前回の記事にて、「保育園を選ぶ際に気を付けるべきこと」をご紹介させていただきました。
保育園にはさまざまな種類が存在し、特に「認可外保育園」であれば、保育料も保育方針も園によって千差万別に異なります。
「子どもを保育園に入園させたい!」と思っても、数多くある施設の中から納得のいく園を見つけるのも難しいですし、そもそも待機児童数の関係もあっても希望する園に入れない可能性もあるかもしれません。
保育園選びは、いつ頃から始めるのがいいのでしょうか?
また「保活」を行う際は、どんな点に注意しておくといいでしょうか?
今回は、こういった点について、詳しくご紹介していきたいと思います。
保育園選びはいつからスタートするのが良い?
「保活」について
「保活」という言葉をご存じでしょうか。
これは、「子どもを保育園に入れるため保護者が行う活動」のことを指しています。
特に都市部など“待機児童が多い自治体”では、希望する保育園に子どもを入れられるように、事前に入念な情報収集や準備を行うことが必須となっています。
では、「保活」はいつごろからスタートすればいいのでしょうか?
入園させるタイミング(お子さんの年齢)はさまざまであるため、ここでは「0歳+新年度(4月)」に入園させる場合の具体的なスケジュールをご紹介したいと思います。
大切なことは「早め早めに動く」こと
例えば、「0歳+新年度(4月)」から入園させたいと考えている場合、ご家族が保育園のリサーチを進めるのは“前年の4月から”がオススメとなります。
「1年も前から保育園探しを始めるの?」と感じる方もいるかもしれませんが、決して“早すぎる”ということはありません。
理由は2つあります。
◆「施設の見学などを行い、保育園のことを知る必要がある」ため
特に「保育園見学」は、絶対に行っておいた方が良いです。
見学せずに子どもを入園させて、後で「転園したい」と考える人も少なくありません。
転園は、保護者にも子どもにも負担が大きいため、ミスマッチを防ぐためにも、必ず見学には行った方が良いかと思います。
では次に、具体的なスケジュールをご紹介していきましょう。
「妊娠中~出産」にかけて
まずはじめてに“大前提”をお話しておきます。
それは、「妊婦さんはご自身のお身体を優先し、無理のない見学やリサーチを行うこと」です。
妊婦さんの身体やお子さんの体調が最優先となりますので、決して無理はしないでください。
その上でまず行うべきことは、「お住いの自治体の入園申し込み時期や、保育園情報を確認すること」です。
これは、ホームページに情報が出ているケースが多いため、出産前にある程度の情報をリサーチしておくといいでしょう。
まずは、自治体のホームページで保育所一覧を探し、ピックアップしていきます。
ちなみに「入園申し込み書類」には、職場に記載してもらうものもありますので、早めの確認をしておくことをオススメいたします。
「出産後~9月ごろまで」
お母さんやお子さんの体調を優先させつつ、上記でピックアップした保育園に、実際に見学を申し込んでみましょう。
大切なことなのでもう一度言いますが、「見学は絶対に行っておいた方が良い」です。
「認可」であろうと「認可外」であろうと、(特に認可外は)施設によって保育方針に大なり小なりの違いがあります。
また、“職員の質”や“保護者・お子さんと職員との相性”も存在します。
入ってみないと分からないこともたくさんありますが、入園前(見学時)に確認できることもたくさんあります。
後になって「転園したい(させたい)……」ということを極力減らすために、事前にしっかりと保育園見学を行っておくことをオススメいたします。
「10月~12月」
認可保育園の場合、お住まいの自治体(役場)に申し込みを行うこととなります。
翌年4月の入園においては、基本的に「毎年10月~11月に保育園児募集」を開始することが多いのです。
この時期には、「子どもをどの保育園に入園させたいのか?」という希望園を決定しておきましょう。
後は、必ずしも希望通りの施設に入園できるとも限らないため、“いくつか候補を決めておく+希望の順位も決めておく”ことをオススメします。
(認可・認可外のどちらからも候補を決めておくのがベストです)
多くの自治体では、第一希望からいくつか記入できるようになっているかと思います。
後は、申請時に「就労証明書」や「保育園利用の必要性を審査する書類」なども必要となってくるため、申請に間に合うように職場に問い合わせをし、入手しておきましょう。
「入園する年の2月~」
これも認可保育園でのお話となりますが、多くの自治体では“2月中までに”保育園に入園できるかどうかの通知が届くこととなります。
“入園可”であれば、入園に向けてさまざまな準備を行っていきましょう。
ただし、もし“入園不可=審査が通らなかった”場合、別の認可外保育園などを探さなくてはいけません。
もし入園先が見つからないと“待機児童”ということになってしまいます。
お子さんの預け先を確保するためにも、必ず候補をいくつかピックアップしておくことをオススメいたします。
お子さんの「月齢」が小さい場合、どうしたらいい?
