人が生きていく上で必要不可欠な要素である「食事」。
また、健康的で痩せやすいカラダを作るためには、食事から十分な栄養素を摂取することが大切です。
では、具体的に「どんな栄養を摂取すればいいのか?」
今回は、この“栄養素の基礎知識”について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
そもそも「栄養素」とはなにか?
「栄養素」とは、主に以下の2つに該当するもののことを指しています。
②:それらの物質の代謝および合成反応を進めるために必要であるが、生体内ではつくれないもの
具体的には、①は「タンパク質・脂質・糖質」が挙げられ、この3つのことを「三大栄養素」と言います。
そして②は、ビタミンやミネラルなどの「微量栄養素」のことを言います。
栄養が不足すると、人はどうなるのか?
これは簡単です。
栄養が不足すると、「生命活動を維持できなくなる」です。
分かりやすい例を挙げると、人の体内は「水」が過半数を占めています。
水を摂取することで、血の巡りを良くし、健康的なカラダ・太りにくいカラダへとなるのです。
※以下記事も参照ください※
では、この「水」を、飲料や食事から一切摂らなくなった(摂れなくなった)としたら、どうなるでしょうか?
簡単な話、“水分不足”によって生命活動を維持することが困難となってしまいます。
栄養であっても同じことが言えます。
「タンパク質を一切摂取しなかったら?」
「糖質を一切摂取しなかったら?」
「脂質を一切摂取しなかったら?」
体に必要な栄養素が欠けてしまうことになるため、カラダの調子が悪くなってしまう原因となるのです。
栄養が不足しがちな人の典型例について
これは、2つのパターンが考えられます。
1つは、「偏食気味の人」です。
◆野菜を食べない人。
◆食べる時間が不規則であったり、1日3食食べない人(食事の感覚が開いてしまう人)。
こういう人は、栄養が偏ってしまい、不健康なカラダになってしまいます。
そしてもう一つは、「無理な食事制限でダイエットをする人」です。
◆食事を抜く人(1日1食などにしてしまう人)
「ダイエット中だから……」「太るから……」という理由で、偏食気味になってしまう人がいるのです。
この場合も、栄養が偏ってしまうため、ダイエットをしているつもりが返って太りやすいカラダ・不健康なカラダへと歩を進めてしまっています。
なにごとも、“バランスが大事”ということですね。
「三大栄養素」とは?
次に、人間のカラダにとって特に必要不可欠な栄養素である「三大栄養素」について、お話していきたいと思います。
上記でもご紹介した通り、三大栄養素には以下の3つが含まれます。
◆脂質
◆糖質(炭水化物)
これらは“カラダの土台”となるもので、人が毎日を健康的に過ごすために欠かせない重要なエネルギーです。
それぞれ、順に補足していきましょう。
「タンパク質」
タンパク質は、筋肉や皮膚、内臓、髪の毛、血液、爪などカラダのあらゆる部分を作る成分です。
タンパク質含有量が多い食品は、以下が挙げられます。
◆魚介類
◆卵類
◆大豆製品
◆乳製品
このタンパク質の種類自体は“約10万種類以上”と言われていますが、実は“20種類のアミノ酸”からできているのです。
尚、このアミノ酸にも「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」というものが存在します。
その違いは、以下の通りです。
◆「非必須アミノ酸」:アミノ酸・脂肪・糖などを使って体内で合成できる→11種類存在する
どちらもカラダにとって必要な成分ですが、特に体内で合成できない「必須アミノ酸」は、食事やサプリメントからしか摂取することができません。
タンパク質は、人のカラダの構成で“約20%”を占める重要な成分です。
特にダイエット中の方は「肉を食べないようにしよう」と言ってタンパク質を抜きがちですが、タンパク質そのものは健康的なカラダを作る上で必須級の成分です。
そのため、肉を摂らないにしても、別の食材できちんとタンパク質を摂取するように意識してみてください。
「脂質」
「脂質=脂」のことで、タンパク質や糖質の中でもカロリーが高めとなります。
これもダイエット中の人は「脂の摂取は控えよう……」と考えがちです。
しかし、脂質も三大栄養素と言われている以上、生きていく上で重要な成分となります。
どんな働きをするかと言えば、カラダを動かしたりする際のエネルギー源になるのです。
もちろん他の栄養素にもエネルギー源となることに違いはありませんが、三大栄養素の中でも特に最も大きなエネルギー源となるのが「脂質」なのです。
また、カラダの機能を整えるホルモンの材料になったり、ビタミンの吸収サポート、細胞を包む膜をつくるのにも重要な役割を果たしてくれます。
「糖質(炭水化物)」
「糖質=糖」のことであり、炭水化物もこれに該当します。
これは、炭素・酵素・水素が結合した化合物で、体内で二酸化炭素と水に分解され、エネルギーを発生してくれる働きがあります。
加えて、糖質は構造によって「単糖類」「少糖類」「多糖類」の3つに分けることできます。
それぞれの代表的な成分は以下となります。
◆少糖類:オリゴ糖
◆多糖類:デンプン
特に、食事摂取される糖質の代表的なものは「デンプン」です。
これは、穀類やイモ類などの植物性食品に多く含まれています。
「五大栄養素」とは?
