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「保育士」ってどんな仕事?仕事内容・勤務先・給与や福利厚生などを徹底解説!

この記事は約13分で読めます。

日中、仕事で忙しい保護者に代わって、子どもを預かり・成長をサポートする「保育士」という仕事。

古くから存在する職業の一つであり、今もなおその需要は高まり続けています。

「保育士ってどんな仕事をしている人かご存知ですか?」と聞くと、なんとなくであれば伝えることができる人は多いかとは思います。

ければ、知れば知るほど、実は奥が深い職業です。

今回はこの「保育士」の詳細について、ご紹介していければと思います。

そもそも「保育」ってなに?


保育の対象となるのは「乳児」「幼児」であり、この乳幼児を「養護」し、「教育」することが一体となった概念のことを、「保育」といいます。

生まれて間もない子どもは、言葉を話すことも、ご飯を食べたり・服を着たり・お風呂に入ったりといった一般的な生活を自力で行うこともできません(できないというより、やり方が分からない)。

そして、事の良し悪しの判断が全くできず・無邪気であり・何にでも興味を持ちます。

ちょっとでも目を離すと、何をしでかすか分かりません。下手をすれば、生命に関わる危険性だってあります。

だからこそ、親御さんが中心となって面倒を見ることで、「子どもの生命を守り」「衣・食・住の世話(養護)」をし、「言葉や生活に必要なことを教える(教育)」

これが、“保育”なのです。

ただし、保護者も生活を守るために仕事をしなければいけません。

特に近年は、女性の社会進出率が増加しており、共働きの世帯も非常に多くなりました。

地方(実家)から離れて暮らす「核家族」の世帯も増えており、保護者だけで子どもの面倒をみることが難しいご家庭も多いのです。

だからこそ、現在「保育所」の需要が高まり続けています。

「保育施設」の種類について


“子どもを預ける保育施設”と聞いて、真っ先にイメージするのは「保育園」という方も多いかと思います。

ただ、「保育園」という人もいれば「保育所」という人もいます。

また、「認可」「無認可」「認証」など、同じ保育園であっても意味合いやサービスが異なる場合もあります。

ここでは、保育施設の種類について、掘り下げていきたいと思います。

「保育”所”」と「保育”園”」の違いは?

結論としては、「呼び名が違うだけで、どちらも意味合いは同じ」です。

ただし、児童福祉法においては、「保育所」が正式名称であり、「保育園」は通称です。

とはいえ、世間的には、以下のパターンで呼び分けられることもあります。

◆施設面積の広さ(広い:保育園、狭い:保育所)
◆「私立」か「公立」か(私立:保育園、公立:保育所) など

どちらの言い方が正しい・間違っているということもありません。

それに、園の名前が「○○保育園」となっている施設もたくさんありますし、どちらの名称を使うか?についても特に法律の規定はありません。

同じ、“保育を提供する場”であることに変わりはありませんので、この名称の違いは特に気にする必要はないかと思います。

「認可」「無認可」「認証」の違いは?

「認可保育園」とは

まず、「認可保育園(※)」というのは、国が定めた基準を満たした上で、各都道府県知事に認可された保育園のことを言います。
(※)正式には「保育所」である

「保育所が不足している……?なら建てればいいじゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、実は保育所を建てるにも一定の広さなどの条件が必要となるのです。

国が定めた基準の中には、「施設の広さ/保育士などの職員数/防災管理/給食設備/衛生管理」などの様々な条件があります。

そして、この認可保育園は、3つのタイプに大別できます。

◆公立保育園(公立園)
◆私立保育園
◆公設民営保育園

この認可保育園は、他に比べて保育料が安価であり、入園を希望するご家庭が非常に多いのが特徴です。

以前に「なくならない、待機児童問題」についてご紹介しましたが、認可保育園への入園待ちをしている待機児童(特に都心部)は、大勢います。

「無認可(認可外)保育園」とは

上記で記載した、“国が定めた基準”を満たしていない保育施設のことを指しています。

「無認可」や「基準を満たしていない」と聞くと、良くないイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、それは違います。

