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「ガイドヘルパー」ってどんなことをするの?サービス内容や対象者について徹底解説!

この記事は約9分で読めます。

介護という仕事には、実にさまざまな職種が存在します。

「ガイドへルパー」という仕事もその中の一つです。

ただ、“利用したことがある人”もしくは“介護に精通している人”でもない限り、あまりサービス内容にピンとくる人は多くないかもしれません。

今回は、このガイドヘルパーのサービス内容や対象者について、詳しくご紹介していきたいと思います。

どんなサービス?大まかな内容からご紹介


まずは、このサービス(職業)の大まかな部分からご紹介していきたいと思います。

移動の”介助”をする

このサービス(職業)は、別名「移動介護従事者」とも呼ばれています。

つまり、その名が示す通り“移動を介助する”仕事のことを言います。

“ヘルパー”“介護”という単語が使用されていることから、詳細を知らない人だと「対象は高齢者?」と思われるかもしれません。

もちろん高齢者の方が対象となる場合もありますが、基本は“1人で外出することが困難な方が対象”となります。

つまり、“心身に何かしらの障害を持った方”です。

また、障害によって受けられるサービスも異なってきます(詳細は後述にて)。

外出先に”制限”はあるの?

ガイドヘルパーの目的は「対象者の移動を”安全に配慮して”介助する」ことです。

そのため、外出先に制限はありません

“通学”“通院”などのサポートはもちろんのこと、利用者が“散歩”“旅行”を望まれるのであれば、利用者の「〇〇に行きたい」という目的を実現する役目を担っているのです。

支援するだけじゃない?この仕事の大切な「役割」とは?

この仕事のことをご存じない人からすると「移動が困難な人の、外出の支援(サポート)をするだけの仕事」と思われがちです。

確かに、仕事内容としてはその解釈で大方間違ってはいません。

しかし、利用者にとっては上記以上に重要な存在であることに間違いありません。

というのも、高齢者であれ障害を持った人であれ、移動や外出が難しい人というのは“心身の状況(状態)から社会参加の機会が少なくなりがち”なのです。

「社会参加の機会が少ない=人と接する機会が少なくなる」ということです。

社会参加・人との関わりは、人が人として生活をしていく上で必要不可欠なものです。

このサービス(職業)は、単なる移動の介助だけでなく「生活の質を維持・向上すること」はもちろんく「社会交流の機会を増やすことができるようになる」という大切な役割を持っているのです。

詳しい「サービス内容」について


“移動や外出が困難な方の介助をする”ことがこの仕事の最大の特徴ですが、そのサービス内容は「障害の種類」によって異なります。

大きく分けると、以下が対象となります。

≪ガイドヘルパーの対象となる方≫

①「全身性障害」
②「知的・精神障害」
③「視覚障害」

それぞれ個別に解説していきたいと思います。

「全身性障害」について

「全身性障害者」とは、大まかに“脳性まひ/頸椎損傷/筋疾患等による肢体不自由者で、四肢体幹等全身にわたり障害を有している人”のことを指しています。

この全身性障害を持つ人を対象とする外出支援では、安全に移動ができるように“誘導”“介助”を行っていきます。

ただ、一つだけ誤解のないようにお伝えしておくと「全身性障害者=全ての人が自分の判断で一切動けない訳ではない」ということです。

中には“自走”が可能な人もいます。

そのため、“自走できるかどうか”で役割は変わってきます。

「自走できる」場合

この場合は、周囲(他の歩行者や車・自転車など)に気を付けながら、“安全に移動ができるように誘導を行う”ことが主な役割となります。

また横断歩道などの場合、車いすでは青信号になっている間に渡り切ることが難しい場合もあるため、安全に移動できるよう適切な場面で介助を行う必要も出てくる場合があります。

「自走できない」場合

この場合は、“ガイドヘルパーが車いすを押して移動する”ことが基本となります。

移動の際には、利用者が不安になったり・怖い思いをしないように、安全な場所を通ることが重要です。

「知的・精神障害」について

「知的・精神障害」とひとまとめに記載していますが、これは「知的障害」「精神障害」に分かれており、それぞれで障害の内容は異なります。

まず「知的障害」からですが、これは知的機能の発達に遅れがみられ、社会生活などへの適応が難しい状態”のことを言います。

そして「精神障害」ですが、これは“精神疾患の総称”のことであり、様々な原因により精神機能に障害を生じ、精神が正常に働かずに行動の異常が出現する状態”のことを指しています。

その原因は主に「内因性」「外因性」「心因性」に分けられており、以下のようなものが該当します。

◆うつ病
◆統合失調症
◆双極性障害
◆薬物依存症
◆てんかん
◆高次脳機能障害 など

障害の種類がさまざまであり、それぞれの障害および本人の性格による特徴から、外出時にさまざまな問題が発生する恐れがあります。

その問題が発生しないように、利用者の特性に応じたコミュニケーションを取りながら安全に移動できるように支援を行うことを求められます。

「視覚障害」について

視覚障害とはその名の通り、「視力や視野に障害がある人」のことを言います。

目が見えなかったり、眼鏡をつけても一定以上の視力が出なかったり、視野が狭くなり人や物にぶつかるなどの状態のことです。

実は、ここまでに挙げた3つのサービスの中で最も需要が多いのが、この視覚障害者へのサポートとなります。

視覚障害者への移動支援は「同行援護」と呼ばれており、以下のような役割を担っています。

◆移動のサポート
◆外出先での「代読」および「代筆」
◆食事の支援
◆排泄の支援 など

同行場所としては、病院や買い物が多いと言われています。

何が違う?「移動支援」「行動援護」「同行援護」の違いについて


前項の「ガイドヘルパーの仕事内容」の中で出てきた「同行援護」という言葉。

ガイドヘルパーが提供するサービスの中には「同行援護」の他に「移動支援」「行動援護」というものが存在します。

それぞれの違いは一体何なのか?

