ストレス社会の現代において、人々の癒し効果として注目を集めている「アロマテラピー」。
「アロマテラピー」に関する詳細は、以前に別の記事にてご紹介しましたので、以下をご覧ください。
そして、このアロマテラピーに関して、専門的な知識・技術を有している専門家(職)のことを「アロマセラピスト」と言います。
この「アロマセラピスト」には、どうやったらなれるのでしょうか?
そして、アロマセラピストに適性のある人や、職業としての将来性はどんなものなのか?
今回は、こういった点について、詳しくご紹介をしていければと思います。
「アロマセラピスト」ってどうやったらなれるの?
そもそも「アロマセラピスト」ってどんな仕事なの?
まずは「アロマセラピスト」の仕事内容からご紹介していきます。
アロマテラピーとは、「エッセンシャルオイル(精油)」という植物から抽出した天然の液体や、いくつかの種類の精油(および人工物など)をブレンドした「アロマオイル」というものを利用して行う「芳香療法」のことを指しています。
リラックス効果や美・健康を保つために役立てられており、現在は医療や介護方面でもその活躍が期待されているほどです。
しかし、いくら身体に良いものであったとしても、使い方を誤ってしまえば“身体に毒”となってしまいます。
そのため、正しい知識・技術をお客様に提供する専門家の存在が必要不可欠であり、その専門家のことを「アロマセラピスト」と呼んでいるのです。
行う業務は大きく2つ存在します。
◆アロマオイルを使用し、トリートメントを施すこと
これは、精油の特性・知識を正しく理解しているだけでは足りません。
“人体への影響の仕組み”はもちろんのこと、“脳・におい”に関する生理学についても、正しく理解をしていなくてはいけません。
また、美や健康に対しても影響を与えることから、“人体のメカニズム”についても知識を習得しておいても損はないでしょう。
専門資格は必須なの?
身に着けるべき知識・技術が数多くあるため、「専門的な資格を所持しないと、アロマセラピストにはなれない……?」と感じる方もいるかもしれません。
結論から言うと、アロマセラピストになるために”必須”となる資格は(現時点では)ありません。
なろうと思えば、無資格・未経験からアロマテラピーに関する職に就くことも可能です。
実際に、無資格・未経験から職に就き、現場で経験を積みながら資格を取得を目指す人もいます。
ただ、以下のような点は覚悟しておく必要はあるかと思います。
◆有資格者・経験者よりも、給与や待遇は悪くなる
◆就職・転職時に、(有資格者・経験者に比べ)採用され辛い
このことから、できれば何かしらアロマテラピーに関する資格取得を先に目指した方が、就職・転職時はもちろん、職に就いた後も自身にとって優位に事を進めることができるようになると思います。
どんな資格があるの?
まず、アロマテラピー(アロマセラピスト)に関しては、2021年時点では“国家資格は設けられていません”。
しかし、民間資格はさまざまなものが存在します。
その中でも、特に認知度が高く有名な資格が、「公益社団法人日本アロマ環境協会」(略してAEAJと呼ばれる)が実施している「アロマテラピー検定」というものです。
この「アロマテラピー検定」には、以下の特徴が挙げられます。
②毎年「5月」と「11月」に、全国各地(34都市)の会場で試験が実施される
③受験者の男女比は“1:9”であり、年齢層は20代がもっとも多い
④1級・2級ともに、合格率は“80%~90%ほど”である
⑤「受験資格はなく、誰でも受験が可能」である
上記⑤の通り、この検定には“受験資格がありません”。
そのため、年齢・経験などの制限はなく、誰でも・1級からでも受験することが可能です。
また、このアロマテラピー検定の「1級」「2級」は、同時(同じ日)に受験することができ、試験時間は重複しないようになっています。
(出題数は、1級:70問・2級:55問で、マークシート方式となっている)
この資格取得を皮切りに、
◆アロマテラピーインストラクター
◆アロマセラピスト
など、さらなる上位資格にステップアップすることができるようになるのです。
ただし、この上位資格に挑戦するためには、アロマテラピー検定1級に合格した後に“AEAJに入会する”必要性があります。
その後、さらに認定スクールで必須履修科目を修了し、試験に合格していくこととなります。
試験は独学で合格できる?
結論から言うと、「アロマテラピー検定は、独学での資格取得が可能なレベル」です。
上記でもご紹介した通り、この仕事は“無資格・未経験からでも挑戦が可能”です。
そのため、まず現場で地道に経験を積んだ後に資格を取得し、一人前のアロマセラピストを目指す人もいます。
就職先によっては社内研修が充実しているところもありますし、何より“お金を稼ぎながら勉強ができる”というメリットにもなります。
逆に、「アロマセラピストを養成する専門学校やスクールへ進学し、しっかりと学習してからサロンなどへ就職する」人もいます。
上記の場合どちらかというと、後者の方が割合は多いかと思います(高校卒業後に進学する人も多い)。
ただし、“学校に通う=相応の学費が発生する”ということでもあります。
また、既に社会人として別の仕事に従事している人は、“仕事と学業の両立”を行っていく必要があるため、卒業するまでの間はハードな生活を送る可能性が高まるかと思います。
もちろん、通信講座などもあります。
どのルートを選択するかは、“あなた次第”です。
色々と情報収集を行ってみて、その上で自分に合ったやり方で資格取得を目指してみてください。
アロマセラピストは”男性”でもなれる?
