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「認定こども園」で働くには?必要な資格や、メリット・デメリットについて解説!

この記事は約11分で読めます。

「保育園」と「幼稚園」……つまり“保育(福祉)”“教育”の両方の特性を持つ「認定こども園」は、年々需要が増加しています。

そしてそれは、利用したいと考える方と同じく、「子どもの成長に携われる仕事がしたい……」とお考えの方も同じです。

これから、就職・転職をお考えの方であれば、その候補の一つに「認定こども園」を選択する人もいらっしゃるかと思います。

ただ、この制度が導入されたのが「2006年」からであり、15年ほど経っているとはいえ、それでも保育園や幼稚園に比べればまだまだ歴史は浅いです。

そのため、認定こども園で働くために必要なことや、給与・福利厚生などの条件について、詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか。

「認定こども園で働くためには、どんな資格が必要なのか?」
「保育園や幼稚園と仕事内容は変わるのか?」
「お給料や待遇は、他園よりいいのか?」

など、今回は、認定こども園で働くために必要な資格や、働く際のメリット・デメリットについて、詳しくお話していきたいと思います。

尚、「認定こども園の施設の特徴」や「保育園・幼稚園との違い」については、別の記事にてご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきたいと思います。

よろしければこちらもご覧ください。

必要な資格はなに?

2つの「国家資格」を必要とする


以前の記事やこの記事の冒頭でもお伝えしたように、認定保育園は「保育園と幼稚園の機能を併せ持った施設」となります。

そのため、仕事内容としては、保育園や幼稚園がやっていることと基本的な部分は変わりません。

つまり、“保育”“教育”です。

ただし、保育と教育の両方を担当する必要があることから、認定こども園で働くためには、以下の2つの資格が必要となります。

◆「保育士資格」
◆「幼稚園教論資格」

この2つの資格は、どちらも「国家資格」であり、取得難度は中々に高いです。

例えば、保育士資格の合格率は“25%前後”ほどと言われていますし、幼稚園経論資格は「専修・一種・二種」など種類が分かれています(当然、それぞれで難易度は異なる)。

元々は、「保育士」であれば”保育士資格”が、「幼稚園教論」であれば”幼稚園鏡資格”をそれぞれ取得するだけで良かったのですが、双方の機能を併せ持つ認定こども園の場合、両方の資格を必要条件とされる場合があるのです。

両方の資格が「必要となる」ことは多いが、必ずしも「必須」とは限らない

以前の記事でも少しご紹介しましたが、認定こども園は施設のタイプが4つ存在します

①幼稚園型
②保育園型
③地方裁量型
④幼保連携型

簡単に説明すると、①~③の場合と④の場合では“必須”となる資格が若干異なるのです。

「幼稚園型・保育所型・地方裁量型」の場合

まず、①~③の場合は、お子さんの担当する年齢によって必須資格が異なります。

  • 0~2歳:保育士資格が必須となり、幼稚園教論資格は(一旦は)なくても良い
  • 満3歳以上:保育士資格も幼稚園教論資格も、どちらも持っておくことが望ましい

基本的に、「保育士資格は必須」であり、幼稚園教論資格は「”教育”が必要な年齢のお子さんを対象とする」際に必要となるということです。

ただし、最終的にはどちらの資格を取得しておくに越したことはありません。

「幼保連携型」

こちらは、“どちらの資格も必須”となります。

ただし、ここまでにお伝えした通り、認定こども園は「制度が開始してまだ歴史が浅く」、そもそも「国家資格である2つの資格を両方とも取得している人は少ない」のが現状です。

そのため、より多くの人に活躍してもらうために、政府は「経過措置期間」「特例制度」を設けることとしたのです。

この「経過措置期間」と「特例制度」の話をする前に、この項目の主題である「資格」について、もう少しお話していきたいと思います。

「無資格」では勤務できないの?

