超高齢化社会に突入している日本では、今後高齢者の数がさらに増加していくことが確定しています。
そして、高齢者の人数が増えれば、同時に「認知症」の方も増えていく可能性が高くなります。
そのため、今後は仕事や生活の中で、高齢者や認知症の方と接する機会も増えていくことでしょう。
そんな時に役立つ資格として、「認知症介助士」というものがあります。
前回の記事にて、この資格の役割や活躍の場について、詳しくご紹介をさせていただきました。
今回は、この「認知症介助士」の資格に焦点を当てて、ご紹介をしていきたいと思います。
◆どうやったら受験資格を得ることができるのか?
◆試験はどのように行われるのか?
◆試験の難易度(合格率)はどのくらいなのか?
こういった点を、お話していきます。
「認知症介助士」とは?資格を通して何が学べるの?
これは「認知症」に関する正しい知識・適切なサポート方法を学ぶための資格である
まずは、「資格を通して学べること」についてご紹介をしていきたいと思います。
そもそもこの資格は、「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」が取り組んでいる民間資格であり、2014年に誕生(創設)しました。
その目的は、「認知症という病気を理解し安心したサポートを行うこと」です。
冒頭でもお伝えした通り、現在の日本は超高齢化社会に突入しており、今後も高齢者の数は増加していくことが確定しています。
そして「認知症」というのは“認知障害”の一種であり、老いにともなう病気の一つです。
つまり、“高齢者が増える=認知症の方も増える”ということが懸念されています。
(認知症高齢者の数は、2025年には“700万人”を突破し、5人に1人が認知症になると推計されている)
しかし、「認知症」という言葉は世間一般に広く浸透してはいるものの、「認知症に関する正しい知識や適切なサポート対応の方法は詳しく知らない」という人の方が多いのが現状です。
だからこそ、この資格を通して、認知症についての正しい知識を学ぶのです。
特に介護の現場では、急増する高齢者に対して“認知症の理解を深める”ために、資格を取得し仕事に活かそうと考える人も多くいらっしゃいます。
とはいえ、認知症対応に関する専門の資格は、まだまだ数が少ないのが現状です。
そんな現状を変えるために誕生したのが、「認知症介助士」という資格なのです。
活躍の場は、多岐に渡る
認知症高齢者の数が増えていけば、当然さまざまな場面でこういった方々と接する機会が増えていきます。
認知症の方との関わりが深い介護職や医療職はもちろんのこと、サービス業(接客業)を行っている企業や店舗も、今後は関わる機会が増えていくはずです。
また、家族や身近な人でも認知症高齢者の方と接する機会もあるでしょう。
このことから、職場・家庭・地域など、さまざまな場面で認知症高齢者と関わる機会があり、そういった時に役立てることができる資格となるのです。
もちろん、資格を通して「認知症に関するさまざまな知識を学べる」ということから、“将来の自分自身への認知症の予防”に対しても活かすことができます。
現在・近い未来・将来など、多くの場面でこの資格が活きてくることから、「認知症介助士」に関心を持つ人が植えており、受験者も年々増加傾向にあるとのことです。
資格の特長について
次に、この資格の特長について、ご紹介をしていきたいと思います。
結論から言うと、この資格の特長は以下の2点が挙げられます。
◆介護職未経験・無資格の人でも取得できる
それぞれ、もう少し掘り下げていきましょう。
特徴その1.手軽に取得できる
後述で詳しくご紹介しますが、実はこの資格は「通信講座」でも学習でき、自宅で試験を受けることが可能なのです。
学習期間は“標準3か月”と言われており、試験の合格難度も(現在は)低いです。
このことから、自宅かつ自分のペースで学習することができ、比較的誰にでも合格できる可能性があるのです。
特徴その2.介護職未経験・無資格の人でも取得できる
「認知症介助士」と聞くと、「介護資格など、特別な受験資格が必要となるのではないか?」と考える人もいます。
しかし、この資格に受験資格はありません。
年齢・性別・経験・資格に関係なく、誰でも受験することができるのです。
◆在宅介護に活かしたい人
◆認知症についての基本を身に着けたいという人
どんな人にも受験資格があるため、応募しやすいという特徴があるのです。
資格の”取得方法”について
次に、「資格の取得方法」についてのご紹介です。
結論としては、「検定試験に合格し、認定されることで取得できる」です。
そして、取得方法は以下の2種類の方法が存在します。
②通信講座やセミナーで学習してから検定試験を受ける方法
ちなみに、もし「短期間で確実に資格を取得したい!」という人は、②の方法……つまり講座やセミナーを利用するのがベストです。
