妊娠すると産婦人科にかかる必要がありますが、そのタイミングは早すぎても遅すぎても良くはありません。
いつ病院に受診するべきか、そのタイミングをしっかりと把握しているといいでしょう。
本記事では、妊娠の可能性を感じたときにやるべきことや病院へ行くタイミング、病院の選び方などについてご紹介します。
「妊娠したかも……?」と感じた際にやるべきこと
妊娠のサインにはいろいろな形があります。
この章では「妊娠したかも……?」と感じた際にやるべきことについてご紹介します。
妊娠の症状には個人差がある
個人差こそありますが、たとえば「生理がこない」「胸が張ったり痛みがある」「微熱が続いている」「食欲がない」といった症状がある場合は、妊娠の可能性があるかもしれません。
「生理がこない」という点に関しては生活習慣に起因する可能性もあるため、少し遅れている程度だと判断材料としては少し薄いとはいえます。
しかし、生理周期が健常であるにもかかわらず生理が1週間以上遅れていたり、体の不調が長引いたりする場合は、妊娠の可能性を考慮した方がいいでしょう。
まずは「妊娠判定薬」を使用してみよう
妊娠の可能性を感じたら、病院を受診する前に妊娠検査薬を使用してみましょう。
妊娠検査薬はドラッグストアやインターネットで手軽(500円~1,000円前後)に購入でき、尿をかけるだけで簡単に検査が可能です。
妊娠検査薬を使用する本来の目的は妊娠の有無の確定ではなく、より早い段階で結果を知り医療機関を受診することにあります。
妊娠検査薬によって妊娠の可能性をいち早く知ることで、産婦人科への受診および正確な診断へとつながるのです。
妊娠初期は赤ちゃんの神経や脳など重要な器官が形成される大切な時期であるため、生活習慣や衛生環境・薬などの使用には今まで以上に気をつけなければいけません。
医療機関を受診し妊娠が確定すれば、早い時期から妊婦として適切な過ごし方を心がけることができるのです。
ただし、妊娠検査薬は正常な妊娠以外の場合でも陽性反応が出る場合もあり、逆にサインを待ちきれずに月経予定日の前に使用すると早すぎて陰性になってしまう可能性もあります。
多くの妊娠検査薬では、生理予定日の1週間後からの使用が推奨されています。
使用する時期を間違えると正しい判定が出ないこともあるため、あくまでも産婦人科を受診する前の目安としての使用をおすすめします。
妊娠の可能性が出た際の病院へ行くタイミング
妊娠の可能性があった場合、どのタイミングで病院に受診するのがいいのでしょうか。
この章では、妊娠の可能性が出た際の病院へ行くタイミングについてご紹介します。
5週後半~6週前半を目安に病院へ行こう
生理予定日から1週間たっても生理が来ず、妊娠検査薬を使って陽性が出た場合は妊娠の可能性があります。
ただし、あくまで「可能性がある」というだけで「妊娠が確定している」というわけではありません。
妊娠が確定となるのは、医師が問診や超音波検査などをして「胎嚢(たいのう)の中にいる赤ちゃんの心拍が確認できたとき」です。
病院へ行くタイミングは、一般的に「最後の生理の初日から数えて5週後半~6週前半を目安にするのがいい」とされています。
この時期になれば、赤ちゃんの心拍を確認できるようになるためです。
妊娠検査は適切なタイミングで受診しよう
妊娠検査のための受診は、早すぎても遅すぎても良くはありません。
妊娠の可能性を確認したあとに病院へ行く適切なタイミングの目安がある理由は「胎嚢と赤ちゃんの心拍を確認するため」です。
そのため、早く受診し過ぎても胎嚢と赤ちゃんの心拍を確認できず、後日に再受診となる可能性があります。
また妊娠5週ほどで胎嚢が見えた時点でも妊娠したことにはなりますが、この時期はとても不安定なため、心拍を確認するために1週間~2週間後に再度受診を促されることもあります。
胎嚢が見えても心拍が確認できないと、初期流産の可能性があるからです。
妊婦さんにとっては不安や心配が募ることになるため、早すぎる受診にはあまりメリットはないといえるでしょう。
一方、受診が遅すぎると子宮外妊娠などの異常妊娠に気づくのが遅くなる可能性があり、母胎と胎児を危険にさらしてしまうリスクが高くなります。
「妊婦検査のための受診は、早すぎても遅すぎても良くはない」ということを理解して、適切なタイミングで受診することを意識しておきましょう。
診察時に必要な持ち物を準備しよう
妊娠検査のために初めて病院に訪れる際は、あらかじめ持ち物や検査に適した服装をチェックしておきましょう。
妊娠検査の初診時に必要なものは、以下の通りです。
●お薬手帳(初診で投薬が必要になった場合や服用中の薬がある場合に使用する)
●生理用ナプキン(内診で出血した際に役立つため、あると便利)
●基礎体温表(必須ではないが、持参すると普段の生理周期や体の変化を調べる材料となる)
妊娠検査は基本的に健康保険が適用されませんが、検査の結果次第では健康保険が適用されることもあるため初診時には持参しておきましょう。
服装に関しては、妊娠検査では内診があるため、簡単に着脱できる服装を意識しておくといいでしょう。
診察で聞かれることを予め用意しておこう
病院に受診に行った際、診察で以下のような質問がされます。
●初経の年齢、月経周期
●大きな病気や手術歴、アレルギー歴
●自分と家族の持病
●現在使っている薬の名前
●出産経験がある場合、妊娠経過、トラブルの有無
●流産、死産、人工妊娠中絶を経験している場合、その妊娠週数
●不妊治療歴
普段から月経周期が安定している人や、アプリなどに周期を記録している人は把握しやすいでしょう。
もし、思いがけない妊娠などで月経周期をきちんと把握できていない場合は、最終月経がいつだったかなどを思い出しておきましょう。
なお、医師には守秘義務があるため、夫や肉親にもその内容を伝えることはありません。
自身の身体と赤ちゃんの安全のために、正確な情報を医師に伝えましょう。
産婦人科・産院の選び方のポイントとは?
