精神保健福祉士は、その名の通り、福祉・医療の知識だけではなく、心理学の知識にも長けていることから、さまざまな現場での活躍が期待されています。
さまざまな現場での活躍が期待されているからこそ、雇っている側もスキルアップは強く求めているところです。
逆に、精神保健福祉士として働いている方も、より一層スキルアップして自らの仕事の幅も広げていきたいところですよね?
また、「精神保健福祉士として勤務しているけれど、もっと自分のスキルを向上させて、業務を円滑に進められないだろうか?」
「自分のスキルを上げて、より良いサービスを提供できないだろうか?」
日々、このように考えながら精神保健福祉士として働いてはいませんか?
そこで、当記事では精神保健福祉士がスキルアップするための方法をさまざまな視点からご紹介していきます。
精神保健福祉士とは
精神保健福祉士とはそもそもそのどのような職業なのでしょうか。
精神保健福祉士は国が認めた国家資格。
心理的な病と戦う患者さんが、通常の生活を送れるように、日々の生活の中での悩み事の相談を受け、アドバイスをしたり、直接生活の支援をしたり、患者さんが社会に復帰できるよう、訓練や手助けをします。
つまり、精神的な障害を抱えて悩む方々を支えることが仕事です。
福祉・医療・心理学といったような幅広い知識を兼ね備えていることから、勤務地も病院、生活支援サービス、行政機関、就労支援機関、教育機関、一般企業などさまざまなのです。
そこで、当記事では、精神保健福祉士がスキルアップするための方法について、さまざまな視点から解説していきます。
スキルアップすることのメリット
では、精神保健福祉士としてスキルアップすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
日々の業務の中に反映することができる
精神保健福祉士は医療・福祉・心理に関する知識を兼ね備えています。
しかし、これらの知識はずっと不変なものではなく、日々変化しアップデートされていくものです。
そのため、スキルアップをすることで知識や状況の変化にも対応することができます。
仕事の幅が広がる
スキルアップは精神保健福祉士としての領域の範囲内での業務を超えて、さまざまな業務の拡大を行うこともできます。
例えば、共に働く別の介護職、関係職の方との連携が取りやすく、スムーズに仕事を進められるたり、自分ができる業務の範囲も大きく広げられます。
また、業務の幅を広げられるだけではなく、勤務する場所の選択肢も広がります。
例えば、病院や関係施設だけではなく、一般企業での勤務、学校など教育現場での勤務など、働く場所の幅も大きく広がるのです。
精神保健福祉士のスキルアップ術
精神保健福祉士としてスキルアップすることのメリットをご紹介しました。
では、スキルアップするといことは分かったけれど、実際のところどのようにスキルアップすればいいのでしょうか?
以下で4つのスキルアップ術をご紹介します!
セミナーへの参加
セミナーは全国さまざまな場所で行われています。
セミナーの内容は各ジャンルで異なってきますが、各分野の最新の情報や、患者さんとの接し方などの実践的な情報も得ることができます。
そのため、まだスキルが足りないと感じている方も、今の自分が持っている情報や知識・スキルをアップデートさせたい方など、さまざまな方が参加できます。
これだけではありません。セミナーには前述の通り、さまざまな方が参加しています。
中には、看護師や理学療法士、社会福祉士や介護支援専門員など、他の医療関係の仕事をしている方も参加している場合も。
そのため、情報交換、人脈形成に加え、有益な情報を得る機会にもなります。
つまり結果的に、セミナーの内容に加えてセミナー外でもスキルアップにつながることもあるのです。
書籍でのインプット
書籍でのインプットは、最も簡単かつ手に取りやすいスキルアップ術です。
市販の本屋さんでも精神保健福祉士に関する書籍は多数販売されており、セミナーと同じく、ジャンルや書かれている内容も幅広く用意されているため、最も身近なスキルアップ術と言えます。
ここで注意しなければならないのが、セミナーや書籍でのインプットした内容はインプットしただけではスキルアップにはならないということです。
つまり、インプットしたら次はアウトプットです。
メリットの部分でも書いた通り実際の業務の中に反映できることがメリットの1つです。
なのでインプットしただけで、アウトプット(実際の業務に反映)させなければ全く意味がありません。
協会への入会
精神保健福祉士に関する協会に入会することもスキルアップ術の1つです。
精神保健福祉士には、日本精神保険福祉協会と各都道府県に設置されている精神保険福祉協会があります。
