医療・介護・福祉・保育業界専門の求人をお探しの方は医療・介護・福祉・保育bizへ。詳しくはこちら!

「小規模保育園」で働くメリット・デメリットとは?仕事の魅力や注意点を徹底解説します!

この記事は約10分で読めます。

これまで、「小規模保育園」について、いくつかの記事を公開してまいりました。

新たな保育所の形態として広がりを見せている「小規模保育園」

待機児童問題の解消を加速化するための一環としてこの事業が進められており、今後は都市部だけでなく地方でも増加が見込まれています。

今回は、この小規模保育園で保育士として働くメリットやデメリットについてのご紹介です。

◆小規模保育園で仕事を行う魅力とは?
◆どういった点に注意すればいいのか?

こういった点に焦点を当てて、説明していきたいと思います。

保育士の仕事内容とは?


「A型」「B型」「C型」という3つの形態があるこの施設は、定員が6名~19名(形態によって定員数が異なる)+0歳~2歳児の乳幼児を預かる、まさしく“小規模な運営”を行っている施設のことです。

それぞれで規模が異なることから、必要な保育士の人数も形態によって異なります。

◆「A型」:全員が保育士免許を所持していなくてはいけない
◆「B型」:職員の1/2が保育士免許を所持していればいい
◆「C型」:市町村が行う一定の研修を終了している「家庭的保育者」を習得していればいい

そして、働く職員の仕事内容ですが、これは従来の保育園と基本的には変わりません。

◆生活習慣の指導:食事・着替え・トイレのお世話など
◆成長に必要な遊びの提供
◆イベントの実施

などを行い、子どもの心身の成長と発育をサポートするのです。

ただし、“小規模”という性質上、「集団保育の機会がない」という点や「(施設の規模が小さいため)大がかりなイベントを行う機会がない」などの違いはあります。

上記を除けば、従来(定員20名以上)の保育園と、やるべきことはほとんど変わりません。

「仕事の魅力」や「働きやすさ」について

「基本的な仕事内容は変わらない」といっても、一般的な保育園とは異なる特徴を持った施設であるため、特有の長所が存在します。

先にそのメリットをまとめておくと、以下のようになります。

◆子ども一人ひとりにきめ細やかな保育ができる
◆体力的な負担が小さい傾向にある
◆行事や残業が少ない
◆他の職員や保護者と連携を取りやすい

順に捕捉を加えていきます。

「子ども一人ひとりにきめ細やかな保育ができる」

上項でも記載した通り、定員が6~19名の少人数制の保育施設となります。

そのため、子どもたち一人ひとりと丁寧に関わることができ、きめ細やかな個別支援を実践できることとなります。

従来の保育園だと、児童の多さから個別支援が行き届かない場合もあります。

しかしこちらの場合は、子どもたちや保護者と真摯に向き合い、保育事業に徹すことができます。

「家庭的な保育を実践したい」と考える保育士の方にとっては、非常に働きやすい環境かと思います。

加えて、こちらの「人員配置基準」は従来の保育園と比較しても人数が多めに設定されています。

◆「A型」:保育所の配置基準+1名
◆「B型」:保育所の配置基準+1名
◆「C型」:園児3人につき1人(補助者を置く場合は5人に2人)

配置基準は職員に対しても良心的な設定となっており、余裕のある人員配置で働ける可能性が高くなります。

それはつまり「質の高い保育を実践しやすい環境にある」ということにつながります。

「体力的な負担が小さい傾向にある」

これも上項でお伝えした通りですが、利用対象者は「0歳~2歳児」となります。

そのため、大きな遊具を使用したり、激しい動きを伴ったりする外遊びを提供することはありません。
(そもそも施設規模の関係から、大きな道具や外遊びが利用できない施設も多い)

