突然ふくらはぎが痛む。歩くとふくらはぎが痛くて歩くのが嫌になる。
そんな経験はありませんか?生活に支障がないからといって放置していませんか?
もしかしたらその痛みは、身体からの危険信号かもしれません。
ふくらはぎの痛みの原因には動脈硬化などの危険な病気の可能性もあります。
そのため、放っておくとただの痛みでは済まなくなってしまうことも。
そこで、当記事ではふくらはぎの痛みから考えられる、原因とその対処法について詳しくご紹介いたします。
ふくらはぎが痛む時の主な原因
ふくらはぎの痛みには大きく分けて2種類の原因があります。
① 筋肉の損傷が原因の痛み
② 病気などが原因の痛み
それぞれどのような種類があるのか以下で説明していきます。
① 筋肉の損傷が原因の痛み
• 筋肉痛
筋肉痛はふくらはぎの痛みで最も多いものです。運動によって傷ついた筋肉の繊維を修復する時に痛みが生じます。
• シンスプリント
シンスプリントは、過度なランニングなどによるスポーツ障害の一種です。
脛骨のあたりにある、骨膜が炎症を起こすことで痛みが生じます。
通常、シンスプリントは脛(すね)に痛みが生じるものですが、ふくらはぎの筋肉たちが脛の内側に引っ張られることで痛みが生じると言われています。
そのため、ふくらはぎにも痛みが生じる場合もあ流のです。
• 肉離れ
肉離れは急激な筋肉の伸縮が同時に起こり、ふくらはぎの筋繊維が部分的に断裂してしまうものです。
断裂は基本的に部分的ですが、まれに完全に断裂してしまうこともあります。
② 病気などが原因の痛み
• 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)
下肢静脈瘤は、足の血管(静脈)が浮き出て、コブができて膨らんでいる状態になります。
静脈は、身体中を流れる血液を心臓に返していく役割を担っています。
その際、足から心臓に向かって血液が戻るため、重力に逆らった流れをすることになります。
そのため、静脈には、血液の逆流を防ぐための弁というものがついています。
下肢静脈瘤は、弁が壊れることでおこる病気です。
弁が壊れることで、正常に血液が流れず、静脈の下流に血液が溜まってしまうことで、静脈がコブのように膨らんでしまいます。
• 閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈が硬くなって弾力性が失われた状態になる動脈硬化が進行し、血管が細くなったり、詰まったりして、正常な血液の循環が保たれなくなってしまう病気です。
この病気は、放置してしまい進行すると足に血液が送られず、脚が壊疽(えそ)を起こします。
壊疽とは、皮膚や皮下組織、筋肉などの組織が壊死に陥り黒色や黄色に変色した状態になります。
最悪の場合、足を切断せざるを得なくなってしまうため、放っておけば治るというような感覚であなどっていてはいけません。
• 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)
足の真ん中には、深部静脈が流れています。
深部静脈血栓症は、この深部静脈に血栓ができる病気です。
血栓が血液の流れに乗って、肺動脈に到達し、突然詰まらせるエコノミークラス症候群の原因にもなります。
長時間の飛行機やバスなどの移動、災害時にずっと同じ体勢でいることで血栓ができやすくなります。
• 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
坐骨神経痛は、お尻から脛、ふくらはぎなど、脚全体に痛みが生じることがあります。
脚全体に繋がっている神経に圧力が加わることで、痛みが生じる場合が多いです。
坐骨神経痛には様々な原因が考えられますが、共通しているのは、腰椎の異常による坐骨神経への圧迫です。
最近ではデスクワークの人々も増え、長時間同じ姿勢で座り続けていると、坐骨神経痛を発症することがよくあります。
ふくらはぎの痛みに対する対処法
肉離れや筋肉痛など、筋肉の損傷などが原因の場合、まずは損傷箇所の炎症を抑制するために、氷で冷やすことが基本です。
また、可能であれば、腫れを防ぐためにテーピングなどで固定するとなお良いです。
しかし、血行不良や疲労が蓄積されているなど、慢性的な痛みの場合は足を動かしたり、マッサージをしたりすることで筋肉の緊張をほぐす必要があります。
仕事上、立ちっぱなしや座りっぱなしの人は、休憩中に階段の昇降、屈伸運動など、短時間でも筋肉を動かして、血液の循環を促すことが重要です。
以上の対処法で、改善されない場合や、歩行時に痛みの症状が出ている場合には、病気による痛みであることが疑われますので、無理をせずに病院に行って診察を受けましょう。
1人でできる!おすすめのマッサージ方法5選
以下で、ふくらはぎのおすすめのマッサージを5つ紹介します。
痛みや、むくみ、疲労を改善するだけではなく、ふくらはぎの痛みや病気の予防にもなりますので、ぜひ日常で行ってみてください。
① 椅子を使った即効マッサージ
座ったままできるので、仕事中のオフィスや家でも簡単にすることができます。