これも結論からお伝えすると、“アロマセラピストは男性でもなれる職業”です。
「アロマテラピー=美容=女性」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、この療法は美容だけでなく医療や介護方面でも活用されています。
例えば、病院や整骨院などの待合室や施術室・介護施設などでアロマを焚き、患者や利用者にリラックス効果を与えるなどです。
また、“美容業界は女性中心の業界ではなくなっている”でもあります。
カリスマ美容師や有名メイクアップアーティストの中には男性も多く活躍していますし、リラクゼーション業界も男性施術者が増加しています。
それでもアロマテラピー検定の受験者数の割合が「男性1:女性9」であることから見てもわかる通り、まだまだ女性セラピストの方が多いことは事実ではあります。
また、女性よりはセラピストとして働ける場所が限られているのも事実です。
ただし、今後はもっと男性も活躍できる場が増えていく可能性は十分ありますし、男性セラピストの数も増加していくかもしれません。
男性だからといってセラピストになれないわけではありませんので、「アロマセラピストを目指したい」という人は、性別を問わず夢に向かって歩を進めてみてください。
アロマテラピストに適性のある人とは?
次に、アロマテラピストに適性のある人について、ご紹介をしていきます。
結論としては、以下の2つが挙げられます。
②向上心や責任感を持ち合わせている人
順番にもう少し掘り下げてみたいと思います。
悩みに対して親身に寄り添える人
まず、日本におけるアロマテラピーは、“医療行為”ではなく“リラクゼーションの一種”に該当します。
(海外の一部の国では、医療行為として認められているところもあり、資格を必須としていることもある)
つまり、現在の日本においては「アロマセラピスト=接客業」なのです。
アロマショップであれサロンであれ、来店する人は“お客様”であり、お客様の悩みを伺い・しっかりと寄り添って、問題解決の一助とならなくてはいけません。
そのため、人に対して“思いやり”の心を持って、親身に接することができる人に向いている職業といえます。
また、相談やカウンセリングを通じて“お客様の悩みの根源となるもの”を見つけ出したり、丁寧にアドバイスを行う必要性もあることから“繊細さを持ち合わせている人”も、この仕事に向いている人といえるかと思います。
向上心や責任感を持ち合わせている人
「アロマテラピー」は、まだまだ発展途上の分野です。
日本では、今現在はリラクゼーションの一種という面が強調されていますが、いずれは医療行為における分野でも利用されていく可能性があるかもしれません。
(実際に、医療に関する研究も進められている)
また「精油」や「アロマオイル」に関する知識や技術も、どんどん進化を続けています。
そのため、職に就いた後であっても、常に“スキルアップのための知識・技術の習得”は欠かせないのです。
貪欲に知識・技術を吸収していける人……、これもアロマセラピストに適性のある人といえるかと思います。
また、「(日本においては)医療行為には該当しない」であっても、精油には身体との相性があり、“人の心体に何かしらの影響を及ぼす可能性”があります。
そのため、向上心と同時に“責任感を持ち合わせている人”に適性のある仕事であるといえます。
アロマセラピストの「将来性」について
「アロマセラピストの働き方」については改めて別の記事にて詳しくご紹介をしようと思いますが……。
2021年時点では、“社会的な地位が確立しているとは言えない”状況ではあります。
その理由の一つとしては、前項で挙げた“医療行為に該当しない(医療系の公的資格が設けられていない)”という点が挙げられます。
そのため、雇用形態もまちまちであり、不安定な働き方をしている人も多いのが現状です。
しかし、その一方でアロマセラピストの需要は増加傾向にあります。
その理由は、「現代社会はさまざまなストレスに苛まれており、癒しを求めている人が多いから」です。
また、医療や介護の分野においてもその需要は高まっており、今後は日本でも「アロマテラピー=医療行為」として認められる日も来るかもしれません。
すなわち、「当人の努力・工夫次第で、多様な活躍の場を作り出すことができる可能性がある」ということであり、将来における可能性も十分にあるのではないかと考えられています。
アロマテラピーはまだまだ発展途上の分野であり、いずれは関連する国家資格なども設けられていくかもしれません。
それに合わせて、働き方も変化していく可能性は高いかと思います。
関心がある方は、比較的“職に就きやすく・資格取得がしやすい”今の段階から、アロマセラピストを目指すための努力を行ってみるのも手ではないかと思います。
まとめ
アロマテラピーの需要はどんどん増加しており、美容目的以外でも活躍の幅を広げている分野です。
美容や健康はもちろんのこと、今後はもっと医療や介護などの分野でも活躍できる可能性が高いですし、将来性は抜群にあるかと思います。
また、現時点ではアロマセラピストに関する国家資格は存在せず、“独学でも勉強しやすく・合格率の高い民間資格が多い”のも特徴の一つに挙げられます。
今後は、“国家資格が登場したり・受験資格を必要としたり”……アロマセラピストになるための条件が設けられる可能性も十分にあり得ます。
(実際、社会的地位が高まり、条件が設けられるようになった職業も存在する)
このことから、「アロマセラピストになりたい!」と考える人は、今のうちから資格取得や就職・転職などを検討してみるのも良いのかもしれません。
関心がある方は、ぜひさまざまな情報を収集し知見を広げ、その一歩を踏み出してみてください。