世界各国で感染が広がり、現在日本国内でも猛威を奮っている「新型コロナウイルス」。
昨年2020年から感染が広がり、2021年4月末には3度目の緊急事態宣言が発令。
1年以上が経過した今現在でも、コロナウイルスの感染は拡大し続けています。
「始まりはなんだったのか?」
「どんな症状?風邪やインフルエンザとは何が違うの?」
「感染経路は?」
「どうすれば予防・対策ができる?」
今回は、この新型コロナウイルスについて、色々とご紹介していきたいと思います。
はじめに ~情報は鵜呑みにしないで!~
現在、新型コロナウイルスに関する情報は、リアル・ネットを問わずそれこそ山ほどに存在します。
しかし、その中には不確かな情報も多く出回っているのが現状です。
また、コロナの影響で職を失ってしまったり、生活に困窮(こんきゅう)している人も数多くいらっしゃいます。
そういった状況で、「新型コロナウイルス感染症に便乗した詐欺行為」が被害として現実に発生しており、政府や警視庁からも注意喚起がされています。
確かに、情報収集することは、とても大切なことです。
しかし、“情報は、絶対に鵜呑みにしない”ということだけは、必ず徹底してください。
特に、コロナウイルスに関することは、“人々の命や生活の危機に直結するもの”です。
何か問題が発生してからでは取り返しがつかず、どうすることもできません。
コロナに関すること、ワクチンに関すること、緊急事態宣言に関することなど、情報は必ず「文責」のあるところから集めるようにしてください。
※文責=情報の出どころがハッキリしている、公開している文言に対して責任が取れるもののこと※
そして、「特別定額給付金」などの給付を装った詐欺にも注意してください。
総務省や市区町村などが、“ATMの操作をお願いすることは、絶対にありません”。
以下に、厚生労働省と警視庁の、コロナ詐欺に関する注意喚起のページのリンクを貼り付けておきます。
もし、「何かおかしい気がする……?」と少しでも不審に感じることがあれば、個人情報は絶対に教えず、迷うようであれば必ず誰かに相談するようにしてください。
「コロナ」のはじまりは何だったのか……?
2019年12月ごろ……中国の湖北省武漢市にて、病原体不明の肺炎患者が増加しました。
※あくまで”増加”が確認されただけであり、起源がどこであるかは不明確です※
そして、これがのちに“新型コロナウイルスによる肺炎”だということが判明したのです。
尚、「世界最初の新型コロナの症例は、2019年12月8日に発症した」と、WHO(世界保健機関)が公式に発表をしています。
その後、新型肺炎は世界各地に感染が広がっていき、2020年には日本での感染者も増加……。
1年が経った2021年現在も、その脅威は一向に衰える様子がありません。
ちなみに、日本において最初に新型コロナ患者が報告されたのは、「2020年1月16日」となっています。
この第一例の患者さんは、1月6日に武漢市から日本に帰国。その後、1月14日に診断されています。
なぜ「新型」なのか?
そもそも「コロナウイルス」とは、ヒトや動物の間で広く“感染症”を引き起こすウイルスのことを言います。
そして、場合によっては重度の肺炎などを引き起こす恐れがある今回の新型コロナウイルスは、「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や「MERS(中東呼吸器症候群)」と同じコロナウイルスの一種なのです。
現在、ヒトに感染するコロナウイルスは”6種類”が確認されていますが、今回発見されたコロナウイルスは、このどれにも当てはまらない全く新しい型となります。
そのため、新型として「2019-nCoV」という名称が、WHO(世界保健機関)から付けられることとなりました。
新型コロナの症状について
「潜伏期間」とは?
まず、「潜伏期間」というのは、“感染してから症状が現れるまでの期間”のことを言います。
新型コロナの場合、潜伏期間は1日~14日ほどと言われています。
また、WHOからは、潜伏期間の平均は“5日~6日ほど”と報告されています。
新型コロナと他の感染症の大きな違いは、「発症間もないころから、非常に感染性が高い」という点が挙げられます。
後述でもう少し詳しくお話しますが、新型コロナの初期症状は、一般の風邪と区別が付かないと言われています。
まだ新型コロナが世間一般に大きく認知されていなかった頃、「風邪かな……?」と感じ、風邪薬を飲んで様子を見たり・病院に行って診察を受けたりして対策を講じていた方も多くいらっしゃるでしょう。
しかしその間にも、プライベートであったり仕事であったり……人と接触する機会は当然あり、それが「市中感染」として、街中などで感染が拡大していったのです。
「初期症状」はどんなものが発生する?