上項でご紹介したスケジュールは一例であり、「4月~6月生まれ」のお子さんの場合を想定してご紹介させていただきました。
もし「月齢が小さい場合=お誕生日が7月以降の場合」はどうなるでしょうか?
この場合、1年間のゆとりがなくなってしまうため、少し早めに準備を進めていく必要があるかと思います。
ちなみに、自治体によっては「出産後でないと、保育園への申し込みができない」というところもあります。
この点も含め、事前にしっかりと確認・準備を行っていくようにしましょう。
重要point!:「認可保育園」と「認可外保育園」は並行して探すこと
「保活」を行ううえでもっとも大切なことは、「認可保育園と認可外保育園を並行して探すこと」です。
ここまでにご紹介した通り、もし「認可保育園」にしか申請を行わなかった場合、審査に通らなかったらお子さんの預け先を確保することができなくなってしまいます。
「認可外保育施設」の場合は、「役所の審査なく入園ができる(※後述で捕捉)」ので、認可保育園と並行して探しておくといざという時に安心できるかと思います。
ちなみに、認可外保育施設の選考方法は“施設によって異なる”こととなります。
また、認可外であっても必ず“定員数”が存在します。
「”認可外=いつでもどこでも入園できる”というわけではない」という点もしっかり把握しておきましょう。
だからこそ、「認可」と「認可外」を同時並行で探しておく必要があるのです。
どちらにも入園させることができなかった場合、“待機児童”となってしまいますので、この点には十分注意しておきましょう。
認可保育施設の「入所の条件」とはなにか?
認可保育施設は、「どんなご家庭でもお子さんを入園させることができる」というわけではありません。
認可保育施設は、「保育の必要性」があると市区町村が認定した児童を保育する施設であり、「保育所保育指針」に基づいたものが求められるのです。
例えば、以下のような場合です。
◆「保護者が、病気の状態にある」
など、家庭において十分保育することができない「保育に欠ける乳幼児」を、家庭の保護者に変わって保育することを目的とした児童福祉施設なのです。
認可外保育施設と違い、国や自治体が管理している保育施設であるため、申請や選考などを市区町村(自治体)が行うこととなるのです。
この「入所できる家庭の条件」ですが、これは自治体によって条件が異なります。
また、申請時に必要な書類も複数存在します。
そのため、「子どもを認可施設に通わせたい!」という場合は、しっかりとその条件を事前に確認しておかなくてはいけません。
認可外保育施設の「入所の条件」とは?
対して「認可外保育施設」は、“施設側の裁量で保育を行っている施設”であるため、認可施設と違い“保育の必要性”がなくても入園させることが可能です。
ただし、以下のような点には注意が必要です。
◆「(補助金が出ないため)保育料が高くなる」
◆「定員数は存在する」
施設によって、保育方針も保育料も異なります。
そのため、認可保育園以上に「家庭や子どもに合った保育施設選びをする必要がある」ということにつながります。
まとめ
以上が、「保活を行うタイミングや注意するべき点」のご紹介となります。
保活を行うタイミングは、もちろん早ければ早い方がいいです。
その方が、さまざまな情報を収集でき、多くの保育施設に見学に赴くことができるようになるでしょう。
ただし、“妊婦さんやお子さんには絶対に無理をさせないこと”です。
また、施設選びの際には、必ず「認可」「認可外」の両方の情報を収集するように意識してください。
条件が整っているからといって、必ずしも希望する認可保育園に入園できるわけではありません。
候補は必ずいくつかピックアップしておき、できる限り希望に合った保育園にお子さんを入園できるように、行動してみてください。