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訪問介護って何?サービス内容や仕事の始め方について

この記事は約20分で読めます。

一人では自立した生活を送ることが困難な方に向けて提供される、『介護サービス』

古くより存在するとともに、制度(法令)は時代とともに変化を続け、現在そのサービスの種類は多岐に渡ります。

そして、その介護サービスの一つに挙げられるのが、『訪問介護』です。

これは、「利用者が在宅したまま、自立した日常生活を送ることができるようサポートする」というサービスのことで、被介護者からも人気があり、年々需要が高まっています。

  • 訪問介護サービスを受けられる条件とは?
  • サービス内容に含まれるもの・含まれないものは何か?
  • どのくらいの料金が発生するのか?
  • 訪問介護の仕事にはどうすれば就けるのか?
  • 仕事は大変?お給料などの待遇面はどれほどのものなのか?
  • 仕事の需要・将来性はどうか?

今回は、こういった“訪問介護に関する内容”について、ご紹介をしていきたいと思います。

どんなサービスなの?訪問介護の基礎知識

概要


この仕事のことを簡単にお伝えすると、「訪問介護員が利用者(被介護者)の自宅に訪問し、その生活をサポート(介護)すること」です。
※訪問先は、有料老人ホームなどの入居系サービスの居室も対象に含まれています※

介護保険法 第8条第2項においては、以下のように定義されています。

この法律において「訪問介護」とは、要介護者であって、居宅(老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の六に規定する軽費老人ホーム、同法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム(第十一項及び第二十一項において「有料老人ホーム」という。)その他の厚生労働省令で定める施設における居室を含む。以下同じ。)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者」という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(定期巡回・随時対応型訪問介護看護(第十五項第二号に掲げるものに限る。)又は夜間対応型訪問介護に該当するものを除く。)をいう。
出典:厚生労働省-介護保険法

これは、訪問介護を(専門に)行う事業所があり、そこから『介護福祉士(ケアワーカー)』『訪問介護員(ホームヘルパー)』などの介護スタッフが派遣されることとなります。

介護サービスを受けることができるのは、『要支援』もしくは『要介護』と判断された『被介護者』です。

そして、受けられるサービスは、主に以下の2種類が該当します。

◆身体介助:食事・入浴・排泄などの「直接身体に触れる」介助
◆生活援助:掃除・選択・調理などの「家事面」のサポート

上記のサービス内容については、後述でさらに詳しくお話していきます。

また『介護福祉士・要支援・要介護』については、別の記事にてご紹介しておりますので、以下をご覧いただければと思います。

どんなサービスを受けられる?

前述でご紹介した通り、訪問介護のサービス内容のメインとなるのは、『身体介助』『生活援助』の2つです。

そして、具体的なサービス例は下表のようになっています。

身体介護サービスですが、一定条件を満たしている訪問介護員(定められた研修過程を修了するなど)の場合、「たんの吸引」なども行うことが可能です。

尚、2点、補足をしておくと……。

一つは、『入浴介助』は、訪問入浴を専門とする事業所が別途存在するという点です。

訪問介護スタッフとは別に、『訪問入浴スタッフ』という入浴介助専門のスタッフが配置されている場合があります。

ちなみに『訪問入浴』というのは、自宅での入浴が困難な利用者を特別な車両で訪問し、専用の簡易浴槽を持ち込んで行う入浴のサービスのことです。

そしてもう一つの補足は、『通院介助』を行う場合があるという点です。

これは、『通院等乗降介助』のことで、『介護保険タクシー』とも呼ばれています。

介護職員資格を持つホームヘルパーが自ら車を運転して、被介護者の送迎・移動・乗降介助を行います。

介護保険も適用されるため便利なサービスではあるのですが、注意点が3つあります。

①対象者は、要介護1以上
②どこへ移動する際にも利用できる訳ではない
③希望者は、事前にケアプランに組み込んでおく必要がある

まず②ですが、利用できるのは「公的機関・金融機関での手続き/通院/日常生活に必要な買い物」など、限られた用途のみです。

また、③の通り、事前にケアプランに組み込んでおく必要があるため、例えば「今日はちょっと体調が良くないから、病院に連れて行ってほしい」などのイレギュラーな希望は通りません(保険適用外となる)。

