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【保育園・幼稚園】それぞれの違いは?通わせるならどれがオススメ?

この記事は約11分で読めます。

共働きの夫婦や核家族(※)の世帯が増え、現在は施設に子どもを預けるご家庭が増加しています。
(※)核家族:夫婦と結婚していない子どもだけで構成される世帯のこと

ただ、いざ子どもを預けようと思った時、「保育園?幼稚園?どっちに預けたらいいの?」と思う人もいるでしょうし、そもそも「保育園と幼稚園って何が違うの?」と、違いそのものが分からないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、この2つの違いについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

「保育園」と「幼稚園」の違いはなんなのか?


皆さんは、自身が子どもだった時、「保育園」と「幼稚園」のどちらに通っていたでしょうか。

どちらも「子どもを預かる施設」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、この2つの施設は似て非なるものです。

この項目にて、それぞれの違い・特徴をご紹介していきましょう。

まずは「表」でチェックしてみよう

「保育園」と「幼稚園」……この2つの違いを、まずは表にしてまとめてみようと思います。

ご覧の通り、全ての項目が異なります。

ただし、上表にご紹介しているのは一般的な保育園や幼稚園であり、例えば「保育時間」など、一部の内容は施設ごとに異なる場合があります。

あくまで、参考程度にご覧いただければ幸いです。

次に、いくつか重要な部分に的を絞って、詳細を解説していきたいと思います。

それぞれの施設の「目的」について

「対象児童」「先生に必要な免許」「所轄官庁」「根拠法令」……これらを見てハッキリ分かると思いますが、保育所と幼稚園とでは“施設の利用目的”が全く異なります。

つまり、「保育」「教育」かということです。

それぞれの特徴は後述でご紹介していきますが、そもそもこの2つの施設は「児童福祉施設」(保育所)「教育施設」(幼稚園)で施設のあり方そのものが違うのです。

「保育所」の目的・特徴について

まず“保育”とは、「子どもの生命を守り」「衣・食・住の世話(養護)」をし、「言葉や生活に必要なことを教える(教育)」ことを言います。

本来であれば、子どもの保育をするのは、お父さん・お母さんである“保護者”です。

しかし、共働きの世代が増えたことや家族の介護などを行ったり……など、やむを得ない事情で、どうしてもフルタイムで子どもの育児に掛かりっきりになることが難しいご家庭も多くあります。

そんな時に、保護者に代わって子どもの面倒を見る(保育する)のが「保育士」であり、子どもを預かる施設が「保育所(保育園)」なのです。

預かる子どもの対象年齢は「0歳~小学校就学前」……つまり、“乳幼児”が対象となります。

預かる時間は「8時間」が目安であり、例えば仕事帰りに子どもを迎えに行くお父さん・お母さんも見受けられます。

上記でもお伝えしたように、この施設の目的は「保育」です。

そのため、子どもを預かっている間は、基本的な生活習慣(ご飯の食べ方・服の着替え方・遊び方・友達の作り方・言葉など)を身につけるために、保育士が子どもと一緒になって様々な経験・体験をさせています。

また、栄養バランスを考えたご飯やおやつを食べさせたり、お昼寝をさせたり、ピアノの演奏に合わせてお歌を歌ったり、自由にのびのびと遊ばせたり、様々なことを行っています。

ちなみに、「入園の優先度」ですが、入園の手続きの際に、父母の仕事の状況などが点数化され、“育児が困難だと判断された家庭”から優先して入園が決まります。

現在進行系で「待機児童」が問題となっていますが、国や自治体が改善に向けて少しずつ動き出していることも事実ではあります。

尚、「待機児童問題」については、別の記事にてご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきます。

「幼稚園」の目的・特徴について

「保育」が目的の保育園に対し、幼稚園は「教育」を重視しています。

3歳から小学校入学前までの間に通うことができ、小学校就学のために必要な「幼稚園教育要領」に基づいた教育を受けることができます。

つまり、幼稚園は、小学校・中学校・高等学校・大学などと同じ、“学校教育法に基づく、学校なのです”

