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「塩分」の摂り過ぎはなぜ良くないの?摂り過ぎによる問題と減塩のためにできること!

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「塩分の摂り過ぎは体に良くない」ということは、多くの人がご存じかと思います。

しかし、「なぜ塩分を摂り過ぎると体に悪いのか?」を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

今回は、この“塩分の摂り過ぎにより発生する問題”と、“減塩のためにできること”について、詳しくご紹介していきたいと思います。

日本人は、日常的に多くの塩分を摂取している……!?

概要


まず、1日の食塩摂取の目標量からご紹介をしていきましょう。

これは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」というものに詳細が記載されています。

2020年版だと、以下の通りです。

【1日の食塩摂取の目標量】

◆18歳以上の女性:6.5g未満
◆18歳以上の男性:7.5g未満

これ以上摂取すると、“塩分過多”となります。

次に、実施に日本人が摂取している塩分量をご紹介しましょう。

これも、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」で、平均食塩摂取量を確認することができます。

これによると、日本人の平均食塩摂取量は以下のようになっています。

【日本人の平均食塩摂取量】

●女性:9.1g
●男性:10.8g

上記でご紹介しているのは、すべて“1日の摂取量”です。

このことから、目標よりもはるかに食塩摂取量が多いことが分かるかと思います。

なぜ、日本人の食塩摂取量は多いのか?

理由は簡単。

単純に「塩分量の多い食材を好んで食べるから」です。

特に、外食やコンビニのご飯を良く食べる人は、必然的に塩分量の濃い食事を多く摂りがちとなります。

なぜなら、上記でご紹介した料理たちは「味を濃くするために、塩分を多用している」からです。

食品に含まれている塩分は、目には見えません。

そのため、知らず知らずのうちに多く摂り過ぎてしまう傾向にあるのです。

まとめると、以下のような人が、特に塩分を摂り過ぎる人に該当するでしょうか。

◆外食やコンビニのご飯を良く食べる人
◆味の濃い食事が好きな人
◆お酒のおつまみを食べるひと
◆冷凍食品やカップ麺などが好きな人

また、後述の通り「和食」も、実は危険な食事と言えるかもしれません。

「和食」は危険!?塩分の摂り過ぎにご注意を!

「和食=健康に良いもの」と思っている人はいませんか?

確かに、和食=旬の野菜や魚を使用した料理が多いため、一見すると健康的に見えるかと思います。

実際、和食は2012年に「ユネスコ無形文化遺産」に登録されているほど、世界的に見ても健康志向の強い食文化であると言われています。

しかしそれと同時に、日本人の平均塩分摂取量は“世界でもトップクラス”という事実もあるのです。

その理由は、日本の伝統料理は“うまみ”を引き出すために、多くの塩を使うからと言われています。

漬物・お浸し・煮物・焼き魚などなど……。

これらは、調理の段階から(調味料などで)多くの塩分を使用します。

もちろん、健康に良さそうな味噌汁も、実は多くの塩分を含んでいます。

また、和食=米を主食としますが、ご飯に合うおかずとして「たらこ」や「梅干し」なども食すと思いますが、これらも味が濃いものとなります。

そして極めつけは「醤油」の存在です。

調理にも、食事をする際にも多用される醤油には、多量の塩分が含まれています。

これらのことが合わさって、“和食=塩分が多い”ということになり、塩味に慣れている日本人は結果として日常的に多くの塩分を摂取していることになるのです。

過剰な塩分がもたらす害とは……?

まず、塩分の過剰摂取によって一番早く現れる症状は、「むくみ」です。

実は、塩分を過剰に摂取すると、体内の塩分を薄めようとして、水分の排出が抑制されるのです。

そして、溜め込まれた水分が細胞からあふれ出る際に、「むくみ」として見た目に大きな変化をもたらします。

加えて、塩分の摂り過ぎは「高血圧症」に陥りやすくなります。

そして、血圧が高くなると動脈硬化が進み、「脳卒中」「心臓病」などを引き起こすリスクが高まってしまいます。
(脳の血管の痛みは、「認知症」にもつながってしまう)

加えて、塩分は水分をひきつけて体の水分量を増やすため、「腎臓」に負担をかけることとなります。

糖尿病の人は「塩分の摂り過ぎには注意しなければいけない」ときつく言われることと思いますが、その理由は糖尿
病の三大合併症の一つに「腎不全」があるからです。

そのため、“腎臓を守るために”糖尿病の人は減塩に注意しなければいけないのです。

最後に。

塩分のとりすぎは「胃がん」「骨粗しょう症」(※)にもなりやすくなることが判明しています。
(※)「骨粗鬆症」=骨の強度が下がり、骨折しやすくなる状態のこと

なんにせよ、塩分はほどほどであれば美味しい調味料ではあるのですが、摂り過ぎは体に悪い影響を及ぼしてしまう原因となってしまいます。

健康体の人であっても、常に塩分摂取量には注意をするようにしてください。

塩分摂取量って、どうすれば調べられるの?

