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【子育て問題】自分が勤務する保育所に子どもを預ける”メリット”・”デメリット”について解説!

この記事は約9分で読めます。

≪子育てと仕事の両立≫

以前、別の記事にて「看護師の子育て中の働き方」についてご紹介したことがあります(以下リンクより)。

「看護師」「保育士」など、“保育所で勤務している人”は、自分の子どもを自分が勤務している保育所に預けることができる場合があります。

これは事業所によりけりではあるのですが、実際この制度を「利用している人」「利用していない人(別の園に預ける人)」、どちらの方が多いのでしょうか?

今回は、自分の子どもを自分が勤務する保育所に預ける際の、メリット・デメリットについて詳しくご紹介していきたいと思います。

そもそも、自分の子どもを”自分が勤務する園”に預けることはできるのか?


出産・子育てのために退職、もしくは休暇を取って子育てに専念。

その後、ある程度子育てに落ち着いてきたら仕事に復帰をする……というママさんは非常に多いです。

「保育士」であれ「看護師」であれ、どちらも国家資格を有していることから“保育所側にとっても貴重な戦力”であり、復職してくれるなら大歓迎!という園も多いかと思います。

ただ、いくら育児が落ち着いてきたと言っても、小さな子どもを長時間放ったらかしには絶対にできません。

そのため、子どもを保育所に預けるのですが、「保育所の中には、自分が勤める園に子どもを預けることができる」ところがあります。

「保育園でもずっと子どもと一緒にいられる!」

上記のように書くと、メリットのように感じるかもしれません。

しかし……実際は、自分が勤務する園に“子どもを「預ける」か「預けないか」で悩むスタッフは非常に多い”と言われています。

そして、保育所側としても、表立って禁止にはしていなくても「あまり歓迎できない……」と感じている施設もあるようです。

誤解のないようにお伝えしておきますが、全ての園が歓迎していない訳ではありません。

「お子さんも一緒にどうぞ!」とオススメしている保育所もありますし、ホームページや求人・転職サイトなどでも、それを全面的にアピールしている事業所もあります。

ただ、現状は「事業所側」「保護者側」も若干の抵抗があるようで、自分の勤務する園に子どもを預けるママさんは少ないようです。

ただ、少しずつ“数は増えている”ようでもあります。

実際にママさんたちはどう思っているのか?

保育のことを中心に紹介している求人・転職サイトなどでは、実際にアンケートを取ったりなどして“リアルの声”を形にしているところもあります。

以下は、「保育のお仕事レポート」という、保育に関する様々な情報が記載されたサイトなのですが……。

その中に、「100名の保育士に聞いた、自分の子どもを勤務する園に預けたいかどうか?」というアンケートが記載されています。

それが、以下です。


出典:保育のお仕事レポート-77%の保育士さん「自分の職場に我が子を預けるのはイヤ!」

ご覧の通り、8割弱のママさんが「自分の働く園に子どもを預けたいと思わない」と回答しています。

ただし、2割強の人は「預けたいと思う」に回答しています。

この違いはなんなのか?どうして多くの人が「預けたくない」と考えているのか?

事項から、「自分の働く園に子どもを預ける、”メリット”と”デメリット”」について、ご紹介していきたいと思います。

自分の働く園に子どもを預ける”メリット”とは?


2割強とはいえ、「自分の働く園に子どもを預けたい」と考えるママさん保育士がいらっしゃるように、“預けるメリット”も当然存在します。

まずは、そのメリットからご紹介していきましょう。

その1.自分の知っている園だから、「安心」できる

保育所は全国各地に数多く存在します。

そして、ニュースなどでも取り上げられることがあるように、“良い園”もあれば“悪い園”もあるのです。

保育所自体にも良し悪しがありますし、お子さんにとっても“合う・合わない”があるはずです。

“よく知らない保育所”に子どもを預けるよりも、”自分が勤務しているからこそよく知っている保育所”に子どもを預けた方が、安心できると言えるのです。

園の雰囲気はもちろん、園の方針・一日の生活の流れ・職員の性質・生活習慣やしつけの方針・保護者の雰囲気・行事について……などなど、働いているからこそ分かることがたくさんあります。