ただし、小学校~大学と違い、「遊びを大切にした教育」が行われているのが特徴です。

この理由は、この幼児の時期に思い切り遊ぶことで、その後の学びや創造性が豊かになるといわれているからです。

この”教育”に関する部分ですが、これはどんな点を重視するかは園によってさまざまです。

……が、基本的には以下の2つに大別されるかと思います。

◆「のびのび系」:ダンスをしたり野菜を育てたりといった、”遊び”を重視した教育
◆「お勉強系」 :しつけであったり、ひらがなの読み書き(園によっては英語教育なども)など、”勉強”を重視した教育

その他にも、運動会であったり遠足であったり、季節ごとにさまざまなイベントが催されており、子どもの“社交性を身につける場”として、役立てることができます。

尚、保育所は長期の休業日というものがありませんが、幼稚園の場合は「春休み」や「夏休み」といった長期的な休みがあります。

また、保育所と違い「給食の有無」は任意であり、園によってはお弁当が必要となる場合もあります。

加えて、子どもの預かる時間は、保育所の1/4ほどである「4時間」が標準となっています。

基本的には14時までとなっていますが、それ以降も「子どもを預かって欲しい」という場合は、追加料金を支払うことで預かってもらえる場合があります。

どちらの方が「保育料」が安い?


前述の表でご紹介した通り、それぞれで掛かる保育料は変化します。

加えて、同じ保育園や幼稚園であっても様々な施設が存在しますし、各自治体によっても費用は変動します。

つまり、結論から言うと“状況によりけり”なのです。

それぞれ、もう少し詳しくご紹介していきましょう。

「保育園」の費用について

上表の通り、保育園の場合は“保護者の所得状況によって変化”します。

ただし、算出方法は自治体によって異なります。

基本的には、所得税や住民税の金額を判断基準とするところが多いようです。

また、世帯年収の範囲は、保護者(父・母)だけを対象とするところもあれば、同じ住まいに住む成人全員の年収を合計して計算するところもあります。

この点は、各自治体のホームページに「保育所徴収金額表」というのがあるので、それで仕組みを確認してみるといいでしょう。

尚、「入園料」についてですが、基本的に「認可保育園」……つまり国の定めた基準を満たしている保育所の場合は、入園料は掛からないところがほとんどです。

しかし、「認可外」の保育所の場合は、入園料を払うところがほとんどとなります。

さらに、保育所での子どもの預かり時間は幼稚園よりも長く、「保育」という点で様々な面倒を見てくれます。

例えば、給食費・布団カバー代・シーツ代・おむつ代・教材費などなど……。

保育料以外の部分でも、いくらかの費用が掛かると考えておく必要があります。

「幼稚園」の費用について

幼稚園の場合は、以下のような特徴があります。

①世帯収入に関わらず、全員同じ金額を請求される
②「公立」と「私立」では、掛かる費用が大きく変わる
③「入園料」が必ず発生する

特に②ですが、全国の平均データによると、1ヶ月あたりに掛かる金額は、

  • 公立:12,462円(1年間で、149,544円)
  • 私立:30,614円(1年間で、367,355円)

1ヶ月で「18,152円」、年間だと「217,811円」……と倍以上の開きがあります。

また、③の「入園料」ですが、これは公立も私立もどちらでも発生します。

公立の場合は「1万円~2万円」、私立の場合「3万円~10万円」程度が相場と言われています。

この他にも、幼稚園が指定するグッズ(服や通園バッグなど)や、有料オプション(送迎バスや習い事など)で、毎月の保育料がさらに高くなる場合もあります。

尚、「公立」と「私立」の掛かる費用についてですが、値段が高い分、私立の方がオプションサービスが充実している傾向にはあります(もちろん施設によりけりではある)。

この2つの違いについては、ここでは長くなるので、別の記事にて詳しくご紹介していこうと思います。

幼稚園は、前項でもお伝えしたように「教育」が目的であり、施設によって教育内容はさまざまです。

園の“特色”は施設によって様々なので、事前に色々な幼稚園を調べて、目的やお子さんに合った園を選ぶようにしましょう。

「保育園」から「幼稚園」に転園できる?注意点は?

