冬は一般的に“太りやすい季節”と言われています。
そして、特に年末年始のお正月前後は注意が必要です。
現在は「新型コロナウイルス」の影響もあって、例年と過ごし方が変わっているという方もいるかもしれませんが、それでも下記のような点で生活リズムが変わりやすい時期でもあります。
◆帰省
◆旅行 など
ごちそうを食べる機会も増えるので、どうしても太りやすいこのタイミング……。
なぜ、「お正月太り」は起こってしまうのか?
そして、どうすれば「予防」ができ、また「解消」することができるのか?
今回は、こういった「お正月太り」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
なぜ「お正月太り」が起こるのか?
お正月太りには、大きく“3つ”が原因として挙げられます。
1つ目の原因は、「年末年始に行われるさまざまなイベント」です。
忘年会や新年会、お正月には家族や親戚が揃って和気あいあいとすることもあるでしょう。
人によっては、旅行などに行く人もいるかもしれません。
そして、そういったイベントではもれなく、「鍋・お寿司・おせち」など豪華な食べ物がふるまわれることと思います。
加えて、お酒やお餅・スイーツを食べる機会も増える人もいます。
「短期間のうちに暴飲暴食を重ねるうち、体重がいきなり増えてしまう」
これが、お正月太りの主な原因の一つです。
そしてもう一つは「年末年始の長期休暇」が挙げられます。
年末年始は1年の疲れが押し寄せてきやすいタイミングでもあります。
特に仕事納めに向かって、12月は忙しく働いていた人も多いのではないでしょうか。
疲れが溜まっている上での長期休暇なので、「年末年始くらいは家でゆっくりしよう……」と考える=“体を動かさない”人が多いのです。
これが、2つめの原因となります。
そして最後は、「冬という気候」が影響しています。
“冬=寒い”です。
気候が寒くなればなるほど、人間の身体は体温を保つために「皮下脂肪」を蓄えようとします。
加えて、寒い時ほど「外に出て運動しよう!」という気も起きづらくなってしまいます。
これらの要素が絡み合って、お正月太りが起きやすい環境となっているのです。
体重が増える”原因”とは?
ここで一つ注意しておくべきことがあります。
それは、「体重が増えた=脂肪が増えた」というわけではないかもしれないということです。
極論を言うと、「筋肉が増えた」でも体重は増加します。
(筋肉は脂肪よりも重たい)
お正月太りの場合は、体重が増える原因は以下が多いとされています。
◆「便」が溜まっている
◆「脂肪」が増加している
実は、“脂肪を1kg蓄える=7,200キロカロリーが必要”なのです。
そのため、短期的に体重が増えた場合、“水分の増加”か“お通じが悪くてお腹に溜まっている”ケースも考えられるかもしれません。
もちろん、食べすぎ・動かなさすぎで“脂肪が増加している”という場合もあります。
また、日ごろから運動を欠かしていない人の場合、“筋肉量が増加し、体重が増えた”という可能性もあるかもしれません。
これは人によってさまざまです。
まずは、「なぜ体重が増えてしまったのか?」を、上記のどれに該当するか考えてみるのも良いかもしれません。
脂肪とは、”食べたものがすぐに定着する”わけではない
ここでもう一つ、注意点があります。
それは、「食べたものがすぐに体に定着するわけではない」ということです。
確かに、年末年始は、お酒・年越しそば・お餅などの糖質の多い食事に偏りがちであり、味付けの濃いおせちは塩分を多く含んでいます。
人によっては野菜を食べる機会も減って腸内環境が悪くなる場合もあるかもしれません(=お通じが滞ってしまう)。
ただし、“食べ過ぎ=脂肪となる”ではありますが、食べてすぐに脂肪となるわけではありません。
まず、食べたものは喉を通って「肝臓」に運ばれます。
そして、“48時間”ほどで余分な糖質や脂質が身体に蓄えられて「脂肪」となるのです。
さらに「体脂肪」として定着するのは、それから“2週間”ほどかかると言われています。
つまり、上記の期間内にしっかり対処ができれば、お正月太りを予防することもできるということです。
次項から、「予防法」→「対処法」の順に、注意すべき点をご紹介していきたいと思います。
お正月太りを「予防」するためには
まずは、お正月太りを「予防」するための具体的な方法からご紹介していきましょう。
これについては、普段からの生活全体の習慣を見直すことから始まるかと思います。
この記事を作成している時点ではもうお正月も過ぎていますが、後述を意識して行動すれば、普段の生活習慣を改善し・来年以降のお正月太りも予防することができるようになるはずです。