産婦人科・産院にはさまざまな特色の施設があるため、自分に合った病院を見つけることが大切です。
この章では、産婦人科・産院の選び方のポイントをご紹介します。
産婦人科のある病院の種類について
赤ちゃんを産むための施設には、以下の種類があります。
②「産科・産婦人科専門の診療所(産婦人科クリニック)」
③「助産院」
それぞれの特徴をご紹介します。
「総合病院・大学病院」
総合病院や大学病院は、産婦人科以外にも多くの診療科が揃っています。
医師が多く・医療設備も充実していること。また小児科や内科が併設されているため、緊急事態が起こった場合に迅速な対応が可能です。
ただし、医師が多いだけに毎回同じ先生に診てもらうことが難しい場合があり、患者の人数も多いため「待ち時間が長い一方で診察時間が短い」というケースが起こりえます。
「産科・産婦人科専門の診療所(産婦人科クリニック)」
産科・産婦人科を専門とした医療機関です。
医師の人数や設備は施設によってさまざまですが、総合病院に比べて少ない傾向にはあります。
産科・産婦人科のみを扱う医療機関のため、同じ担当医に初診から産後まで診てもらえるケースが多く、食事内容、快適な病室、産後のリフレッシュプランなどサービスの充実度が高いという特徴があります。
総合病院に比べ医師や看護師の数も少ないため、顔見知りのスタッフが増え、ちょっとした心配事を相談しやすいというメリットも得られるかもしれません。
ただし、合併症や分娩時の万一などリスクをともなう妊娠・出産の場合、産科以外の医療処置が必要となることから、提携している総合病院へ転院が必要となるケースがあります。
「助産院」
助産院とは「助産師」の国家資格を持つ助産師が管理・運営する施設のことです。
助産院は、厚生労働省により「妊婦、産婦、又はじょく婦(出産直後の、まだ産じょくにある女性のこと)10人以上の入所施設を有してはならない」と定められており、10床未満のベッド数……実際には2~3床という施設も少なくありません。
その分、建物も家のようなつくりであることが多く、アットホームな雰囲気の助産院を選ぶ方にとっては魅力の一つといえるでしょう。
自宅出産を希望される場合は助産師が自宅へ伺うため、小さいお子さんがいる家庭でも子どもを家に残して病院などに行くことなく、安心して出産に臨むことができます。
●「なるべく自然に出産をしたい」
●「人間の体に備わった力を十分に活用して出産したい」
家庭的な雰囲気のなかで精神的なアドバイスやフォローを受けられるため、上記のような考えを持つ方におすすめです。
ただし助産院には医師がいないため、医療行為はすべて対応ができません。
助産院で出産するためには、リスクのない妊娠・正常妊娠経過であることが条件となり、合併症が発見された場合は転院となる可能性があります。
事前に、総合病院などとの連携があるかどうかは確認しておいた方がいいでしょう。
病院選びの際に重視すること
病院によって特徴から費用までさまざまであるため、情報収集をしっかりおこない自分に合った産院を選択する必要があります。
産院を選ぶポイントは複数ありますが、特に重視したいのは以下です。
●必要な費用
●施設の特徴や分娩方法
●病院の評判
●アフターフォローの有無
順に詳細をご紹介します。
自宅との距離
病院選びの際に特に重要なのが、できるだけ自宅に近い産院を選ぶことです。
妊娠月数とともに体が重くなるため、自宅から遠い場所だと妊婦さんの負担となってしまいます。
出産までは検診で何度も足を運ぶことになりますし、陣痛が予定外に来るケースも考えられます。
できるだけ、自宅に近い場所もしくは交通の便が良い産院を選んだ方が安心できるでしょう。
必要な費用
母子ともに健康な正常分娩の場合は、健康保険適用外となります。
正常分娩の出産費用の相場は約40万円~50万円といわれていますが、出産する施設によって費用はまちまちです。
また、食事代や差額ベッド代、新生児の保育などにかかる費用も保険適用外であるため、自己負担となります。
健康保険に加入している場合は出産育児一時金が支給されますが、それでまかなえることもあれば差額でさらに自己負担しなければならないケースもあるのです。
ただし、費用が高い施設の場合、値段なりのサービスや付加価値を得られることでしょう。