まず、塩を調味料や料理の薬味として使用する場合は、単純に使用量を減らす努力をすれば良いかと思います。

そして、例えばスーパーやコンビニなどで食品(加工済みのもの)を購入する場合は、裏面の成分表に記載の「塩分量」をチェックすれば良いかと……。

また、外食の場合は、極力塩分の濃いものを食べない(減らす)ようにすれば良いかと思われます。

後は、高血圧や糖尿病などで通院をしている人の場合、「尿」を調べてもらえば、塩分摂取量を知ることが可能です。

食べた塩分のほとんどは尿から排泄されるので、尿中のナトリウム量を調べれば、塩分摂取量を知ることができるのです。

一番確実な方法は病院で検査を受ける(塩分摂取量を調べてもらう)ことですが、普段からでも摂取量を減らす工夫を行うことは可能です。

多少あいまいな数値にはなってしまうかもしれませんが、それでも何も(確認も)しないよりはずっとマシです。

ぜひ、常日ごろから、塩分の摂取量には気を配るようにしてください。

減塩するためのコツとは?


塩分を過剰に摂取した場合の危険性は上述でご紹介した通りであり、普段から摂取量には極力気を配っておいた方が良いかと思われます。

ただ、「どう気を配ればいいかが分からない」という人も(上記でご紹介した内容だけでは)いらっしゃるかもしれません。

この項目にて、普段から摂取量を控える方法を5つご紹介したいと思います。

結果だけ先にお伝えすると、以下の通りです。

1.「汁系」は残すようにする
2.「カリウム」の多い食品を、食事に積極的に取り入れる
3.「調味料」ではなく「香辛料」や「香味食材」を多く使った料理を作る
4.一品だけ”味の濃い料理”を取り入れる
5.「だし」を多く取る

順に補足を加えていきましょう。

「汁系」は残すようにする

ラーメン・うどん・そばなどの汁物は、多くの塩分を含んでいます。

特にカップ麺の汁は塩分が多量に含まれているため、要注意です。

また、お酒を飲んだ後は“締めのラーメン”などを好んで食す人もいるかと思いますが、汁はすべて飲み干すのは極力控えた方がいいかと思います。

美味しいのでついつい飲み干してしまう気持ちは分かるのですが、体のためにも汁は残すよう注意してください。

「カリウム」の多い食品を、食事に積極的に取り入れる

「カリウム」は、体内の塩分を排出し・血圧を下げる効果があります。

積極的にカリウムが含まれた食材を取り入れると、塩分の摂り過ぎ問題に一役買ってくれることでしょう。

尚、カリウムが多く含まれている食材は、以下のようなものが挙げられます。

◆切り干し大根
◆ドライトマト
◆アボカド
◆ほうれん草
◆枝豆(塩のかけ過ぎには注意!)
◆人参
◆モロヘイヤ
◆小松菜
◆ブロッコリー
◆西洋カボチャ

特に「切り干し大根」や「ドライトマト」は、水分が抜けている分、カリウムの含有量が非常に多くなっています。

こういった食材を普段の食事から積極的に摂取していくといいでしょう。

「調味料」ではなく「香辛料」や「香味食材」を多く使った料理を作る

上述でもご紹介した通り、日本人が好む味は塩分を多く取り勝ちとなります。

和食はもちろん、近年はファーストフードやコンビニ食もかなりの数があり、お酒のおつまみに塩分が多く含まれたものを取り入れる人も多いかと思います。

できるだけ、食事を取る際には、塩分量を控えたものを食すよう注意してみてください。

その際に注意するのは「調味料」の存在です。

調味料を多く使用した食事ではなく、生姜・ワサビ・ペッパーなどの香辛料を多用してみることをオススメします。

また、「しそ」や「みょうが」などを取りれれば、薄い味(薄味の料理)であっても美味しくいただくことができるでしょう。

一品だけ”味の濃い料理”を取り入れる

少し矛盾した内容に感じるかもしれませんが、要するに「総合的な塩分の消費量を抑えるために、あえて一品だけ味の濃い料理を取り入れる」ということです。

人によっては、舌が濃い味に慣れ過ぎてしまい「薄味では満足できない!」という人もいます。

そういう人は、食事のときに1品だけ味の濃いものを取り入れて、他の料理は薄味のものをつくるようにしてみてください。

そうすれば、総合的な塩分の摂取量は普段よりは少なくなるかと思います。

ちなみに、あくまで“1品だけ”ですよ。

「だし」を多く取る

「和食」の項目でも少しご紹介しましたが、「味噌汁」は塩分が多量に含まれています。

そのため、鰹節や昆布から取れる「だし」を使用した味噌汁を作ってみることをオススメします。

味噌の量を減らすと、どうしても「味気ない……」と感じることがあると思います。

しかし、鰹節や昆布を使用するとその旨味が強く出て、少量の味噌でも美味しい味噌汁が作れるようになります。

特に塩分過多が気になる人にオススメの調理法です。

ぜひ、料理の際に取り入れてみてください。

まとめ

以上が、「塩分の摂り過ぎによる問題」「減塩のためにできること」のご紹介となります。

確かに、塩分はほどほどであれば非常に美味しく・優れた調味料ではあるのですが、現代人は塩分摂取量が非常に多く……塩分過多になってしまうと体に次々と悪い影響を及ぼしてしまう可能性があります。

そのため、できるだけ日々の塩分摂取量に気を配り、健康を気遣う努力をしてみてください。

上記でご紹介した改善法だけでも、毎日少しずつ意識をするだけで、塩分の摂取量は大きく変わってくることと思います。

また、他にも減塩できるコツは多くありますので、気になる方はいろいろと楽しみながら調べて(探して)みるようにしてください。

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