妊娠中は、体調面や精神面で変化が起きやすい時期です。
妊婦さん自身はもちろん、家族や周囲の人が気をつけるべきことがたくさんあります。
本記事では、妊娠中にしてはいけないこと・注意することを中心に、妊娠から出産までの大切な時間の過ごし方についてご紹介します。
妊娠初期は体調の変化に注意しよう
妊娠初期は、特に体調面や精神面で変化が起きやすい時期のため注意しておきましょう。
変化が起こりやすくなる理由は、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」にあります。
「妊娠を助けるホルモン」といわれることもあり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜の環境を整え、体温を上げる働きをします。
プロゲステロンは、排卵後に分泌量が低下し、妊娠した場合に分泌量が増加し始めます。
このホルモンによって、妊娠初期は体調が変化しやすくなるのです。
身体的および精神的な変化の一例は、以下の通りです。
●つわり
●基礎体温の上昇
●頭痛や熱っぽさ
●風邪のようなだるさ
●下痢や便秘
●寒気や悪寒
●口渇感
●腹痛やおなかの張り など【精神的な変化】
●イライラ
●倦怠感
●情緒不安定
●うつ病症状
●極端な思考 など
なお、これらの症状は急激なホルモンの変化によるものであり、安定期に入ると症状が落ち着いてくることもあります。
周囲に理解をしてもらいつつ、体調が悪いときは無理せず休みながら乗り切っていきましょう。
妊娠初期は感染症対策も意識しよう
「感染症」とは、ウィルスや細菌などの病原体が原因となって発症する病気のことです。
妊娠すると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。
マスクの着用、手洗い・うがい、人混みはなるべく避けるなどして、今まで以上に感染症の予防対策を徹底しましょう。
妊娠中でもインフルエンザの予防接種は可能なので、秋~冬であれば予防接種を受けておくのもいいでしょう。
また、胎児に影響を与えてしまう薬もあることから、仮に病気になっても独断で市販の薬などを服用してはいけません。
妊娠中でも服用できる薬を処方してもらえることもあるため、必ず主治医に相談してください。
妊娠前から飲んでいる薬があれば、妊娠がわかった時点で相談することも大切です。
妊娠時にしてはいけないこと
妊娠時にしてはいけないことは複数あります。
妊婦にとっても、これから生まれてくる子どもにとっても悪影響となるため、しっかり内容を理解しておきましょう。
喫煙
もしタバコを吸っている人がいれば、妊娠が判明したらすぐに禁煙しましょう。
タバコの代表的な化学物質に「ニコチン」がありますが、これが「末梢血管の収縮作用」という問題を引き起こします。
血管が細くなることで血流が悪くなり、手足が冷たくなる・脳血栓や心筋梗塞も起こしやすくなるなどの悪影響を及ぼすのです。
また、胎盤には赤ちゃんの害になるものは通さないような「ろ過機能」があるのですが、ニコチンはその胎盤を通過してしまい、赤ちゃんもニコチンの毒にさらされてしまいます。
胎児がニコチンを接種してしまうと、血管収縮を引き起こし、栄養や酸素が届きにくくなります。
そもそも、女性の喫煙は妊娠・出産に悪影響を及ぼすため、妊娠に関係なくタバコは吸わない方が賢明です。
ニコチンは受動喫煙でも接種してしまう恐れがありますので、特に妊娠中は喫煙者に近づかないよう意識しましょう。
アルコールの摂取
妊娠中にアルコールを摂取すると、母体の血液中とほぼ同じ濃度のアルコールが胎盤を通して赤ちゃんに送られることになります。
これによって「胎児性アルコール症候群」の赤ちゃんが生まれるリスクが高くなってしまいます。
低体重・低身長といった発達の遅れ、うつ症状・学習障害などの精神疾患が起こる恐れがあるため、妊娠が判明したら速やかに禁酒しましょう。
ただ、人によっては「妊娠に気づかずにお酒を飲んでしまった」というケースもあるかもしれません。
胎児への影響が心配になりますが、妊娠超初期の飲酒が必ずしも胎児に影響を及ぼすわけではありません。
思い悩んでストレスを溜めてしまうのも良くないので、深く考えず「妊娠に気づいた時点から禁酒する」ことを意識しておきましょう。
