受験するだけで資格が取れれば楽ですが、国家試験の多くは受験するだけで資格を取得できるというものではありません。
学校を卒業するのと同時に資格が貰えるわけでもなく、養成校と呼ばれる学校に通うことで、国家資格を受験するための「受験資格」を得ることが出来るので、作業療法士になるためには、まずは養成校で国家試験の受験資格を得るために学ばなければなりません。
そして、作業療法士になるためには国家試験の合格が必須です。
受験資格を得るための養成校が3年~4年なので、作業療法士になるためには、最短で3年の年月が必要です。
このように、時間がかかってしまうことが課題の作業療法士ですが、なるべく早く資格が欲しいと思っている人や、年数がかかることで学費が気になるからなるべく早く資格を取りたいと思っている人もいると思います。
今回の記事では、最速で作業療法士になるためにはどうすればいいのか、どのようなルートで目指すのが最速なのか、最速で作業療法士になるために気をつけたいことなど、作業療法士を最速で目指す方法について紹介していきたいと思います。
これから作業療法士を目指す人や、作業療法士に憧れている人はぜひ、参考にしてみてくださいね。
作業療法士になるためには?
作業療法士になるためには、作業療法士の国家試験を受験し、合格しなければなりません。
国家試験は毎年2月に開催され、年齢問わず受験資格を得ている人ならどなたでも受験することが出来ます。
① 作業療法士の国家試験の受験資格は?
作業療法士の国家試験を受験するためには、一定の条件を満たしていることが必須です。
受験資格を得るためには、高校を卒業し、養成校と呼ばれる厚生労働大臣か文部科学大臣が指定している学校で3年以上学び、卒業することで受験資格を得ることが出来ます。
② 養成校の種類
厚生労働大臣もしくは文部科学大臣が指定している養成校には、大学・短期大学・専門学校があります。
学習カリキュラムは3年制か、4年制かに分かれており、大学は4年制、短期大学は3年制、専門学校は3年制か4年制があります。
最近は専門学校でも4年制に移行しているところが増えてきているようです。
また、履修科目によっては3年制の専門学校では年数が足りず、4年間通うこともあるようです。
③ 養成校ではどんなことを学ぶ?
養成校では、作業療法士として必要な専門技術を、座学や実習を通して学びます。
解剖学やリハビリテーション医学、生理学などの理数系科目が中心となりますが、心理学など人の心と体に関わることを専門的に学びます。
養成校の中で、2年間は座学や学校内での実習が中心で、1年間で臨床実習が行われることが多いです。
3年制の養成校では、このような専門科目を中心に学ぶことになります。
4年制の養成校では、専門科目にプラスして一般教養や、一般科目も含まれる授業になる場合が多いです。
また、学校によって国家試験対策に力を入れている学校あり、どのようなカリキュラムで学ぶのかを含めて検討する必要があります。
学校によって特徴が異なる
作業療法士の受験資格を得るための養成校は、3年制や4年制で特徴も違うし、専門学校か大学かによっても異なります。
① 実質最短ルートは3年制
卒業までの年数だけを考えると、実質最短ルートとなるのは、3年制の養成校に進学した場合です。
3年間で卒業出来れば、高校卒業後に最短3年で作業療法士になることが出来ます。
時間的な意味での最短を選ぶなら3年制の養成校一択となりますが、自分がどんな作業療法士になりたいのか、どんな知識を身に着けたいのか、というので最短の意味合いは変わってくるように感じます。
② 専門学校の特徴は?
専門学校は3年制と、4年制のところがあります。
最近は4年制に移行している専門学校も増えてきたり、通学の途中で4年制としてカリキュラムを履修したりする生徒もいます。
専門学校の特徴は、作業療法士として働き始めたときを見越した、実践的なカリキュラムで学ぶことが多いです。
また、作業療法士の目標だけを見据えて、まっすぐに課題に取り組むことが出来る環境が出来ているので、国家試験の対策にも力を入れている学校が多いです。
早く作業療法士になりたい人や、実践に近い環境でスキルを身に着けたい人におすすめです。
③ 短期大学の特徴は?
