医療・介護・福祉・保育業界専門の求人をお探しの方は医療・介護・福祉・保育bizへ。詳しくはこちら!

臨床心理士になるには?学費はいくらかかるの?

この記事は約8分で読めます。

精神的な部分や心の中に問題や悩み、病気を抱える人々の「心のケア」を行う臨床心理士。

そんな臨床心理士を目指そうとしている方、臨床心理士という職業に興味をお持ちの方、臨床心理士になるためにどのような手順を踏んで、どれくらいの費用がかかってくるのか、気になりますよね。

それらを先に知っておくと、費用面や勉強面などで対策をすることができ、知ってくだけでも他の受験生よりも優位になれるかもしれません。

そこで当記事では、臨床心理士になり方、どれくらいの費用がかかるのかなど、紹介していきます。

臨床心理士になるための手順

早速ですが、臨床心理士になるには、どのような手順を踏んでいくのでしょうか。

もっとも重要なのは、日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格する必要があります。

この試験には受験資格も定められているため、誰でも自由に受験できるというわけではありません。

この受験資格も含めて、順を追って説明していきます。

指定の大学院・専門職大学院を卒業

まず、臨床心理士になるには、大学を卒業後、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院・専門職大学院を卒業する必要があります。

このどちらかを修了・卒業していなければ、資格試験の受験資格がないため、修了・卒業は必須です。

大学院によっては、心理学部以外の大卒生を受け入れないところもあるので、大学の間に心理学の基礎段階だけでも学んでおくと良いでしょう。

資格試験に合格

大学を卒業後、同じく日本臨床心理士資格認定協会が実施している資格試験を受験します。

資格試験は、年一回東京で行われます。

試験は二次試験まで行われます。

­一次試験

一次試験は筆記テストです。100問のマークシート形式の選択問題(2.5時間)と、論述問題(1.5時間)の2種類を行います。

二次試験

二次試験では、面接が行われます。

この二次試験は一次試験を合格した人のみに実施されます。

臨床心理士は、人と人との関係で出来上がる職業です。

そのため、面接では、臨床心理士としての基本姿勢や対話の態度、さらに人間関係を構築する上での能力などが評価されます。

日頃から、臨床心理士としての人との関わり方を意識して生活する必要があると言えます。

資格の交付・登録

試験に合格すれば、資格が認定されたわけではありません。

合格通知を受け取り、所定の期限までに資格認定証書の交付手続きを行います。

完了すると、日本臨床心理士資格認定協会から、資格登録証明書が発行されます。

こうして初めて、臨床心理士の資格取得者の仲間入りとなるのです。

就職

資格を取得すれば、臨床心理士として、実際に活躍するために就職をします。

就職先は、病院、学校などの教育機関、ハローワークなどの公的機関、少年院・刑務所などの矯正施設など、さまざまです。臨床心理士の活躍する現場も年々拡大しています。

就職後も定期的に受験

資格を取得し、臨床心理士として活躍し始めたら、その後ずっと資格があるというわけではありません。

臨床心理士は資格取得後も「生涯学習」という心構えのもと、常に専門職としての向上意欲を持って働かなければなりません。

そのため、臨床心理士として長きにわたって勤務するには、資格の5年ごとに資格の再認定が必須です。

これには、専門性の高い臨床心理士として勤務するために、一定の自己点検としての評価をする事を目的としています。

要は、勤務していくと、繰り返し多くの相談者と対話していく中で、臨床心理士の個人的なものや主観的なものが、相談内容に反映されてしまうことを防ぐとともに、臨床心理士自身が相談者からの何らかの影響を受けて精神的な危険に晒されないようにすることも目的とされています。

そのため、資格を取得して、勤務しながらも学習するという向上心を常に持っておく必要があります。

資格試験の受験資格

手順のところで述べた通り、臨床心理士の資格試験は誰でも取得できるというわけではありません。

受験資格が細かく定められており、受験資格のどれかを満たしていなければ、もちろん受験することはできません。

受験資格は主に4つ設けられています。

  • 指定大学院を修了し、所定の条件を充足している者
  • 臨床心理要請に関する専門職大学院を修了したもの
  • 外国において、指定大学院と同等以上の教育歴があり、終了後の日本国内における心理臨床経験を2年以上有する者
  • 医師免許取得者で、取得後に心理臨床経験を2年以上有する者

指定学校の違いと選び方

指定の学校は、第一種大学院と第二種大学院、専門職大学院の3種類あります。

学校を選ぶ基準や選び方について紹介していきます。

第一種大学院

第一種大学院は、全国に157校あります。(2020年7月時点)

特徴としては、修了後に直近の資格試験をすぐに受験することができるということです。

第二種大学院

第二種大学院は、全国に8校あります。(2020年7月時点)

第一種大学院との違いは、受験資格です。

第二種大学院の場合は、修了後、実務経験を1年以上積むことで、受験することができます。

専門職大学院

専門職大学院は、全国に5校あります。(2020年7月時点)