そもそもアルコールを摂取すること自体が体に悪影響を及ぼす可能性が高いため、普段からアルコールを飲まないよう徹底するのも大切です。
なお、アルコールはお酒だけでなく食品にも含まれていることがあります。
たとえば、奈良漬けや粕漬けなどの酒粕を用いた漬物やアルコール入りのお菓子などが該当し、これらも妊娠中は口にしない方がいいでしょう。
アルコールが含まれているものは、パッケージに「アルコール分〇%」「洋酒使用」「お子様、妊娠中・授乳中の方、食後に運転する方は摂取をお控えください」などと記載されています。
パッケージを確認し、アルコールが含まれているものは接種しないようご注意ください。
カフェインの摂取
妊娠中は、カフェインの摂取にも注意しておきましょう。
カフェインには、自然流産や赤ちゃんの発育を妨げるリスクが高くなる可能性が懸念されています。
日本では、妊婦さんに対する上限量が定められていませんが、海外では悪影響のない最大摂取量として下記の値が公表されています。
●世界保健機関(WHO):300 mg/日
●欧州食品安全機関(EFSA):200 mg/日
●カナダ保健省:300 mg/日
「まったく口にしてはいけない」というわけではありませんが、たとえばコーヒーの場合は100mlに約60mgのカフェインが含まれることから、150mlカップならコーヒーは1日2杯程度までにしておくといいでしょう。
カフェインはコーヒーだけでなく、チョコレート・玉露・紅茶・せん茶・ウーロン茶・コーラ・エナジードリンクや眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)などに含まれています。
妊娠中は、できる限りノンカフェインを選ぶようにしましょう。
生ものの摂取
妊娠中は、できるだけ生ものは控えた方がいいでしょう。
妊娠すると免疫力が低下し抵抗力が弱まるため、感染症や食中毒にかかりやすくなるからです。
●生肉や生ハム
●刺身やお寿司
●殺菌されていない乳製品や生卵 など
ただし「妊娠中に生ものを食べるのは絶対にダメ」というわけではありません。
食べるとしても新鮮なものを選ぶようにし、体調がいいときに食べるようにしましょう。
体に負担がかかる運動や行動
妊娠中は体調が安定しないため、激しい運動は避けましょう。
妊娠初期であっても体に負担をかける恐れがあるため、体に負荷がかかるウエイトトレーニングや転倒の危険がある運動は避けた方が賢明です。
ただし、ストレス解消や体重管理の観点から、妊娠中も身体に負担がかからない程度の運動をすることは推奨されています(医師に止められている方を除く)。
医師に相談しながら、ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガなどの軽い運動を取り入れてみるといいでしょう。
また、妊娠初期は急な体調変化が起きやすいため、この時期はできるだけ旅行も避けた方がいいかと思います。
旅行に行く際は、車・電車・飛行機などを利用することになりますが、長時間同じ姿勢を取り続けると、血行が悪くなり「エコノミークラス症候群」を発症する恐れもあります。
旅行に行くにしても、体調が比較的安定している安定期~28週くらいまでの時期を目安にするといいでしょう。
もちろん、自身の体調を優先し、不安があれば医師に相談することも大切です。
妊娠中に気をつけること
妊娠中に多くのママが抱く「気になること」についてご紹介します。
対処法を理解し、少しでも快適な環境のなかでリラックスして過ごすことを心がけましょう。
体重の増加
妊娠中は気を付けていても体重が増えてしまうことはあります。
ある程度の増加は母子にとって必要なものであり、そこまで神経質になる必要はありません。
しかし、体重の増えすぎを指摘された場合は、医師のアドバイスも受けながら対策をとりましょう。
●塩分を控えた食事を意識する
●野菜と良質なたんぱく質をしっかり摂る
●おやつは低カロリーなものを適度に食べるようにする
●適度な運動を心がける など
要注意点は「独自の判断で動かない」ことと「偏食をしない」ことです。
医師のアドバイスを受けながら、できる範囲で体重管理をおこなっていきましょう。
無理をしない
妊娠中は、お腹の赤ちゃんと自分の体を守る行動を心がけましょう。
●重いものを持ち上げない
●お腹を圧迫しない
●過労を避ける
●体を冷やさない
●外にいる時間や歩く時間が長くならないようする など