この点については少し内容が複雑なので、担当のケアマネージャーに相談をしてみるといいかと思います。

要注意点!サービス対象外となるものについて

サービス対象外となるものは、大きく以下の3つに分けられます。

《訪問介護のサービス対象外となるもの》
①訪問介護員が対応しなくても、生活に差し支えがないもの
②医療行為に該当するもの
③利用者以外の方に対する行為

それぞれ、順にご紹介していきたいと思います。

①訪問介護員が対応しなくても、生活に差し支えがないもの

このサービスは、あくまで『利用者=要介護者』が、自立した生活をおくれるように介助・援助することが目的となります。

例えば、家の大掃除であったり、電気器具や家具の修理・庭の草刈り・ペットの世話などの、いわゆる大掛かりな家事などは、業務対象外です。

②医療行為に該当するもの

例えば、インスリンの注射や点滴・経管栄養・摘便や床ずれの処置などは、訪問介護員の業務対象外となります。

なぜなら、医師や看護師などの専門資格を持っていなければ、医療行為そのものを行うことができないからです。

こういった医療行為は、『訪問看護師』などが、別途担当します。

ちなみに上述でもご紹介した通り、たんの吸引などは、一定条件を満たしている訪問介護員(定められた研修過程を修了するなど)であれば、行うことが可能となりました。

③利用者以外の方に対する行為

例えば、一緒に住んでいるご家族がいた場合などに、「家族の分の食事を作る」「家族の部屋の掃除・洗濯をする」「子供の面倒をみる」といった、利用者以外のサポートを行うことはありません。

これらは、『介護』ではなく、『家事代行』です。

確かに、上述でご紹介した『生活援助』というのは、家事代行に近いものを感じる人もいらっしゃるかもしれません。

しかし「利用者一人分の食事を作るのは大変だから、ご家族の分もまとめて作ろう」とか「どうせ掃除や洗濯をするなら、ご家族の分もまとめて対応しよう」といったことは、基本的に対応することはありません。

それは、業務対象外です。

ただし、ご家族に対して、要介護者の生活上のアドバイスや精神的なサポートを行うことはあります。

要介護者のご家族は、介護疲れを感じてしまう人が少なくありません。

介護の仕事を通じて、ご家族の介護に関する負担を軽減することも、訪問介護員の大切な仕事の一つとなるのです。

サービスを受けるためには、どうすればいい?

対象者はどんな人?利用の流れは?


冒頭でもお伝えした通り、訪問介護を利用できるのは『要支援1~2』『要介護1~5』の『被介護者』が対象となります。

要支援と要介護の違いを簡単にお伝えすると、以下のようになります。

◆要支援:基本的動作は行えるものの、若干の介助(サポート)を必要とする状態
◆要介護:基本的動作を自身のみで行うことが困難な状態であり、介助が必須となる状態
※基本的動作とは、食事・排泄・入浴・起き上がり・歩行などが該当する※

尚、要支援は『介護予防訪問介護』の対象となります。

要支援のサービス内容が要介護と大きく変わる訳ではありませんが、「要介護状態への進行を予防」もしくは「現状より悪化しないようにする」と、介護の目的そのものが少し異なります。

また、この介護予防訪問介護は、各市区町村による『介護予防・日常生活支援総合事業』へと移行したため、介護保険サービスの対象ではなくなってしまいました。

サービス利用の流れですが、まずは居住地域の市区町村にて、要介護認定の申請を行う必要があります。

そして、要支援・要介護のどちらの通知を受けた後に、地域包括支援センター(要支援)or居宅介護支援事業者(要介護)にて、それぞれケアプランの作成を進めていくこととなります。

その後、ケアプランをもとに色々と計画を立てていき、問題がなければ事業所との契約……そしてサービスの利用開始となります。

費用はどのくらい掛かる?

