肩は人間の重たい頭を支えるだけではなく、両手、両腕をコントロールする重要な役割を担っています。
そのため、肩は人間の身体の中でも特にこりやすい部位でもあるのです。
男性女性問わず、肩こりに悩む方は非常に多いと思います。
自宅で簡単に肩こりを解消するマッサージ方法が気になりませんか?
そこで、当記事では、肩のマッサージ3つ、肩こりに効果的なツボを3つご紹介します。
肩こりがあまりない方でも、毎日することで予防にもなりますので、ぜひ試してみてください。
肩こりはなぜなるのか?
肩こりは、肩が硬くなったり、痛みがあったりします。
硬くなる、痛みがあるのは、血行が悪くなり老廃物が溜まっているということになります。
つまり、悪くなった血行を改善し、老廃物を除去することができれば、肩こりの改善に繋がります。
そもそも「肩」とは、上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨から形成されています。
これら3つの骨を覆い隠すように、三角筋と僧帽筋があります。
僧帽筋は範囲が広く、いわゆる肩揉みというのは、この僧帽筋の上辺だけしか揉んでいないという状態になります。
では、どうすれば肩こりは改善されるのでしょうか。
方を構成する3つの骨の中でも、肩甲骨につながっている筋肉は非常にたくさんあります。
要は、肩甲骨をマッサージすると、血行が良くなり肩こりの改善にも効果があるのです。
姿勢を直すだけでも肩こりは治る?
結論、姿勢を直すだけでも、肩こりは良くなる可能性があります。
肩というのは、人間の重たい頭を支え、両手・両腕をコントロールするなど、いわば運動など何もしていない時でも負担はかかっているのです。
そのため、常に正しい姿勢を意識して、できる限り方に負荷をかけないようにするだけでも、肩こりには効果的となります。
特に、デスクワークなどをしているときになりがちな、頭が前に出ているような姿勢を長く続けていると、僧帽筋に負担がかかり肩こりの原因になります。
正しい姿勢とは?ポイントを解説
正しい姿勢を作るポイントは「骨どうしの間隔を拡大すること」です。
なぜなら、筋肉は骨にくっついているため、骨どうしの間隔が近くなると、筋肉は縮みます。
筋肉が縮み、緊張した状態が続くと、凝りになります。
それでは、正しい姿勢を作るために何を意識すると良いのでしょうか。
肩甲骨どうしの間隔を広げる
→まずは胸を張ります。この時、胸を張ると自然と背中側の肩甲骨が狭くなってしまいます。
肩甲骨が狭くなると、背中全体の筋肉が緊張状態になるので、肩甲骨は広くする意識を持ちながら胸を張りましょう。
鎖骨の向きを整える
→①の背中の意識はそのまま、さらに鎖骨が横に一直線になるように意識して、肩幅を広くするイメージをします。
体全体の力を抜いてリラックス状態に
→ここまでで、肩甲骨、鎖骨を広げたので、あとは肋骨にくっついている肩甲骨を下ろします。
無駄な筋力を使わないよう、リラックス状態になって楽にします。
ここまでを意識していけば、姿勢も次第に良くなり、肩のコリとは無縁を手に入れられるかもしれません。
リンパの流れを改善して肩こりも解消するマッサージ術3選
ここまで、姿勢も正すだけでも肩コリは良くなる可能性があるとお話ししてきましたが、しかし、それでも肩こりのひどい人はなかなか治らない方もいらっしゃいます。
そんな方々のために、肩こりを解消するマッサージを3つご紹介します。
腕回し
腕回しは、肩や背中などの広範囲にある僧帽筋をほぐすマッサージです。
肩に手を当てて、そのまま肩を上げたときにポコっと盛り上がる部分があります。
それが僧帽筋です。
- 右肩の僧帽筋の最も盛り上がった部分に左手の中指で抑えて圧をかけます。
- 圧をかけたまま、後ろから前に大きくゆっくりと腕を回します。
- 前から後ろにも同じように大きくゆっくりと回します。
- 左肩も同じ要領で行いましょう。
肋骨マッサージ
脇の下をほぐすことで、筋肉の本来の働きを取り戻し、肩甲骨の位置を改善するマッサージです。
肩甲骨の位置が正しくなると、他の筋肉のバランスも良くなるため、肩甲骨の緊張も解けていきます。
- 腕は下ろしたまま、脇の下の肋骨のあたりに手を当て、上下に動かして硬いところをほぐします。
- コリコリしているところがマッサージをする場所です。痛みを感じやすい部位なので優しく行いましょう。
- 反対側も同様に行いましょう。
肩甲骨マッサージ
肩甲骨はストレッチではなかなか緩みにくい部位なので、直接マッサージを行います。
こちらも痛みを感じやすい部位なので、優しく加減しながら行いましょう。
- 背中側、右の肩甲骨に左手3本指の腹を当てていきます。
- そのまま、指で円を描いたり上下にずらしたりするようにしてほぐしていきます。
- 脇の下から手を入れて、肩甲骨の外側に3本指を当てます。
- 骨に沿って、指を上下に動かし、硬いところをほぐします。
