「筋肉は体に良い!」「筋トレすれば健康になる!」
健康を長く維持するうえで必要不可欠な「筋肉」は、「筋トレ=筋肉トレーニング」をすることによって鍛えられていきます。
近年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあって外出する機会が減り、「コロナ太り」を解消するために、自宅やジムなどで筋トレをする人が増えています。
SNSやテレビなどでも、見かける機会は多いはずです。
しかし、人によっては「何のために筋トレするの?」「筋トレのメリットはなに?」と、疑問を持つ人もいらっしゃるかもしれません。
今回は、その疑問を解消するため、「筋トレ」について詳しくご紹介をしていきたいと思います。
「筋肉」の必要性について
概要
「筋トレ」とは、書いて字の如く「筋肉のトレーニング」のことです。
筋肉は年齢とともに減少していくものであり、意図的に筋肉を使わないと、いずれは日常生活にも支障をきたす恐れがあります。
“筋トレ=負荷をかけながら筋肉を収縮させるエクササイズを行う”ことによって、長く健康的な身体を維持することができるようになるのです。
この「筋肉」ですが、具体的にはどういった点で必要とされるのでしょうか。
基本となる役割は、以下の4つです。
2.「体を守る」
3.「熱を出す」
4.「血液のめぐりを良くする」
順に、補足を加えていきたいと思います。
必要性1.「体を動かす」
体を動かすためには、(どの部位を動かすにしても)筋肉の存在は必要不可欠です。
仮に、走ったり・スポーツをしたり・筋トレをしたり……などの激しい動きをしなかったとしても、日常的な動作……つまり姿勢の維持などを行ううえでも、無意識に使用されています。
筋肉がなければ、人は自由に生活することができなくなるのです。
必要性2.「体を守る」
筋肉は、いわば「体を守ってくれる”鎧”」のような役割を持っています。
例えば、日常生活を送る上でも、時には転んだり何かにぶつかったりすることもあるでしょう。
事故に遭遇し、怪我を負うこともあるかもしれません。
そういったときに、筋肉があらゆる衝撃を吸収し、骨や内臓を衝撃から守ってくれるのです。
もちろん、筋肉をつけたからといって、すべての衝撃を防ぐことはできません。
あくまで“和らげることができる”というだけであり、“筋肉=完全無敵”というわけではありません。
しかし、筋肉があることで、骨折などのリスクを減らすことはできます。
実際、高齢者の方が転んで骨折してしまう原因の一つは、“筋肉の減少”によるものなので、いざというときのために備えをしておくに越したことはないのです。
必要性3.「熱を出す」
熱を出すというのは、「体温の維持」および「エネルギー消費」のことを指しています。
実は、熱を出し・体温維持のための重要な役割を果たしているのは、「脂肪」ではなく「筋肉」なのです。
そのため、筋肉量が多い人ほど体温が高いとされています。
「筋肉が多い人は暑がりである」と言われることがありますが、その理由は“筋肉が熱を発生させているから”なのです。
加えて、筋肉は熱を維持するために「糖質」や「脂質」などのエネルギーを消費しています。
よく「筋肉が増えると、脂肪の燃焼量が増える」と言われますが、これが所以です。
逆に、筋肉が減ることでエネルギーの消費量が落ちてくるため、糖と脂肪が体に溜まりやすくなる=“太りやすくなる”というわけです。
必要性4.「血液のめぐりを良くする」
実は、“血液のめぐり”を助けているのは、筋肉なのです。
筋肉が伸びたり・縮んだりすることによって、血は全身をめぐっていきます。
いわば、筋肉がポンプの役割を果たしているのです。
例えば、立ちっぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢で動かずにいると、肩こりがひどくなったり、足がむくみやすくなります。
まさに、これこそ“血液のめぐりが悪くなっている”という証明であり、筋肉が血のめぐりを助けている証拠となるのです。
特に、脚の筋肉は非常に重要で、血液を上に戻す役割を持っています。
ふくらはぎが「第二の心臓」と言われることがありますが、これが所以なのです。
筋トレの種類は、大きく2つに大別される
一言で筋トレといっても、その種類は400~500種あるといわれています。
SNSや雑誌・テレビなどでも「ダイエットに効果的な筋トレ方法!」と紹介されることが多々ありますが、ものによってその内容は異なるものとなっているはずです。
そのため、どの種目をどのような順番で行えば良いか……特に、素人目からではまったく判断ができません。
ただ、筋トレは以下のように2種類に大別することができます。
◆「アイソレーション種目」:1つの関節だけを動かし、特定の筋肉のみを鍛える
一般的に、トレーニングメニューは「コンパンド種目→アイソレーション種目」という順番で作られます。
もう少し分かりやすく言うと、「体を動かす種目から、徐々に少ない動きの種目に移っていく」というようなイメージです。
また、筋肉を成長させるテクニックとして、「漸進性の原則」というものもあります。
「徐々に扱うウエイトを高めていくことで、その負荷に耐えられるように筋肉も発達していく」というものです。
筋トレに活用できる道具にはさまざまな種類が存在し、当然、使うものによって負荷のかかり方が変わってきます。
それらをうまく活用し、“多方面から筋肉に刺激を与えること”が、筋肥大のテクニックの一つといえるのです。
筋トレをすることで得られるメリットとは?