1. 椅子に座って、右足のふくらはぎを左膝に乗せます。
2. 左膝に乗せたまま、右脚をゆっくり下に下げてふくらはぎに圧をかけます。
3. ふくらはぎの中心、内側、外側の順に行います。
4. 反対の脚も同じ手順で行います。
② 2分でできる!疲労改善マッサージ
リンパの流れが悪くなると老廃物が溜まり、むくみの原因になります。
万が一、下肢静脈瘤の場合、放置しておくとむくみと皮膚炎を併発し、皮膚の変色や皮膚潰瘍になるため、日頃からむくみはしっかり改善しておく必要があるのです。
1. 床上で足を伸ばし、膝の下に硬く巻いたタオルやクッションを入れます。
2. 親指以外の4本で膝裏を押すように、両手で膝をつかみます。
3. 膝下に入れたタオルやクッションに叩きつけるように、膝を上下に動かします。
4. これをテンポ良く両膝20回ずつ行います。
5. 膝を左右に回旋させ、奥の筋肉までほぐしていきます。
③ リンパ節の流れを改善するマッサージ
流れが悪くなったリンパと血液を流れやすくします。
1. ふくらはぎを両手でしっかりと触って、筋肉が硬くなっているところを探します。
2. 硬くなっているところを見つけたらしっかり指先で押すようにつかみます。
3. つかんだまま、つま先を上下に20回動かして硬い部分をほぐしていきます。
4. 膝の裏を親指以外の4本で押し込み、リンパの詰まりを解消します。
④ 1分でふくらはぎのむくみを改善するマッサージ
ふくらはぎのむくみの原因はかかとから足首にかけて歪んでいることが原因のこともあります。
歪みがあるとリンパが滞り、老廃物が膝下に溜まりやすくなるのです。
かかとから足首の歪みを解消することで、脹脛もスッキリします。
1. 親指と人差し指でアキレス腱を挟むようにして、くるぶしの下あたりを両足10回ずつ上下にマッサージします。ふくらはぎ
2. 足の甲の骨と骨の間を指の方から手前に向かって、3本指で強く撫でるようにマッサージします。
血行促進でふくらはぎの痛み予防!
血流が悪くなると、足には老廃物などの不要物がたまります。
むくみも改善され、ふくらはぎの痛みの予防にもなるため、健康に保つことができます。
1. 座った状態で、両手の親指で足の各指の間を押してほぐします。
2. 足の指の間から足首の方にかけて10回押し込みます。
3. 膝裏を親指以外の4本で強く押します。
4. 両手でふくらはぎをつかみ、左右に揺らすことで、ふくらはぎをほぐします。
5. 両手でふくらはぎを包み込むようにして、足首から膝方向に流すことで、老廃物を流します。
痛みの放置は危険!その痛みは身体からの危険信号かも?
身体で痛みが生じている場合は、身体に何らかの異常が起きているということになります。
もちろん軽度であれば、マッサージ等で治すことができる場合もあります。
しかし、病気や血管などに異常が発生していると、最悪の場合、命を落とす危険性も否定できません。
そうならないためにも、迷ったら病院に行って専門の医師の診断を受けることをオススメします。
病気にも軽度なものはありますが、早期発見できるに越したことはありません。
血管で異常が発生していると、ふくらはぎの痛みはあくまで1つの症状でしかありません。進行すると様々な症状が発生してくるのです。
例えば、下肢静脈瘤では、進行すると血管がコブのように膨らみます。
これを放置していると、足の皮膚の変色、皮膚の深部にまで組織が欠損し、潰瘍ができることもあります。
また、閉塞性動脈硬化症の場合、病気が進行すると、脚の組織や細胞が死んで壊死を起こします。壊死になると、脚を切断せざるを得なくなる場合もあります。
深部静脈血栓症では、肺動脈に血栓が突然詰まると、最悪の場合、突然死を招く可能性もあります。
そのため、痛みに対して「放っておけば治る」という甘い考えは持たず、まずは専門の医療機関を受診し、原因を発見することが重要です。
早期発見できれば、治療も短期間で済む上に完治の可能性も高くなります。
まとめ
ここまで、ふくらはぎの痛みの原因、対処法などさまざまな情報を紹介していきました。
まとめると、重要なのは次の5つです。
• ふくらはぎの痛みには、筋肉の損傷によるものと、病気によるものの2種類存在する。
• 筋肉の損傷による痛みには、マッサージもしくは、炎症を抑えるために氷で冷やし、腫れを防ぐためにテーピングで固定する。
• 病気による痛みを放置すると、脚を切断せざるを得なくなる場合もある。
• 最悪の場合、突然死を起こすこともあるので、絶対に放置はしてはいけない。
• 迷ったら専門の医療機関を受診し、原因を早期で突き止めることが重要。
病気による痛みの場合、ふくらはぎの痛みと言っても、1つの症状にすぎません。
進行すると、命に関わる場合もあります。
そのため、「ただの痛みだから、放っておけば治るだろう」と甘く見るのではなく、「痛みは身体からの危険信号かもしれない」という認識を持って、適切な対処をできるかぎり早期に行うことが重要です。
その行動のタイミングが生死を分けるかもしれません。