これらには、定期的に精神保健福祉士に関する論文や研究などが掲載された刊行物が定期的に発行されており、情報収集にも利用可能です。
協会からのものなので、より一層正確で、最新の情報を得ることができます。
また、日本精神保健福祉士協会の中には、「認定精神保健福祉士」と呼ばれる認定制度もあります。
これらの認定制度を活用することで、より一層スキルアップできるのです。
精神保健福祉士以外の資格の取得(ダブルライセンス)
精神保健福祉士の方で、それ以外の資格を取得することもスキルアップ、かつこれは仕事の幅を広げることも可能です。
精神保健福祉士として働く上で、さらに自らの業務の領域を拡大したい、もしくは今の精神保健福祉士としての業務をもっと深めたいという方におすすめです。
これは、ダブルライセンスと呼ばれます。
実際に精神保健福祉士で資格を複数取得している方も多くいます。
その中でもどのような資格が人気なのか、またどのような資格がよりスキルアップに効果的なのか、
いくつかご紹介していきます。
• 福祉系資格
社会福祉士や介護福祉士などの福祉系資格。
精神保健福祉士と同じ福祉系の資格を取ることは、知識や技能をより一層深めることができます。
それだけでなく、職場によっては待遇や給与などが良くなると言うケースも。
社会福祉士の資格は、精神保健福祉士との相性は抜群です。
実際に社会福祉士と精神介護福祉士のダブルライセンスを取得している方が最も多くいます。
精神保健福祉士と社会福祉士は領域が重なる部分もあります。
そのため、試験時に免除科目があったり、精神保健福祉士としての勤務実績によっては、実習も免除になることも。
もっと幅広く福祉士として仕事をしたい方にはおすすめです。
介護福祉士は、介護に関する専門的な知識を習得することができるので、精神保健福祉士の業務の中でも、要介護者と関わる場面が多いと言う方は非常におすすめです。
• 心理カウンセラー資格
精神保健福祉士として、相談という領域を超えて、カウンセリングや治療というところまで行いたいという方もいます。
そんな方には心理カウンセラー資格の取得がいいでしょう。
また、精神保健福祉士が勤務する現場には、臨床心理士という方も一緒に働いていることが多々あります。
臨床心理士は、相談者の心に抱えている精神的な病を解決することです。
そのため、精神保健福祉士と臨床心理士の資格を併せ持つことで、業務の幅も格段に広がります。
これらの資格を持ち、知識を広げることで、今までの業務範囲内で行っていたところから、さらに拡大することができるため、患者さんに対しても、より良い支援を行うことができるのです。
• スクールソーシャルワーク関連の教育課程
精神保健福祉士の仕事は、病院や関係施設だけではありません。
学校などの教育現場に通う児童や学生の中にも、心に悩みや病を抱えている人はいます。
いじめ、保護者からの虐待などの家庭的事情など、原因はさまざまです。
教育現場では、家族、家庭環境、友達などの人間関係に関する悩みの相談を受けたり、校外でも生活しやすいように、場合によっては福祉制度の活用を用いるなど、さまざまな形で支援を行います。
しかし、教育現場では精神保健福祉士の資格を持っているだけでは働けません。
教育現場で働くにはスクールソーシャルワークの教育課程を修了し、養成施設で認定を受けることが必須です。
さらに、教育現場において正規の職員として勤務したい時は、公務員採用試験に合格しなければならない場合もあります。
• 訪問介護員
訪問介護員はホームヘルパーとも言われます。
精神保健福祉士が業務の中で対象になることが多い、精神障害を抱える肩の中には、ホームヘルパーを利用している方も多くいます。
相談事業所で勤務する精神保健福祉士は、直接生活の支援をしたり、患者さんが社会不気いできるよう、通常の生活を自立して送れるようにサポートします。
場合によっては、サービスの利用計画を作ることも。
その時に、訪問介護員の資格を持っていて、知識も持っていれば、より良いサービスが提供できるようになるだけでなく、業務も円滑に進めることができるのです。
4. まとめ
当記事では、精神保健福祉士のスキルアップ術について解説してきました。
精神保健福祉士としてのスキルを上げることももちろん大事です。
一方、精神保健福祉士の業務の領域の外、つまり他の関連する仕事の資格を取得したり、知識やスキルを習得することで、意外にも精神保健福祉士としての業務が円滑に進んだり、他の関連職種で勤務する人との連携が取りやすくなったりと、結果的にスキルアップにつながるのです。
また、スキルアップの先には、自らのキャリアアップも考えられます。
スキルアップをして損をすることはまずないでしょう。
精神保健福祉士として現在も働いている方、もしくはこれから目指そうとしている方にも、当記事でご紹介したスキルアップ術を参考にしてみてください。