筋トレを行うことで、以下のようなさまざまなメリットを得ることができます。
◆「ダイエット」に効果的である
◆「肌」や「美容」にも良い影響を与える
◆「ストレス解消」になる
◆自分に「自信」が持てる
順に補足を加えていきましょう。
メリット①:「健康寿命」を延ばすことができる
筋肉は、体を動かすうえで重要な要素ですが、加齢とともに減少していきます。
実は、筋肉の減りは意外と早く、何もせずに家でゴロゴロしたり寝ているだけだと“1日で0.5%落ちていく”と言われているのです。
特に近年は新型コロナウイルスの影響でリモートワークする人が増えており、「外出の機会が減った(歩く機会や運動する機会が減った)」という方も多いはずです。
そうなると、意識的に筋肉を増やす努力をしないと、これまで以上に筋肉の減りが早くなっていくこととなります。
「健康寿命」というのは、「平均寿命-要介護の期間」と言われており、一般的に平均寿命よりも10年ほど早く訪れるといわれています。
筋肉は、「歩く」「立ち上がる」「座る」など、生活動作を行ううえでも必要不可欠なものですが、いずれはその“今まで当たり前にできていたこと”が、自力では行えなくなるのです。
筋肉を維持・増進させなければ、結果として健康寿命を縮めることとなってしまいます。
メリット②:「ダイエット」に効果的である
筋トレがダイエットに効果的なことは、周知の事実だと思います。
その理由は、「筋肉量が増える=基礎代謝量が増える」からです。
仮に同じ運動量であっても、筋肉量の多い人の方がカロリーをより多く消費することとなります。
また、筋肉が増えると、内臓の活動や血流も増えるほか、交感神経やホルモンも活発になります。
もちろん、脂肪を燃焼する効果もあります。
総じて、「健康な体を作る(維持する)うえでも効果的」なのです。
メリット③:「肌」や「美容」にも良い影響を与える
筋トレは、アンチエイジングにも効果的と言われています。
「アンチエイジング」とは、日本語で「抗加齢」や「抗老化」と説明されます。
つまり、「加齢とともに起こるさまざまな体の機能低下を防ぐ」ことを指しているのです。
なぜ、筋トレが美容などに効果的なのか。
その鍵となるのは、「成長ホルモン」にあります。
成長ホルモンは、髪の毛や皮膚の修復などに影響すると考えられており、不足すると「しみ」や「しわ」、「抜け毛」などの原因になるとも言われているのです。
成長ホルモンの分泌の流れは、以下のようになります。
◆疲労がたまると乳酸が発生する
◆乳酸が血流に乗って脳まで到達する
◆成長ホルモンの分泌を刺激する
その分泌された成長ホルモンに、髪の毛や皮膚を正常に保ってくれる効果があるのです。
実際、引き締まった体をしている人は、実年齢以上に「若々しい」と感じることはないでしょうか。
この理由の一つは、成長ホルモンが体に良い影響を与えているからなのです。
メリット④:「ストレス解消」になる
筋トレは、ストレス解消にも効果的です。
なぜかというと、“筋肉の収縮”が、ストレス解消につながっているからです。
また、“自立神経を整えて、ストレスを軽減させる”という効果もあります。
トレーニング中は力を出すことで「交感神経」が活発になって興奮状態になりますが、運動後はこの交感神経が一気に落ち着きます。
そして、交感神経が急速に落ち着き「副交感神経」が優位になるため、体が休息モードに移り、自律神経を整えてくれるのです。
適度なトレーニングを行うことによって、自律神経のリズムを作り、ストレスの軽減に役立ててみてください。
メリット⑤:自分に「自信」が持てる
筋トレを継続することで、「ダイエットに成功する」「美肌になる」といった、“外見上の変化”を実感できるようになります。
また、継続・目標の達成などによって「達成感」も味わうことができ、総じて自分に対する「自信」につながるのです。
自信が持てるようになると、物事を前向きに捉えられるようになりますし、より自分を高めようと行動的にもなります。
外見の変化だけでなく、精神的にも良い影響を期待できることでしょう。
筋トレを継続させるコツとは?
