医療・介護・福祉・保育業界専門の求人をお探しの方は医療・介護・福祉・保育bizへ。詳しくはこちら!

「熱中症」ってなに?起きる原因と予防法について解説します!

この記事は約10分で読めます。

地球温暖化の影響もあり、日本の夏は年々厳しくなっています。

特に2022年8月の暑さは異常であり、地域によってはほとんど毎日「熱中症警戒アラート」が発表されているほどです。

そう……、この猛暑が続く中でもっとも警戒しなければいけないのが、「熱中症」なのです。

熱中症は、初期症状を見落とすと、重症化して命に関わる問題にもなり得ます。

この記事では、「熱中症とはなにか?」という点に加え、“予防法”についても詳しくご紹介をしていければと思います。

「熱中症」とはどのようにして起こるの?

概要


人間の身体の中では、常に「熱」が作られています。

そして、平常時は体温が上がったとしても、「汗」を流したり「皮膚温度」を上昇させることによって、「体温が外へ逃げる仕組み」を作っています。

それにより、体温調節が自然と行われるようになっているのです。

しかし、状況によっては“体温調節が上手く働かず、体内に熱がこもってしまう”可能性があります。

この状態のことを「熱中症」というのです。

尚、熱中症には、「日射病」「熱射病」という2つの種類があります。

それぞれの違いは、以下の通りです。

◆「日射病」:強い直射日光で脱水症状を起こす病気のこと
◆「熱射病」:閉め切った部屋や車の中などの高温に長時間いて脱水症状になる病気のこと

そして、熱中症を引き起こす条件というのは、「環境」「からだ」「行動」という3つの要因が絡んでくるのです。

以下で、それぞれの特徴を捕捉していきましょう。

要因その1.「環境」

「環境」の要因としては、以下のようなものが考えられます。

◆気温が高い
◆湿度が高い
◆風が弱い
◆日差しが強い
◆締め切った屋内
◆エアコンの無い部屋
◆急に熱くなった日
◆熱波の襲来 など

つまり、「環境=外的要因」の変化によって熱中症にかかる恐れがあるのです。

ちなみに、熱中症は「湿度の高さ」も影響してきます。

“気温が高い”と体内の熱が放散されないですし、“湿度が高い”と汗が蒸発しなくなるのです。

そのため熱中症は、8月など「夏」にだけ発生するものではありません。

発生頻度が上がるのは「5月」くらいからといわれています。

特に梅雨明け以降は、「蒸し暑さ+体が暑さに慣れていない」ということから、例年熱中症による救急搬送者数や死亡者数が急増しているのです。

要因その2.「からだ」

「からだ」の要因として考えられるのは、以下のような点です。

◆高齢者・乳幼児の方
◆肥満の方
◆糖尿病や精神疾患といった持病持ちの方
◆低栄養状態
◆下痢・インフルエンザでの脱水状態
◆二日酔いや寝不足といった体調不良 など