短期大学は3年制で学びます。
作業療法士の専門知識を学ぶ授業の他に、一般教養などの時間も3年制の専門学校よりは多くなり、4年制大学と専門学校の間くらいな感覚が短期大学です。
作業療法士以外の道を目指そうと考えた人にとっても、キャリア支援の面で幅広いサポートが受けられる場合があります。
専門知識以外にも学びたい、という人にもおすすめの進路です。
④ 4年制大学の特徴は?
専門知識の習得は、座学だけでなく、学校内での実習や臨床実習など、3年制に比べて多くの時間を費やす場合が多いです。
臨床実習も1ヵ所だけでなく、何か所も実習を経験する学校もあります。
このような専門知識以外にも、一般教養などの時間も多くとられています。
作業療法士の知識だけをみっちり学びたい人には不向きかもしれませんが、一般教養を学ぶことで、作業療法士になった際に患者さんとの会話の幅が広がったり、広い視野からアプローチするきっかけになったりすることもあります。
また、即戦力になる人材として重宝されることもあり、基礎をしっかり身に着けたい人におすすめです。
⑤ 学費はどれくらいかかる?
私立大学、専門学校では初年度80万円~250万円くらいと幅があります。
これを3年~4年必要になると考えると、出来るだけ安く済ませたい…という方も、3年制の学校に進もう、と考えている人もいるかもしれませんね。
⑥ 夜間コースで学ぶのは?
養成校の中には、夜間コースを設けている学校もあります。
日中は働いていて、夜通学して学ぶという人が多く、年齢層も幅があるのが特徴です。
夜間コースの場合は、3年制・4年制と選択が出来ますが、4年制の学校が多いようです。
授業の開始が夕方で、1日の授業終了時間は23時前になることも多いのが夜間コースの特徴です。
3年制の夜間コースに通う場合は、時間的な意味での最短コースともなります。
また、夜間コースの場合は日中に時間が作れるので、作業療法士が働くような現場で仕事をしながら勉強と両立出来れば、作業療法士としての働き方もイメージがしやすく、即戦力として働くことも可能です。
ただ、作業療法士の養成校に通学中は、日々の課題に取り組んだり、テスト勉強をしたりするための時間が必要で、なかなか思い通りに両立をすることが難しいこともあります。
通学が苦痛になることもあるかもしれません。
体力面、精神面を考えると夜間コースは全員におすすめが出来るとは限らないです。
現役合格をするために出来ること
作業療法士になるためには、国家試験に合格しなくてはなりません。
最短コースで合格を目指す場合は、3年後に国家試験が待っています。
現役で合格すれば、3年で作業療法士になることが可能です。
学校によって、国家試験対策をしっかり行うところもあれば、国家試験対策は個人に任せているような学校もあります。
国家試験に落ちた人の多くは、「勉強時間が足りなかった」と言っている人が多いです。
効率的に国家試験の勉強を進めるためには、勉強時間の確保が重要です。
養成校では、1・2年生の頃は、座学や学校内での実習が中心で、テストや課題が多いのも特徴です。
テストや課題ももちろん重要ですが、1年生の頃から国家試験を見据えた勉強を取り入れるとスムーズです。
さらに、2・3年制頃には臨床実習が始まります。
臨床実習に行くためには、学校の課題やテストに合格する必要もあり、実習に行くために学校の課題に必死になることも想定出来ます。
そうなると国家試験対策が足りなくなることもあるので、やはり1年目から国家試験を見据えて計画的に学習する習慣を付けることが、現役合格への道筋になります。
4. まとめ
作業療法士に最短でなるルートについて紹介しました。
作業療法士になるためには、まず国家試験の合格が必須です。
国家試験を受けるためには、高校卒業後に養成校に3年以上通学し、卒業しなければなりません。
時間的に最短ルートとなるのは、3年制の養成校を3年で卒業することです。
そして、現役で国家試験を合格することが、作業療法士になるための最短ルートとなります。
道のりは簡単ではありませんが、目標を持ってチャレンジしてみてください。