これについては、既にメディアでも多く取り上げられているので、ご存知の方もたくさんいらっしゃるかと思います。
上記でもお伝えした通り、初期症状は風邪と区別が付きづらく、以下のような症状が発症する可能性があります。
発熱
現在は、“体温を計る”ということが当たり前になっており、熱の有る無しが「新型コロナに感染している可能性があるかどうか」の一つの指標になっています。
発熱は、新型コロナの感染症状の一つです。
熱に関しては風邪やインフルエンザでも同様に発症するものではありますが、新型コロナの場合は「37.5℃以上の発熱が、4日以上続くことがある」という特徴があります。
2020年初めのころは、「風邪による発熱だろう」と考えて、自宅療養で様子をみていた方もいらっしゃったかもしれません。
しかし2021年現在であれば、“発熱=新型コロナ感染の疑いがある”と考えて、できるだけ早く病院で診察を受けることをおススメします。
全身の倦怠感(疲労感)や筋肉痛
インフルエンザに感染した時も全身の倦怠感や疲労感に見舞われますが、あれに近いものです。
これは、単体での発症というより、発熱とセットで確認されることがほとんどと言われています。
これが発生する理由は、“身体がウイルスと戦うために体温を高くしているから”です。
人は、筋肉の運動により、体温を作り出します。
例えば、風邪を引いて発熱した時に”悪寒が走る”ということを経験した人も大勢いらっしゃるでしょう。
あれは、自身の意志に反して、筋肉が収縮や拡張を繰り返すからこそ起こるものなのです。
自分の意志に反して筋肉運動を行うため、筋肉痛・関節の痛み・倦怠感・疲労感などが起こると考えられています。
尚、熱がない状態でこういった症状が発生した場合、「これから発熱が起こる可能性があるかもしれない」と考えておいてもいいかと思います。
呼吸困難(咳・息切れ)
前項で、「ヒトに感染するコロナウイルスは6種類存在する」とお伝えしましたが、共通しているのは“全て呼吸器系に症状をきたす”という点です。
この新型コロナも同様です。
例えば、仮に熱がなかったとしても、
◆息苦しく、呼吸がしづらい……
◆咳が長く続く……
上記のような症状があれば、感染の疑いをもった方がいいかもしれません。
そしてもう一つ。
この新型コロナは、重度の肺炎に移行する可能性があります。
元々、呼吸器の機能が弱い方や、喫煙者の方などは、この症状には特に注意しておいた方がいいかと思います。
その他
代表的なものはここまでにお伝えした4つが挙げられますが、他にも下記のような症状を訴えることもあります。
- 頭痛
- 喉の痛み
- 鼻水
- 嘔吐な下痢
- 味覚・嗅覚異常
「頭痛を感じて検査をしたところ、新型コロナに感染していた」という事例もあります。
また、「食事をしても味がしない……」「食べ物の匂い(臭い)が分かりづらい……」という、味覚・嗅覚異常から、感染が発覚した方もいます。
ここでご紹介している内容で最も厄介なのは、“風邪の際にも発生する症状ばかり”ということです。
必ずしも“コロナが原因”とも言えず、場合によっては安静にして経過を見ることも必要となります。
ただし、逆もしかりです。
初期症状は人によって様々であり、例えば「頭痛はする……しかし、熱はない。じゃあコロナに感染している訳ではない!」と直結することはできないのです。
少しでも異変を感じたら、まずは自宅で安静にして経過を見る。場合によっては医療機関で受診をする。
少なくとも、不要不急の外出は避け、同居している家族などがいらっしゃれば、マスクも着用して過ごすのが良いかと思います。
「無症状」の場合もある……?