端的にいうならば、「カラダが正常な機能を果たしていないとき」に熱中症にかかる可能性が高まります。

「汗がでない(出る量が少ない)」であったり、「皮膚から逃げる熱が少なくなる」からです。

特に、子ども(特に乳幼児)や高齢者の方は、熱中症の初期症状であったとしても、重症化する危険性があるので注意が必要です。

まず子どもの場合、体温のコントロールが未熟なため、熱中症の初期症状が現れやすくなります。

また、自分の不調を正確に訴える(伝える)ことも難しいので、周囲の人が注意深く観察してあげる必要もあるでしょう。

そして高齢者の場合は、体内に保持する水分量が少なくなるという傾向があります。

加えて、暑さやのどの渇きを感じにくくもなるのです。

このことから、ご自身でも熱中症の初期症状に気が付かず、重症化してしまう恐れがあるのです。

ご家族などの身近な人が、以下のような異変をしっかりとキャッチすることが、初期症状の発見につながると言えます。

◆なんとなく元気がない
◆落ち着きがない
◆食欲がない
◆いつも眠っている
◆便が硬くてコロコロしている
◆舌が乾いている
◆手足が冷たい
など

要因その3.「行動」

最後は「行動」の要因となりますが、以下のようなものが挙げられます。

◆激しい筋肉運動や、慣れない運動をする
◆長時間の屋外作業を行う
◆水分補給ができない状況にある など

屋外でスポーツをしている人や作業に従事している人は、特に注意しなければいけません。

激しい運動や長時間にわたる屋外での活動・水分補給不足により、熱中症を引き起こしやすくなるのです。

その理由は、「体内で生まれた熱を汗などを逃がすことができず、体が熱を持った状態になってしまう」からです。

尚、屋内にいたとしても、熱中症には注意しておくべきとなります。

特に体育館や駐車場の車中など“気密性の高い屋内”にいる場合は、より注意が必要といえます。

熱中症の「症状」について

「初期症状」について

熱中症の症状には3段階あるといわれています。

まずは「初期症状」からですが、以下のような症状があらわれることとなります。

◆めまい・立ち眩み
◆発汗異常
◆発熱
◆筋肉痛・筋肉の硬直
◆手足のしびれ
◆不快感

特に多くの人が初期症状として感じるものは、「めまい・立ち眩み」「発汗異常」ではないでしょうか。

「めまい・立ち眩み」は、「熱失神」とも呼ばれています。

暑さで体温が急激に上がると、体にこもった熱を逃がそうとして皮膚の血管が広がるのです。

そうすると、全身の血液量が減り、血圧が下がってしまいます。

そして、血圧が下がると、一時的に脳への血流が減ることから、この「熱失神」が起こりやすくなってしまうのです。

もう一つの「発汗異常」というのは、体温の上昇により「汗が大量に流れる」もしくは「まったく汗をかかなくなる」ことを指します。

なぜこのような状態になるのかというと、「体温調節機能が働かなくなっている=正常な発汗できていない」状態となっているからです。

尚、大量に汗をかくと、“水分”と同時に“塩分”も体外に排出されることとなります。

塩分を補給しないと、手足のしびれが発生する可能性があるほか、(塩分の欠乏により)筋肉痛や筋肉の硬直が起こり得る可能性があるため、要注意です。

「中等度の症状」について

上記の初期症状よりも重症化すると、初期症状では見られなかった症状が出ることとなります。

中等度の場合は、以下のような症状が発生します。

◆頭痛
◆吐き気
◆下痢
◆倦怠感
◆虚脱感
◆失神
◆集中力の低下

最大の特徴は、「身体がぐったりして、力が入らない状態となる」ことです。

そして、この状態で適切な処置が行われない場合、以下のより重度の症状が出る危険性があります。

「重度の症状」について

重度の症状の場合、以下のような異常が発生する危険性があります。

◆意識障害
◆痙攣
◆手足の運動障害
◆高体温
◆過呼吸
◆ショック症状

「呼びかけに応じて反応が鈍い」「身体にひきつけの症状があらわれる」「まっすぐに歩けないor走れない」など、明らかに「異常だ」と感じる症状が出ます。

ここまで状態が悪化してしまうと、水分補給や体を冷やすといった対策だけでは改善しない可能性が高いため、病院へ運ぶ(救急車を呼ぶ)といった処置を行うのが賢明かと思います。

適切な「予防法」とは?

はじめに


熱中症は命にかかわる病気ではありますが、「予防法」を知っていれば、ある程度防ぐことも可能です。

予防法は、以下のような点に注意しておくといいでしょう。

◆「高温多湿を防ぐ」
◆「こまめに水分補給をする」
◆「涼しい服装を心がける」
◆「暑さに備えた体づくりをする」

順に補足を加えていきましょう。

予防法1.「高温多湿を防ぐ」

熱中症は気温が30℃を超えると発症するリスクが高くなります。

また、湿度が高いと汗が蒸発しにくく体温調節がうまくできなくなるため、高温多湿には十分な注意が必要です。
(熱帯夜の翌日なども気を付けましょう)

現在は「新型コロナウイルス」の影響(感染症予防)もあるため、換気扇や窓開放によって換気を保ちつつ、エアコンの温度設定をこまめに調節することをオススメします。

また、特に暑い時間の外出は控えるようにし、無理のない範囲で活動を行ってください。

そして、少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し、水分を補給することもお忘れなきように……。

