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「助産師」ってなに?仕事内容・勤務する先や、”産婆”との違いなどについて徹底解説!

この記事は約6分で読めます。

「助産師」とは、女性の妊娠・出産をサポートする専門家のことです。

ただ、助産師の仕事はそれだけではありませんし、勤務先も実は色々な種類があります。

「助産師という名称や、簡単な仕事内容なら知ってる」という人は多いでしょうが、この仕事について詳しく説明できる人もそう多くはないのではないでしょうか。

ということで今回は、この「助産師」について詳しくお話をしていきたいと思います。

「助産師」って一体なに?


まずは、「助産師」という職種について、詳しくご説明していきたいと思います。

その名の通り「助産行為」の専門職である

記事の冒頭でも記載しましたが、「助産師」というのは“女性の妊娠・出産をサポートする(=助産行為)専門家”のことをいいます。

ただし、一言で「妊娠」「出産」と言っても、妊娠期間はとても長く、出産時はもちろん出産後も様々なサポートを行うため、業務範囲は非常に幅広いことが特徴に挙げられます。

ちなみに“サポート”と聞くと、“誰か(妊婦や医師)の補助をする仕事”と考えられる方がいます。

確かに間違ってはいないのですが、正確には「妊娠から出産・育児に至るまで、”母子の健康を支える仕事”」と言った方が受け取り方が大きく変わるように思います。

妊娠・出産・育児を行う女性、そして生まれて間もない赤ちゃん(乳幼児)は、非常にデリケートな時期であり、いつ容態が急変するかもわかりません。

だからこそ、助産師によるケアが必要となるのです。

※具体的な仕事内容については、後述でご紹介します※

助産師は「女性」しかなれないの?

実は、日本の法律では「助産師は女性しか就くことができない職業」とされています。

ただし、海外では男性の助産師がいる国もあります。

「産婆」とは違うの?

今でこそもう耳にすることはほとんどありませんが、助産師はかつて「産婆」(さんば)と呼ばれていたことがあります。

つまり、「助産師」「産婆」は同じ意味合いを持つのです。

ちなみに、間に「助産婦」と称されていたこともあります。

流れを説明すると……、そもそも古くは「産婆」と呼ばれていました。

そして1948年の「保健婦助産婦看護婦法(保助看法)」(※)の公布により「助産婦」と呼ばれるようになります。
(※)保健婦助産婦看護婦法=現在の”保健師助産師看護師法”のこと

その後、2002年の法律改定に合わせ、名称が「助産師」へと変わり……今に至るという訳です。

ちなみに少し余談ですが、英語では助産師のことを「Midwife」(ミッドワイフ)と呼んでいます。

意味は、「”wife”(女性)と”mid”(共に)」です。

助産師は、具体的にどんなことをするの?(仕事内容)


前項でもお伝えしたように、助産師の仕事は出産をサポートして赤ちゃんを取り上げるだけではありません

大別すると、助産師の仕事内容は以下の2つが挙げられます。

◆「助産行為」=出産のサポートをすること
◆「保健指導」=女性(妊婦・ママさん)や赤ちゃんの健康を支えること

そして、「出産前」「出産時」「出産後」で、行うべき業務が大きく変わります。

それぞれ個別にご紹介していきましょう。

1.出産前

行うべき業務は、以下の3つが挙げられます。

◆「生活指導」
◆「健康指導」
◆「産前教育」

妊婦さんが健康に出産できるよう、そして赤ちゃんが元気に生まれてくるように様々な指導を行っていきます。

加えて、出産の基礎知識や“親になる”という心構えを伝えたり……、また妊婦さんの相談に乗って不安を取り除いたりもします。

2.出産時

出産を助け(補助し)、赤ちゃんを取り上げる「分娩介助」(ぶんべんかいじょ)を行います。

ちなみに「正常分娩」であれば、医師の指示を受けることなく“自身の判断”で助産介助を行うことができます。

助産介助を行う場合、「助産師がお産の進行をコントロールする役割」を担うこととなります。

病院や診療所で行う一般的なお産の場合、「医師:1人/直接介助を行う助産師:1人/赤ちゃんを受け取る助産師(or看護師):1人」の3人体制で行うことが多いです。

3.出産後

出産後も、助産師のやるべき仕事は多いです。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

◆入院中の妊婦の体調管理(健康指導)
◆母乳指導や乳房ケア
◆乳児の保健指導(新生児のケア)