全く方法が無いわけではありませんが……正直なところ厳しい印象はあります。

例えばの話ですが、「認定こども園の事務員」であれば、無資格でも就職できる可能性がなくはありません。
(実際、上記のような求人を目にしたこともあります)

どういう仕事をするのか?というと、以下が挙げられます。

◆園長や先生の事務業務のサポート
◆シフト作成や勤怠管理
◆園児登降園管理
◆園内清掃
◆保育補助 など

事務作業を中心に、保育補助などで若干の保育業務を担当することもあります。

「保育補助」の場合は保育士の資格は必要ありませんが、ただし保育士の指示がなければ保育を行うことはできません。

ただ、こういった求人はそもそもかなり数が少なく、雇用形態は「アルバイト・パート」などがほとんどです。

少し言い方は悪くなりますが、「無資格でもOK=誰でも出来る仕事」であるため、給与や福利厚生もあまり良くはありません。

とはいえ、「無資格でも、認定こども園の雰囲気に触れることができる」というメリットはあります。

アルバイト・パートであれば、ある程度時間の融通も聞きますし、学生さんなどであれば勉強も兼ねて募集してみるのもいいかもしれません。

別の資格を活かす方法もある

他にも、「保育士資格」や「幼稚園教論資格」を持っていなくても、認定こども園で働ける職種があります。

これは、「調理スタッフ」が良い例です。

認定こども園は、保育園と同じく「給食が義務化」されています。

そのため、給食を作ったり・献立を考えたりといった料理に関する知識を持った人が必要とされるのです。

資格でいえば、「栄養士」「調理師」などが挙げられます。

給食が必須であることから、調理スタッフを募集している園は(少なくとも事務員に比べると)多くあります。

中には「調理補助」として、資格がなくても募集できる場合もあるので、興味がある人は調べてみるのもいいかもしれません。

「経過措置期間」と「特例制度」について


前項でご紹介した話に戻りますが、「幼保連携型認定こども園」に勤務する場合、2つの国家資格が原則必須となります。

しかし、両方の資格を取得している人は多くはありません……というより、両方の資格を所持している人材は不足しているのが現状です。

そのため、両方の資格を所持していなくても勤務できる……そして、取得していないもう一方の資格を取得しやすくするための「特例制度」が設けられたのです。

加えて、この特例制度に合わせて、「経過措置期間」という期間も設けられました。

特例制度について

この制度が設けられたのは、2015年に施行された「子ども・子育てに関する新制度」からです(認定こども園法のこと)。

これは、「保育士と幼稚園経論のどちらか一方の資格しか持ってい場合に、もう一方の資格を”比較的簡単に”取得できる制度のこと」です。

ただし、あくまで“比較的簡単に”であり、一定の条件を必要とします。

その条件は、下表の通りです。

共通しているのは、対象施設にて「3年かつ4,320時間以上」の勤続年数・経験を必要とすることです。

尚、その後の「単位の取得」ですが、これは働きながらでも大学に通うことで達成することができます。

確かに、働きながら大学に通うというのは、本人とっての負担も大きくなり大変ではあります。

とはいえ、必要単位数が大幅に減少しているのも事実です。

例えば、保育士の資格を取得する場合は、通常であれば「59単位」を必要とします。

それと比較すると、かなり通いやすくなっていると言えるかと思います。

ちなみに、単位の履修は、インターネットのオンライン講座などを利用しても取得が可能となっています。

必ずしも、「大学や専門学校に通わなければいけない」という訳ではないので、仕事と並行して資格取得を目指す場合は、これらも上手く活用していくと良いでしょう。

「経過措置期間」について

この特例制度の経過措置期間ですが、上記でご紹介した2015年に改訂された「認定こども園法」が施行されてから“5年間”と定められていました。

つまり、当初の予定は「2019年3月末まで」だったのです。

しかし、この5年間だけでは十分な人材を確保することができず(というより認定こども園の需要が高く、より多くの人材を必要としているため)、より多くの資格取得者=保育教論として活躍できる人材を増やすために、政府は“5年間の延長”を決定することとなりました。

現在は、「2025年度末」まで延長されています。

もっと正確に言うと、2025年3月(2024年度)までに、「実務経験」と「学習」を終えていることが条件となります。

あくまで現時点(2021年時点)での話なので、今後さらに予定が変わる可能性もないとは言い切れませんが、「認定こども園で働きたい」もしくは「保育と幼稚園経論の両方の資格を取得したい」と考えている方は、この機会に必要な実務経験と学習を進めていくと良いかと思います。