掛かる費用についてですが、これは各市区町村や訪問介護事業所によって異なります。

もし、具体的にサービス利用を検討している方がいらっしゃれば、お住まいの地域にある事業所の価格帯を自分で調べていくのがいいかと思います。

ただし、費用の計算方法はお伝えできます。

「1日あたりの自己負担額=サービスの種類別料金 × 利用時間 + その他料金(緊急時加算など)」

そして、要介護の対象となった利用者は、『介護保険サービス』を利用することができます。

これを利用することで、訪問介護サービス利用時の自己負担額の割合が1割となります。

ただ、『第1号被保険者』と呼ばれる、一定上の所得がある人の場合は、自己負担額の割合が2割となります。

介護保険サービスって何?

前述でご紹介した『介護保険サービス』ですが、要支援もしくは要介護状態である『65歳以上の高齢者』『40歳~64歳までの特定疾患の患者』が対象となります。

介護保険料や、国・自治体の財源により、自己負担額を1割~3割にすることができます(負担額は、収入に応じて変動する)。

このサービスについての詳細は別記事にてご紹介しようと思いますが、簡単に説明すると下表のように大別ができます。


念のため再度お伝えしておきますが、ここまででご紹介した通り、サービス対象外(業務の範疇に含まれないもの)が存在しますので、ご注意下さい。

ただ、サービス対象外のものであっても、介護保険外サービスとして仕事をお願いすることが可能です(自費サービスとも呼ばれることがある)。

例えば、家事代行サービスは本来サービス対象外であり、介護保険サービスも適用外です。

しかし、介護保険外サービスとして仕事を依頼すれば、対応してもらえる場合があります。

費用は全額負担となってしまいますが、これは要介護状態でなくても利用できるという特徴があり、そもそも介護保険には利用限度額もあります。

利用者の状況に応じて、うまく活用できれば、生活における様々な負担を軽減することもできるでしょう。

訪問介護のメリット・デメリットって、何がある?

利用者からの人気が高い訪問介護。

利用する側として、メリットだらけのように感じる人もいるかもしれませんが、人によっては“気になること”……つまりデメリットも存在します。

ここでは、この点についてお話していきたいと思います。

メリットについて

ここまでにもご紹介してきた通り、訪問介護の最大のメリットは「長年住み慣れた自宅で、余生を送ることができる(介護を受けることができる)」ということです。

これは、被介護者にとっても、そのご家族にとってもメリットとなります。

まず被介護者ですが、やはり高齢者の方にとって、住み慣れた家を離れて新しい環境に移り住むことは多大なストレスとなってしまう可能性があります。

そして、もし自宅で介護をするとなれば、(介護サービスを受けない場合は)ご家族もしくはその関係者が介護を行うこととなり、「介護疲れ」という言葉通り、肉体的にも精神的にも大きな負担が掛かってしまいます。

加えて、高齢者施設(老人ホームなど)と比べると、訪問介護の方が費用は安価です。

これらの負担が大幅に軽減されるということから、訪問介護サービスの需要が年々高まっているのです。

最後にもう一つ。

現在、一人暮らしの高齢者が増加傾向にあります。

老人ホームに入居できれば良いですが、入居費用は高額なため「お金がなくて入居できない……」という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方の場合、訪問介護員とのやり取りは、介助や援助だけでなく“数少ない話し相手”にもなってくれるのです。

また、もし離れて暮らしている家族がいる場合、その家族に健康状態や安否を伝えるための有効な手段の一つにもなり得ます。

デメリットについて

まず、一番問題なのは「被介護者およびご家族と、訪問介護員との間で折り合いが悪い場合」です。

もちろん相性(性格的な)の問題もありますが、そもそもの認識の違いによる衝突なども起こり得る場合があるのです。

これまでにご紹介した通り、訪問介護員の業務にはサービス対象外となる業務(例えば、家事代行や通院介助など)も存在し、正直なところその内容はかなり複雑です。

しかし、一部の利用者やご家族の方は「何がサービスに含まれているのか」「何が保険適用外なのか」、その全てを把握できているわけではありません。

まして、利用者は高齢者が対象なので、意思疎通が難しい方も中にはいらっしゃいます。

こうなると、利用者・家族・訪問介護員との間で上手く情報共有ができず、折り合いがつかなくなることがあります。

そしてもう一つ。

被介護者の中には、他人(訪問介護員)が自分の家に入ってくることを快く思わない人がいます(時代が時代なので、確かに訪問介護員とはいえ、見知らぬ人を家に上げるということに抵抗があるのも事実ではありますが……)。