また、退院後の生活や育児に関するアドバイスを行うこともあります。

助産師の「就業者数」や「勤務地」について


次に、助産師の「就業者数」「勤務地」について、お話をしていきたいと思います。

助産師の「就業者数」について

まずは助産師として勤務している人数からご紹介していきます。

具体的な人数ですが、これは≪日本看護協会≫にて統計資料が公表されています。

参考までに、令和元年(2019年)の部分をご紹介をすると……。

まず、助産師の総数は「40,632人」とされています。

助産師の人数はここ最近の数値を比較すると、毎年上昇傾向にあります。

例えば、平成30年(2018年)の総数は「40,272人」であり、全国で“360人”増加していることとなります。

助産師の「勤務地」について

助産師といっても、勤務先は病院や診療所だけではありません。

以下に、勤務先と勤務している人数について、多い順にまとめて記載します。

◆1位:「病院」24,738人(60.9%)
◆2位:「診療所」9,968人(24.5%)
◆3位:「助産所」2,281人(5.6%)
◆4位:「看護師等学校養成所・研究機関」1,531人(3.8%)
◆5位:「市区町村」1,409人(3.5%)
◆6位:「保健所」384人(0.9%)
◆7位:「その他」243人(0.6%)
◆8位:「社会福祉施設」27人(0.1%)
◆9位:「事業所」26人(0.1%)
◆10位:「都道府県」25人(0.1%)

計:40,632人(令和元年)

働いている場所としてもっとも多いのは、「病院」(60.9%)と「診療所」(24.5%)であり、2つを合わせて“85.4%”となります。

ちなみに、「病院・診療所」「助産所」はできることに大きな違いがあります。

なぜなら、助産所には”助産師”か”看護師”しかいないため、医療行為を行えないのです。

そのため、仮に助産所で分娩介助を行う場合は、妊婦と赤ちゃんの健康状態に問題がない「正常分娩」の場合に限られます。

もし母子の状態に異常が見られたり、「異常分娩」(帝王切開などの医療行為)となる場合は、「病院・診療所」にて医師の指示のもとに分娩介助を行う必要があるとなります。

とはいえ、“母子の状態はいつ異常が見られるか分からない”ことから、助産所は病院や診療所と密接に連携を取っているところがほとんどです。

ただ、それぞれに違いがあるということだけ、ご理解いただけていればいいかと思います。

まとめ

今回は、助産師の仕事内容や勤務先・終業人数の部分に焦点を当ててご紹介をしました。

「助産師になるには、どうしたらいいの?」という部分が気になる方もいるかと思いますが、それは別の記事にてご紹介できればと思います(長くなりますので……)。

ただ、一つだけお伝えしておくと、助産師になるには「看護師免許」「助産師免許」“2つの国家資格”に合格する必要があります。

中々に道のりは険しいですが、「母子の”命”を預かる」という重大な役割があることから、取得難度が高くなってしまうのも無理はないのかもしれません。

赤ちゃん=可愛らしい天使のようなイメージを持たれる人も多いでしょうし、それは何も間違っていません。

でも、現場は“幸せなお産だけではない”のです。

時には、どれだけ手を尽くしても「死産」という結果が避けられないこともあり、辛い現実を目の当たりにすることだってあります。

しかも、その上で気持ちを切り替えて次のお産に当たらなければいけないのです。

この辺り……つまり「助産師の良いところ・気になるところ」や、「助産師に向いている人」などについても、次回の記事でご紹介をしていけたらと思います。

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