- 反対側も同様に行いましょう。
辛い肩こりに効果的なツボ3選
ツボ押しは、肩こりの血行不良に対する直接的な治療ではなく、自然治癒力の向上を目的とした治療法になります。
ツボには気血と呼ばれるエネルギーが身体中を流れるラインがあります。
このラインを「経絡」と呼びます。
この経絡の中には、所々に目印があり、この目印がツボになります。
肩こりのツボは、マッサージのように体勢を変えたり、場所や特別な道具も必要としないので、電車の移動時間や、作業中の隙間時間など、基本的にいつでもどこでも行うことができるのです。
そんなツボは古代中国の伝統的な治療法ですが、医学的に認められたのは近年の話になります。
現在では、WHO(世界保健機関)によって361箇所のツボの効果が認められています。
以下で、肩こりに効果的なツボについて、3つご紹介します。
肩井(けんせい)
肩井には、肩周辺の血液の流れをよくする効果があります。
肩こり特効のツボとも呼ばれるほど、最も一般的な肩こりに効果的なツボと言われているのです。
肩井は、肩の筋肉が盛り上がっているところにあります。
肩の一番高いところに左右一箇所ずつあります。
押し方としては、中指を当てて押し込んだまま回すだけです。
とても簡単なので、電車の移動中や作業中などでも手軽に行うことができます。
天柱(てんちゅう)
天柱は人間の重たい頭を支える柱という意味があり、自立神経を整える働きがあります。
天柱は肩こりだけではなく、頭痛、眼精疲労にも効果があるので、スマートホンをよく利用する人、パソコンなどを利用するデスクワーカーなどにも非常におすすめです。
天柱は背中側の首の髪の毛の生え際あたりで、首の中心を通る太い筋肉の両サイドにあります。
押し方としては、両手で頭を抱えるように持ち、そのまま親指で天柱を押し込みます。
手三里(てさんり)
手三里は筋肉の緊張をほぐす効果があります。
そのため肩こりのほか寝違えた場合などにも効果的です。
ツボに痛みが生じるのは、そのツボに対応する部位に異常が発生している信号とも言われています。
この手三里は、強い肩こりのときに押すと、痛みも強くなるため、肩こりの度合いを図るためのバロメーター的な役割にもなるのです。
場所としては肘を曲げたときにシワができます。
そのシワから、指3本分のところにあります。
押す場合は、腕を掴むように持ち、そのまま親指で垂直に押します。
手三里は痛みが感じやすい部位でもあるので、あまり強く押しすぎないよう気をつけましょう。
ツボ押しの関する注意点
妊婦の方はNG
特に肩井は、肩こりへの効果のほかに子宮口を広げる効果もあります。
また、妊婦の方の身体は非常にデリケートなので、セルフで行うことはやめましょう。
飲酒をした日はNG
前に説明したように、ツボには血行をよくする効果があるものも。
血行が良くなると、同時にアルコールも回りやすくなり、気分が悪くなることもあるので飲酒した日は避けるようにしましょう。
食後1時間後まではNG
食後にツボを押して血行が良くなると、胃が消化のために必要な血液が幹部にまわってしまいます。
そうすると、場合によっては、消化不良を起こしてしまうため、食後の1時間はツボ押しをすることは避けましょう。
ツボの位置を怪我している場合はNG
ツボを押す際に、怪我による痛みも伴うだけでなく、場合によっては怪我をさらに悪化させてしまう可能性もあります。
怪我が完治してから行うようにしましょう。
こりにくい体作り
こりにくい体を作るには、日頃から2つのことを意識するだけです。
それは、運動と正しい姿勢です。
以下でこの2つについて説明します。
定期的な運動
運動不足は、筋肉の衰えを招きます。
筋肉が衰えると、肩だけではなく全身の筋肉の負担がより一層増加し、こりやすい体になります。
また、運動不足による肥満などになるとさらに体への負担は大きくなり、痛みとともに生活することにつながるのです。
正しい姿勢を意識すること
当記事の前半でも説明しましたが、正しい姿勢を意識するだけでも肩こりになりにくい体になります。
最近では、肩こりに悩むデスクワーカーも増えています。
長時間のパソコン作業は視線が下向きになり、猫背になりがちです。
そうすると、重たい頭を支えている首や肩への負担は非常に大きくな理、肩こりの原因となるのです。
無意識のうちになってしまうので、ぜひ正しい姿勢を理解し、意識しながら生活してみましょう。
まとめ
今回は、今日から使える肩のマッサージと題して、肩こりに効果的なさまざまなマッサージ方法とツボについてご紹介してきました。
どれも、手軽に短時間、かつ場所や環境をあまり限定せずに行えるものばかりです。
しかし、当記事の後半でもご紹介した通り、こりにくい体作りは可能です。
辛い肩こりに悩む生活を未然に防ぐためにも、定期的な運動・正しい姿勢を意識して、快適な生活を送りましょう。