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「社会福祉主事任用資格」ってなに?資格の取得方法や資格を活かせる職場について解説します!

この記事は約8分で読めます。

社会福祉士に関わる資格には、さまざまな種類が存在します。

今回ご紹介する「社会福祉主事任用資格」もその中の一つです。

そもそも「主事」「任用資格」とはなんなのでしょうか?

また、資格の取得方法や資格を活かせる職場とはどこなのでしょうか?

この記事では、こういった点について詳しく解説していきたいと思います。

「社会福祉主事任用資格」とはなにか?

概要


まず「社会福祉主事」とは、地方自治体の福祉事務所で、高齢者や障害者のサポート行う人のことをいいます。

ここでいう“主事”というのは、公的機関や各種法人、団体に置かれる職員の職名の一種となるのです。

そして、この社会福祉主事に任用されるための資格が、「社会福祉主事任用資格」なのです。

この“任用資格”というのは、特定の職業や職位に付く際に必要となる資格のことで、他にも「児童指導員任用資格」など、さまざまな種類が存在します。

ただし、任用資格を取得するだけでは公務員になることはできません。

「公務員になる=公務員試験に合格する必要がある」ということであり、公務員試験合格後に福祉事務所に配属されてはじめて「社会福祉主事」と名乗ることができるのです。

最後にもう一つ。

この資格を持ち、民間施設で働く人のことは「社会福祉主事」とは基本的に呼びません。

この場合は、「医療ソーシャルワーカー」「生活相談員」として働くこととなります。
(どの職種として採用されたかにもよる)

どんな仕事をするの?

仕事内容は勤務する事業所によって多少の違いはありますので、今回は福祉事務所で働いている場合を例に挙げてご紹介したいと思います。

まず、社会福祉主事の仕事内容は、主に「生活保護を希望する人や、すでに生活保護を受給している人の相談や支援などを行うこと」にあります。

そして、仕事は「ケースワーカー(現業員)」「スーパーバイザー(査察指導員)」の2つに大別ができます。

まず、現業員とも呼ばれるケースワーカーの仕事は、「相談に乗って、生活が立て直せるように支援を行うこと」です。

具体的な仕事内容は、以下の通りです。

◆生活保護を希望する相談者に直接面接をして現状を把握する
◆必要に応じて医療機関や社会資源の調整を行う
◆生活保護費を支給する
◆面接や訪問により得た生活状況などを記録に残す
◆今の状況を立て直すための情報提供を行う など

そして「スーパーバイザー」は、上記ケースワーカーを“指導・監督”する立場にある人のことを指しています。

支援を必要とする人の事情はさまざまであり、その人その人によって対応の仕方も大きく異なることとなります。

そんなとき、ケースワーカーの人たちを支え、適切で質の高い支援が行えるようにサポートするのが、スーパーバイザーの役割となります。

豊富や知見や経験をもとに指導や助言を行ったり、進行管理などを行っているのです。

資格の取得方法について


冒頭でもお伝えした通り、社会福祉主事になる方法は、

1.任用資格を取得する
2.公務員試験に合格する

この2つをクリアしなければいけません。

そしてここでは、1.について深堀りしていきたいと思います。

資格の取得方法ですが、実はルートが多く用意されており、以下が該当します。

◆大学等で指定科目を3科目以上履修して卒業する
◆所定の学校の通信課程を修了する
◆指定養成機関を修了する
◆都道府県等講習会を受講する
◆「社会福祉士」もしくは「精神保健福祉士」である

尚、任用資格には国や自治体が発行する「資格証明書」というものがありません。

そのため、(履修済みの科目が記載された)大学の成績証明書および卒業書を雇用先に提出することとなります。

資格を活かせる職場について

まず、この資格を活かせる職場として代表的なのは、「福祉事務所」です。

地方公務員として働くこととなります。

福祉事務所では、以下の法律に関わる事務を行うこととなります。

◆生活保護法
◆児童福祉法
◆身体障害者福祉法
◆知的障害者福祉法
◆老人福祉法
◆老人福祉法
◆母子及び寡婦福祉法

社会福祉サービスにおける“第一線の相談機関”とも言われており、各種福祉サービスに関わる相談やサービス利用に向けての調整や決定などを担当します。

また、その知識・経験を活かして以下のような民間企業で働くことも可能です。

●児童福祉施設
●母子福祉施設
●老人介護福祉施設
●身体障害者福祉施設
●知的障害者福祉施設
●一般病院
など

施設によっては、施設長としての採用要件にこの資格が指定されていることもあります。

そのため、公務員として働くことはもちろん、民間施設でもこの資格が有効に働く場面も多々あるといえるでしょう。

給与はどのくらいなのか?