ここまでにご紹介してきたのは、感染後に症状が発生する……つまり“有症状”の場合です。
これとは逆に、感染しているものの症状が現れない、“無症状・無症候”な方もいます。
実際に、”無症状だったが、検査をしたところ感染していた”という芸能人がおり、ニュースになったこともあります。
この場合、本人に自覚症状がないため、「まさか自分が感染しているなんて……」と驚きを隠せないでしょう……。
実際、こういった方は他にもたくさんおり、感染者全体から見て“2割程度”の人が、無症状・無症候であるとも言われています。
ここで一つ問題となるのは、「無症状の人から感染する恐れはあるのか?」という点です。
あくまで参考程度に捉えていただければと思いますが、「有症状者に比べ、無症状者からの感染率は低い」というデータが出ているようです。
(有症状者に比べ、無症状者からの感染率は”3倍~25倍低い”というデータが存在する)
確かに、”有症状者に比べて感染率が低い”というだけであり、100%感染しないという訳ではありません。
しかし、「日常生活の中で、無症状なコロナ感染者を見分けることはできない」とも言えます。
何が言いたいのかというと……、「無症状の感染者の存在を恐れて、一切の外出を禁ずる必要はない」ということです。
確かに、感染者が増加し、緊急事態宣言が発令されている中で、不要不急な外出を控えた方がいいのは間違いありません。
しかし、生活する上で絶対に必要となる外出(買い出しなど)もあるでしょうし、テレワークが不可能な仕事で外出を余儀なくされることもあるはずです。
そんな時に、「無症状の感染者がいるかも……?」といたずらに恐れてビクビクし過ぎる必要はありません。
むしろ注意すべきなのは、“有症状者(感染の恐れがある人)には、絶対に濃厚接触をしない”という点です。
現時点でハッキリしていることは、“感染する確率は、有症状者の方が圧倒的に高い”ということ。
この点には、特に注意をしておくことをオススメします。
「感染者」と「陽性者」は違う
テレビやネットのニュースなどで、「本日の新型コロナウイルスの”感染者”が、○○人を超えました」などと目にする機会は多いと思います。
実は、この「感染者」は、厳密に言うと「陽性者」が正しい使い方となります。
なぜなら、“感染者=ウイルスに感染している者”のことを指すからです。
前述でご紹介した通り、新型コロナ感染には「有症状者」「無症状者」がいます。
仮に感染していても、「無症状のため、検査を受けていない」という人もいるでしょう。
ニュースで流れている感染者数(陽性者数)は、あくまで“陽性と出た人数を集計しているだけ”であり、実際はもっと多くの感染者がいると考えられます。
「風邪」や「インフルエンザ」との違いは?
初期症状に関しては、ここまでにご紹介した通り、風邪やインフルエンザと区別が付きづらく、似た症状のものが多いです。
この2つとの最たる違いは、「伝染性の強さ」と「肺炎を合併し、重症化する可能性がある」という点が挙げられます。
「伝染性」に関しては、上述でもご紹介した通りです。
インフルエンザも確かに伝染性は強いですが、現代であれば発生する時期がある程度予測でき、予防接種を受けることができます。
またワクチンも存在することから、発症したとしても、重症化する可能性はそれほど高くはありません(注意するに越したことはありませんが……)。
対して、新型コロナの伝染性はインフルエンザ以上であり、有効なワクチンもまだ未完成です。
加えて、感染者の約20%の人が肺炎を合併する恐れがあり、さらにその一部の人が重症化して、集中治療や人工呼吸を必要とする場合があります。
実際に、上記のことがキッカケで命を落とされた方もいらっしゃいます……。
また、現在「医療機関がひっ迫した状態にある」とニュースなどでも報道されていますが、感染者の増加はもちろん、この重症患者用の病床が不足していることも、問題の一つとして挙がっているのです。
この“肺炎を合併しやすい人”というのは、上述で上げた「基礎疾患のある人」「喫煙者」の他にも、「高齢者」や「妊婦さん」なども注意が必要と言われています。
既に新型コロナの脅威は日本だけでなく世界規模で問題となっており、緊急事態宣言も発令されている今の状態で、危機感が無いという人はほとんどいないかとは思いますが……。
「とりあえず自分は大丈夫」
「たぶん風邪でしょ?休めば回復すると思うよ」
と言った、“他人事”でいることが一番危険であり、周囲の人たちにも影響を及ぼす可能性が高くなってしまいます。
必要以上に警戒し過ぎて雁字搦め(がんじがらめ)になるのもどうかとは思いますが、少なくとも“他人事で済ませず、できる限りの予防策を講じること”と“有症状者の人には濃厚接触しないこと”、そして“何か異変を感じたら安静にするor医療機関で診察を受ける”ということを徹底していただければと思います。
そもそも、どうやって感染するの?
ウイルスは、どこから侵入して感染するのか?
