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看護師の男女比はどのくらい?~男性看護師の実態~

この記事は約4分で読めます。

『看護師』といえば、女性をイメージされる方が多いかもしれません。

確かに現在の医療現場においては、看護師は女性の方が圧倒的に多いと言われています。

しかし、看護師として病院などにお勤めの男性もいます。

実は、徐々に男性看護師というのは増加しており、その存在は一般的に広く認知されるようになってきているのです。

今回は、

男性看護師の仕事内容は?
年収は?
将来性は?
男女比率は?

など、男性看護師について、色々とお話をしていきたいと思います。

男性看護師とは

仕事内容は女性看護師と違うの?

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まず、看護師の仕事内容は「医師と患者の双方をサポートすること」です。

大まかに、

医師の診療や診察の補助
病人・怪我人などの医療的なケア
患者や家族の精神的ケア

などが該当します。

ただし、その仕事範囲は多岐に渡り、看護師の仕事は激務と言われることが多いのが特徴です。

仕事内容についてですが、男性看護師であっても、女性看護師と基本的な業務内容に変わりはありません。

ただ、荷物運びなどの力仕事や防犯面など、男性だからこそ任せられる仕事というものはあります。

また、職場のムードメーカーとしての役割を担うこともあり、男性ならでは特性を発揮することも可能となっています。

収入はどのくらいもらえるの?

収入についてですが、厚生労働省ホームページの『平成30年賃金構造基本統計調査』を参考にご紹介したいと思います。

平成30年の、男性・女性それぞれの平均収入は下表の通りです。

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出典:厚生労働省-平成30年賃金構造基本統計調査

20~24歳、そして60歳以降を除き、どの年代でも男性看護師の方が若干年収が高い傾向にあります。

尚、男性・女性ともに、59歳をピークに収入は減少していきます。

注意点としては、上表はあくまで、統計調査における平均収入ということです。

実際の手取りは勤務先の病院によって大きく変動するため、もし看護師として就職を目指すのであれば、就職活動中に求人情報はしっかりと確認するようにしましょう。

また、勤続年数であったり、役職・勤務形態など、収入は人によって様々です。

特に、看護師の収入は『基本給』だけだと、他業種の同年代の人と比べても多少高いくらいが一般的です。

看護師の収入の要となるのは「各種手当」の存在が大きいのです。

例えば、夜勤・休日手当や、資格手当などです。

現在、働き方改革として、医療業界(看護師を含む)の働き方が見直されています。

「仕事量と収入が比例していない」というのは、看護師業界では良く言われていることです。

仕事量はもちろん、収入面についても、いずれ大きな改革が訪れる可能性が……無きにしも非ずと言えるかもしれません。

いつから看護『師』になったの?

今でこそ『看護師』としての名称が定着していますが、以前は違う呼ばれ方をしていました。

女性:看護『婦』
男性:看護『士』

今でも、年配の患者さんは『看護婦さん』と呼ぶ方もいらっしゃいますが、基本的に『看護師』という名称で統一されています。

これは、2001年に『保険婦助産婦看護婦法』が『保健師助産師看護師法』と名称が変わったことをキッカケに、2002年3月から統一して呼ばれるようになりました。

男女雇用機会均等法……つまり職業における男女平等という考えから、呼び方を統一しようという動きがあったようです。

看護師・准看護師の男女比率は?

看護師と聞くと、やはり看護『婦』のイメージを持っている人がまだまだ多く、一般的には「看護師=女性の仕事」という認識が世間一般では定着している印象です。

しかし、医療現場においては、男性看護師も少しずつではありますが、増加傾向にあります。

この項目では、現在の「看護師および准看護師の男女比率はどのくらいなのか?」をご紹介していきたいと思います。

看護師の場合

医療現場における、看護師の男女比は「厚生労働省の平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」に記載されています。

これを参考に、看護師の『実人員(人数)』と『構成割合』を表にしてまとめてみると、下表のようになります。


出典:厚生労働省-平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

表をご覧いただければ分かる通り、女性看護師の割合が9割以上なのに対し、男性看護師は1割にも達していません。

このことから、「看護師は女性の職業」というイメージが、まだまだ世間的に広い印象ではあります。

ただし、年々男性看護師の数が増加していることは確かです。

2008年~2018年の10年の間に、実に2倍以上男性看護師が増えています。

右肩上がりに上がり続けていることから、今後も男性看護師の割合は、さらにアップする可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

准看護師の場合

『准看護師』というのは、都道府県知事発行の免許を得て、看護業務を行う人のことを言います。

看護師と何が違うの?」という点ですが、

免許が『国家資格』ではない(都道府県知事発行の免許)
独自の判断で動くことができない(医師や看護師の指示が必要)

上記2つが、看護師との大きな違いです。

ただし、仕事内容そのものは、看護師と違いはありません。

そして、もちろん准看護師として業務を行っている男性も、たくさんいます。

看護師と同様に『実人員(人数)』と『構成割合』を表にしてまとめてみると、以下のようになります。


出典:厚生労働省-平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

こちらの方が、そもそもの母数が男女ともに少なくなっています。

また、年々人数が減っていることが懸念視されています。

しかし、実際に蓋を開けて確認してみると、施設・居宅サービスなどで働く准看護師というのは、年々少しずつ増加しています。

逆に、准看護師は、病院での勤務数が減少傾向にあります。

現在、「准看護師の新規養成を停止し、看護師に一本化すべき」という意見も挙がっていますが、これがどう動くかはまだ明確になっていません。

准看護師についての詳細は、別の記事にて詳細をご紹介をしていこうと思います。

男性看護師の良い点

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次に、男性看護師の良い点、つまり今後に期待されることについて、ご紹介していきたいと思います。