上項でご紹介した通り、この仕事は公務員として働くことと、民間施設に勤務することの2パターンがあります。

そのため、「どちらで働くか?」「どんな職場で働くか?」によって、給与や福利厚生は大きく変わってくることとなります。

例えば、地方自治体で勤務する場合、「一般職」もしくは「福祉職」として採用されることとなります。

そして、公務員として勤務する場合の給料は、公務員給与規定に沿った額となります。

総務省が発表している「令和2年地方公務員給与実態調査結果」によれば、以下のようになります。

◆一般行政職:平均月収400,000円
◆福祉職  :平均月収336,000円

公務員の場合は福利厚生も充実しているため、安定して長く働くことができるかと思います。

働く際のメリット・やりがいとは?

最後に、この仕事をしていく上でのメリットややりがいについてご紹介をしていきたいと思います。

メリットとしては、以下が挙げられます。

1.福祉事務所で働くことができる
2.社会福祉士に比べて任用資格の方が取得しやすい
3.民間施設でも相談業務に携わることができる

順に補足を加えていきたいと思います。

メリット1.福祉事務所で働くことができる

やはり最大のメリットは、「福祉事務所で働ける=公務員として働ける」という点にあります。

公務員で働けるということは、収入や福利厚生がしっかりしており、長く・安定して働けるというメリットにつながります。

また、福祉事務所で働く職員は“公務員の一般職”として入社することとなるため、どこの部署に配属されるかは蓋を開けてみないことには分かりません。

しかし、「福祉事務所には社会福祉主事の配置が義務付けられている」ことから、この資格を所持していれば福祉事務所に配置される可能性は高くなります。

福祉事務所で働きたいと考えている人にとっては、この点も大きなメリットとなり得るはずです。

メリット2.社会福祉士に比べて任用資格の方が取得しやすい

同じ相談業務を行う仕事・資格として「社会福祉士」というものが存在します。

社会福祉士は国家資格であり、大学などで専門課程を学ぶなど一定の条件が必要となります。

また、合格率は30%にも満たない状況で狭き門となっていることから、そう簡単に取得できる資格ではありません。

対して社会福祉主事任用資格の場合は、指定科目の履修をして大学などを卒業すれば資格を取得することができるため、社会福祉士に比べると取得がしやすい資格といえます。

メリット3.民間施設でも相談業務に携わることができる

ここまでにお伝えした通り、この仕事は公務員だけでなく民間移設でも相談業務に携わることができます。

実際、民間資格の求人募集には「社会福祉主事任用資格」を応募要件の一つに挙げているところも少なくはありません。

このことから、公務員から民間施設まで、活躍できる場は非常に多岐に渡るといえます。

「やりがい」について

この仕事の大きな特徴は、「困っている人の悩みを聞き、解決法を一緒に考えていく」ことにあります。

一人ひとりの悩みや困りごとに対応するため非常に大変な仕事であり、場合によっては問題が解決しきれないこともあるかもしれません。

ただ、そんな中でも、相談に来た人たちが笑顔になったり、問題が解決したときには大きなやりがいを感じることができます。

悩みや困りごとは人によって千差万別であり、一概に“正解”といえるものがありません。

だからこそ、問題が解決したときの達成感ややりがいも大きなものになると言えるかと思います。

まとめ

以上が、「社会福祉主事任用資格」についてのご紹介となります。

これは、資格を取得(+公務員試験に合格)する必要があり、無資格者では行うことができない仕事となります。

また、“相談業務”が主な仕事であり、対象者(特に高齢者)がこれからも増加していくため、この仕事の役割は今後も大きくなることが予想されています。

加えて、人とのつながりが重要な仕事であることから、この仕事は将来的にも機械に取って代わられることもありません。

だからこそ、将来性のある仕事であるともいえます。

誰にでも簡単に取得できる資格ではありませんし、誰にでも行える仕事ではありません。

だからこそ、需要があるといえるのです。

最後にもう一つ。

上記でご紹介した「社会福祉士」という国家資格ですが、この資格は“社会福祉主事としての実務経験4年以上も含まれる(別途、短期養成施設等の修了が必要)”ため、国家資格取得のための条件を満たす点でも役立てられる資格です。

キャリアアップを目指す点でも優位に働くことから、関心がある方は、ぜひ知見を広げてその一歩を踏み出してみてください。

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