ポイント1.無理に続ける必要はない
「メリットがあるのは分かっている……。でも、続かない……」という人もいるかもしれません。
続かない(やらない)理由として恐らく多く挙げられるのは、「運動する時間を作れない」です。
◆仕事の後の運動が億劫
◆休みの日くらいゆっくりしたい
こういう人に言えることは、「無理に続ける必要はない」ということです。
筋トレは、毎日行う必要はありませんし、1時間2時間など長い時間行う必要もありません。
週に3日ほどの筋トレで構いませんし、時間も15分~30分ほど確保できれば大丈夫です。
むしろ、筋肉を効率よく成長させるためには、適度に休みを取ることが大切なのです。
筋肉に刺激を与えると、その部分の筋肉は一度破壊された状態となり、体に一時的な負荷が生じます。
この状態から休息や睡眠をしっかり取る(48時間程度かけて体を回復させる)ことを、「超回復」と言います。
筋力は、この「負荷」と「回復」を繰り返すことでアップしていくのです。
言い方を変えると、「毎日同じ部位の筋トレをしても、効率の良い筋力アップにはつながらない」ということです。
「筋トレしよう!」と意気込む人は、最初から無理な運動をしがちであり、1回の運動に時間を費やそうとしてしまいがちです。
しかし、慣れないことをするのですから、最初からフルスロットルで稼働しようとすると、当然長くは続きません。
大切なのは、「継続すること」です。
時間を作ることが難しいのであれば、最初は週1日~・1回15分程度と、本当に短時間だけのトレーニングでも問題ありません。
それでも、継続していけばいずれ少しずつ成果は現れてきて、継続することに楽しみや達成感を見出せるようになってくるはずです。
また、継続し続ければ、それがいつしか「習慣」となります。
この良い仕組みが作られてくると、自然とトレーニングのペースは増えてくるはずです。
「0」より「1」、「まったくやらない」より「ほんの少しでもやる」ことを積み重ねていくことで、いつしかそれが「当たり前」となっていくのです。
それでも「続かない」「できない」という人は、もしかしたら“やらない理由を探している”だけなのかもしれません。
やらない理由を探して自分を正当化しようとしても、なんの成果も得ることはできません。
ほんの少しずつでも良いので、0より1を積み重ねてみてください。
ポイント2.スポーツジムを活用する
続かない理由としてもう一つ挙げられるのは、「どんな運動をすればいいか分からない」です。
いざ筋トレをしようと思っても、なにから始めていいか分からない人は多いです。
テレビや雑誌などで情報を調べてみても、これらはあくまで一方通行な情報であるため、「このやり方で本当に合っているのか?」を確かめる術がありません。
また、一人でトレーニングをしていると、なかなか目に見える成果が出せずに途中で挫折してしまうことも多々あります。
こういう時は、スポーツジムに通うことをオススメします。
数多くのマシンやフリーウエイトが使用できますし、インストラクターやジムのスタッフが使い方を丁寧に教えてくれます。
ジムによっては、自分に合ったトレーニング法をレクチャーしてくれることもありますし、他にもダンスやヨガなどの多彩なプログラムが用意されているところもあります。
それに、「ジムに通っている人=運動を目的としている人」ばかりなので、周囲の目を気にする必要もありませんし、共通の目的を持った人と仲良くなれる可能性もあります。
一人でトレーニングするよりも継続しやすくなるので、ジムの利用を検討してみるのも良いかと思います。
ただし、「通いやすいジムを選ぶ」ようにしてください。
もっとも重視したいのが、「アクセスのしやすさ」です。
自宅や職場からできるだけ近いジムを選ぶことが、ジム通いを長続きさせるポイントといえます。
例えば、「オープンしたばかりのジムで特典がある」「設備が充実している」「会費が安い」などのメリットがあったとしても、自分の生活圏外であれば、だんだんジムに通うことが面倒になってくる場合もあります。
後は、「利用する時間帯」や「スタッフの有無」なども検討材料に加えると良いです。
現在は、24時間オープンやスタッフがいない無人の(時間帯がある)ジムなども増えています。
「人が少ない夜中に利用したい」「静かに黙々とトレーニングに打ち込みたい」というなら、上記のようなジムを選択するのも良いでしょう。
しかし、「ジムのスタッフに色々質問したい」「共通の目的を持った人と一緒にトレーニングがしたい」「夜中にジムを利用することはない」という場合、上記のようなジムだと相性が良くありません。
自分の目的に合ったジムを選択するのも、ジム通いを長続きさせるポイントとなるのです。
いろいろなジムが数多く存在するので、比較・検討して自分に合ったジムを選んでみてください。
まとめ
筋トレは、手軽に始めやすく、さまざまなメリットがあります。
健康な体で長く生活するためにも、「自分への投資の一つ」として、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
確かに、大なり小なりのお金はかかるかもしれません。
しかし、お金以上に得られるものもたくさんあります。
尚、筋トレは継続してこそ効果を実感できるものであり、一朝一夕で目に見える成果を手にすることはできません。
長く続けるためコツは、「最初から無理をし過ぎないこと」です。
人と比べる必要はありません。
少しずつ、自分のペースで良いので、継続して健康的な体を手に入れられるよう頑張ってみてください。