力仕事を任せることができる

看護師の仕事というのは、知識や技術の他に『力』を必要とします。

例えば、下記が挙げられます。

寝たきりの患者の身体を動かす
足腰の弱い患者を車椅子に乗せる

これらは、日常の看護業務の中でも頻繁に発生する業務の一つです。

女性の場合、力仕事で腰を痛めてしまう方もいるため、この点において男性にお任せする機会は今後も増加していくと考えられます。

男性患者の悩みを聞くことができる

怪我や病気は、肉体面だけでなく精神的な不安も抱えてしまうものです。

看護師の仕事には患者の精神面のケアも含まれますが、中には女性看護師に相談し辛い内容があることも確かです。

「同性の悩みは、同性だからこそ理解できるものがある」と言われることもありますが、男性看護師だからこそ相談できることもあります。

この点においても、男性看護師が力になれる点が多々存在します。

少し余談ですが、男性看護師は現在様々な科に配属されていますが、『産婦人科』に関しては男性看護師は基本的に配属されません。

これは「男性だから嫌」と患者さんが言っているからではなく(現に男性産婦人科医は存在する)、患者さんが女性=女性看護師の方が相談に乗りやすいからです。

病院というのは、

医師:医療行為を行う人
看護師:相談を受けたり、(患者さんの)指導をする人

であるため、産婦人科に勤める看護師は、女性の方が相談に乗りやすいという特徴があるのです。

継続的に、長く務めることができる

女性看護師の場合、結婚・出産・子育てなどで、仕事を中断する可能性(場面)がいくつか存在します。

そのため、

継続してキャリアを積むことができる
夜勤などの仕事を担当しやすい

など、比較的様々な仕事に対して、柔軟に担当できる可能性があります。

また、男性看護師の場合、精神科や透析室など「危険手当」が付く部署で働くことが多いのも特徴です。

仕事を中断することなく長く勤務する(柔軟に対応できる)ことから、特に管理能力の高いスタッフの場合は、病棟長などの役職が与えられることもあります。

尚、年収の項目で「男性看護師の方が収入が多い」という点をお伝えしましたが、上記の点が、収入アップに繋がる要因の一つになっているようです。

男性看護師の悩みどころ

次に、男性看護師として働く際の、悩みについてお話していきたいと思います。

職場の人間関係でのトラブル

これまでにお話した通り、看護師は女性の方が圧倒的に多いのが現状です。

そのため、女性看護師との人間関係を上手く構築できるかによって、その職場での居心地というのは大きく変わってきます。

人間関係のトラブルというのは、どんな職場であっても必ず発生しうるものです。

ただ、女性が多い職場環境というのは、特にドロドロとした人間関係が多いところが見受けられます(もちろん環境によります)。

一番重要なのは、職場の人達に「気に入られるかどうか」です。

看護師の場合、一般的な男性らしさよりも、

素直
謙虚
大らか
明るい
親しみやすい

など、いわゆる『愛されキャラ』で、細かいことを気にしない人の方が長く続けていけるようには思います。

採用される職場が限定される

限定されるというよりも、採用をためらう病院が少なくないという方が正しいかもしれません。

前述でお話した通り、男性看護師は産婦人科や婦人科などでは、採用される可能性は非常に低いです。

加えて、一般的な病院にも女性患者はたくさんいらっしゃいます。

年齢に関わらず、女性を看護・介助する場合には、常に『接し方』に気を配る必要があります。

自分にそのつもりが一切無かったとしても、人によって『セクハラ』と受け取れられてしまう可能性があるからです。

それは、患者だけでなく女性看護師に対しても同じです。

セクハラという概念は、受け取り手の気持ち次第で変化するため、非常に曖昧なものです。

こういった問題を回避するために、そもそも男性看護師の採用をためらう病院が少なくないのです。

特に、小規模な病院であればこの動きは顕著です。

職員数が少ない場合、小さな火種が大きな問題へと発展する可能性が高まります。

「職場全体の連帯感を乱す恐れがある……」という理由で、採用を見送る施設も実際に存在します。

このことから、男性が勤務できる(採用される)施設が限られてくる可能性があるのです。

ただし、これは今後改善されるかもしれません。

なぜなら男性看護師の数が年々増加しているからです。

医療業界における働き方改革も進んでいますし、今後男性看護師の数が増えていけば、こういった人間関係の問題も改善されるものと思われます。

もちろん、すぐすぐに改善される問題ではないでしょうが、いずれ採用施設の幅も今以上に広がっていく可能性はあるかもしれません。

まとめ

まだまだ看護師=女性のイメージが残ってはいますが、年々男性看護師の数も増加しており、少しずつ環境は変化しつつあります。

男性看護師の採用に対して様子見をしている病院があることも事実ですが、その環境もいずれ変わっていくものと思われます。

男性だからこそ出来ること、必要とされることがあるのも事実なのです。

看護師という仕事は、「職場で”自分が”周りに何を求められているのか?」を考えることが必要になってきます。

それは、男性でも女性でも変わりません。

今後、看護師の仕事をしていきたいと考えている人。既に仕事に従事している人。

様々な人がいるかと思いますが、そういったことを考えながら常に試行錯誤を繰り返していくのが良いのかもしれません。

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