結論から言うと、大切なのは以下の3つとなります。
◆湯舟にしっかりと浸かる
◆良質な睡眠をとる
順に補足を加えていきたいと思います。
「食生活に気を配る」
普段の食生活……、特に下記を意識して食事を摂るようにしましょう。
②夕食は少なめの量にする
③よく噛んで食べる
④お酒を飲み過ぎない
両極端なことを言うと、「カロリーの高いものばかりを食べ」、「朝・昼を抜いて晩御飯を(寝る前に)大量に食べ」、「あまり嚙まずにすぐに飲み飲み」、「お酒をたくさん飲みながらご飯を食べる」。
考えなくてもわかることですが、上記を実践すればすぐに太ることができます。
つまり、その逆をすればいいのです。
ちなみに、バランスの良い食事というのは、以下の7代栄養素をバランスよく摂取することです。
◆脂質 :細胞やホルモンの基・エネルギー源となる(エゴマ油・ゴマ油など)
◆たんぱく質 :血や肉など、体の組織をつくる(肉・魚・大豆・卵など)
◆ビタミン :補酵素※として、栄養素の働きを活発にする(野菜・果物など)
◆ミネラル :補酵素※として、身体の調子をととのえる(海藻・果物など)
◆食物繊維 :腸内環境・糖質の吸収を緩やかにする(海藻・野菜)
◆ファイトケミカル:抗酸化作用として働く
また、上記の中でも「糖質=炭水化物」「たんぱく質」「脂質」のことを「三大栄養素」言い、身体や細胞・エネルギーの源となります。
良く、「ダイエットをするときは炭水化物を摂取しないようにしましょう」という文言を見かけますが、まったく摂取しないでいると必要な栄養素が摂取できずに、逆に体調を崩してしまいます。
何事も“バランス良く”が大切なのです。
尚、食事における栄養バランスの黄金比率は「糖質(炭水化物):たんぱく質:脂質=6:3:1」となります。
野菜や海藻を積極的に摂取することも大切です。
(ビタミン・ミネラル・食物繊維などが含まれている)
そしてもう一つ、お酒と食事の関係性についてです。
実は、お酒だけだとカロリーはそれほど気にする必要はありません。
問題なのは、アルコールに含まれる“食欲増進作用”にあります。
要するに、アルコールと食事を一緒にとると、カロリーオーバーを起こしやすくなるのです。
また、「夜寝る前に少しだけお酒を……」という人もいますが、その際におつまみを食べる場合も要注意です。
おつまみは、スナック菓子やピーナッツなど、脂質やカロリーの高いものが多いです。
そうすると、こちらもカロリーオーバーの原因となってしまいます。
また、夜に飲むと中途覚醒が起きやすくなり、睡眠の質も低下してしまいます。
軽く飲む程度なら問題はないかと思いますが、くれぐれも過剰摂取はしないようお気を付けください。
「湯舟にしっかりと浸かる」
現代は、湯舟に浸かるという習慣が少しなくなってきており、人によってはシャワーのみで済ませようとする人もいるかと思います。
実は、シャワーのみで済ませがちな人は、太りやすい傾向にあるのです。
その理由は、「血行が促進されにくくなるから」です。
湯舟(お湯)に浸かって体を温めると、血流が促進され代謝がアップします。
もちろん、“代謝が良くなる=健康的にもなる”ですし、リラックス効果もあります。
体を温めてからお布団に入ることで、より良質な睡眠もとりやすくもなります。
お湯に浸かることは至れり尽くせりなのです。
「良質な睡眠をとる」
◆お布団に入ってしっかりと体を温めながら眠る
◆お風呂に入って体を温めた後(リラックス状態)、お布団に入って眠る
◆アロマなどリラックス効果のあるものを使用して、ぐっすりと眠る
◆質の高いお布団や枕を購入して、質の高い睡眠をとる
大切なのは“ただ眠る”のではなく、“良質な睡眠をとる”ことにあります。
極論を言うと、電気をつけっぱなしで床の上で大の字になって寝るより、ちゃんとお布団に入って眠った方が、まだきちんと眠ることができるでしょう。
睡眠不足が続くと自律神経系、内分泌(ホルモン)系の調節機能が狂いはじめてしまいます。
そうすると、消費エネルギーが低下したり食事量の増加を招くことになり、結果肥満の原因になると考えられているのです。
もちろん、睡眠不足の状態で昼間活動をしていると、集中力が低下したり、日中の活動意欲も低下してしまいます(=睡眠サイクルが乱れてしまう)。
そうなれば、さらに運動不足となり肥満になりやすいサイクルが加速してしまうことでしょう。
眠る時間はもちろんですが、それ以上に“良質な睡眠をとる”ことを意識してみてください。
お正月太りを「解消」するためには?