上項で挙げた「三大栄養素」に加え、「ビタミン」「ミネラル」を含む栄養素を含めたものを「五大栄養素」と言います。
また、五大栄養素に「食物繊維」を加えると「六大栄養素」と呼ばれることとなります。
五大栄養素が体に与える影響は、以下の通りです。
◆”エネルギーのもととなる”+”カラダをつくる”:「脂質」「タンパク質」
◆”カラダの調子を整える” :「ビタミン」
◆”カラダをつくる”+”カラダの調子を整える” :「ビタミン」「ミネラル」
「ビタミン」「ミネラル」は人の体内で合成することができない成分であり、これも食物から摂取する必要があります。
≪多く含まれる食材について≫
「ミネラル」:野菜・海藻など
基本的に規則正しい食生活(バランスの取れた食事)を摂取していれば欠乏症となることはほとんどありませんが、“偏食・無理なダイエット・加齢に伴う食生活の変化”などで不足しがちな栄養素ではあります。
ビタミンやミネラルがある程度腹側しても大きな病気にかかることは早々ありませんが、「体調がすぐれないな……」などの、「潜在性欠乏症」となる可能性は十分にあります。
そのため「健康的なカラダを手に入れたい!」という人は、五大(六大)栄養素をしっかりとバランスよく摂取することをオススメします。
大切なのは「バランスよく摂取する」こと
ここまでにご紹介した栄養素は、どれも健康的なカラダを作るために欠かせない成分たちです。
ただし要注意点は、栄養素を「バランスよく摂取する」ことと、「過度な摂取を控えること」です。
例えば、タンパク質は肉からも補給することができます。
だからと言って「タンパク質を摂取するために、肉をたくさん食べよう!」となると、肉の過剰摂取で返って脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。
また、「炭水化物=お米は糖質が高いから食べないようにしよう」というのもNGです。
要は「食べ過ぎなければ良い」のです。
偏食してしまうから栄養がアンバランスに摂取され、不健康なカラダになってしまうのです。
お米だって・肉だって・その他も食材ももちろん、さまざまな栄養素が含まれている大切な成分(食材)です。
バランスの取れた食事を適度に摂取し、健康的なカラダを維持できるように工夫してみてください。
また、栄養素を摂取できる食材は一つではありません。
◆「お米ではなく玄米を食べよう」
◆「野菜を多めに摂取しよう」
など、工夫一つで必ずしも特定の食材を摂取しなければいけないという訳ではありません。
難しそうに聞こえますが、農林水産省による「食事バランスガイド」などを参考にすると、普段の食事に少しの工夫を加えるだけでバランスがぐんと良くなることがわかるかと思います。
以下にそのリンクを貼っておきますので、よろしければ参考にしてみてください。
まとめ
人が生きる上で、「食事」は絶対に欠かせない要素の一つです。
しかし「ただ、なんでもいいから口にすれば良い」という訳でもありません。
「何を」、「どれだけ」食べたらよいか?
それをしっかりと考え、望ましい食事の組み合わせを模索してみるのが良いかと思います。
ただ……。
とはいっても、毎食すべての栄養素を網羅するのはとても難しいことです。
それに、仕事・家庭・育児などで忙しい日々を送っている人にとって食事は癒し(ストレス解消)の手段となっている人も多く、「1日3食バランスの取れた食事を考え・摂り続けるなんて無理!」という人もいるかもしれません。
そういう人は、できる範囲で構いませんので、必要な栄養素を摂取できるように取り組んでみてください。
現代は、食事だけでなく、さまざまな栄養補助食品やサプリメントも販売されています。
「〇〇の栄養素が不足しているな……」と感じたら、それが多く含まれている栄養補助食品やサプリメントを摂取するのも一つの手段かと思います。
日によって栄養摂取にばらつきがあるのは自然なことですし、仕方のないことです。
そして、“食事を楽しむ”ことも大切なことです。
毎日の食事を楽しみながら、気楽に取り組んでいきましょう。
その上で、必要な栄養素を摂取し、健康的なカラダに近づけるように工夫してみてください。