前回の記事にて、“笑顔が減る原因”と“笑顔でいられるコツ”についてご紹介をいたしました。
日ごろから笑顔でいることは、周囲の人との良好な関係を保つことに加え、メンタルヘルスにも役立てることができます。
そう、笑顔でいることは“大きな健康効果”があるため、できることなら笑顔を絶やさないようにした方がいいのです。
今回は、この「笑顔」がもたらす健康効果やメリットについて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
「笑顔」が体の免疫力をアップする!?笑うことで活性化される〇〇細胞とは?
人間の体内には、「ナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞)」というリンパ球の一種が存在します。
これの役割は、「体に悪影響を及ぼす物質を退治してくれる」です。
そして、この細胞と笑顔には密接な関係性があり、笑顔でいることが多い人ほどNK細胞が活性化するのです。
なぜこの2つが密接な関係を持っているのかというと、「笑う」ことで免疫のコントロール機能をつかさどっている「間脳」に興奮が伝わり、情報伝達物質の「神経ペプチド」が活発に生産されることとなります。
この笑いによって作られた“善玉”の神経ペプチドが、血液やリンパ液を通じて体中に流れ出し、NK細胞の表面に付着し、細胞を活性化させるのです。
これが、さまざまなウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃し、免疫力を高めてくれる……そういう原理となっています。
言い方を変えると、ストレスや怒り・悲しみなどのマイナスの感情を受け取ると、この細胞の働きは鈍くなってしまいます。
その結果、免疫力がダウンし、病気にかかりやすくなってしまうのです。
免疫力以外にも……?「笑顔」のプラス効果について
上記でご紹介した“免疫力アップ”以外にも、笑顔でいることのプラス効果はさまざまに存在します。
端的にまとめると、以下の6つが挙げられます。
2.血行が促進される
3.自律神経のバランスが整う
4.筋力がアップし、ダイエットの効果がある
5.幸福感・鎮痛作用がある=ストレスが少なくなる
6.生活習慣病の予防
順に補足していきましょう。
脳の働きが活性化される
人は、笑うことで脳への血流が増加し、自然と脳の働きが活性化されることとなります。
特に活発化されるのは、「海馬」や「側頭葉」です。
(海馬=記憶、側頭葉=判断力をつかさどる器官のこと)
要するに「笑う」ことで、
◆てきぱき判断を下せる(判断力・思考力が高まる)
こととなるのです。
加えて、笑顔でいると、脳波の中でも「アルファ波」が増加します。
これは、“脳をリラックスさせながら、さらに脳機能を高める”という相乗効果を持っており、脳機能を高める要因となってくれるのです。
血行が促進される
思い切り笑うときは、お腹から声が出ませんか?
“お腹から声を出す=「腹式呼吸」を行っている状態”となります。
腹式呼吸であればあるほど、体内に酸素がたくさん取り込まれるので、血の巡りが良くなって、新陳代謝も活発になるのです。
また、大きく笑うことで「横隔膜が刺激される」ということにもつながり、血流を促進する効果もあります。
現代の人は、仕事や家庭の多忙さから、運動不足・ストレス過多・栄養バランスの崩壊など、生活習慣が乱れている人が多いと言われています。
その結果、ドロドロの血液を招いてしまいがちとなるのです。
しかし、“笑うだけ”で、血行が良くなるのであれば、実践しない手はありません。
もちろん、適度な運動や栄養バランスの摂れた食事を摂取するなど、生活習慣の乱れも整えていく必要はありますが、合わせて「笑顔でいる」ことも、同時に日々の生活の中に取り入れてみてください。
自律神経のバランスが整う
自律神経には、「交感神経=体を緊張モードにする」と「副交感神経=体をリラックスモードにする」の2つがあります。
そして、両者のバランスが崩れることで、体調不良の原因となってしまうのです。
基本的に、起きている間は交感神経が優位になっているのですが、笑うことで交感神経が促進されリラックス効果をもたらしてくれることとなります。
笑うことで、「交感神経」と「副交感神経」のスイッチが頻繁に切り替わることとなり、自律神経のバランスが整うのです。
もっと簡単に言うと、「笑うことで緊張が解け、リラックスできるようになる」ということです。
筋力がアップし、ダイエットの効果がある
笑う=以下のような効果があります。
◆呼吸が活発となって酸素の消費量が増える
要するに、“内臓の体操”を行っていることと同義なのです。
笑うことにより、カロリーの消費量が増えることとなります。
また、大笑いを続けていると、お腹や頬が痛くなったりしませんか?