状況に応じて情報は変化するので、常に最新の情報を仕入れつつ、余裕を持ったスケジュールを立てて、行動に移していくことをおススメします。

認定こども園で働く、「メリット」と「デメリット」について


次に、認定こども園で働く際のメリット・デメリットについて、ご紹介していきたいと思います。

「メリット」について

その1.処遇改善が受けられる

認定こども園は、都道府県から認定されている施設であるため、例えば保育士のキャリアパス制度であったり、処遇改善などを受けることができます。

認定こども園の需要自体年々増加しており、その重要性は国も認めていることから、今後さらに処遇改善(給料アップや福利厚生の充実など)も進められていく可能性があるかもしれません。

その2.保育士と幼稚園教論の双方の経験を積むことができる

“どちらの特徴も備えている”ということは、「保育と教育のどちらについても経験することができる」ということになります。

現在は特例制度の対応期間でもあり、片方の資格を持っていれば認定こども園で勤務することも可能です。

「どちらの資格も取得したい!」とお考えの方であれば、現場で実務経験を積みながら資格取得が目指せる、認定こども園での勤務がオススメできます。

加えて、お預かりする児童の対象年齢が「0歳~小学校就学前」と幅広く、様々な年代の子どもたちの教育・保育に携わることができるのも魅力の一つと言えるでしょう。

行事(イベント)が多い

保育園に比べて、幼稚園は行事(イベント)が多く開催される傾向にあります。

この理由は、教育の一環として「イベントを通じて、子どもたちに様々な経験をしてほしい」という思いからきているものです。

認定こども園は、幼稚園(教育)としての面も持ち合わせているため、イベントも多く開催されています。

「子どもたちと一緒に、たくさんの経験を共有したい」という方にピッタリの環境かと思います。

「デメリット」について

「勤務時間」と「仕事量」の増加

まずそもそも、認定こども園の子どもの(標準的な)預かり時間は、「4時間~11時間」です。

幼稚園の場合は「4時間」なので、この時点で勤務時間に大きな違いが生まれます(もちろん幼稚園でも、預かり時間外で様々な業務を行ってはいますが)。

それに、「保育と教育の両面を経験できる=仕事量が増える」ということでもあります。

幼稚園の勤務は日中のみとなりますが、保育の機能も有した認定こども園では、早朝or延長保育も実施しています。

つまり、シフト制の勤務で早出・遅出なども発生する可能性が高いということです。

イベントも多いため、その準備に時間を使うことも増えるでしょうし、総じて精神的・肉体的な負担は生じやすくなる可能性はあると言えます。

給与や待遇に変化があまりない……

あくまで現時点での話ではありますが、給与や福利厚生については、幼稚園や保育園と大きな違いがありません。

それに、「2つの国家資格を持つ=特別な手当てが発生する」ということもありません。

あくまで平均ではありますが……、「月給:約21万円」ほどで、「年収:約310万円」ほどと言われています(あくまで平均的な話です)。

ちなみに、認定こども園にも、「公立」と「私立」が存在します。

公立の場合は「地方公務員」と同じであるため、私立に比べて給与は高い傾向にあり、年齢とともに昇給していきます。

対して私立の場合は、園それぞれで給与が異なります。

ただし、施設の数としては、私立の方が圧倒的に多いです。

例えば、平成31年の認定こども園数は「7,208」ですが、そのうち公立は「1,138」で、私立は「6,070」となっています。

とはいえ、上記でもお伝えしたように、これはあくまで2021年時点での話です。

認定こども園の需要は伸び続けているので、今後処遇改善など、より働きやすく改善されていく可能性もあるかとは思います。

まとめ

これまで、「保育士」や「幼稚園教論」として勤務されていた方や、これから子どもたちの「保育」や「教育」の仕事に携わりたいとお考えの方にとって、認定こども園で働くことは大きな経験となります。

両方の国家資格を取得することは、学生であっても働きながらであっても負担が大きくなることは確かです。

しかし、両方の資格を所持できれば、勤務できる職場の選択肢は大きく広がります。

子どもの保育・教育に関しては、少子化と言われている現代であっても、必ず必要とされる仕事です。

そして、認定こども園の数は、恐らくこれからも増えていくと考えられます。

特例制度が設けられている今の間に、選択の幅を広げておくと、後々仕事をする際に優位に事を進められるのではないかと思います。

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