まず、新型コロナは、傷のない皮膚から侵入することはありません。
人の、「目・鼻・口」などの粘膜から侵入することで感染するのです。
例えば、コロナに感染している人と、“約1m以内の近距離”で“約15分以上の会話”をすると、感染者の吐息に含まれるウイルスが「目・鼻・口」などから侵入し、感染してしまうのです。
ニュースや記事などで「密を避けてください」と言われる理由の一つは、ここにあります。
感染経路は、大きく2つ存在する
既にご存知の方がほとんどかと思いますが、現在の主な感染経路は、大きく以下の2つが考えられています。
※ただし、明確な感染源は明らかではありません※
飛沫感染(ひまつかんせん)
一つは、「飛沫感染」です。
言葉を発していたり、咳やくしゃみをすると、口から細かい水滴(しぶき)が飛び散ります。
この細かい水滴(しぶき)のことを「飛沫(ひまつ)」と言います。
上記でお伝えした通り、近距離で会話をすることで、この飛沫の中に含まれるウイルスが相手の「目・鼻・口」などの粘膜から侵入し、感染する……。
経路はこのようになります。
尚、「会話をする時は、2m以上の距離を取ってください」と言われますが、2mと言われる理由は“飛沫の飛距離が、約1~2m”とされているからです。
この飛沫は、水分を含んでいるため、それなりの大きさ・重さがあります。
そのため、口から放出された後に、1~2m程度飛んで、地面に落ちます。
これは、会話時だけでなく、咳やくしゃみなども同様です。
(くしゃみなど勢いよく飛び出た場合、10mを超すことがありますが、吸い込める距離は1~2mと言われている)
仕事や生活をしていく中で、人との関わりは必要不可欠なものであり、“絶対に一定の距離を取る”というのは状況によっては難しい時もあるかとは思います。
ただ、意識しておくだけでも違います。
2mほど距離を取ることはもちろん、マスクをしたり、咳やくしゃみをする時は口を押さえる……など、対策・予防できることを徹底しておくと良いかと思います。
接触感染(せっしょくかんせん)
「スマホは、菌だらけで汚い」という話を耳にしたことはないでしょうか。
その理由は、“手は色々なところから菌やウイルスをもらってくる。その手でスマホを触るから”です。
(生活をしていれば、手に汚れがついたり、菌やウイルスが付着してしまうことは仕方のないことですが……)
この“手にウイルスが付着する”というのは、新型コロナも例外ではありません。
例えば、感染者がくしゃみや咳で手を押さえた場合、飛沫を通じて手にウイルスが付着します。
そして、その手で周りの物に触れると、その”物”にウイルスが付着します。
それを別の人が触ることで、その人の手にもウイルスが付着してしまいます。
最後に、そのウイルスが付着した手で、口や鼻を触ってしまうと……粘膜から感染する恐れがあります。
これが、「接触感染」というものです。
この一番の問題点は、“どこからウイルスが付着するか分からない”ということです。
電車やバスのつり革、エレベータのボタン、電気を付ける際のスイッチ、ドアノブ……などなど、生活していく中で「触らない日は無い」と言えるものまで……。数えだしたらキリがありません。
そして、金属やプラスチックの表面に付着したウイルスは、最大3日間生存する可能性があると言われています。
「手を洗ってない(清潔でない)時に、顔に触れなきゃ良いだけでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、無意識に触れてしまうことも多いのです。
(ある調査では、人は1時間に約10回、無意識のうちに自分の口・鼻・目に触れるという結果が出ている)
この接触感染で一番気をつけることは、「手洗い・消毒」です。
そして、手洗い・消毒などで手を清潔にする前に、口・鼻・目を手で触らないことです。
特に、外出先から自宅に帰宅した際は要注意です。
家庭内にウイルスを持ち込まないためにも、玄関=帰宅してすぐの場所で、しっかりと手指を殺菌・消毒するということを心がけてください。
これをするだけで、家庭内にウイルスを持ち込む確率は大きく減ります。
(もちろん、絶対に防げるとは言えませんが……)
できる限りの予防をする。
これは、自身だけでなくご家族を守るためにも必要なことなので、徹底していただければと思います。
「空気感染」ってしないの?「エアロゾル感染」って何?
