「ベビーシッター」の働き方は、実にさまざまです。
「保育士」などと同様に、正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員として働いている人もいれば、副業としてWワークを行っている人や「個人事業主(フリーランス)」として従事している人もいます。
ベビーシッターの働き方の特徴としては、「時間の自由度が高い」ということが挙げられます。
だからこそ、「正社員として働く」ということがイメージし辛い方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、この「正社員として働くベビーシッター」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
加えて、「保育士などから転職する際に注意しておくべきこと」についても、お話できればと思います。
尚、これまでの記事にて、このベビーシッターの仕事内容やなり方について、詳しくご紹介をしてきました。
関心がある方は、上記記事を参考にしていただければ幸いです。
では、まいりましょう。
ベビーシッターの「働き方」について
もっとも多い雇用形態は……?
冒頭でもご紹介した通り、ベビーシッターの働き方はさまざまです。
しかし、詳しく知らない人からすると、他職種に比べて雇用形態の区別は付けづらいかと思います。
◆派遣されて行くのだから「派遣社員」?
◆フルタイムではないから「パート・アルバイト」?
などなど……。
結論を言うと、雇用形態は人によってさまざまであり、一概に「〇〇だから〇〇である」と決めつけることはできません。
ただ、雇用形態としてもっとも多いのは「パート・アルバイト」もしくは「派遣社員」といった「非正規雇用」であることがほとんどです。
その理由は、「お客様からの依頼があった時間帯のみ働く」ためです。
正社員の場合、〇時~〇時と勤務時間が定められており、給与も基本的に「固定給」となります。
しかし、お客様からの依頼が無いときもありますので、その空き時間に給与が発生してしまうのは、会社にとっては「無駄な出費」となってしまいます。
また、雇われている社員側からしても、「依頼があればいつでも動けるような状態にしておかなくてはならない」ということで、時間的な拘束が発生してしまいます。
お互いにとってプラスにならないため、ベビーシッターという職種においては、「正社員=正規雇用」の求人は、ほとんどないといえるのです。
ただし、「正社員求人がまったくない」とは言えません。
実は、数こそ少ないものの、ベビーシッターの正社員求人もあるにはあるのです。
数こそ少ないものの「正社員求人」も存在はする
数は本当に少ないですが、ベビーシッターであっても正社員求人は少なからず存在します。
では、「正社員のベビーシッターはどんな仕事をするのか?」ですが、以下のような仕事が割り振られることとなります。
②「後任育成として、ベビーシッターを育成する」
①は、ベビーシッターの本来の業務となります。
それに加えて、②として「ベビーシッターを育成する」という仕事が付随するのです。
無資格・未経験からでもなれるのがベビーシッターの特徴ではありますが、「お客様からの依頼ありき」であるこの仕事は、“顧客からの信頼”が重要となってくるのです。
だからこそ、ベビーシッター(保育)としての知識・経験を、他の新人ベビーシッターなどに教育していく立場の人物が必要となります。
この仕事を担うのが、正社員の仕事となるのです。
ただし、正社員のベビーシッターの仕事はそれだけとは限りません。
これは、企業によって仕事内容は異なるため、一概に「正社員だから〇〇の仕事に従事する」とは言えないのです。
もし、正社員としてベビーシッターの仕事を探している人は、インターネットなどで「ベビーシッター 正社員 求人」などと調べてみてください。
そして、もし検索に引っかかった場合は、「仕事内容」までしっかりと確認をとってみてください。
もちろん、分からないことがあれば、都度企業側に質問をしてみてくださいね。
ベビーシッターの正社員に求められる「資格」や「スキル」はなに?