とはいえ、これの問題は被介護者のストレスになる場合があるという点です。

これについては、ご家族と利用者の間で、しっかりと意思確認を行うことが大事かと思います。

最後に。

“費用が発生することがある”という点で、念のためデメリットの項目でご紹介しておきますが、「利用者の家が介護に適していない」と判断された場合、バリアフリー設備に対応できるように、家のリフォームを求められる場合があります。

これについては、各事業所と話を進める中で判明してくるはずなので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)という”仕事”について


ここまでは、利用者側の視点で訪問介護についてご紹介をしてきました。

次は、職員側の視点で、色々とお話を進めていきたいと思います。

未経験・無資格からでも始められる?

超高齢化社会に突入する日本。

介護の需要は年々高まっており、訪問介護においても人手が不足している状態です。

そのため、訪問介護の求人募集も様々に存在します。

まず、結論からお話をすると「訪問介護の仕事は、無資格・未経験でも募集している事業所がある」という点です。

ただし、無資格の人が行える業務は、生活援助のみです。

身体介助まで行う場合、後述でご紹介する一定の資格を必要とします。

そのため、基本は『資格を必要とする仕事』と認識しておいて間違いないかと思います(特に正社員勤務を希望する人はなおさら)。

求人募集で多いのは、以下の3パターンです。

①「無資格・未経験でもOK」のアルバイト・パート募集
②「介護職員初任者研修」もしくは「介護福祉士実務者研修」を所持している人
③「介護福祉士」の資格を所持している人

①の無資格・未経験の募集の場合は、アルバイト・パートでの募集であることがほとんどです。

そして、②は、正社員・アルバイト・パートなど雇用形態の幅が広く、「資格を所持していれば、未経験でもOK」としている事業所も多いのが特徴です。

③の資格は国家資格であるため、所持している人は採用される可能性が非常に高くなります。

また、介護職員のリーダー的存在である『サービス提供責任者』になることもできるため、「訪問介護の仕事を長く続けていきたい」と考えている人にとっては、必ず取得しておきたい資格になるかと思います。

取得しておくべき資格について

上記でご紹介した通り、基本的に訪問介護員として勤務していくには、資格が必須といって差し支えありません。

そして、取得しておくべき資格としては、上記でも記載した『介護職員初任者研修』『実務者研修』『介護福祉士』の3つが挙げられます。

それぞれ、詳細をお話していきましょう。

介護職員初任者研修

“必須”と言っても過言ではない、資格です。

介護の仕事を行う上でのスタートラインとも言える入門資格であり、もっとも取得しやすい資格となります。

訪問介護の求人募集の項目(募集資格など)を見ても、この資格が“必須条件”と記載されていることがほとんどです。

これは、かつてのホームヘルパー2級に相当する民間資格で、求人募集には「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」と記載されることもあります。
ヘルパー2級は、2013年に廃止されました※

資格を取得するためには、初任者研修講座を開講しているスクールに通い、130時間(10項目)のカリキュラムを修了して、修了試験(筆記試験)に合格することで得ることができます。

そして、この資格は、未経験(無資格)でも受講可能です。

介護福祉士実務者研修

質の高いサービスを安定的に提供していくことを目標にし、基本的な介護提供能力の修得を目的とした資格になります。

この資格は、かつてのホームヘルパー1級の後続資格に位置づけられており、2017年からは『介護福祉士』の資格を受験するためには“受講・修了が必須”となりました。

初任者研修の応用編的な資格であり、初任者研修よりも専門的な知識を身につけることが可能です。

ちなみに、この資格も未経験(無資格)でも受講でき、450時間(20科目)のカリキュラムを修了することで、試験に臨むことができます。

介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いって何?