このことから、一般的な保育園に比べて、体力面の負担を軽減できる可能性があるといえます。

ただし、まったく体力が必要ないのか?といわれると、そうでもありません。

◆乳児を抱き上げる
◆保育用具を運ぶ

などを行う必要はあるため、多少は体力を使う仕事にはなるかと思います。

あくまで、“一般的な保育園に比べて、体力的な負担が小さくなる傾向にある”というだけの話です。

「行事や残業が少ない」

一般的な保育園と違い、それほど頻繁に「大規模な行事」や「イベント」を実施することがありません。
(というより、施設規模の関係から、実施することが難しい)

このことから、行事などの準備を進めるための残業が発生しにくく、比較的残業も少なめで安定して働くことができます。

ちなみに、小規模保育園で実践する行事の目的は、「保護者と子どもが楽しくイベントに参加し、思い出を作ること」にあります。

従来の保育園のように、連日の準備や練習を必要とする行事を実施することは少ないため、保育士の負担も軽減されることかと思います。

ただし、これも“一般的な保育園と比べて、行事の数が少なめである”というだけであり、小規模保育園であっても行事やイベントの類は行われることとなります。

負担を和らげることはできるかもしれませんが、完全に負担をなくすということはできないため、少し注意が必要といえるかもしれません。

「他の職員や保護者と連携を取りやすい」

上記で、“職員の配置基準は従来の保育園よりも多めに設定されている”と記載しました。

しかし、それはあくまで“児童の人数に対して”の話であり、従来の保育園に比べて少人数の職員で運営されることとなります。

それぞれの平均職員数は、以下の通りです。

【平日】
◆従来の保育園:25人
◆小規模保育園:8.5人

【土曜日】
◆従来の保育園:12.2人
◆小規模保育園:3.0人

ご覧の通り、従来の保育園に比べて、職員数は半分以下となります。

このことから、他の職員と比較的容易にコミュニケーションを取ることが可能となり、“情報を共有しやすい”というメリットが生まれるのです。

また、人数が少ない分、人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性も低くなり、心理的な負担も軽減されることとなります。

