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「栄養士」にはどうやったらなれるの?なり方や適性のある人・将来性について解説!

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栄養のスペシャリストとして、さまざまな場所で活躍する「栄養士」

前回は、この「栄養士」の仕事内容や勤務先・働き方についてご紹介をしました。

この「栄養士」には、どうやったらなれるのでしょうか?

そして、適性のある人や将来性はどのようなものなのでしょうか?

今回は、これらの点について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「栄養士」になるために必要なこととは?


まずは、今回の記事の主題となる「栄養士のなり方」について、ご紹介していきたいと思います。

「試験」は必要ない!?

この「栄養士」という資格は、国家資格の一つに分類されます。

しかし、“試験を受けて取得する資格ではない”のです。

では、どうすれば資格を取得することができるのか?

その条件は、特定の学校に進学し、卒業することにあります。

「特定の学校」とは?

結論を言うと、「特定の学校=厚生労働省が指定した昼間部の栄養士養成施設」となります。

◆4年制大学
◆3年制短期大学・3年制専門学校
◆2年制短期大学・2年制専門学校

厚生労働省が指定する学校は、上記のようにさまざまです。

そして、「指定する栄養士養成施設」であれば、どの学校を卒業しても、資格を取得できることとなります。

「試験はないんでしょう?どうやったら資格を得ることができるの?」と感じる人もいるかもしれませんが、上記の学校を卒業するだけで“無試験で、都道府県知事から免許証が発行される”こととなります。

最短”2年”で資格を取得できるが……

上記で記載した通り、栄養士の資格を取得するだけであれば、「2年制の短期大学or専門学校」を卒業すればいいだけなので、最短“2年”で資格を取得できることとなります。

「じゃあ、4年or3年制の学校に通うのはお金も掛かるし、あんまりオススメはできない?」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。

なぜなら、大学の場合は上位資格である「管理栄養士」の受験資格も合わせて得られる場合があるからです。
(=管理栄養士養成施設に入学すること)

栄養士の資格を取得するための条件はどちらも同じではありますが、“管理栄養士の受験資格を得るための条件が変わってくる”のです。

具体的に言うと、以下のようになります。

◆「栄養士養成施設」:受験資格を得るために、“1年~3年の実務経験”が必要となる
◆「管理栄養士養成施設」:上記“実務経験が免除”される

後述でも記載しますが、現在は栄養士の資格取得者が非常に多く、需要(求職者)と供給(必要とする事業所)が成り立っていない状態です。

また「栄養士として長く勤務したい」と考える人の多くは、最終的に「管理栄養士」の資格取得も目指す人が多いです。

このことから、将来のためにも、初めから「管理栄養士養成施設」に通うのも一つの方法ではないかと思います。

もちろん、どのルートを選択するかは人それぞれです。

「栄養士養成施設」の場合、学費や勉強期間を抑えつつ・実務経験を経ながら(=働きながら)管理栄養士を目指すこともできます。

どちらが正しい云々の問題ではないので、自分に合った方法で各資格取得を目指してみてください。

資格には「有効期限」はあるの?

ここでもう一つ、「資格の有効期限」についてもお話しておきたいと思います。

他の国家資格などであれば、資格には有効期限があり、一定期間を過ぎると再度研修や申請(更新)を行う必要性があるものも存在します。

では、栄養士はどうでしょうか?

実は、“栄養士には資格の有効期限はありません”