費用の安さを重視するか、値段が高くなってもできる限り快適な入院期間を過ごすことを重視するかは人それぞれです。
出産は人生でとても大切な経験となるため、費用だけでなく自分自身の価値観で選ぶのがいいでしょう。
施設の特徴や分娩方法
産院にもいくつかのタイプがあり、仮に同規模の期間であっても施設の雰囲気は大きく異なります。
分娩方法も一つではなく、産院の方針によってさまざまです。
事前にしっかりと確認し、自分たちに合った施設を選択しましょう。
病院の評判
病院の評判はもちろん、医師や助産師との相性もあります。
妊婦さんの希望に寄り添ってくれる病院もあれば、対応が業務的に感じる病院もあるかもしれません。
病院の評判については、口コミサイトを参考にしたり、実際に出産した先輩ママに聞いてみるといいでしょう。
特に先輩ママのリアルな口コミは、体験した人でないとわからない情報を知ることができ、非常に貴重な情報源です。
ただし、口コミはあくまでも「その人の主観」であるため、必ずしもその情報が正しいとは限りません。
あくまで参考程度に留めておき、あとは自分の希望に合った産院を選ぶようにしましょう。
アフターフォローの有無
特に初産の場合は、出産後のアフターフォローがあると安心できるでしょう。
なかには、産後に育児指導をしてもらえたり、母乳外来といった母乳に関する相談ができる場があるなど、アフターフォローが充実しているところもあります。
また「出産時の思い出を残したい」という方は多く、その場合は希望のバースプランに沿える病院を選択することも大切です。
●出産時の写真撮影や録画の可否
●訪問者の年齢制限
上記のような点も、合わせて確認しておくといいでしょう。
見学や下見が可能な場合は事前にチェックしておこう
病院のなかには、見学や下見が可能なところもあります。
お産などで立て込んでいる場合や感染症対策によって見学ができないこともありますが、もし見学が可能であれば、事前に足を運んで現地の雰囲気を知っておくことをおすすめします。
その際は「施設の様子や清潔感」「受付やスタッフの対応」「産院の周辺環境」などを確認しておきましょう。
妊娠中の思い出「エコー写真」を残そう
BANK OF MEMORIES
ホームページ:https://bank-of-memories.com/
妊婦検診の際にもらえる「エコー写真」は、お腹のなかにいる赤ちゃんの成長や様子を知ることができる大切なツールの一つです。
このエコー写真という大切な思い出を「アートポスター」として末永く残す方が増えています。
家族と一緒に当時を振り返る思い出の一枚として残す方もいますし、出産祝いの特別なギフトとして大切な方に贈ることもあります。
アートポスターは、あなたの大切な人やその周りの人の心まで動かす、大切な宝物となることでしょう。
『BANK OF MEMORIES』では、この幸せで大切な時間を末永く大事にしてほしいという願いを込めて、エコー写真のアートポスターを制作しています。
かけがえのない「トツキトオカ」の思い出を、自身や家族のために末永く残してみてはいかがでしょうか。
まとめ
生理が遅れているときや、微熱や胸の張り・食欲不振など体調に変化を感じたときは、妊娠している可能性があります。
生理予定日の1週間後から市販の妊娠検査薬が使えるようになるため、まずは妊娠検査薬で検査をしてみましょう。
もし陽性反応が出た場合もしくは妊娠の可能性がある場合は、最終月経の開始日から数えて5週後半~6週前半を目安に産婦人科に受診してみるといいでしょう。
また、出産に向けての病院選びは、母子の状態や妊婦さんが希望するポイントによって大きく変化します。
大切なことは「自分が納得して赤ちゃんを迎えられる病院を選択すること」です。
産院は妊婦健診から出産まで同じ病院でなければならないと思われがちですが、最近ではそれぞれを別々の病院で受けられるセミオープンシステムのような制度もあります。
焦らずしっかりと情報収集をおこない、自分に合った産院を選択してみましょう。
妊娠や出産は女性にとって大変な時期ではありますが、同時にお腹のなかにいる赤ちゃんとの思い出を作る大切な時期でもあります。
生まれてくる赤ちゃんのことや、妊娠中・出産時の思い出を残す方法を考えたりして、充実した妊娠生活を送ってみましょう。