結論から言うと、「前項でご紹介したことを実践する」です。
残念ながら、一度付いてしまった脂肪(皮下脂肪)を一朝一夕でなかったことにすることはできません。
ですので、前項でもご紹介した通り、日ごろから以下の3つを心がけるようにしてください。
◆湯舟にしっかりと浸かる
◆良質な睡眠をとる
尚、注意点として、「食事を抜く」「炭水化物・脂質を一切取らなくする」というダイエット方法は基本的にはしないようにしてください。
突然食事を抜いてしまう=空腹の時間が長くなると、次の食事の吸収が良くなってしまい、逆効果となります。
ただし、「胃が持たれている……」「まったく食欲がわかない……」などの場合は、一食だけ抜くというのも手段ではあります。
もしくは、お粥など消化に良いもの軽く食べるか、です。
なぜなら「胃腸を休ませてあげることで、内臓の本来の機能が回復するから」です。
そして、白湯や水、ノンカロリーのお茶などでしっかり水分を補給し、野菜や果物を中心に食べるのもオススメです。
カリウムを多く含む野菜は、余分な水分を排出し、食物繊維が、腸内環境を整えてくれます。
極力、1日3食というところは徹底しつつ、消化に良いものを食べるようにしましょう。
まとめ
残念ながら、楽に脂肪を落とす手段というのは存在しません。
そのため、日ごろからの生活習慣の改善を行い、できる限り「早く元の生活に戻すこと」が大切なのではないかと思います。
特別なことをする必要はありません。
「食事・運動・睡眠」、これらをバランスよく適度に行っていれば、そもそも太る心配はないのですから。
尚、お正月太りも仕方のないことではありますので、無理に我慢しないことも大切かと思います。
確かに、常日ごろからバランスの取れた生活習慣をずっと送り続けることができれば、それがベストではあります。
しかし現代はストレス社会であり、特に12月は仕事納めもあって余計に仕事疲れが激しくなる時期でもあります。
「年末年始くらい、ちょっと自由にさせてほしい……」そう考えても全く問題はないと思うのです。
我慢のし過ぎは余計なストレスを生む原因となってしまいます。
ですので、頑張っている自分に、たまにはご褒美をあげてみてください。
そうすれば、また「明日から頑張ろう!」と思えるようになるはずです。
「年末年始は全然運動できなかったな……」
「ちょっとだらけ過ぎてしまったな……」
たまにはそういう時があっても良いのではないでしょうか。
ただし、大切なのはその後。
どれだけ早く気持ちをリセットし、どれだけ早く元の生活に戻すことができるか……。
これが大事なのではないかと思います。
無理のない範囲で、自分にできることを継続して行ってみてください。
「継続」すれば、それが「習慣(癖)」となります。
習慣化できればこっちのもの。
“習慣=当たり前のこと”と頭が認識するので、そう簡単に習慣が崩れることはありません。
ぜひ、普段から生活習慣を整える癖をつけるようにしてみてください。