資格取得後は、一切の更新手続きなどはなく、仮に栄養士の仕事に就かなかったとしても、ずっと有効なものとして使用し続けることができます。

ただし、これはあくまでも現時点(2021年時点)での話です。

今後は、もしかしたら法改正により有効期限が付与される可能性も、もしかしたらあるかもしれません。

“資格取得のための試験がない”としても、2年~4年という長い年月をかけて取得する資格であることに間違いはありません。

この点は、常に最新の情報を取得して、期限切れを起こさないようにご注意ください。

どういう人が向いている?栄養士の適正について


結論からいうと、この仕事に向いている人は「”食”を通じた健康づくりに関心がある人」および「”食”を通じて、人々の健康に貢献したいと考える人」であると言えます。

「食事」「栄養」「健康」の3つは、切っても切り離せない密接な関係であり、「食事は人々が生きていく上で必要不可欠な生命活動の一つ」となります。

だからこそ、「食事」「栄養」「健康」、この3つに深い関心がある人こそが、この仕事に向いている人と言えるのです。

実際、栄養士を志望する人は、「食が好きで、食を通じて人々の健康づくりに貢献したい」と考える人が多いのです。

加えて、「食=食材」「栄養学」は、一生をかけて学んでも学びきれないほどの情報量があり、そしてその情報も常に最新のものに更新されていきます。

これらを、“技術”として・“知識”として、貪欲に吸収し続けることができる人……も、この仕事に向いているかと思います。

もちろん、自身でさまざまなメニューを考案し、それを美味しく食べられるように調理する技術も必要です。

このことから、この仕事に適性のある人をまとめると、以下のようになります。

◆「食」が好き
◆「調理」することが好き
◆「食」を通じた「栄養」や「健康」に関心がある
◆「食」を通じて、人々の「健康」に貢献したい
◆「食材」や「栄養学」について、貪欲に技術や知識を吸収したい

総じて、「食に関わる仕事がしたい」という人に向いている職業であるかと思います。

ちなみに、自分自身が栄養の大切さを体感し、そこから栄養士の仕事に興味を持つ人もいます。

キッカケは人それぞれであり、勤務先や働き方も多種多様に存在することから、少しでも「食や栄養士に関して興味がある」という人は、知見を広げてその一歩を踏み出してみるのも良いかもしれません。

「男性」でもなれるの?

栄養士という仕事に、男性だから・女性だからといった性別の違いはありません。

栄養士になるための道のりも同じですし、世の中には男性の栄養士も多数活躍しています。

職場によっては男性の栄養士を積極的に採用するところも増えているため、今後も、男性の栄養士がどんどん増えていく可能性は高いでしょう。

ただ、現時点では“女性の栄養士の方が多い”とは言えます。

その理由の一つに、「給与水準が他職種に比べて、あまり高くない」というのが挙げられます。

平均年収は“250万円~400万円”……つまり月給で表すと“21万円弱~33万円ほど”となるのです。

また、雇用形態も正社員だけでなく、アルバイト・パート・契約社員・派遣社員など非常に幅が広く、家庭や育児などと両立しやすいことから、女性の割合の方が高くなっているとも言えます。

ただし、上記でもお伝えしたように、男性の栄養士は少しずつ増加傾向にあり、積極的に男性の栄養士を採用しようとする企業も増えています。

給与水準は勤務する事業所によって千差万別でもありますし、人によっては「公務員の栄養士」として勤務することだって可能です。
(都道府県庁・市区町村など)

公務員の場合、長く勤務すればするほど一般的な栄養士よりも待遇は良いですし、昇給だって見込めます。

このことから、「男性は栄養士として仕事をしていくことは難しい」という時代はもう“前時代的なもの”と考えても差し支えないでしょう。

栄養士の「やりがい」や「大変なこと」について


次に、この仕事を続けていく上ので「やりがい」「大変なこと」について、詳しくご紹介していきたいと思います。

尚、はじめにお伝えしておくと、栄養士は基本的に「健常者(心身ともに健康である人)」に対して、食や栄養に関する指導やアドバイスを行うことがほとんどです。

逆に、心身に何かしらの病気や怪我などがある人に対しては、「管理栄養士」が指導・アドバイスを行うことが多いのです。
(管理栄養士=栄養士の上位資格である)

とはいえ、“人の健康を左右する仕事である”ことに変わりはありません。

この点は、多少の違いこそあれど、役割そのものに大きな変化はないと言えるでしょう。

「やりがい」について

最たるは「”食”を通じて、人々の健康や豊かな暮らしに貢献できること」です。

再三申し上げている通り、“食”というのは、人が生きていく上で必要不可欠なものです。

その“食”を通して、人々の健康を支えたり・食事の楽しさや大切さを伝えたりすることに、深いやりがいを感じるという人が多いのが特徴です。

また、食事というのは“ただ栄養だけを摂取できればいい”というものではなく、“いかに美味しく・楽しく食べられるか”が重要となってきます。

例えば、自身が考案や調理した料理を「美味しかった!」などと言ってもらえると、嬉しいものです。

他にも、食・栄養・健康に関するアドバイスを行ったのちに、相談者から喜びの声ももらえるた際に「やりがいを感じる」という人もいます。

食に関することは、老若男女問わず必要不可欠なものであるため、活躍の場面は多種多様に存在します。

自分の希望に合う仕事を探し、その人たちに向けて誠心誠意の心を持って、食・栄養・健康に向き合っていくことが大事かと思います。

「大変なこと」について

まず、最初に挙げるのは、「味覚は人によってさまざまである」ということです。

中には、食材に対してアレルギーを持つ人もいるでしょう。

そういった点を踏まえ、「一人ひとりの生活習慣や味覚・考え方などを尊重しながら、適した料理を提供し、指導・アドバイスを行っていく必要がある」という点が、大変と感じる要因の一つに挙げられます。

