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「栄養教論」ってどんな仕事?仕事内容や勤務先・栄養士との違いについて解説します!

この記事は約5分で読めます。

これまで、「栄養士」「管理栄養士」について、さまざまな内容をご紹介してきました。

≪栄養士について≫

≪管理栄養士について≫

そして今回は、2005年から始まった新しい資格制度「栄養教諭」のご紹介となります。

栄養士のことを(なんとなくでも)ご存じの方は多いかもしれませんが、栄養教諭のことをご存じの方は中々に少ないのではないでしょうか。

今回は、この栄養教諭の仕事内容や、栄養士との違いについて、詳しくご説明していけたらと思います。

「栄養教諭」とは何か?

概要


まずは、「栄養教諭(えいようきょうゆ)」とはどんな仕事をしているのか?という点からご紹介していきたいと思います。

“教諭”と付くことからイメージできる人もいるかと思いますが、これは「小・中学校などで働く”教員”のこと」を指しています。

そして、行う業務は、以下が挙げられます。

◆児童・生徒の栄養指導
◆衛生管理
◆食育(=食の教育)を行う

これは、児童・生徒の発育において、“栄養状態の管理”“栄養教育の推進”を目指して「平成17年度(2005年度)」に新たに設けられた職となります。

「栄養士」とは何が違うの?

最大の違いは、「職員」であるか「教員」であるかです。

2005年以前にも、学校で働く栄養士は当然存在しており、その人たちは「学校栄養職員」と呼ばれている立場の人たちだったのです。

この「学校栄養職員」の主な業務は、以下の通りとなります。

◆給食の献立作成
◆給食の調理業務
◆給食室の衛生管理
◆生徒に配布する給食だよりの作成 など

表立って生徒に食育を教える立場ではなく、どちらかというとバックヤードで働くことが多いのが特徴と言えるでしょう。

対して「栄養教諭」は、他の学校の先生と同じ“教員”として、学校における食育に携わることができるのです。

例えば、「家庭科」「保健体育」の授業の一環として、直接「食育」(栄養や食事の指導など)を行うことができます。

ただし、2021年時点では、必ずしもすべての学校で栄養教諭が働いているわけではありません。

なぜなら、「栄養教諭の配置や採用基準は、各都道府県の裁量に任されているため」です。

とはいえ、あくまでこれは現時点(2021年時点)での話ですので、今後は「小・中学校などに、栄養教諭の配置が義務化される」ということもあり得るかもしれません。

具体的な「仕事内容」について


次に、栄養教諭の「具体的な仕事内容」について、ご紹介していきます。

栄養教諭の働き方は、栄養士(学校栄養職員)の業務に加え、「食育」を行えることにあります。

この項目では、この「食の教育」の部分に焦点をあてて、代表的な仕事を3つご紹介したいと思います。

その1.食育の授業

前項でもご紹介した通り、栄養教諭の最大の特徴は“授業を行える”という点にあります。
(もちろん、同時に給食の献立作成や給食管理業務なども並行して行っていくこととなります)

授業については、前項でも述べた「家庭科」「保健体育」の授業の一環で生徒に栄養の指導を行ったり、総合学習や学級活動などの時間を受け持つこともあります。

当然、担任の先生など、他の先生と連携をしながら授業を進めていくこととなります。

その2.全校集会・各種委員会・クラブ活動などの担当教員

全校集会をはじめとして、各種委員会・クラブ活動などにおいても、担当教諭として栄養について指導する場合があります。
(この点は、もちろん学校の方針によってさまざまに異なる)

基本的には、食育についての重要性を伝えることが基本となりますが、例えば“夏場の食中毒問題”など、季節ごとに注意しなければいけないこともあります。

そういった、時期に応じた食の衛生管理を指導することもあるのです。

その3.個別相談

最後は、生徒もしくは保護者に対する「個別相談」です。

最近は食に対するアレルギーを持つ生徒も多いため、個別に食育指導を行うことが業務として含まれることもあるのです。

栄養教諭=栄養のスペシャリストであることから、その専門性を活かして、栄養が偏らないよう生徒に指導したり、食生活に悩みを抱える保護者の相談に乗ったりしています。

栄養士の「勤務先」はどこになるの?

これも2021年時点での話となりますが、現時点での栄養教諭の勤務先は「小・中学校」が多くを占めています。

その中でも、「給食を提供している学校」です。

ただし、この点も今後はどうなるか分かりません。

食=栄養に関することは、子どものころから徹底して指導してあげた方が良いからです。

そのため、今後は幼稚園や保育園などの児童福祉施設や、高校・大学などでも活躍の機会が望めるかもしれません。

また、上記でもお伝えしたように、現在は「栄養教諭の配置や採用基準は、各都道府県の裁量に任されている」状況です。

この点も、今後は“採用が義務化”されていく可能性も否定はできませんので、活躍の場はどんどん増えていく可能性はあるかと思います。

ただし……。

栄養教諭になるためには、「栄養士」や「管理栄養士」の資格だけでなく、「教員免許」を取得しなければいけません。

「学校に勤務する教員=公務員」だからです。

この資格取得の方法(栄養教諭のなり方)については、別途専用の記事にて詳しくご紹介をしていければと思います。

まとめ

この「栄養教諭」という職種・免許はまだできて日が浅いため、まだまだ認知度が低いのが現状です。

ただし、“食(栄養)に対する指導”は需要が高まっており、栄養教諭を採用しようという動きも増加傾向にあるのが実際のところです。

つまり、需要(受験者)供給(採用率)がうまく成り立っており、“競争率が低い”のです。

当然ながら、業務範囲の広さから「栄養士」よりも「栄養教諭」の方が、採用率は高くなります。

今後も需要が伸び続けていく可能性は高いため、「栄養士に関する仕事に関心がある」という人は、「栄養教諭の道を目指す」というのも選択肢の一つとなってくるのではないかと思います。

この「栄養教諭の免許の取り方(なり方)」については、次回の記事で詳しくお話をしていきますので、ぜひそちらも拝読していただけると幸いです。

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