転園するメリットについて


近年は、0歳~2歳児クラスを保育園で、その後3歳~幼稚園に転園するケースも多いと言われています。

理由はいくつかありますが、例えば小学校受験を考えた「お受験対策」などが挙げられるでしょうか。

ここまでに何度もお伝えした通り、幼稚園は”教育”が目的であり、小学校の入学準備のために「幼稚園に通わせたい」と考える保護者も多いようです。

加えて、“親や子ども同士のコミュニティを作るため”というのもあります。

実際問題、小学校に入学した後だと、どうしても親同士が顔を合わせる機会というのは減ってしまいます。

保育園の場合は校区外にある場合もあるので、

◆「保育園から同じ小学校へ上がる同級生が一人もいない……」
◆「入学予定の小学校は、幼稚園出身の子どもが多い」

となった場合、親にとっても子どもにとっても、入学してから“友だちづくり”をスタートすることとなってしまいます。

見知らぬ場所に行くときに、知っている人が“いる”のと“いない”のとでは、親にとっても子どもにとっても“安心感”が違います。

この点で、「幼稚園に転園して、友達付き合いや人脈を広めておいた方がいいのではないか……?」と考える親御さんもいらっしゃるのです。

転園時の注意点は?

「子どものためにも、幼稚園に転園させよう!」と考えた時、注意すべき点が3つあります。

それは、以下の通りです。

◆費用面
◆子どもの人間関係
◆放課後について

それぞれ、個別にご紹介していきます。

「費用」について

保育所から幼稚園に転園するということは、当然「費用」が発生します。

前項でもお伝えしたように、幼稚園に入園する場合は「入園料」が掛かります。

自治体によって保育料も様々ですが、仮に私立の保育園に入園するとなれば、掛かる保育料は相当な額になってしまいます。

加えて、制服やカバンなど、別途そろえなければいけない備品も多く、ご家庭によっては延長保育料金が発生する場合もあるかもしれません。

「新しい場所に行く」ということは、それ相応に準備しなければいけない物がある(お金を必要とする)ということです。

この点は、特に注意(意識)しておいた方がいいかと思います。

「子どもの人間関係」について

幼稚園に入園できるのは、3歳~です。

それまで保育所に通っていた子どもの場合、当然保育園の中で仲の良い友達もできると思います。

転園するということは、「その仲の良い友達と、離れ離れになる」ということです。

「別に会おうと思えばいつでも会えるでしょ?そんな遠くに引っ越すわけじゃないんだし……」と大人なら思うかもしれませんが、子どもにとっては違うのです。

“仲良しの友達と離れて、新しい環境に行く……”

子どもにとっては、不安しかありません。

これについては、「転校」がもっともイメージしやすいかもしれません。

もちろん、中にはすぐに新しい友達ができる子どもいるかもしれませんし、離れても保育所時代の友達とずっと仲良くできる子どもいるかもしれません。

でも、全ての子どもがそうではないことも事実なのです。

中には、引っ込み思案でなかなか自分から友だちを作れないタイプの子どももいます。

小学校に入ってから……のことを考えるのももちろん大切ですが、この点についてはお子さんとも話し合って決めていくのもいいかもしれません。

「放課後」について

前項でもお伝えした通り、保育園の預かり時間は「14時まで」が基本となります。

延長保育を希望するのであれば保育所と基本的には変わりませんが、そうでなければ「放課後の活動について」を考えていく必要があるのです。

習い事であったり、お友だちと遊んだり……いわゆる「放課後のお付き合い」というものになります。

この放課後のお付き合いによって、子ども同士の気の合う友達が作れたり、ママ友のグループができたり……などもあるので、放課後の時間の使い方も重要となってくるかと思います。

まとめ

「保育所と幼稚園……結局どっちがいいの?」という点についてですが、結論は“人(家庭)によりけり”です。

◆共働き+核家族のため、0歳から保育園に入園……そして小学校へ進学
◆乳幼児の間はお母さん・お父さんがしっかり保育をして、3歳から幼稚園へ入園……そして小学校へ
◆保育園に入園……先生方にサポートをしていただきながら、3歳から幼稚園へ転園し、小学校進学へ向けて勉強……

どういう道筋を辿るかの選択肢は、家庭ごとに様々です。

その中でもっとも大切なのは「子どもにとって一番“為になる道”はどれか?」ということかと思います。

子どもの頃の経験は、自身の人格を形成する上でもっとも大切です。

子どものころの経験は、大人になってからもずっと活き続けます。

だからこそ、“子どものために”、子どもにとって最適な環境で様々な経験をさせてあげてほしいと思います。

尚、保育園や幼稚園とは別に、「認定こども園」という施設も存在します。

この点については、改めて別の記事にてご紹介していければと思います。

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