これが、自分の子どもを勤務する保育所に預ける“最大のメリット”と言えるのではないでしょうか。

その2.身近にいるので、何かあってもすぐに動くことができる

保育所に入園できるのは、「乳幼児~小学校入学までの子ども」が対象です。

そして、この時期の子どもは非常に繊細であり、体調を崩す(急な発熱など)ことも多く、ちょっと目を離したら何をしでかすかわからない=怪我に繋がることも起こり得ます。

特に集団生活の中では、病気やケガがつきものと言っても過言ではありません。

このような、“何かあった時にすぐに対応できる”というのも、大きなメリットの一つと言えるでしょう。

もし他の園に子どもを預けていた場合、緊急連絡が入れば、職場の人に事情を説明し早退しなければいけません。

しかし同じ保育所にいれば、事情が目に見えて分かるため、そこまで気を遣う必要もないかと思います(それでも多少気は遣いますが……)。

また、子どもの状況を担任の先生から聞くことができるのもポイントです。

同じ保育士であり、一緒の園で働く・お互いのことを知っている仲だからこそ、状況も伺いやすいのではないかと思います。

その3.送り迎えの必要がない

同じ保育所にいるため、送り迎えの必要がなく、時間のロスがなくなります。

“送迎が不要である”これも、大きなメリットの一つに挙げられるかと思います。

他の園の場合、時間の制約があることはもちろん、園までの移動時間も発生するため、余計に忙しさが増してしまうこととなります。

加えて、子どもは親と離れることを寂しいと感じ、登園渋りや玄関で引き渡す際に泣かれてしまうようなこともあるかもしれません。

一緒の園であれば、ここもそこまで気を遣う必要がなくなるので、これも安心できる要素になるかと思います。

その4.優先して入所できる場合がある

保育所には「入所制限」というものがあり、定員をオーバーしてしまうと、いくら入所を希望していてもできない場合があります。

それが、現在でも話題となっている「待機児童問題」というものです。

これについては以前に別の記事にてご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきます。

そして、上記タイトル部にも記載されている「子育て安心プラン」というものが、待機児童の解消を目指すために政府によって新たに定められた制度となります。

この事項の中の一つに、「保育士の子どもの預かり支援の推進」というものがあるのです。

実は、保育と子育ての両立が難しいことや「待機児童問題」の点もあって、仕事に復帰したくてもできない「潜在保育士」という方がいらっしゃるのです。

この潜在保育士の方々が“仕事(保育)に復帰しやすい環境を作る”こと。

それは、=保育士が増えるということであり、保育士が増えれば慢性的な待機児童問題も徐々に解消されるものと考えられているのです。

加えて、子育て経験のある保育士が仕事に復帰すれば、さらに“質の高い保育の提供”も実現できるようになるはずです。

このように、自身が勤務する園に子どもを“優先的に入所しやすくなる制度”が設けられているのです。

自分の働く園に子どもを預ける”デメリット”とは?


次に、自分の働く園に子どもを預ける際の“デメリット”について、お話をしていきたいと思います。

その1.周りのスタッフに気を遣わせてしまうから

「自分が勤務する園に子どもを預けたくない」と感じる最大の点がこれです。

まず、自分の子どもを預けた場合、“我が子がいるクラスの担任を受け持つことはありません(できません)”

後述でも記載しますが、他の子どもにも影響を与えてしまう可能性があるからです。

そこで別のスタッフが担当することになるのですが……。

受け持つ側としても、お願いする側としても、ものすごく気を遣うこととなります

子どもとの接し方、そして親御さんへの伝え方にもかなり気を遣うことになりますし、ましてそれが先輩・後輩の間柄であれば、プレッシャーを感じる人もいるかもしれません。

そして、“子ども側”から、ママさんやスタッフに“何かしらの情報”が伝わってしまうことを気にする人もいるかもしれません……。

ある程度、職場やスタッフとの間で信頼関係を築けているなら問題はないと思うのですが、そうでなければ職員や上司としっかり話し合いをし、丁寧な情報交換を行っていく必要はあると思います。

でないと、お互いに気を遣うばっかりで、気持ちよく働くことができなくなってしまうかもしれません。

その2.自分の子どもを「贔屓(ひいき)」してしまう

子ども……まして“自分の子ども”ともなれば、目いっぱい可愛がったり・声を掛けたくなったりするものです。

「自分の子どもの担任を持つことができない」

この理由は、上記の点で“他の子どもと接し方が変わってしまう=自分の子どもを贔屓(ひいき)してしまう”ことを避けるためなのです。

逆に、子ども同士であっても、「〇〇さん(くん)は、〇〇先生の子ども」ということを知っています。

そこから、何かしらの問題に発展する可能性も……もしかしたらあるかもしれません。

こういった点を防ぐために、子どもを預けるママさん保育士は、“保護者”としてではなく“一保育士”として、我が子とも職場内で接していく必要があります。

この点が、親にとっても子どもにとっても“辛い”と感じてしまう部分かもしれません。

子どもからすれば、“先生”ではなく“お母さん”であり、先生としての事情なんて理解できる訳がありません。

もし、お母さんが別のクラスの子どもと楽しく接しているの見かけたら、寂しくて泣き出してしまうこともあるはずです。

またお母さん側としても、仕事中は“園内の全ての子どもと平等に接しなければいけない”ため、他の子どもへ配慮するあまりに、自分の子どもへの態度が冷たいものとなってしまうこともあるかもしれません。

上記もそうですが、自分の子どもを含めた“周りの人たち”に、“すごく気を遣ってしまう”……。

これが、「預けたくない」と感じてしまう一番の要因となっているのです。

まとめ

自分が勤務する保育所に子どもを預ける……。

実はメリットも中々に多く、やはり「自分の目の届く範囲に子どもがずっといる状態」というのは、お母さんにとっては大きな安心感を得られると思います。

他にも、何かあればリアルタイムで状況を報告してもらえたり、園によっては「延長保育料」が免除されるところもあったりします。

ただ、メリットを実感できるのは、そこで勤務しているママさん保育士自身が「この保育所なら、うちの子どもを預けても大丈夫」と思えるほどに、信用・信頼関係ができていれば……の話でもあると思います。

でないと、デメリットの項目でお話した“気遣い・気疲れ”の方が大きくなってしまい、余計にストレスを抱え込んでしまうことに繋がりかねません。

メリット・デメリットをしっかりと把握しつつ、気になるのであれば同じ施設に勤務している先輩(ママさん保育士)や、保育士仲間に相談してみるのもいいかもしれません。

“子育て”は非常に大変なものであり、それに加えて“仕事もする”となれば、お母さんの負担は相当に大きなものとなってしまいます。

絶対に“一人で悩んだり・抱え込んだりせず”、周囲の人の声を聴き・相談をしながら、自分にとっても子どもにとっても良い方向を見つけられるよう模索してみてください。

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