予防法2.「こまめに水分補給をする」

暑い日というのは、自覚がなかったとしても大量の汗をかいて水分が不足しがちです。

失われた水分を補うために、こまめに水分補給を行うようにしてください。

基本は、「のどが渇く前に、こまめに水分を補給する」ことです。

目安は、1日あたり1.2Lほどとなります。

また、たくさん汗をかいたときは、水分だけでなく「塩分」を摂ることも忘れないでください。

スポーツドリンクは、塩分補給にも最適なため、汗をかいたらスポーツドリンクで水分補給するのも良いでしょう。

ちなみに、基本は「水」「スポーツドリンク」での水分補給をオススメします。

「コーヒー」「緑茶」などはカフェインが多く含まれており、利尿作用があります。

つまり、“水分が失われやすくなる”のです。

もちろん、アルコールも利尿作用がありますし、体調を崩す要因にもなるため、過度な接種は控えるようにしてください。

予防法3.「涼しい服装を心がける」

体温を調節するためには、“かいた汗を蒸発させる”ことが大切です。

つまり、服装にも気を配った方が良いのです。

汗をかいたら、服を着替えますよね?

あれは、「ベトベトするから」という理由もありますが、そもそも「体温を調節させやすくする」という意味合いがあるのです。

そのため、汗で濡れてしまった衣類はできるだけ早く着替えるのもポイントの一つとなります。

その際は、衣類の下に通気性のよいシャツを着ると、身体の熱がこもりにくくなるのでおすすめです。

予防法4.「暑さに備えた体づくりをする」

◆適度に運動をする(普段からもしくは暑くなり始めの時期から)
◆適度に水分補給をする

暑くなってから対策を講じるのではなく、“暑くなる前からしっかりと対策を行っておく”ことが大切です。

身体が暑さに慣れるように、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度体を動かす癖を日頃からつけておいた方が良いかと思います。

また、熱中症の発生には、その日の「体調」が大きく影響します。

「前の晩に深酒をする」「朝食を抜く」などの状態で、暑い環境に行くのはできるだけ避けてください。

もちろん、風邪などの体調不良(特に発熱や下痢をしている人)の人は、心肺機能や賢機能が低下しているため、より熱中症を引き起こしやすくなります。

体調不良にも十分注意しておくといいでしょう。

「マスク」の着用について


現在は、夏の暑さだけでなく、「新型コロナウイルス」の感染症予防も同時に行っていかなくてはいけません。

とはいえ、気温・湿度の高い中でマスクをし続けていると、熱中症のリスクも高まってしまうため、注意が必要とも言えます。

「感染予防としてマスクを着用するか?」「熱中症予防としてマスクを外すか?」

この点は、非常に難しい問題であり、どちらが良いとは一概に言えません。
(どちらも命に関わる重大な問題である)

とはいえ、屋外に出ているときであれば、周囲の状況を見ながらマスクを外す(ずらす)ことはしても良いかとは思います。

新型コロナウイルスの主な発症原因は「飛沫感染」「接触感染」です。

このことから、近距離で会話するとき(2m以内が目安である)以外は、マスクを外してもそれほど問題はないのかとは思います。
(もちろん状況によりますので、「マスクが必要だ」と感じたら、マスクを着用することをお忘れなく)

また、マスクを着用しているときは、負荷のかかる作業や運動は避け、適宜マスクを外して休憩するようにしてください。

まとめ

以上が、「熱中症が起こる原因・予防」についてのご紹介となります。

地球温暖化の影響で、日本の夏も暑さが年々厳しくなっています。

そんな中、熱中症の年間患者数も増えているのが現状です。
(特に、6月~9月の時期)

今後も記録的な夏日や熱帯夜が続くことが予想されているため、できるだけエアコンや換気扇なども活用して、熱中症を防ぐ工夫をしてみてください。

また、日ごろから体温測定や健康チェックも欠かさずに行っておきましょう。

そして、体調が悪いと感じたときは、しっかりと休むこと。

可能であれば、無理せず自宅で静養することをオススメします。

熱中症は発症していることに気付かないことも多く、適切な対処を怠ると重症化してしまうこともありますので、すべての人が気を付けなければいけない病気です。

無理をせず、この暑い夏を乗り越えていきましょう

タイトルとURLをコピーしました