保育士などの他の保育系職種とは異なり、ベビーシッターになるために必須となる資格はありません。
それは正社員として働く場合でも同様であり、必ず資格やスキルが必要となるわけでもないのです。
そのため、「無資格」「未経験」でも正社員求人を行っている会社は(少なからず)存在するかもしれませんので、気になる方は調べてみてください。
ただし、上項でもお伝えした通り、「ベビーシッターの正社員求人は数が大変少ない」ことと「保育業務以外の仕事を行う可能性が高い」という点から、パートやアルバイトなど非正規雇用に比べて厳しい基準を設けていることも少なくはありません。
もしくは、「就職後に研修などを経て、資格を取得してもらう」かなどもあるかと思います。
どちらにしても言えるのは、「経験や資格がある人の方が、ベビーシッターへの就職・転職には有利に働く」ということです。
経験は言わずもがなでしょう。
ベビーシッターは保育士と違い、「集団保育」ではなく「個別保育」を行います。
そのため、これまでに「たくさんの子どもたちと接してきた」というスキルは、非常に高い評価につながることとなります。
もう一つは、資格の有無です。
◆看護師・助産師など医療系資格
◆認定ベビーシッター資格など民間資格
子どもは、急な体調不良であったり、保育中にケガなどをしてしまう可能性も否定はできません。
ベビーシッターは、「個別でお子さんの面倒を見る=何かあったときに対応できるスキルを求められる」こととなるため、保育系or医療系の知識や技術を持っている人の方が有利になるのです。
正社員の場合、こういった経験や資格の有無が、就職時に優位に働くことは言うまでもありません。
「正社員として、ベビーシッターの仕事に従事したい」という人は、まずは経験を積み、資格を取得することから始めてみてもいいかもしれませんね。
正社員として働く「メリット」「デメリット」とは?
「メリット」について
まず、非正規雇用のベビーシッターは、通常「仕事(依頼)があるときだけ働く」ということになり、月によって収入にはばらつきがあります。
しかし、正社員の場合は毎月「固定給」となることから、収入のばらつきはありません。
加えて、労働時間も一定以上になることから、社会保険の加入や賞与など、福利厚生や各種手当も受けられるはずです。
このことから、正社員のベビーシッターとして働くメリットは、「給与面・待遇面などで安定した働き方ができる」というのが挙げられるかと思います。
「デメリット」について
非正規雇用のベビーシッターの働き方のもっとも良い点は、「時間的な自由が利く」「隙間時間で働ける」という、“自由な働き方ができる”という部分にあります。
しかし、正社員の場合は基本的にフルタイム勤務であるため、“自由な働き方”はできません。
加えて、ここまでにお伝えした通り、「ベビーシッター業務以外の仕事」も行わなくてはいけません。
教育指導であったり、他のベビーシッターの管理業務であったり……と、シッティングの現場から離れなければならない可能性もあるのです。
このことから、
◆本来のベビーシッターの時間的融通が効くという点を重視したい人
にとっては、デメリットとなり得るかと思います。
正社員求人はどうやって探したらいい?
「ベビーシッターの正社員として仕事をしたい!」となったとき、どうやって仕事を探すのが効率的でしょうか。
やはりもっとも効率が良いのは、「求人サイトで探す」のが良いかと思います。
すでに登録している求人サイトで検索をかけるのも良し。
もしくは、インターネットで「ベビーシッター 正社員 求人」と検索をかけるも良し。
さまざまなベビーシッターの求人を確認できることでしょう。
ただし、正社員のベビーシッターの求人数は非常に少ないので、探すのは根気がいるかとは思います。
後は、サイトや求人企業によっては「パート・アルバイト/正社員」などと併記されていることもあります。
その場合、募集要項に記載されている内容が「パート・アルバイトのものなのか、正社員のものなのかが分からない」という場合もあるはずです。
(もしくは、単純に記載内容が不十分であるなど)
その場合は、手間に感じる人もいるかもしれませんが、1社1社確認してみることをオススメします。
確認しないことには、どのような条件で正社員募集しているのか判断ができないためです。
ちなみに、確認方法は電話やメールなどの手段がありますが、できる限り電話での確認をオススメします。
なぜかというと、「その会社の”雰囲気”を知るため」です。
◆質問した内容にはキチンと回答してくれているか?
電話だけでも、なんとなくの雰囲気を掴むことは可能です。
あらかじめ確認したい項目を書き出しておき、丁寧に確認してみましょう。
その上で、不親切な対応だったり、回答が不十分だったりした場合は、別の企業を探した方が良いかと思います。
「保育士」から「ベビーシッター」への転職は有り?無し?
結論から言うと、「人それぞれの”目的”によりけりである」といえます。
まず、保育士とベビーシッターの最大の違いは、「”集団保育”か”個別保育”か」という点にあります。
保育士からベビーシッターに転職する人の多くは、「子ども一人ひとりときちんと向き合いたい」という理由で転職をする人が多いです。
そのため、まずは自分自身が「どんな保育をしたいのか?どんな風に子どもに関わりたいのか?」を明確にしてみることかと思います。
後は、「どんな働き方をしたいのか?」も、転職するか否かを判断できる材料となり得ます。
「保育の経験を活かして仕事はしたいけれど、決まった時間の捻出が難しく、希望の時間帯のみ働きたい」という人もいらっしゃるでしょう。
そういう人は、ベビーシッターの時間の自由度は魅力の一つといえます。
“保育士と資格を活かしながら、自分自身のやりがいやプライベートとの両立を図りたい”
こういう人は、ベビーシッターの仕事が向いていると言えるかもしれません。
ただし、この時に注意すべき点があります。
それは、「ベビーシッターは、”お客様ありき”の仕事である」ということです。
“お客様からの依頼があったときのみ働ける”これがベビーシッターのメリットではありますが、同時に“依頼がなければ稼げない”というデメリットにもつながるのです。
「仕事がなければ収入がない=収入が安定しない」ということにつながることは、十分に理解をしておかなくてはいけません。
そういう意味では、保育士の方が安定した働き方ができることでしょう。
そのため、「ベビーシッターへの就職・転職を考えている」という人は、勢いに任せて就職するのではなく、一旦立ち止まって知見を広げることから始めてみてほしいと思います。
努めている企業によっては、Wワークも可能であるかもしれません。
「(大変ではありますが)まずはWワークでベビーシッターの仕事に触れてみる」のも一つの手段です。
もしくは、パート・アルバイトでベビーシッターの仕事を始めて、しっかりと実績を積んでから正社員を目指すのも良いです。
また、そもそもベビーシッターではなく、保育士のアルバイトやパートで勤務してみるのもいいかもしれません。
保育に関する仕事も“働き方が多様化”しています。
選択肢は複数ありますので、一度立ち止まってよく考えてみてください。
その上で、自分に合った就職・転職を行ってみてください。
まとめ
以上が、「ベビーシッターの正社員としての働き方、就職・転職時の注意点」についてのご紹介となります。
ベビーシッターの正社員募集は、そもそも数が少なく、正社員として勤務すること自体が難しい可能性も否定はできません。
また、保育業務以外の仕事にも携わる必要があり、勤務する企業によっては仕事量が膨大となるかもしれません。
そのため、「ベビーシッターの正社員として勤務したい!」という場合は、一旦求人サイトなどで募集要項を確認し、不明点があれば企業側に直接確認を取るようにしてください。
また、保育士から就職・転職をする場合も、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと確認しておくことをオススメします。
今後はどうなるか分かりませんが、少なくとも現時点では「安定感を求めるなら保育士の方が良い」といえます。
逆に、「子ども一人ひとりとしっかり向き合いたい」や「自由度の高い働き方をしたい」という人の場合は、ベビーシッターの方が向いているといえるかもしれません。
現代は、保育の働き方が多様化しています。
そのため、しっかりと情報収集をし知見を広げ、自分に合った保育の仕事を見つけられるように動いてみてください。
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