「セラピー」や「セラピスト」と聞くと、皆さんはどんなものをイメージされるでしょうか。
人によっては“癒し”であったり、“美容”であったりをイメージする人が多いかもしれません。
結論、さまざまな方法で人々を癒すことを「セラピー」といい、その仕事に準じている人を「セラピスト」と言います。
そして、この癒しの方法には複数の種類が存在するのです。
今回は、この「セラピー」や「セラピスト」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
そもそも「セラピー」とはどういう意味か?
まずは「セラピー」という言葉の意味から、詳しく解説していきたいと思います。
セラピーとは、日本語で「治療」や「療法」という意味があります。
しかし、薬や手術には頼りません。
これは、薬や手術などに頼らない”心理療法”や”物理療法”のことを指しているのです。
多くの人がもっともイメージしやすいものと言えば「アロマテラピー」が挙げられるのではないでしょうか。
アロマテラピーとは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法のことです。
「サロンに通ったことがない」という人でも、アロマショップに赴き好みのアロマを購入して、日々の癒しに役立てている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
◆心と身体の健康を保つこと
などが、アロマテラピーの目的となります。
ちなみに、「アロマテラピー」と「アロマセラピー」は、言葉こそ違えど同じ意味合いを持っています。
そして、実際に“サロンなどでお客様に対し癒しを提供する人=セラピーを行う人”のことを「セラピスト」と呼ぶのです。
この、「セラピー」そして「セラピスト」には、いくつかの種類が存在し種類ごとに主な目的が異なります。
次項で、その種類やそれぞれの目的について、ご紹介していきましょう。
セラピーの「種類」と「目的」について
セラピーの種類は、大きく以下の4つが挙げられます。
◆ボディ系セラピー
◆メンタル系セラピー
◆リラクゼーション系セラピー
上記でご紹介した通り、それぞれ治療・療法の仕方や目的が異なりますので、個別に解説していきたいと思います。
また、関連する仕事に従事しているセラピストの呼称もそれぞれで異なりますので、合わせてご紹介していきます。
「医療系セラピー」
この医療系セラピーに挙げられるのは、主に「マッサージ」や「鍼灸」※となります。
※鍼灸:「はり・きゅう」もしくは「しんきゅう」と呼ばれる※
目的は「医療行為」であり、治療および身体の不調の改善を目指すこととなります。
この仕事に従事している人は、以下が挙げられます。
◆はり師orきゅう師
◆理学療法士
◆作業療法士 など
勤務先はさまざまに存在しますが、例えば「病院」「介護施設」「整骨院」「児童福祉施設」などがあります。
「ボディ系セラピー」
ボディ系セラピーは“体を癒すこと”が主な目的となり、「リンパセラピー」や「アロマテラピー」、そして「エステ」などが該当します。
この仕事に従事している人は、以下が挙げられます。
◆リフレクソロジスト
◆エステティシャン など
こちらも勤務先は様々に存在しますが、例えば「整体院」「カイロプラクター院」「エステサロン」などが挙げられます。
また、リフレクソロジーは身体の調子を整えるために行うものなので、スポーツなどと組み合わせて行われることもあります。
つまり、「スポーツクラブ」などで働くリフレクソロジストもいるのです。
また、最近では医療や介護の現場においても、リフレクソロジストが働く機会は増えています。
この点については、改めて専用の記事を作成してご紹介したいと思います。
「メンタル系セラピー」
メンタル=精神系セラピーは、その名の通り“精神的負担の軽減”が目的となります。
以前にご紹介した「心理カウンセラー」がまさしくそれであり、“身体”ではなく“精神”にフォーカスしていることが特徴です。
その他にも、「スクールカウンセラー」や「産業カウンセラー」、「ヒプノセラピスト」など、呼び方はさまざまで、勤務先も「教育現場/職場・企業/福祉/医療/司法」など、様々な場面で活躍しています。
尚、注意点が一つあります。
メンタル系セラピーは、あくまで“精神的な負担軽減”を目的としており、“医療行為”を行うことはできません。
「リラクゼーション系セラピー」
「リラクゼーション=リラックス」であり、このセラピーの目的は“ストレスの緩和・軽減”となります。
「音楽療法/アロマテラピー/フラワーセラピー」などが該当し、お客様に癒し(心と身体のリラックスさせる効果)を提供しています。
この仕事に従事している人は、以下が挙げられます。
◆カラーセラピスト
◆ミュージックセラピスト など
これらも「病院/学校/介護施設」など、勤務先は多岐に渡ります。
その他
上記で紹介したセラピー(セラピスト)以外にも、例えば以下のような仕事もあります。
◆ハーブセラピスト:ハーブの効能で癒し効果をもたらす
尚、“癒し”という手段は他にもさまざまな方法が存在し、セラピストもここで挙げた以外にもまだまだ数多くの種類が存在します。
全てを紹介しきることは難しいので、気になる方はぜひご自身で色々と調べてみてください。
「セラピー」と「カウンセリング」は何が違うのか?