上記でご紹介した2つの資格は、どちらも無資格・未経験から受講および取得が可能です。

そして、介護福祉士の受験資格の一つとして「実務者研修の受講・修了」が義務付けられています。

このことから、初任者研修を受けずに、いきなり実務者研修の受講を目指す人がいます。

結論として、実務者研修に合格できる自信があるなら、初任者研修を受けなくても問題はありません

ただ、初任者研修を修了しておくメリットも存在します。

①実務者研修は、ある程度の基礎知識を必要とする
②スクールによっては、初任者研修修了が実務者研修受講の条件となる場合がある
③実務者研修の受講時間を、130時間も免除できる

基礎知識を学べ、受講時間の免除も可能なことから、実務者研修および介護福祉士の資格取得を目標としているならば、多少遠回りになったとしても初任者研修から修了しておいても損は良いかと思います。

まさに、急がば回れ、です。

介護福祉士

数ある介護資格の中で、唯一の国家資格である『介護福祉士』

介護資格の中でも最上位に位置する資格の一つであり、求職時に有利になることはもちろん、資格手当の支給や『サービス提供責任者』などの“任される側の立場”として仕事をすることも可能となります。

このことから、取得しておいて一切損はありません。

この資格についてですが、以前に記事にしておりますので、以下をご覧いただければと思います。

労働時間や休日などの、働き方は?

まず、訪問介護員の雇用形態は、様々に存在します。

大別すると、以下の3つとなります。

◆直接雇用:正社員やアルバイト・パートなど
◆登録ヘルパー:訪問介護事業所に登録し、事業所と相談しながら必要な時のみ勤務する
◆派遣ヘルパー:派遣会社に登録し、仕事の紹介を受けて訪問介護を行う

このことから、勤務時間や休日は雇用形態に応じて多様に変化します。

ご覧の通り、この仕事は「正社員として決められた時間を働く」ことと、「アルバイト・パート・登録&派遣ヘルパーとして、時間に融通を聞かせて自分のペースで働く」という2パターンから、選択することができます。

どちらにしてもシフト制となることが多いのですが、後者の方が「週○日~、1日○時間からOK」など、勤務内容を自分の自由に(ある程度)調整することが可能です。

ただし、その分収入は後者の方が少ないです。

……というより、介護という仕事全体に言えることですが、給与水準はあまり高くなく、この点に不満を感じている人は多いのが現状です(後述にて)。

ちなみに、休みも事業所によって様々です。

土日祝なども営業している事業所もあれば、お休みとしているところもあります。

また、事業所によっては夜間の訪問介護に対応しているところもあります。

雇用条件は市区町村や事業所によって大きく異なるため、もし仕事を探している人がいれば、お住いの地域の求人募集などを確認してみると良いかと思います。

訪問介護の仕事って大変?将来性はあるの?

雇用条件はあまり良くない…?


前述でもお伝えした通り、今後ますます介護の需要は高まってくるといえます。

介護サービスの一つである訪問介護も、例に漏れず、今後さらに必要とされる仕事の一つとなるでしょう。

今現在でも介護の求人募集は非常に多く、「無資格・未経験」「資格があれば未経験でもOK」と実務経験を問わない企業は多いです。

そのため、資格をお持ちの方(介護福祉士は特に)、実務経験のある方ならば、仕事先に困ることもありません。

……ただし、給与・福利厚生は低水準というのが、現状の課題点として挙がっています。

給与についてですが、雇用形態が様々なため、月給・日給・時給など給与計算も多様です。

そして、それぞれの平均給与は、以下ほどとなっています。

◆月給で働く人の場合:平均21万1067円 (平均労働時間160.0時間)
◆日給で働く人の場合:平均14万4077円 (平均労働時間133.5時間)
◆時給で働く人の場合:平均7万7907円 (平均労働時間57.5時間)
参考:公益財団法人 介護労働安定センター-平成27年度 介護労働実態調査

日給や時給の収入が少ないのは、労働時間が短いからというのが理由の一つとして挙げられます(この仕事は、子育て中の主婦(主夫)の方なども多い)。

問題は、「月給=正社員」で働く人の場合です。

平均月給が21万円というのは明らかに低水準であり、初任給ともなれば「手取り15万~16万円ぐらいからスタート」ということもザラにあります。

もちろん、勤続年数や経験・資格の有無などによって給与は上がっていきます。

ただ、それでも平均年収は300万円ほどと言われており、他職種と比べてもそれほど高い給与とは言えません。

加えて、訪問介護の仕事は、体力的・精神的に厳しい仕事と言われています。

何が厳しいの?