専門職大学院の数はまだまだ少ないですが、大学院と大きく違う点が2つあります。

1つは、修士論文がなく、その分実習を中心としたカリキュラムが組まれており、実務的な部分の要請に注力しているという点です。

2つ目は、終了すると、診療心理士資格試験の1次試験の小論文が免除されるという点です。

学校の選び方

大学院は特に、数も多く、どの選び方がわからないという方も多いかと思います。

もちろん住んでいる地域や通学エリアも選ぶ基準の1つです。

ここでは、選び方や基準について解説していきます。

大学院ごとの個性

学ぶ内容やカリキュラムは共通す流ところもありますが、大学ごとに個性もあります。

臨床心理士の活躍する現場は、年々拡大しているので、実際に大学院で講師を務めている方の経歴も様々です。

それに伴って、「医療現場に強い」「福祉系の現場に強い」「教育系の現場に強い」と言ったような、大学院ごとの個性も生まれてきます。

講師の特徴

学校ごとに講師の特徴もバラバラです。

先ほども述べたように、臨床心理士の活躍の場は年々拡大しているので、講師の経歴はバラバラです。

そのため、講師の方向性や考え方などにも違いが生まれてきます。

講師によっては、著書や論文などを出している講師もいるので、そう言ったものを読んで、考え方や方向性にどのような違いがあるのかを掴んでおいて、検討材料とすることも1つの手段です。

実習先や実習方法

指定大学院では、2年次になると、実習に行くことが非常に多くなります。

実習先に関しても、大学院が直接提携している病院や福祉施設、学校などの場合もあれば、学内にある相談窓口や臨床心理士が駐在している窓口にて実習を行う場合もあります。

そういったところ、大学院によって大きく異なってくる点ですので、しっかり事前に調べておいた方が良いと言えます。

自分の生活

中には、昼間は仕事をしながら通いたいと言ったような方もいます。大学院の中には、夜間に講義等を開講しているところや、通信制の大学院もあります。

なので、働きながら臨床心理士を目指したいという方はそう言った選択肢もあるので、検討してみると良いでしょう。

臨床心理士になるための費用総まとめ

では、臨床心理士として勤務までには、全体でどれほどの費用が必要になるのでしょうか。

主に、学費や受験料などの費用が挙げられます。

項目ごとに紹介していきます。

学費

臨床心理士になるには、大学院・専門職大学院を修了することは必須です。

しかし、そもそもそれらに入学するには大学を卒業する必要があるので、その分一般的な企業に就職する人たちに比べ、学費は高額になります。

大学院の学費は主に入学金と授業料で、学校によってはその他の費用もかかります。

国立の大学院であれば、入学金28万2000円1年で授業料53万5800円が相場です。

公立も国立とほぼ同じ相場と言えます。

私立の場合は、大学院によって異なります。

例として、私立大学院の学費を紹介します。

札幌学院大学大学院 臨床心理学研究科(私立)

受験料は3万円、入学金は12万円。

授業料は1年で69万円、教育充実費が1年で13万円となっています。

大阪経済大学大学院 人間科学研究科(私立)

受験料3万5000円、入学金は20万円。

授業料は1年で53万円、施設設備資金が1年で14万円となっています。

広島国際大学大学院 心理科学研究科(私立 専門職大学)

受験料3万円、入学金は20万円。

授業料は1年で101万円、教育充実費が1年で12万円となっています。

このように、私立は学校によって大きく異なってくることが多いので、しっかり事前に調べて学校選びの検討材料にすることをお勧めします。

資格試験の受験料

まず、資格試験の受験料は主に3種類の費用がかかります。

一つは、申請書類の費用。これは、受験の申し込みの際の申し込み書類の費用で1500円。

次に、資格試験の審査料。これが3万円。

最後に、資格試験合格後に、登録料として5万円がかかります。

受験料としては、合計で8万1500円かかってきてしまいます。

また、地方に在住の方は、試験は東京都で行われるので、宿泊費や交通費も加算されてきます。

まとめ

ここまで、臨床心理士になるための流れや手順、試験に関することや、費用のお話など、臨床心理士になるための様々な情報について、解説してきました。

費用面で言うと、大学院の受験から修了、臨床心理士に合格、登録されるまでに、合計で約150万円〜200万円ほどかかってきます。私立の場合は学校ごとに大きく変わってくるため、さらに高くなる場合もあります。

このように、臨床心理士になるにはかなり高額のお金と時間が必要になります。

しかし、臨床心理士と言う職業は、それだけ専門性が高く、社会において価値のある職業であると言うことなのです。

ぜひ臨床心理士に興味をお持ちの方、これから目指そうと考えてる方、当記事の情報を知っておくだけでも、かなり優位ですので、大学についての細かいところをさらに調べ、理解を深めていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました