前回の記事にて、「サービス介助士」についてのご紹介をさせていただきました。
この仕事(資格)は、主にサービス業などの現場において、高齢者や障害のある人などのサポートを必要としている人に対して“安全にサポートできることを証明する資格”のことを指しています。
「介助方法」だけでなく「おもてなしの心」を学ぶことができ、身体的な補助だけではなく心まで寄り添い・相手に安心感を与えながらお手伝いができるようになるのです。
そして今回の記事では、以下のような点に焦点を充てて、ご紹介していきたいと思います。
◆取得までの流れ
◆試験の合格率
サービス介助士の資格は、超高齢化社会に突入している日本において、その資格取得の重要性が増しています。
「介助方法・おもてなしの心を学びたい!」という人は、ぜひこの記事を参考にして、資格取得に向けてその一歩を踏み出してみてください。
「サービス介助士」と「准サービス介助士」の違いについて
「サービス介助士」についてご紹介する前に、「准サービス介助士」という資格についてご紹介していきたいと思います。
これは、「介助に関する知識を学びたい・深めたい」という人向けに用意された資格であり、サービス介助士よりも手軽にチャレンジできます。
というのも、「サービス介助士」の資格を取得しようと思うと、「オンライン講座」や「対面教習」で受講しなくてはいけません。
しかし「准サービス介助士」の場合は、在宅での受講が可能であり、介助の心構えや知識を短時間で効率的に学習できるようになっているのです。
ちなみに、「准サービス介助士」→「サービス介助士」にステップアップする道も用意されています。
“導入編”としてもオススメの資格となるので、関心がある方は「准サービス介助士」についても調べてみてください。
資格取得までの流れについて
次に、この資格を取得する際の流れについて、ご紹介していきます。
取得までの流れだけでなく、試験内容・試験の難易度・資格の更新制度などについても、合わせてご説明いたします。
「申し込み」~「受験」までの流れ
まず、本資格は「公益財団法人 日本ケアフィット共有機構」が運営する民間資格となります。
そのため、申し込みは「公益財団法人 日本ケアフィット共有機構」のWebサイトから行うこととなります。
申し込みが済むと、数日後にテキストが届きますので、まずは自宅学習を行い「課題」を提出します。
この課題は、提出課題100問のうち60点未満で再提出となってしまうため、ご注意ください。
その後、以下の教習を受けることとなります。
◆対面形式での実技教習(1~2日)
上記の学習を行ったのち、最終的に“検定試験”を受験し合格することで、晴れて資格取得となるのです。
ちなみに、資格取得は“申し込みから最大12ヶ月間”受講が可能となっています。
「試験内容」「受講料」「再試験制度」について
検定試験の試験内容ですが、これは「筆記試験」のみとなります。
試験方式はマークシートの3択問題であり、1問2点の問題が全部で50問用意されています(試験時間は50分)。
合格基準は、“100点満点中70点以上”となります。
そして「受講料」ですが、本資格の受講料は“41,800円(税込)”です。
ただし、この受講料には、「テキスト代」「提出課題問題集」「実技教習」「課題採点や検定試験・採点、認定状発行に関する費用」など、諸々が含まれた金額となります。
次に「出題される内容」についてですが、これはテキスト・提出課題・実技教習の内容に沿って、以下の24のカテゴリーから出題されることとなります。
◆サービス介助士の基本理念
◆ホスピタリティ・マインド
◆ノーマライゼーション
◆高齢社会の理解
◆高齢者への理解と介助
◆障がい者への理解と介助
◆障がい者の自立支援
◆サービス介助士の接遇
◆関連法規および制度
【実技教習科目】
◆オリエンテーション
◆ディスカッション(高齢者ってどんな人?)
◆高齢者疑似体験
◆ディスカッション(体験の感想など)
◆ジェロントロジー(創齢学)とは?
◆ホスピタリティ・マインド・接遇訓練
◆聴覚障害の方への介助
◆歩行に支障がある方への介助
◆視覚障害の方への介助・演習
◆盲導犬・聴導犬・介助犬
◆ユニバーサルデザイン・共用品
◆車いす操作と手引きの実技チェック
◆総合ロールプレイ
◆まとめ
最後に、「再試験制度」についてです。
もし試験に不合格となった場合は、再度試験を行うことが可能です。
ただし、再試験の際には“試験料3,300円(税込)”を払う必要があり、上記の通り“最初の申し込み~検定試験まで12ヵ月以内に合格する必要がある”という注意点もあります。
下記の通り、それほど難易度の高い資格ではありませんが、再試験の条件については十分に注意した上で、受験に臨んでください。
受験の難易度について
結論から言うと、合格率の詳細な数値は“非公開”となっています。
ただ、データ的には「8割以上の人が合格している」とのことなので、しっかりと試験対策を行っていればそれほど難易度は高くない試験であるといえます。
もちろん、“しっかりと試験対策を行っていれば”の話です。
いくら合格率が高いといっても、まったく対策(勉強)をせずに受験に挑むのは無謀というものです。
しっかりと対策(勉強)を行ったうえで、試験に臨むようにしてください。
資格の更新頻度について
この資格の有効期限は、「認定日から3年」と期限がついています。
有効期限までに、更新手続きを済ませることで、資格の更新ができるようになります。
その方法は、「公益財団法人 日本ケアフィット共有機構」のWebサイトのマイページ上で行うことができます。
ただし、更新の際には以下を行う必要があります。
◆確認テストの受験と振り返りレポートを記入する
これらが完了すると、資格有効期限が更新されることとなります。
ちなみに、期限内に更新手続きを行わないと、資格が失効してしまう可能性もありますので注意してください。
資格取得の際に学べることとは?
この資格を取得する際に学べることとしては、大きく以下の7つが挙げられます。
◆ホスピタリティの精神
◆人が日常的に感じるバリアについての座学
◆時代に合った感染対策を伴う介助の方法
◆実践に即した介助の技術
◆介助する相手の気持ちに立つ考え方
◆社会の構造が不自由になってしまう人を生むという考え方
ちなみに「ジェロントロジー」というのは、「年齢を重ねて生じる変化や社会づくりを、医学や心理学、経済学や社会学など幅広い分野から研究する学問のこと」を意味しています。
ギリシャ語で「老人」を意味するgerontに「学」を表すologyが付いた造語であり、日本語では「老年学」「高齢学」「高齢社会総合研究学」などと訳されています。
このジェロントロジーでは、人間の一生を「「乳幼児期・児童期」「青年期」「成人期」「壮年期」「老年期」」の5つに大別しています。
その中での「老年期」において、元気な高齢者が自ら街へ出かけて楽しみを創りながら暮らしていける、明るい社会を目指すサポートをする……というのが、ジェロントロジー(創齢学)の意図するところなのです。
まとめ
以上が、「サービス介助士の資格取得時に学べること、取得の流れや合格率」のご紹介となります。
この資格は、介護現場はもちろんのこと、それ以外の分野であっても活かせる事例が多く存在しています。
それもあってか、資格取得者数は2021年3月時点で“18万人”を超えているのです。
今後も、介護減はもちろん、さまざまな分野での活躍が見込まれることでしょう。
興味がある方は、ぜひ知見を広げて、資格取得への一歩を踏み出してみてください。
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