まず、介護という仕事は「きれいとは言えない仕事」という点が挙げられます。

利用者は、基本的に身体が不自由な人であることがほとんどあり、中には意思の疎通が困難な方もいらっしゃいます。

そういった方々の食事介助・部屋の掃除・入浴介助・排泄の介助を行っていくため、特に始めたての人などは抵抗を感じる場合も少なくありません。

特に、排泄物に関しては直接触る(処理する)場面も出てくることから、そういった対応に耐えられない人には、長く続けていくことは難しいかと思います。

加えて、上記介護を「一人で対応していく」必要があるからです。

最初の内は、先輩スタッフに同行して仕事を覚えていくことになりますが、ある程度業務に慣れてくれば、一人での業務が基本となります。

『慣れない人の家で、一人で介護業務を行う』というのは、想像以上に厳しい仕事です。

なぜなら、家の間取りは家ごとに全く異なりますし、利用者はもちろん その家族とのコミュニケーションも上手に取っていく必要があります。

そして、現場では一人なため、何か問題が起こっても、それを一人で判断し・行動していかなくてはいけないのです。

これも、経験が浅い最初の内(慣れるまで)は、非常に厳しいと感じる人が多いでしょう。

極めつけは、仕事内容が厳しいのに、給与や福利厚生が低水準ということ……。

肉体的にも精神的にも厳しい仕事なのに、給与まで安かったら……「仕事内容(量)と収入が割りに合わない!釣り合わない!」として、不満を感じる訪問介護員が多くなるのも仕方のないことだとは思います。

今後、環境は改善されていくのか?

仕事の厳しさ、待遇の悪さという点から、離職者が多いのもこの仕事の特徴の一つとなっています。

「ホームヘルパーは人手不足が続いている」というのは、利用者のニーズが増えていることももちろんありますが、上記の問題から“離職者が多い”というのも理由の一つとなっているのです。

この働き方改善についてですが、現場からは多くの声が挙がっていますが、まだ大きな改善にメスは入っていない状態です。

しかし、早急に職場環境の改善を行わなければ、来たる超高齢化社会には対応しきれない可能性が高くなるはずです。

今現在でも、若者の訪問介護員が不足しています。

環境改善がされず、求職者が減少・しかし離職者は増加していけば、いずれ人手不足はさらに深刻化していくこととなります。

訪問介護員は、介護のプロフェッショナルであり、一つの確立した職業です。

そして、決して慈善事業で介護を行っている訳ではありません。

早急に、現場で働く方々に正しい対価が支払われるように、職場環境が改善されることを願っています。

まとめ

訪問介護員は、在宅介護を支えるプロフェッショナルです。

ここまででお話してきた通り、この仕事は家事代行を行う人ではなく、また慈善事業で介護をしている訳でもありません

ただ、意思疎通が難しい人や気難しい人もいることから、中々に無理難題(無茶なこと)を言ってくる人も……中にはいます。

そして、それは利用者だけでなく、その家族が対象となってくる場合もあるのです。

確かに、事業所やスタッフからすれば、利用者やその家族は『サービスを利用して下さるお客様』なのですが、お客様だからといって“何を言っても良い”という訳ではありません。

正直なところ、こういった人間関係の面でもストレスを抱えて、離職してしまうスタッフもいるのです(もちろん利用者側の意見が的を得ている場合もありますが)。

前述でお話した通り、職場環境の改善は早期の対応が望まれています。

それと同じく、『サービスを提供する側』も『サービスを利用する側』も、お互いに手を取り合ってより良い介護生活を過ごせるようになればと思います。

これからの超高齢化社会を乗り越えるには、様々な意味で“変わっていく必要がある”のではないかと感じます。

その時……つまり“超高齢化社会”は、刻一刻と近づいているのですから……。

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