医療・介護・福祉・保育業界専門の求人をお探しの方は医療・介護・福祉・保育bizへ。詳しくはこちら!

「認定こども園」ってどんな施設?その特徴や他の園との違いについてご紹介します!

この記事は約6分で読めます。

先日、「保育所」と「幼稚園」の違いとは何か?についてをご紹介しました。

その際の記事のリンクは、以下になります。

端的にいうと、保育園の目的は“保育”であり、幼稚園の目的は“教育”が主となります。

それぞれで役割が違うため、どちらを利用するかは保護者やお子さん次第となるかと思いますが……。

現代はもう一つ、「認定こども園」という新たな制度が登場しています。

認定こども園とはどんな施設なのか?

いつからはじまった制度なのか?

今回は、この点について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「認定こども園」とはなんなのか?


「認定こども園」のことを簡単に表現するなら、「保育所と幼稚園のいいとこ取りをした施設」と言えるでしょうか。

冒頭でも記載したように、各園によって目的は異なります。

なので、保護者は目的に応じた施設に子どもを通わせる必要があります。

しかし、この認定こども園は、「”保育”も”教育”も一体的に行ってくれる」のです。

「いつから」・「なぜ」この制度がスタートしたのか?

基本的に、子どもを預ける施設と聞くと「幼稚園」や「保育所」をイメージされる方が多いと思うので、特にお子さんがいらっしゃらないご家庭や未婚の方だと「認定こども園」という名前自体を耳にしたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。

この制度はいつからスタートしたのか?

実は、この制度は「2006年」から開始されており、既に15年もの歴史があります。

2019年4月時点で“全国に7,208施設”が存在し、もちろん現在でも施設の数は増え続けています。

そして、この認定こども園の制度が始まることとなった理由は、主に以下の2つが挙げられます。

理由①:保育所の需要
理由②:待機児童問題

それぞれの内容については、別の記事にて詳しくご紹介しておりますので、下記リンクよりご覧いただければ幸いです。

この記事でも、もう少し掘り下げていきましょう。

「保育所の需要」と「待機児童問題」について

待機児童というのは、その名の通り「保育所に入所できずに、待機状態にある児童」のことを言います。

これは都心部を中心に増加しており、2017年をピークに現在は減少傾向にあります。

ただし、保育所の待機児童数が問題となっている反面、実は幼稚園の利用児童数は、減少傾向にあります

この理由は何か?

簡単に言うと、「共働きの夫婦が増えたこと」「核家族の世帯が増えたこと」です。

以前にもご紹介しましたが、保育所と幼稚園は利用年齢や保育時間が大きく異なります。

◆保育所:利用年齢「0歳~」、保育時間「8時間」
◆幼稚園:利用年齢「3歳~」、保育時間「4時間」

※保育時間は、あくまで標準的なものです※

「0歳から預けることができて、且つ預かってもらえる時間も長い」という理由で、共働き世帯のご家庭の間で、爆発的に保育所の需要が上がっているのです。

これにより、保育所に入りたくても入れない「待機児童」が増加し続け、この問題の解消を目指すため、「認定こども園」が新たに施行されることとなりました。

……ちなみに、一つだけ余談です。

「保育所の需要が高まり、幼稚園の利用児童が減少している」と記載しましたが、だからといって「幼稚園は今後必要なくなる」という訳ではありません。

それぞれに“目的”があり、それぞれに“長所”が存在します。

確かに、現代のニーズ(共働き世代の増加)と保育所の存在がマッチしていることは事実ではありますが、今後「幼稚園」という存在自体がなくなることはありませんし、仮に何かあっても形(やり方)を変えて存続していくことと思います。

その一つの形が、「認定こども園」なのです。

実際問題、現在は幼稚園や保育所から認定こども園に移行している園も多く存在します。

現代は少子化が問題となっており、子どもや兄弟の人数が減っています。

しかし、だからこそ、保育所・幼稚園・認定こども園などの存在は、「友達の輪を広げるため」「集団活動や異年齢交流の機会を増やす場」として、今後も必要とされ続けます。

子どもの成長にとって、人との関わりは欠かすことのできないものなのですから……。

各園の違いと「設定区分」について

それぞれの違いと特徴とは?

まずは、以下の表をご覧ください。

この表をパッと見た感じだと、「保育所に、幼稚園の目的(教育)がプラスされたのが、認定こども園」と言えるでしょうか。

子どもを預かる時間であったり、対象年齢であったり、給食の有無であったり、保育料であったり……保育所と似た性質を持っています。

次に、表に記載されている内容で、「施設の位置づけ(施設の種類)」と「認定区分」について、少しだけ補足しておきたいと思います。

認定こども園の種類について

認定こども園のの所管官庁は「内閣府」であり、ようするに「厚生労働省(保育所)」と「文部科学省(幼稚園)」の両方の機能をあわせもっていると考えることができます。

そのため、認定こども園は、各家庭や地域の状況に応じて、以下4つの種類に分けることができるのです。

◆幼保連携型:幼稚園と保育所の両方の機能をあわせもった施設のこと
◆幼稚園型 :公立・私立の「認可幼稚園」がもととなった施設で、「”幼稚園に保育所としての役割が備わった施設”のこと
◆保育所型 :公立・私立の「「認可保育所」がもととなった施設で、「”保育所に幼稚園としての役割が備わった施設”のこと
◆地方裁量型:認可のない地域の教育・保育施設がもととなっている施設のこと(幼稚園・保育所ともに)

尚、「どうやって認定されるのか?」ですが、これは国が定める基準に従って認定される……もしくは、各都道府県ごとの条例で定めているかのどちらかとなります。

「認定区分」ってなに?

2015年に、「子ども・子育て支援新制度」という制度が新たに作られました。

これは、地域の子育支援の質の向上や量の拡充を進めるために作られたもので、この際に「新制度下にある保育所や幼稚園・認定こども園に入園するために、自治体から認定を受ける必要ができた」のです。

これは、「子どもの年齢」「保育を必要とする事由」によって区分されます。

上の表で、「利用できる認定区分:1号・2号・3号」と記載したのが、それです。

この「認定区分」に関しては、それぞれで詳細が異なるので、別の記事で詳しくご紹介していきたいと思います。

ひとまずは、「子どもの年齢や保育を必要性に応じて、通える施設が変わる」ということだけ理解しておいていただければと思います。

まとめ:認定こども園の需要は、今後も伸びていく

ここまでにお伝えした通り、確かに保育所のニーズは拡大しているものの、(乳)幼児の成長にとっては“保育”“教育”も、どちらもとても大切なものです。

というより、どちらも欠けてはいけません。

だからこそ、「幼保一体」の環境である認定こども園は、今後も需要がさらに増加していくものと予想されています。

ただし、この制度自体、まだまだ改善を必要する点がたくさんあります。

つまり、メリットもあれば、デメリットも存在するのです。

また、幼保一体であることから、認定こども園で働くスタッフにとっても、必要となる経験や資格が他の園に比べて若干異なります(というより必要な資格が増える)。

こういった点についても、また順番に記事にしてご紹介していければと思います。

何にせよ、子どもは宝です。

子どもたちがたくさんの経験をし、たくさんの人たちに触れて立派な大人に成長していけるよう……、今後もさらに子ども・子育ての支援制度が充実していくことを願っています。

タイトルとURLをコピーしました