例えば、代表的な無認可保育園としては、「院内保育施設」「ベビーホテル」などが挙げられます。

「院内保育施設」というのは、“病院や診療所に勤務する、職員の児童を対象にお預かりする施設”のことで、事業所内保育施設と同様の役割を果たしています。

「ベビーホテル」というのは、乳幼児の宿泊施設と勘違いしてしまう人もいるかもしれませんが、全く違います。

これは、以下のいずれかを常時運営している施設のことを言います。

◆20時以降の保育も行っている
◆宿泊を伴う保育を行っている
◆利用児童のうち、”一時預かりの児童が半数以上”いる

上記に“宿泊を伴う”と記載していますが、旅館やホテルのような宿泊機能を備えている訳ではありません。

あくまで、「保育園」なのです。

ベビーホテルについては、別途細かくご紹介をしていこうと思います。

「託児所」など、他にも認可外保育施設は数多く存在します。

大切なのは、「認可されていないからといって、悪いイメージをもつ必要はない」ということです。

無認可だからこそ、利用者の様々なニーズに応えた保育をしている施設が数多くあります。

この点だけは、誤解のないようにしていただければと思います。

「認証保育園」とは

これは、“東京都独自の制度”となります。

上記でご紹介した通り、認可される条件の一つに“施設の広さ”があります。

しかし、東京で広い土地を確保することはかなり難しいです。

この問題を解決するために、東京の特性に合わせた制度として「認証保育園」が誕生することとなりました。

一応、国の規定からは外れてしまうため認可外保育園にはなってしまいますが、東京都が独自に定めた基準を満たしていれば「認証保育園」として認可されることとなります。

認証保育園の特徴は、以下が挙げられます。

①0歳児保育も行っている
②1日13時間以上の開所が義務付けられている
③契約は、認証保育所と保護者の間で、直接行われる

認証保育園は駅ナカなどにもあり、上記の①と②の関係から様々なニーズに応えることができる……まさに、働くお母さんにとっての強い味方となっている保育園なのです。

尚、③についてですが、認可保育園の場合、申し込みは“区市町村”に行わなければなりません。

対して、認証保育園の場合、保育所と直接契約を結ぶことができます。

ただし、認可保育園に比べると若干保育料は高くなる傾向にはあります。

とはいえ、気に入った保育園があれば、直接交渉ができるというのは、大きなメリットと言えるかと思います。

保育士の実態について


この項目では、保育士の仕事をする上で大切なことについて、色々とご紹介していきたいと思います。

尚、「保育士のなり方(学校や資格についてなど)」や、保育業界の課題である「保育士不足」については、別の記事にてご紹介したいと思います。

仕事内容・活躍の場について

ここまでにお伝えしたように、保育士の仕事は「お子さんを預かり、保育(養護・教育)すること」です。

対象となる児童は、「0歳~小学校就学前(6歳ごろ)まで」で、活躍の場(勤務地)は多岐に渡ります。

保育士の勤務地としてもっともイメージしやすいのは「保育園」かと思いますが、他にも「児童福祉施設(※)」でも重要となる職種です。
(※)児童福祉施設:児童館、児童養護施設、障害児入所施設など

一言で”保育”といっても、接する児童は一人ひとり個性があり、みな同じように接していればいいという訳ではありません。

年齢はもちろん、お子さんの発達に合わせて、ご飯の食べ方・服の着替え方・歯の磨き方などの生活習慣に関することを教えていく。

そして、遊びを通して、生活リズムや集団生活の決まりなども教えていくのです。

尚、保育士は、子どもや一緒に働くスタッフだけでなく、保護者や地域住民など、多くの方々と接する機会があります。

(こう考える人はいないと思いますが)
「保育=子どもと接するだけでいい」ということは絶対にありません。

むしろ、多くの人と様々な関わりを保つ必要があるため、コミュニケーション能力を必要とする仕事と言えるでしょう。
(ある種、”世渡り上手”とも言えるかもしれません)

資格は必要?