「セラピー(セラピスト)」と「カウンセリング(カウンセラー)」は、どちらも“日々の悩みや困りごとを解決する”という共通の目的があります。
しかし、名称が異なる通り、その役割には違いがあります。
その最大の違いは、“聞くことに徹する”か“具体的な解決策を提示する”かにあると言えます。
上記の場合、前者が「カウンセリング」で、後者が「セラピー」となります。
セラピーの場合は、前項でご紹介した通り、悩みや困りごとに対して具体的な施策を講じることがほとんどです。
対してカウンセリングの場合は、具体的な施策を講じるというよりも、「クライエント(相談者)の悩みを聞き、コミュニケーションを通じて、相談者自身で頭や心の中の整理をしたり・気付きを得たりする」ことが役割となります。
もしくは、まず「カウンセリング」(傾聴する)を行い相手の悩みや困りごとを伺ったうえで、その後に「セラピー」として具体的な解決策に乗り出すこともあります。
(基本的には、まず相談者の悩みや困りごとを”聞く”ことからスタートする)
なんにせよ、共通の目的こそあれど、この2つは似て非なるものなのです。
セラピストになるにはどうすればいいの?
ここまでにご紹介した通り、「セラピスト」と一言で表現しても、その業務内容は多岐に渡ることとなります。
また、仕事によって“美容・医療・介護・福祉”など業界そのものがガラッと変わってしまうこともあるため、「共通して取得しておくべき資格」というものも存在しません。
加えて、“技術職”であるため、資格の取得が絶対に必要なわけでもないのです。
ただし、資格を所持=就職や転職に有利となることは間違いありません。
そのため、もし「セラピストになりたい!」と考える人は、具体的に「どんなセラピストになりたいのか?」として、業種の選定から行うべきかと思います。
そうすると、その業種において必要となるor役立てることができる資格が見えてくるはずです。
また、セラピストとして活躍する際に必要となる資格は、「国家資格」や「民間資格」などさまざまに存在します。
例に挙げると、以下のようなものがあります。
●公認心理師
●作業療法士(OT)
●理学療法士(PT)
●言語聴覚士(ST)
●視能訓練士(ORT)
●あん摩マッサージ指圧師
●はり師、きゅう師
●柔道整復師
【民間資格】
●臨床心理士
●アロマセラピスト
●レギュラーライセンス
もちろん、それぞれで必要となる“受験資格”や“合格難度”も異なります。
セラピストになる方法・必要な資格は千差万別なので、ぜひ情報収集をした上で自分に合った資格を取得し、セラピストとしての一歩を踏み出してみてください。
まとめ
セラピストには実に数多くの種類が存在し、業務内容はもちろん、働く場所・働き方・必要な資格もさまざまとなります。
ただ、どれに対しても共通して言えるのは、「専門的な知識に基づき、身体的・精神的な症状を癒す仕事である」という点です。
現代社会は、身体・精神ともにさまざまな問題に直面している時代であり、セラピストの必要性も年々増加しています。
美容セラピーに関することは長い間人気があり、医療セラピーは身体的な問題解決として以前より需要があり、近年は超高齢化社会に突入していることから介護業界でもセラピストの需要が増加しています。
今後も長く必要とされる仕事であることは間違いないので、“将来性”という意味も込めて、セラピストを目指すのも良いのではないかと思われます。
ただし、上記でもお伝えした通り、セラピストはさまざまな種類があります。
まずは、「自分が目指したいセラピストとは何か?」を明確にすることからはじめてみてください。
その後、目指したいセラピストに関する情報を収集し、“なり方”や“必要or役立つ資格”を詳しく調べてみてください。
そうすることで、適切な方法で専門知識を身に着けることが可能となります。
手段は一つではないので、ぜひ自分に合ったやり方でセラピストを目指してみてください。