学校でも4年制のところが多いのに対して、3年制のカリキュラムで大丈夫か心配になる人もいるかもしれません。
3年制でも知識やスキルを身に着けることは出来るのだろうか、所定のカリキュラムがいっぱいいっぱいで、辛くなってしまわないか、そんな不安を感じている人もいるかもしれませんが、3年制の専門学校や短大でも受験資格として問題はありません。
4年制のカリキュラムを組んでいる学校と何が違うかというと、4年制の学校のほうが
・授業にゆとりがある場合が多い
・専門教科、必須教科以外にも教養科目、一般科目など幅広く学べる
・授業が選択(カスタマイズ)しやすい
・理学療法士以外の他の職業へのキャリア支援も充実している
・学校行事やサークル活動が盛んな場合がある
4年制の学校ではこんな特徴があります。
3年制の専門学校や短大では、3年間で必要なカリキュラムを終了するため、授業が詰め詰めになってしまったり、授業を選択したり、カスタマイズしたりする余裕がなかったりすることが多いです。
このことに関しては、日課表としてすでに授業が組まれているので履修漏れがなく安心できる。
周りの人と同じ教科を選べるので心強い。
同級生とずっと授業が同じなので、仲良くなりやすい。
こうしたメリットも多いんです。
3年制の学校では、国家試験受験にあたっての必須科目以外を学ぶことがほとんどないという点がデメリットでもありますが
・授業料は3年分で済むので、4年制より卒業までの学費が安くなる場合がほとんど
・モチベーションを落とさずに短期間で卒業を目指せる
・必要教科に集中出来る
こんなメリットが、3年制の専門学校や短大の特徴といえます。
ただ、学校によって特徴に違いもあるので、ぜひ比較して検討してみてください。
学費などの費用面では、4年制の学校では年間平均の学費は100万円~175万円、3年制の学校で年間平均の学費は115万円~170万円です。
年間平均を比べると4年制でも3年制でもあまり違いはないですが、それが1年間分多く支払うかどうか、という違いは大きいですよね。
ちなみに、これは私立学校の平均値なので全体的に費用は高いですが、国立大学は平均60万円前後と、私立学校の半額程度で学ぶことが出来ます。
国立大学だと4年制になるので、費用は抑えられますが最短ルートとはいかなくなってしまいます。
また、ある調査によると、4年制の大学や専門学校に進んだ人よりも、3年制の専門学校や短大の人のほうが、合格率が高いという場合もあるようです。
その理由として考えられるのは、モチベーションを落とすことなく3年間で学ぶことが出来るのと、理学療法士に限定したキャリアサポートが充実していることが多い、受験に焦点を当てた対策をしっかりしている、といった特色があるからだと考えます。
「絶対合格」を掲げているところも多く、絶対合格させるための国家試験の受験対策が充実しているところが多いようですよ。
最短合格のために高校生のうちから出来ること
理学療法士を最短で目指すためには、3年制の専門学校や短大を選択するという実質的な時間短縮とともに、国家試験に1発合格をするための準備も重要です。
専門学校では、理学療法士に必要なカリキュラムを学んだり、国家試験対策をしたり、実習で現場のスキルを学んだりと、専門的な知識を養う場として集中することが重要です。
専門分野以外の学習の基礎を養うことに焦点をおいていないので、高校生のうちから出来ることとして、基礎学力の向上が最短ルートでの合格に向けて出来ることです。
・物理、数学、生物など理数系科目をしっかり学ぶ
・理系の進路を選択する
・英語もしっかり学ぶ
高校生から出来る対策はこの3点です。
理学療法士のカリキュラムでは、理数系に強いほうが有利です。
身体の構造なども学ぶため、基礎知識は高校生のうちから学ぶことが出来ます。
そして、英語の知識も重要です。
理学療法士として活動することになると、海外の文献を見る機会も増えます。
英語の知識が少しでもあるとスムーズです。
最短ルートでの合格後、スムーズに職務につけるように準備するのは、大学や短大、専門学校に入学する前から出来ることなので、ぜひ参考にしてください。
国家試験対策に一発合格するためにはどうすればいい?
理学療法士の国家試験は、年に1回2月頃に開催されます。
合格率は85%前後で、他の国家試験と比べると、比較的合格率が高い資格といえます。
最短ルートを通る現役の受験生は、95%以上の合格率があります。
最短で理学療法士になるためには、まず国家試験の一発合格が目標です。
一発合格をすると、最短21歳~22歳で理学療法士になることが出来ます。
不合格になった人の感想を見ると、圧倒的に「勉強時間が足りなかった」と回答している人が多いです。
試験の難易度は高くないとはいえ、専門知識を問われる問題ばかりなので、しっかりと対策をとることが重要です。
国家試験は午前と午後に分かれており、トータル5時間以上の試験時間になります。
試験の長さに集中力が持たなかった人もいるようです。
本番を想定した対策が重要です。
落ちた場合はどうなる?
理学療法士の試験に落ちてしまった場合は、次年度以降も受験することが出来ます。
最短ルートでの合格とはなりませんが、年齢制限なく試験には挑戦することが可能です。
落ちてしまった場合、すでに理学療法士として就職が決まっていたら、まずは職場に連絡が必須です。
理学療法士の補助として働きながら勉強できる場合や、別の仕事内容で勤務することになる場合など、処遇は就職先の対応次第です。
まとめ
理学療法士に最短でなるためには、まずは高校卒業後、3年制の学校で学びましょう。
ここでは、3年で卒業することが大事です。
その後、現役で迎える国家試験を受験し、合格することが最短で理学療法士になるためのルートです。
理学療法士を目指している高校生は、基礎学力を養いながら、進学先を検討しましょうね。
3年間で学ぶ養成校は、授業や実習が詰まっていて大変かもしれません。ただ、3年我慢すれば最短で理学療法士になれる道が開けます。
国家試験の合格がスタートラインです。
最短合格を目指して、駆け抜けましょう。