受験方法も色々ありますので、自分のライフスタイルに合わせた受験方法を選択してみてください。
「日本ケアフィット共育機構」で受験する場合
「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」のWebサイトから申し込みを行うことで、勉強および試験に臨むことができます。
その際は、以下の2つの方法で「どう試験に臨むか?」を選択することが可能です。
②独学で勉強後、各受験会場で”試験のみ”を受ける
尚、こちらの方法を選択した場合の受験概要は以下の通りとなります。
≪セミナーを受ける場合≫
(試験会場)各セミナー会場
19,440円(税込み・テキスト込)
16,200円(税込み・テキストなし)
≪セミナーを受けない場合≫
(試験会場)各地のCBTセンター
3,240円(税込み)
(試験会場)日本ケアフィット共育機構の事務局(東京・大阪)
3,240円(税込み)
【試験問題・試験時間】
試験問題:30問
試験時間:45分
【合格基準】
1問1点の30点満点で「21点以上」で合格
「ユーキャン」で受験する場合
もう一つの方法は、通信講座の「ユーキャン」を利用する方法です。
「認知症介助士講座」という、3ヶ月で資格取得が目指せる講座があります。
その講座では、
◆適切な介助方法や対応方法
◆予防方法
などの知識を身につけることができます。
尚、講座でもらえる教材はテキスト2冊と副教材4冊で、資格取得に必要な知識だけでなく予防に役立つレシピ集なども付属しています。
こちらは、通信講座終了後に試験を行うこととなりますが、試験会場に赴くことなく“自宅で受験することが可能”です。
発生する費用は、通信講座と検定試験代が込みで「29,000円(税込み)」となっています。
また、試験の問題数は「30問」で、合格基準は1問1点の30点満点で「24点以上」で合格となります。
ただし、こちらの場合は一つだけ注意しておかなくてはいけない点があります。
それは、「受講期間は最長で6か月」ということです。
試験はこの期間中に1回しか受けることができません。
添削・質問サービス・オンラインでのWebテストなど、サポート内容は充実しているので独学でも勉強はしやすくはありますが、念のためご注意ください。
こちらの詳細については、「ユーキャンの公式サイト」をご確認いただければと思います。
合格率について
試験の合格率ですが、これは「9割以上」とされており、非常に高い合格率を誇っています。
とはいえ、残り1割は不合格となっていることからも分かる通り、何の試験対策もなしに受験に臨むのは無謀というものです。
しっかりと勉強・試験対策を行い、万全の状態で試験に臨むようにしてください。
試験対策に、テキストや過去問は必要なのか?
結論から言うと、検定試験は基本的に「日本ケアフィット共育機構から出版されている”認知症介助士公認テキスト”から出題される傾向が高め」です。
そのため、特にセミナーを受けずに自宅で学習する人の場合は、試験対策として公認テキストを購入して試験対策に役立てるのがいいかと思います。
また、公式より検定試験と同じ形式で解ける問題集として「認知症介助士 検定試験対策問題集」というものも購入できるため、試験の傾向を踏まえて勉強したいという方は、合わせて購入を検討するのもいいかもしれません。
ただし、日本ケアフィット共育機構では「公認問題集の購入は必須ではない」としていることから、よほど試験対策に不安がある人以外では、公認テキストのみの購入・勉強でも問題はないかと思います。
合格率は9割以上なので、公認テキストのみの勉強でも合格は目指せるはずです。
まとめ
以上が、「認知症介護士」の資格に関するご紹介となります。
ここまでにご紹介した通り、
◆比較的低予算で勉強および検定試験を受けることができる
◆試験の合格率も高い
ということから、現段階では非常に取得しやすい資格の一つとなっています。
しかし、これはあくまで“現段階”での話です。
高齢者および認知症高齢者の数はこれからも増加していくため、特に介護の仕事に携わる人の場合、今後は必須資格の一つに数えられる可能性もあるかもしれません。
“受験者が増えてくる=資格の重要性が高まる”ということになれば、今後は試験の難易度や条件も厳しくなる可能性も否定はできません。
そのため、取得難度が低く・勉強しやすい今のうちに、資格取得に臨むのも良いのではないかと思います。
もちろん今のうちに資格を取得しておけば、仕事で役立てられることに加え、“頼りになる存在”として、キャリアアップにも役立てられるかとも思います。
関心がある方は、ぜひ知見を広げて、資格取得に向けてその一歩を踏み出してみてください。
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