※「エアロゾル感染」は、まだ解明されていないことも多いため、あくまで参考程度にご覧ください※
「エアロゾル」というのは、“気体中に液体or固体の微粒子が広がった状態”のことを言います。
上述でご紹介した通り、咳やくしゃみから出る「飛沫」は、一定の大きさ(5μm以上)と重さがあり、1~2m程度しか飛ぶことはありません。
しかし全てがこの通りになる訳ではなく、「飛沫核」(飛沫から水分が蒸発したもの)など、2~3μm以下の微小粒子のものは空中で数時間漂うと言われているのです。
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(これが「エアロゾル」と呼ばれるもの。他にも、マイクロ飛沫・バイオエアロゾルなどとも呼ばれる)
つまり、「エアロゾル感染」とは、微小粒子を介して感染することを指しているのです。
新型コロナは、「空気感染しないであろう」と言われており、「乾燥した状態ではウイルスは長く感染力を保てない」とも言われています。
ただし、以下の場合は注意しておくに越したことはありません。
- 人が密集している
- 湿気がこもっている
- 換気・風通しが悪い密閉環境
この場合、ウイルスが潜んでいるエアロゾルは、「水分・感染力を保った状態で、長時間空中を漂い続ける可能性があるのではないか?」と言われているのです。
密を避けることはもちろんのこと、適度に換気をする習慣をつけて、空気の入れ替えを徹底することも予防の一つとして大切かと思います。
最後に。
これは、あくまで「エアロゾル感染の可能性もあるかもしれない」と示唆しているのみであり、まだ明確に解明されている訳ではありません。
このことから、「空気感染もするんじゃ…?」と神経質になる必要もありません。
今現在、判明している予防法を徹底していく……これが感染対策に関する一番の対処法かと思います。
「じゃあどうして説明するの?」と感じる人もいるかもしれませんが、“知っておくこと”と”全く知らないこと”は別物だからです。
あくまで参考程度に……ではありますが、知識として知っておいていただくことで、もし今後・関連する情報が報道された時に、理解がしやすくなります。
「こういうものもあるんだ……」くらいで構いません。
それが、いつか役立つ時が来るかもしれません。
予防する方法は?何が大切?
ここまで、コロナに関する情報を色々とご紹介していく中で、合わせていくつかの予防法もお話をしてきました。
ただ、情報が色々バラけているので、最後に予防法について、まとめてご紹介しておこうと思います。
「3つの密」を避けること
まずは、これです。
「3つの密」というのは、具体的に下記のことを言います。
- 密閉空間(換気の悪い閉ざされた空間)
- 密集場所(数多くの人が密集している場所)
- 密接場面(近距離で会話や共同行為が行われる場面)
なぜ”これが危険なのか”という点は、これまでにご紹介してきた通りです。
「極力、人と十分な距離を取る」
「窓やドアを開けて、こまめに換気をする」
「電車・バス・エレベータなど、密閉された空間では、極力会話を慎む」
「多人数の会食は避ける」
など、できる限りの“密”を避けることが重要です。
もちろん、現在はほとんどの施設が、感染対策として様々な取り組みを行っています。
それでも限界はあり、いつ・何時・どこから感染するかは予想ができません。
そのため、今はできる限り人の集まる場所には赴かないのが吉だとは思います。
適度な運動もしよう
緊急事態宣言が発令している中であれば、特に外出は自粛すべきではあります。
しかし、自粛するといっても、ずっと自宅にこもりっぱなしでは、体力も免疫力も低下してしまいます。
また、度重なる自粛やコロナによる打撃から、「コロナ鬱」と呼ばれる精神的なストレスを抱えてしまう人も少なくありません。
少し矛盾しているようにも感じるかもしれませんが、できれば適度に運動をすることをおススメします。
- 家の中でストレッチをする。
- 家の周りを散歩する。
- 通勤中、屋外を歩くようにする。
など、軽い運動でも構いません。
これをすることによって、気持ちがリフレッシュできます。
ただし、屋外であったとしても、人が密集している場所は避けるべきではあります。
人通りが少ない場所や人と一定の距離を保てる場所を確保しつつ、マスクを着用して外に出れば、感染する可能性をある程度低くすることはできます。
気分転換をしないと、気が滅入るのは当然です。
自分に合ったやり方で、適度に体を動かしてみるといいかと思います。
手洗いを徹底し、手を清潔に保とう
前述でご紹介した「接触感染」のキッカケとなるのは、“手”です。
この接触感染を予防するためにも、手洗いや手洗い後の手指消毒用のアルコールを使用して、手を清潔に保つようにしましょう。
「正しい手の洗い方」については、首相官邸のホームページにて画像で紹介してくれています。