どういった方が対象となるのか?

この項目にて、詳しくご紹介していきたいと思います。

※「移動支援」「同行援護」「行動援護」の順に解説します※

「移動支援」とは?

移動支援=生活支援事業であり、これは“地方自治体”が行っている支援サービスとなります。

これは、その名の通り「利用者の移動を支援する」ものであり、移動が困難な障害者の全てが対象となります。
(視覚障がい者や知的障がい者なども含まれる場合もある)

ただし、自治体によって支援の対象者やサービス内容が異なるため、「自身が移動支援サービスの対象者であるかどうか」は事前に確認することが必要です。

「同行援護」とは?

「同行援護」は、上述でもお伝えしたように「視覚障がいがある人へ、外出時のサービスを提供する」ことを指しています。

これは、“国が提供している事業”であり、各自治体によるサービスの違いはありません。

加えて、以下のような特徴があります。

◆個人向けのサービス(個人給付)であり、サービス提供は1対1となる
◆視覚障害の程度によって、「身体介護」を受けることができる(衣服の着脱や排せつなど)

例えば、「障害支援区分2以上」または「歩行について全面的な支援が必要」である場合などは、認定されれば身体介護も受けることができます。

「行動援護」とは?

上記「同行援護」と似た名称となりますが、こちらは「重度の知的・精神的障害のある人を対象とした国が行う支援サービス」のことを指しています。

こちらも同行援護と同じく“国が提供している事業”なので、自治体ごとにサービス内容や要件が変わることはありません。

この「行動援護」の対象者は、「障害者支援区分が3以上」か、「障害支援区分認定調査において行動に関する項目が10点以上の場合」です。

そして、行う支援は「外出に必要な衣服の着脱」「生活介護」「危険回避のための支援」などが該当します。

こちらも上述でお伝えしたように、行動には障害者ごとの特性があるため、要望に応じた支援が必要となります。

また、上記2つのサービスに比べ“支援内容が多くなりやすい”ことも特徴に挙げられるかと思います。

ガイドヘルパーには資格が必要?


結論から言うと、「ガイドヘルパーになるためには資格が必要」となります。

ただ、上述でもお伝えしたように、サービス内容は障害の種類によって異なります。

そのため、必要な知識およびサポート技術を身に着けるための研修は“3つ”に分かれており、自分が学びたいものを選択し受講することとなります。

その後、各資格を取得できるようになるのです。

資格(研修)の名称は以下の通りです。

◆全身性障害者ガイドヘルパー(全身性障害者過程研修)
◆知的・精神障害ガイドヘルパー(知的・精神障害者行動援護従業者養成研修)
◆視覚障害者ガイドヘルパー(同行援護従業者養成研修)

これらの詳細については、別の記事にて「ガイドヘルパーのなり方」を解説しますので、そちらに記載することとします。

この記事内では「ガイドヘルパーになるには、(上記のような)資格が必要である」ということだけ認識しておいていただければと思います。

補足:資格なしでも「移動介護」は可能なのか?

少し上記の補足となるのですが、障害者が移動する際に介助を行う場合、必ずしもガイドヘルパーの資格が必要というわけではありません

“知的障碍者への移動サービスの提供”に限り、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格」があれば、各ガイドヘルパーの資格がなくても問題ありません。

尚、全身性障害者や視覚障害者への移動サービスは、基本的に前項で挙げたガイドヘルパーの資格が必要とされています。

ただ、自治体によっては「ガイドヘルパーの資格がなくても良い」とされる場合もあるので、この点の詳細は各自治体に確認を取ってみてください。

まとめ

この記事内でお伝えしたように、ガイドヘルパーの仕事は単なる「移動が困難な人の外出をサポートするだけの仕事」ではありません。

ガイドヘルパーが関わることによって、「これまでの生活を維持すること」はもちろん「社会交流の機会を増やすことができる」ようになります。

現代は、障害を持つ人の社会参加が推進されていると同時に、「外出したい」と考えている障害者の方も増加傾向にあります。

そのため、今後もガイドヘルパーの需要は伸び続けると考えられています。

しかし、現時点ではガイドヘルパーの数はまだまだ足りていない状況です。

ガイドヘルパーの資格は、取得難度が低く比較的誰にでも挑戦しやすい資格ですので、関心がある方はガイドヘルパーに関する情報を調べてみてください。

このサイト内でも引き続きガイドヘルパーに関する情報をご紹介していければと思います。

次回は、「ガイドヘルパーのなり方」「必要な資格」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

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