そしてもう一つ。

栄養士が作成するメニューには、当然「予算」が存在します。

“決められた予算”の中で、利用者一人ひとりの”栄養面”に気を配りながら、“美味しい料理”を提供する。

この文面を見るだけでも、栄養士の大変さは伝わってくると思います。

また、人によっては調理をメインに行う人もおり、例えば学校や病院であれば、大量調理に携わる人も少なくありません。

こちらはこちらで、一人ひとりに適した料理を提供するのとはまた違った大変さがあると言えるでしょう。

栄養士の「将来性」について


最後に、栄養士の今後(将来性)についてお話をしておきたいと思います。

結論から言うと、「現在もこれからもさまざまな場所で活躍の場が設けられる=職業のニーズは今後もより高まっていく」と言えます。

これまでに何度もお伝えしている通り、“食”は老若男女を問わず、人が生きていく上で必要不可欠な生命活動の一つです。

学校の給食、病院の食事はもちろんのこと、「超高齢化社会」に突入している現代の日本では、介護施設などの福祉の現場でもその需要はさらに高まっていくと考えられます。

また、一般企業や公務員への道、そして「フリーランス」としても活躍できる可能性があるため、今後はより一層、栄養士が活躍できるフィールドは広がっていくこととなるでしょう。

ちなみに参考までにとなりますが、2017年度の栄養士養成施設卒業生の就職先内訳は以下のようになっています。

◆病院    :24.3%
◆児童福祉施設:18.9%
◆産業給食施設:18.3%
◆介護保険施設:17.3%
◆その他   :21.2%

※その他には、官公庁や食品メーカー、スポーツクラブなど、さまざまな施設が対象となる。

ただし、一つだけ注意点があります。

それは、「栄養士の有資格者が飽和状態にある」ということです。

要するに、“有資格者が増加し過ぎて、勤務できる現場が限られている状態”(需要と供給が成り立っていない)となっているのです。

そのため、今後は「栄養士の資格を取得している」というだけでは、その資格を活かせる仕事に中々携わることが難しくなってくる可能性が高まっています。

この状態から抜け出すにはどうすればいいか?

一番の近道は、「管理栄養士」の資格を取得することかと思います。

もっと言えば、栄養士として、抜きんでたもの(知識・技術)があれば、採用される可能性が高まるということになります。

そのための一つの手段として、管理栄養士の資格取得が効果的となるのです。

もう一つの方法は、「関連する業種の、別の資格を取得する」です。

例えば、介護の分野であれば「介護支援専門員(ケアマネージャー)」「介護福祉士」「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」などの資格を取得すること。

児童施設であれば、「保育士」「幼稚園経論」「児童指導員任用資格」など。

医療の現場であれば、特定の病気に特化した栄養指導が求められることから、以下のような新たな資格も誕生しています。

◆「栄養サポートチーム(NST)専門栄養士」
◆「日本糖尿病療養指導士」

このように、栄養士+αのダブルライセンスで働くことができれば、その分野に特化した戦力として重宝されることでしょう。

もちろん、何度も言うように栄養士の活躍できるフィールドは多様に存在します。

それぞれで別途必要な資格も変わってくるため、“自身が望む栄養士像”をしっかりと定め、それに対して必要な知識・技術・資格を身に着けるようにしてください。

まとめ

有資格者が多く飽和状態にあるとはいえ、今後も栄養士の仕事がなくなることは絶対にありません。

むしろ、今以上に必要とされる機会も多くなってくるはずです。

ただし、“必要とされる=抜きんでた何か”が求められるようになってくることも確かです。

そのための方法は多種多様に存在するため、「どんな栄養士になりたいのか?」「今の自分に役立てられる知識・技術・資格は何か?」を自分自身でしっかりと明確にすることが重要となってきます。

そうすれば、長く栄養士として働き続けることができるようになるでしょう。

方法は一つではありませんので、ぜひ自分に合った手法を見つけて、自分なりの栄養士を見つけてみてください。

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