結論から言うと、「保育士」の国家資格が必須となります。

保育士資格は、「名称独占資格」であり、資格がなければそもそも保育士と名乗ること自体が禁じられています。

詳細は別の記事でご紹介しますが、この保育士資格の取得難度はかなり高く、“例年20%ほど”と言われています。

ちなみに……。

冒頭でもお伝えしたように、現在の保育業界は「保育士不足」が問題となっています。

その点を踏まえ、資格がなくても保育の業務に携わることができる「保育補助」という仕事も登場しています。

ただし、保育士の指示のもとでなければ業務が行えないなどの制約があり、保育士と同じような仕事ができるわけでもありません。

この保育補助についても、別の記事にて詳細をお話していきたいと思います。

何にせよ、「保育士の仕事に携わるなら、保育士免許は取得すべき」という認識で問題ないかと思います。

男女比率はどのくらい?

保育士の仕事は、どちらかというと女性のイメージが強いと思われます。

その理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由としては「年齢に関係なく続けられる職業である」ことが挙げられます。

結婚や出産後も働く人が多いですし、子育てが一段落した主婦の方が、改めて保育士に復職する場合もあります。

また、雇用形態も”正社員/アルバイト/パート/契約社員”など、事業所によって募集の仕方も様々です。

「時間に融通を利かせて働くことができる(家庭や子育てと両立しやすい)」というのも、勤務しやすいポイントの一つに挙げられるのかと思います。

実際、厚生労働省が公表している「保育士の現状と主な取り組み(令和2年8月24日)」の中にある「保育施設の性別・年齢層別職員構成割合」によると、“職員の95.8%が女性”という結果が出ています。


引用:厚生労働省-保育士の現状と主な取組

ただし、年齢代別でみると、「30歳代:1.4%」「30歳未満:1.6%」と、40歳代以上よりも男性職員の数が増えていることも事実です。

保育士の仕事は今後も需要は高まっていくため、男性の保育士も増加していくこととなるかもしれません。

給与や待遇はどんなもの?

保育士の仕事は、「給与が低く、待遇が悪い」と言われています。

実際問題、現時点では他の職業と比べても……かなり低いです。

以下の表は、上記と同じ資料の中にある「保育士の平均賃金等について」の部分です。


引用:厚生労働省-保育士の現状と主な取組

ご覧の通り、全職種と比べてかなりの差があります。

しかも「手取り」ではないため、ここからさらに税金やらが引かれていきます。

おおよそではありますが、手取りとして多いのは「平均20万円前後」かと思います。

初任給ともなれば、「16万円~17万円ほど」とも言われているため、かなりの低水準です……。

加えて、保育士は体力・精神力を消耗するハードな仕事です。

基本業務となるのは、“園内で子どものお世話をすること”です。

小さな子どもを抱っこしたり、子どもと一緒に走り回ったり、時には子ども同士の喧嘩やトラブルが発生したり……。

そして、もし何か問題でも起こしてしまえば、親御さんからのクレームに繋がる可能性も……。

園や保育士側に非があるならば仕方ないのですが、中にはいわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる気難しい親もいますし、他にも保育士同士の人間関係に悩む人など……、心身ともに苦労が耐えない仕事なのです。

「仕事はハードなのに、それに見合った収入・待遇ではない……」

こういった理由で、保育士を辞めていく人が増加し、「保育士不足」という結果を招くこととなってしまったのです。

ただし、現状は国や自治体も当然把握しています。

少しずつではありますが、働き方改革や処遇改善なども手が打たれてきているので、今後より良くなっていく可能性はあると言えるでしょう。

ピアノが弾けないと保育士になれない……?