大切なのは、自分の体調に合わせて行動することです。
具合が悪くなったり、お腹が張ったときにはすぐに横になるなど休憩しながら行動しましょう。
また、仕事や家事などでどうしても体に負担がかかる作業をしなければならないときもあるかもしれません。
そんなときも、できる限り家族や職場の人に助けを求め、赤ちゃんと自分の体を守る行動を心がけてください。
遠慮しすぎず、周囲の助けをうまく借りながら日々の生活を送っていきましょう。
神経質になり過ぎない(ストレスを溜めない)
妊娠中は、注意しなければいけないことが多く、体調面や精神面の変化もあってストレスを溜めやすい時期です。
ただ、ストレスを溜め込むと余計に気持ちが落ち込んでしまい、自分やお腹のなかの赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまいます。
神経質になり過ぎず、できる限りリラックスして過ごしましょう。
●好きなものを食べる
●ショッピングや映画鑑賞を楽しむ
●行きたい場所へ出かける
●友達を誘ってランチにいく
●趣味の時間に没頭する
●適度な運動をする など
楽しいことに目を向け、気分転換をすることも大切です。
以下の記事では、マタニティライフの楽しみ方を詳しくご紹介しています。
こちらも参考にして、少しでも多く有意義な時間を過ごしましょう。
家族の理解・協力が必要不可欠である
妊娠・出産は女性の負担が大きく、家族の理解や協力が不可欠です。
妊娠初期の母体の変化やつらい症状をきちんと理解し、家族が積極的にサポートしましょう。
●お風呂掃除など、体に負担のかかる家事をする
●日常生活や買い物の際、重いものを持つ
●禁煙や禁酒をする など
「妊娠中だから手伝う」のではなく「日ごろから積極的に行動する」ことが大切です。
また、万が一の入院や出産後のことも考えて、家のどこになにがあるのか把握しておくようにしましょう。
妊娠・出産は、女性一人でおこなうものではありません。
家族が積極的にサポートして、ママが安心できる環境を作っていきましょう。
無理のない範囲でマタニティライフを楽しもう
がんじがらめになってしまうと余計にストレスが溜まってしまうため、少しでも精神を安定させるためにマタニティライフを充実させることが重要です。
少しでも気持ちが落ち着く、楽しくなるものへ積極的に目を向け、気持ちにゆとりを持ってマタニティライフを送りましょう。
●マタニティダイアリーをつける
●マタニティフォトを撮る
●ベビー用品を揃える
●マタニティだからこそ楽しめる運動をする など
妊娠中にしかできないこともたくさんあります。
身体をいたわりつつ、今しかできないことを楽しんでみましょう。
「エコー写真」を大切な思い出として形に残そう
BANK OF MEMORIES
ホームページ:https://bank-of-memories.com/
妊婦検診の際にもらえる「エコー写真」は、お腹のなかにいる赤ちゃんの成長や様子を知ることができる大切なツールの一つです。
このエコー写真を、インテリアの一部として飾る「アートポスター」の価値が高まっています。
●家族と一緒に当時を振り返る思い出の一枚として
●出産祝いとして贈る特別なギフトとして
アートポスターは、あなたの大切な人やその周りの人の心まで動かす、大切な宝ものになることでしょう。
『BANK OF MEMORIES』では、この幸せで大切な時間を末永く大事にしてほしいという願いを込めて、エコー写真のアートポスターを制作しています。
アートポスターの作成には、エコー写真のほかに、お子さんの名前・生年月日・誕生時間・誕生時の体重や身長を記載する必要があるため、出産後の制作となります。
明るい未来を想像しながらポスターのデザインを選ぶことも、マタニティライフを過ごすうえでの楽しい時間となるでしょう。
一生に一度の大切な思い出を、自身や家族のために末永く残してみてはいかがでしょうか。
まとめ
妊娠中はホルモンバランスが崩れて、心身ともに不調になりやすい時期です。
母体や胎児を守るために注意すべきことがたくさんあるため、それらを意識して健やかな妊婦生活を送りましょう。
同時に、ストレスを溜め込まずに、ママが楽しく過ごすのも大切なことです。
今しかできないことをやっておく期間でもありますので、身体をいたわりつつ、妊娠中にしかできないことを楽しんでみましょう。