「手の洗い方なんて知ってるよ!!!」と感じる方もいらっしゃるとは思いますが、念のため確認しておいて損はありません。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、特に……です。
お母さんやお父さん……ご家族の方が、一緒に正しい手の洗い方を教えてあげていただければと思います。
自宅の中を清潔にし、適度に換気しよう
これも「接触感染」に関わってくることですが、家の中はできるだけ清潔にし、適度な換気を行うことをおススメします。
特に、“帰宅してすぐのタイミング=玄関”での、手指の殺菌・消毒はとても重要です。
ドアノブ・スイッチ・蛇口・テレビのリモコンなどなど……、家の中には家族が共有して使用するものが数多く存在します。
自分自身がどんなに気を配っていたとしても、共有物から接触感染する可能性は十分にあり得てしまうのです。
(これは、自宅だけでなく、職場や多くの施設でも同様です)
正直なところ、全てを完璧に防ぐことは不可能ではあります。
……が、自宅内であれば家族間でしっかり話し合って、予防を行うことは可能なはずです。
「そこまで徹底するのは面倒……」と感じる人もいるかもしれませんが、自身だけでなく大切な家族を守るためにも、できる限り対策していただければ幸いです。
ちなみに、コロナウイルスは「エンベロープ」という、脂質やたんぱく質からできた膜を持っています。
そして、一般的に“エンベロープのあるウイルスには、アルコール消毒が有効”と考えられています。
(アルコール消毒を推奨しているのは、このためです)
そして、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、「アルコール消毒は、”60%以上”の高濃度アルコールを推奨」とされています。
このため、消毒をする際には、アルコール濃度60%以上の除菌効果がある、除菌シートや除菌スプレーを使用することをおススメします。
毎日、検温しよう
この記事だけでもお伝えしたように、“熱の有る無し”は、新型コロナに感染しているかどうかを見分ける重要な指標の一つです。
現在は、医療機関はもちろん、スポーツジムや多くの施設で「入館する前に検温をする」というのが当たり前になっていますが、自身でも毎日体温を測定しておくことをおススメします。
仮に発熱や風邪の症状があれば、絶対に外出を避けて自宅で療養しなければいけません。
そして、仮に発熱が続く(基礎疾患のある方は2日程度、基礎疾患のない方は4日以上)ようであれば、「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談し、アドバイスを受ける&医療機関に受診をお願いするようにしましょう。
「マスク」を着用しよう
最後は、これです。
現在は、“マスクを着用して当たり前”のようにもなっていますが、マスクをしておくことで損をすることはありません。
というのも、マスクは「咳やくしゃみによる飛沫を防ぐ」こと、そして「病原体の飛散を防ぐ」ことへの効果が高いと言われているからです。
この記事を作成しているのは2021年4月であり、“春=花粉の季節”でもあります。
この時期には花粉に悩まされる人も大勢おり、当事者やもちろん周りの人も「花粉症なのかコロナなのか、判断できない……」と警戒してしまう可能性もあるかもしれません。
買い出しなど、やむを得ない事業で外出をする際は、必ずマスクをして外に出ることをおススメします。
そして、「咳エチケット」として、咳やくしゃみが出る場合は、ハンカチやティッシュ・腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔を背けてするようにしましょう。
まとめ ~命を守るために最大限の予防をしよう~
かなりこと細かく・長々と説明をしてしまいましたが、いずれも大切なことであり、可能な限り注意をしていただければと思います。
確かに、
「自粛疲れで疲れたよ……」
「いつまでこんなことを続けなければいけないの……?」
と感じてしまう人も大勢いらっしゃるとは思います。
しかし、現実的に、新型コロナによって命を落としてしまった方がいらっしゃるのです。
そして、今現在も、重症患者や命の危機に瀕している方がいらっしゃいます。
それは、決して“他人事ではない”のです。
これは、自分の身を守ることはもちろん、大切な家族や身内・友人の命を守るためにも大切なことなのです。
もちろん全ての予防法を完璧にこなすことは難しいでしょうし、仮に完璧な予防を施していたとしても、新型コロナに感染してしまう可能性は0ではありません。
でも、予防しておくことに越したことはありません。
ワクチン接種に関する情報も少しずつ出てきています。
確かに今は苦しい時かとは思いますが、だからこそ皆が一丸となって、助け合ってこの問題を乗り越えていくことができればと思います。
そのためには、まず「自分と、自分の大切な家族の命を守ること」が先決です。
一刻も早く、この問題が解決することを切に願っております。