保育士について詳しく知らない方には「え!?」と感じることかもしれませんが、保育士にとって“ピアノを演奏できるかどうか”は非常に重要なことです。

なぜなら、保育の現場では、子どもたちが歌を歌う際の伴奏として、ピアノを引く機会が非常に多いからです。

そして……実は、保育に関連する大学や専門学校に通う場合、“ピアノは必修科目”となります。

そのため、「ピアノを弾けないと、保育士になれないの……?」と不安を感じてしまう人や、ピアノに苦手意識を持って「ピアノが弾けないから、保育士を諦める……」と憧れだった保育士への道を断念してしまう人もいるようです。

ただ……「ピアノを弾けるに越したことはないが、弾けないからと言って保育士の道を諦める必要はない」と断言します。

実際問題、保育士をしている全ての人が、ピアノを得意としている訳ではありません。

「保育の養成学校に入ってから初めてピアノに触れた」という人もいますし、「保育士として務めているけど、未だにピアノを弾くのは苦手……」という人もいます。

そもそも、「保育士になるために必要なピアノスキルは、どのくらいまであれば良いのか?」という明確なラインは存在しません。

例えば、童謡などの比較的簡単な曲が引ければ問題ないとしているところもあります。

根気よく練習をしていればいずれ上達していくものですし、現時点でピアノが弾けないからといって、夢を諦める必要は全くありません。

保育士の将来性について

日本は「少子高齢化」が問題となっており、今後ますます子どもの数は減少していくものと予想されています。

「子どもの数が減るなら、今後保育業界も需要は減っていくんじゃない?」と感じる人もいるかもしれませんが……その可能性は現時点ではかなり低いです。

というより、保育の需要は年々増加し続けています。

その理由は、「共働きの夫婦(核家族)やシングルマザーが増えているから」です。

  • 長引く不況により、共働きを余儀なくされている家庭
  • 人々の価値観の変化
  • ライフスタイルの多様化

そして、2020年からは新型コロナウイルスの影響もあって、「テレワーク+子育ての両立」を余儀なくされたご家庭も多くあります。

コロナが蔓延+緊急事態宣言が発令した2020年の初めは、特に休園した保育園も多く、「子どもを預けたくても預けることができない状況」が続いていました。

「子どもを育てるのは親の役目」ではありますが、仕事も・家庭も・子育ても・自分の時間も……全てを完璧にこなせる人間はそう多くはないでしょう(というより、いない……)。

だからこそ、(やむを得ない事情で)子育てに手が回らない時に、保育園や保育士の存在が大きなものとなるのです。

それに、現在は「待機児童問題」もまだまだ課題として挙がっています。

保育施設や保育士不足も問題となっていますが、この点は国や自治体も把握しており、改善に向けて動いています。

そして、少子化対策の一環として、「子育て支援」も国や自治体が積極的に推し進めています。

なので、今後も「保育の需要が完全になくなるということはない」と言い切っても差し支えないかと思います。

まとめ

子どもが、心身ともに健全に発達するためには、子供時代の経験はとても重要です。

そして、経験はもちろん、「どんな人と出会い、その人とどのように接するか?」も非常に大切なことなのです。

子ども時代の出来事は、大人になってもずっと記憶に残り続けます(いわゆる”習慣”や”癖”として)。

保護者……そして保育士などは、特に子ども(乳幼児)の将来に大きな影響を及ぼす存在です。

今の世の中、多くの仕事が「機械に取って代わられる日が来る」と言われていますし、実際に機械に仕事の大半を取られている職業も存在します。

しかし、保育業界は、上記の理由から全てを機械に任せることはできません。

労働環境が良くないとは言われていますが、その点も少しずつ改善に向けて動き出しています。

“将来性”という意味では、保育士は可能性に満ち溢れた職業の一つだと感じます。

保育士になる道のりは中々に険しいですが、興味がある方は是非知見を広げて、一歩踏み出してみてください。

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