そしてもう一つ。

小規模保育園であ、保護者対応の時間を比較的多く確保することができます。

このことから、保護者と密に連携し、子どもの心身の発達を助けることも可能となるのです。

小規模保育園の「注意点」について

上記で記載したように、小規模保育園では多くのメリットが存在するものの、働く上で注意しておくべき点も存在します。

まずは端的にデメリットをまとめておくと、以下のようになります。

◆在籍する保育士の数が少ない
◆保育士によってスキルが異なる
◆設備が整っていないことがある
◆幅広い経験を積みにくい

「在籍する保育士の数が少ない」

上項のメリットでもお伝えした通り、在籍する保育士(職員)の数が少ないです。

そのため、職員一人ひとりの裁量が大きくなるという注意点があります。

対象となるのは0歳~2歳の乳幼児……つまり「心身の成長・発達が著しい時期の子ども」なのです。

この時期の子どもと接するのは、子どもの一生を左右するほど大切な時期であり、重大な責任が伴うこととなります。

これはご家庭でも従来の保育園でも同じことが言えますが、乳児保育は「些細な気のゆるみが思わぬケガや事故につながるケース」も少なくありません。

突発的に、どんなアクションを起こすかが予想できないのです。

このことから、あらゆる事態を想定したうえで細心の注意を払い、業務にあたることが大切なのです。

この点には、十分注意しておいた方がいいかと思います。

加えてもう一つ。

「職員数が少ない=合わない人がいると、非常に仕事がやる辛くなる」というデメリットも挙げられます。

どんな職場でもそうですが、トラブルの原因となるのは“職場の人間関係”であることが多いです。

職員数が少なく、施設の規模も小さいとなれば、苦手な人と距離をとることも難しくなってしまいます。

人間関係のトラブルは、いざ職場に入ってみないと分からないことの方が多いですが、ある程度意識はしておいた方がいいかと思います。

「保育士によってスキルが異なる」

どの保育園でも似たようなものではありますが、施設にはさまざまな職員が在籍しています。

中には、「これまで乳児保育を経験したことがない人もいる」のです。

また、「B型」「C型」の場合は、そもそも「保育士免許」を所持していない人もいます。

このことから、「職員によってスキルに差がみられる」という注意点が発生してしまうのです。

時には、経験者や保育士免許を持つ人が、他の職員をフォローしなければいけない場面もあるでしょう。

確かに、保育士免許を持っていない人が小規模保育園に就職・転職する場合は、“所定の研修”を受講する必要があります。

しかし、それはあくまで“研修”であり、実践とは大きく異なります。

研修を受講しても、経験豊富な保育士ほど臨機応変な対応を取ることはできないのです。

「職員同士の助け合い」

これが、非常に重要となってくるかと思います。

「設備が整っていないことがある」

現在は、その性質上「都市部」に施設の多くが集中しています。

中には、ビル内に施設が設置されていることもあり、(広い園庭などもなく)活動内容が制限されるケースもあるかと思います。

“狭い空間の中で、子どもたちに楽しんでもらう”ためには、職員の工夫が必要となります。

子どもたちに充実した環境を提供できるよう、日々の業務にあたることが重要となるのです。

「幅広い経験を積みにくい」

小規模保育園は、あくまで「乳児保育」に特化しています。

このことから、乳児保育の専門知識を身に着けることは可能です。

しかし、幼児クラスを担当したり幼児教育に携わったりすることは困難(というより不可能)となります。

また上記でもご紹介した通り、施設規模の関係上、行事や大がかりなイベントの数は少ないため、これらの実務経験を積むことが難しくなっています。

小規模保育園で働き続けるのであれば、なんの問題もありません。

しかし、従来の保育園(定員20名以上)に転職を検討する場合、“経験不足”が問題となる場合もあります。

要するに、「保育士としての将来的なキャリアプランが制限される可能性がある」ということです。

◆どんな保育士を目指しているのか?
◆どんな施設で働きたいのか?
◆どれくらいの期間、保育士として働くことを考えているのか?

こういった点も考慮しながら、小規模保育園の保育士として働くかどうかを決めていくといいかもしれません。

どういう人が向いているの?

まず、“小規模保育園=家庭的保育”に分類されるため、「家庭的な保育環境で働きたい!」という方にオススメできます。

アットホームな雰囲気で運営されている施設も多く職員数も少ないので、「人間関係のトラブルを極力なくしたい」という方にも向いているといえるでしょう。

また、この施設は乳幼児を対象とした保育施設であるため、「乳児保育に興味がある」という人も働きやすい施設です。

ちなみに、この仕事に向いている人は、以下のような方となります。

◆子どもと根気よく接するだけでなく、小さな変化を感じ取りながら成長を喜べる人
◆コミュニケーション能力が高い人

低年齢児を保育する際は、子ども一人ひとりとじっくり向き合い、自立に必要となる基本的な生活習慣を繰り返し教えることが大切となります。

そして、職員やお子さんはもちろん、保護者の方とも密に関わっていく必要があることから、コミュニケーション能力も要求されてくるのです。

まとめ

以上が、「小規模保育園で働く、メリット・デメリットのご紹介」となります。

小規模保育園でも従来の保育園でも、やるべき仕事は変わりません。

それは「子どもの発育と成長をサポートする」ことです。

しかし、それぞれで施設の特徴は大きく変わります。

◆「乳幼児保育に興味がある人」
◆「家庭来な保育環境で働きたい人」
◆「子ども一人ひとりとじっくり向き合いたい人」
◆「職員・子ども・保護者の方々と密に関わっていきたい人」

こういった方が、小規模保育園で働くのに向いているかと思います。

関心がある方は、ぜひ知見を広げて、保育士としての一歩を踏み出してみてください。

尚、関連サイトとして、当社では「医療・介護・保育・福祉」などの採用サイトも取り扱っております。

詳細は以下リンクよりご参照いただければ幸いです。

さまざまな求人が掲載されておりますので、お仕事をお探しの方はぜひご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました