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「防災介助士」の資格では何を学べるの?試験の概要や難易度についても解説します!

この記事は約7分で読めます。

世界的に自然災害の発生数が増えている昨今。

防災意識の高まりを受けて、2015年に「防災介助士」という資格がリニューアルされ、より専門性の高い資格となりました。

そして、前回の記事では、「防災介助士の役割・活躍の場」などについてご紹介をさせていただきました。

今回ご紹介するのは、“防災介助士の資格について”です。

◆資格を通して、どういったことが学べるのか?
◆試験の内容や受講料などはどうなっているのか?
◆試験の難易度はどれほどのものなのか?
◆資格の更新は必要なのか?

こういった点について、詳しくお話していきたいと思います。

「防災介助士」とはどんな資格なのか?

概要

はじめに、「防災介助士」の資格について、簡単にご紹介しておきたいと思います。

これは、「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」が創設した民間資格であり、2015年にリニューアルされました。

冒頭でもお伝えした通り、近年は世界的にさまざまな災害が頻発しており、それは日本も例外ではありません。

このことから、日本においても“防災意識”がどんどん高まっているのです。

しかし、「いざ災害に巻き込まれたとき、どのような行動をとればいいのか……?」この知識を正しく理解している人は多くありません。

そんな時に活躍できるのが、「防災介助士」なのです。

“介助”という名称がついている通り、この資格は「主に高齢者や障がい者など支援・配慮を必要とする人に対し、災害などの有事が発生した際に、適切な対応・介助を行い・支援すること」を指しています。

もちろん、資格を通して災害に関する知識を学べることから、自身や身の回りの人々を救うためにも役立てることができます。

資格を通して学べることとは?

この資格を通して学べることは、以下の3つです。

◆知る
あらゆる災害の特徴と防災を知ることにより、被害を最小限に抑えることができます。

◆守る
日常から防災を意識し、行動することで、いざと言うときに自分や大切な人を守ります。

◆助ける
基本的な応急手当の方法や救助方法を身に付け、周囲の人や避難行動要支援者を助けます。

日ごろから防災意識がある方であっても、しっかり学習していなければいざという時にパニックになってしまいます。

資格を通して上記を学ぶことにより、災害発生時にも落ち着いた判断ができるようになりますし、日常生活の防災にも役立てることができるのです。

資格の取得方法について

誰でも受験することができるの?


次に、資格の取得方法について解説をしていきたいと思います。

まずはじめは「受験資格」についてです。

結論を言うと、この資格取得を目指すための資格要綱はありません。

「年齢・性別・経験などは一切不問であり、誰にでも受験資格があります」

ただし、この資格の学習の際には“実技教習”を受けなくてはなりません。

運動・負荷を伴うため、妊娠中の方は受講できなくなっています。

また、この資格は“介助”についても学ぶため、介護に関する実務経験がある方や以下のような介護に関する資格を所有している人の方が、挑戦しやすい資格であるといえます。

◆介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
◆介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級)
◆介護福祉士 など

試験の概要

まず、試験は年間を通して各試験会場で随時実施しています。
※ただし、実施予定日よりも2週間以上前に申し込み必要がある※

実技講習と筆記試験は同日に行われます。
(9:30~17:00の時間帯で、最後の1時間が筆記試験となる)

そして、受験料は「27,500円(税込)」かかります。
※小中学生・高校生・専門学校生・短大生・大学生・院生のいずれかの現役生は学生割引価格となる(26,400円:税込)※

最後に試験会場ですが、これは「東京・名古屋・大阪・札幌・仙台・福岡」の会場で受験することが可能です。

試験の流れと”注意点”について

まず、申し込みは「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」のWebサイトより行うことができます。

申し込みの後にテキストが送られてきますので、まずは自宅学習を行い課題を提出します。

そうすることで、“実技講習”を受けることができるのです。

この実技講習の際には“筆記試験”もあり(筆記試験は実技講習の後に行われる)、この講習に1日参加+筆記試験に合格することによって、“申請・登録手続き”が行えるようになります。

そして申請・手続きが完了すれば、晴れて防災介助士に認定される……このような流れとなります。

ちなみに、この一連の流れの際に注意しておくべきことが2つあります。

一つは、「受講期限は、申し込みから12か月以内」ということです。

筆記試験に不合格となっても“再試験”を受けることができますが、それも含め“”12か月以内です。

期限を過ぎると講習や試験を受けることができなくなってしまいますので、ご注意ください。

そしてもう一つは、「実技講習を受ける前に、”普通救命講習”を受講しておかなければいけない」ということです。

「救命講習」というのは、全国各地の消防局、消防本部が指導する応急処置技能講習のことです。

◆地元消防署「普通救命講習 I または II」
◆日本赤十字社「救急法一般講習または基礎講習」

上記いずれかの講習を受けていないと実技講習に参加できませんので、この点にもご注意をいただければと思います。

学習内容について

まず自宅学習を行う際に学ぶべきことは、以下の通りとなります。

– テキスト内容 –
第1部:防災介助士の基本理念と社会的必要性
第2部:防災介助士に必要な防災の視点
第3部:災害事象の理解と対応
第4部:災害時に即応する防災技術
第5部:関連法規・制度

これは、実技講習後に受ける筆記試験の出題範囲にもなります。

また、提出課題が70点未満の場合は再提出となってしまいます。

そして実技講習についてですが、以下のようなことを学ぶことができます。

【座学】
◆防災意識のチェック
◆リーダーシップ(ICS)
◆防災への理解

【介助技術】
●椅子を使った搬送
●三角巾を使った足首の固定
●毛布を使った搬送

筆記試験の概要・合格率について

筆記試験の制限時間は60分であり、全50問の設問を回答していくこととなります。

上記でも記載した通り、出題範囲はテキストの全域です。

そして、この試験に合格するには“100点中70点以上”を獲得しなければいけません。

ただし、試験の合格率は“80%”と高くなっているため、「試験の難易度自体はそれほど高くない」ともいわれています。

とはいえ、なんの勉強もせずに合格できるほど生やさしいものでもありません。

合格率が80%ほど……ということは、残り20%の人は不合格となっているのです。

そのため、配布される防災介助士資格取得講座テキストでしっかり試験対策を行い、万全の状態で試験に臨むようにしてください。

資格の更新は必要なの?

結論、“資格の更新は必要”です。

更新期間は“3年ごと”となっており、更新日の1か月前に、更新に必要な書類が事務局から送付されることとなります。

また、更新の際には「更新料:3,300円(税込)」が必要となります。

更新をしなければ資格の効力が無効となってしまうため、事務局から書類が送られてきた際には、しっかりと更新手続きを行うようにしましょう。

まとめ


人々の“防災意識”が高まっている昨今では、この「防災介助士」の資格および資格所持者の需要も上昇しています。

記事の途中でもご紹介した通り、防災意識が高まっていても、いざ有事の際にはパニックになって冷静に行動できる人は多くはありません。

だからこそ、この資格を通してしっかりと学びを得ている人が、いざという時に活躍できるのです。

現時点では、この防災介助士は業務を行う際に必須となるものではありません。

しかし、今後はどうなるか分かりません。

もし、「資格取得が必須」となるようなことがあれば、いずれは資格の取得難度も上がってしまうかもしれません。

そうなる前に、今のうちから資格取得に向けて勉強をするのも一つの方法ではないかと思います。

関心がある方は、ぜひこの機会に知見を広げ、資格取得に向けての一歩を踏み出してみてください。

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