笑うことは、腹筋・横隔膜・肋間筋・顔の表情筋などをよく動かすことにつながるため、微力ではありますが筋力アップにもつながるとされているのです。
ちなみに、「笑うだけでカロリーって本当に消費されるの?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
実は、笑うことは想像以上のカロリーを消費します。
例えば、「笑う」ことと「ウォーキング」の10分間当たりの消費カロリーを比較してみましょう。
◆「ウォーキング」:27kcal
あくまで10分間なので、長くウォーキングを重ねればその方が消費カロリーは多くはなります。
ただ、瞬発的な消費カロリーとして考えると、笑うことでも相当なカロリーを消費するということは間違いありません。
また、“笑う=基礎代謝量もアップする”こととなります。
(お腹周りの筋肉を使用するため、自然と基礎代謝量がアップする)
たかが笑い、されど笑い。
たった“笑うだけ”で、毎日カロリーを消費してくれるのですから、ダイエットにも欠かせない要素の一つとなるのです。
幸福感・鎮痛作用がある=ストレスが少なくなる
笑顔でいることは、幸福感をもたらすと同時に、やる気やプラス思考を高めてくれます。
これは、脳内に分泌されるホルモンが影響しているのです。
例えば、笑うことで分泌される「エンドルフィン」は、強烈な幸福感を与えてくれます。
加えて、笑うことで「ドーパミン」も分泌されることとなります。
(ドーパミン=やる気やプラス思考を高めるホルモン)
また、この「ドーパミン」は、同時にストレスホルモンの分泌を抑える働きもあるのです。
加えて、笑うことは「セロトニン」も分泌されます。
別名「幸せホルモン」「癒しホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、心のリラックスには欠かせないホルモンです。
これらが分泌されることにより、「幸福感をもたらし・やる気やプラス思考を高め・ストレスを軽減する」ことが同時に行われることとなります。
まさしく、笑顔=至れり尽くせりな効果なのです。
生活習慣病の予防
最後は、生活習慣病の予防となります。
「生活習慣病の予防まで!?」と思う人もいるかもしれませんが、これも実際に医学的に立証されてきているものとなります。
例えば、以下のようなものが挙げられるでしょうか。
◆「心臓病」
◆「リウマチ」
いずれにも効果があると実証されているのです。
また、笑いは「各種アレルギーを改善する効果もある」とも言われています。
これらについてはまだまだ検証が必要ではありますが、少なくとも「笑顔でいること」にデメリットが生じることはありません。
むしろ、これまでにご紹介した通り、メリットだらけと言っても過言ではないでしょう。
ぜひ、日々笑顔でいることを心掛けて、健康的な毎日を過ごせるようにしてみてください。
まとめ
以上が、「笑顔でいることのメリット」となります。
上記でもお伝えした通り、「笑顔でいること」にデメリットは存在しません。
むしろ、メリットだらけと言っても過言ではありません。
近年は、さまざまな外的要因の影響もあって、無表情でいる人が増えています。
また、何も考えずに年齢を重ねてしまうと、年齢とともにに笑う回数も減ってしまいます。
こんなに健康的な効果やメリットの高い笑いを活用しないのは、本当にもったいないと思います。
たった“笑うだけ”で、さまざまなメリットを得ることができるようになるのです。
最初は“作り笑い”からでも大丈夫です。
まずは、意識的に“笑顔でいること”を心掛けてみましょう。
そして、笑顔でいることが当たり前になってきたら、今度はその笑顔を周りにおすそ分けしてあげてください。
そうすれば、あなたの周りには笑顔でいる人がどんどん増えていくことでしょう。
ぜひ、たった今から、笑いを生活の中に取り入れていく工夫を行ってみてください。