「ソーシャルワーカー」という職業を聞いたことはあるでしょうか。
“介護や福祉に関連する職業”というのを想像できる人はいるかもしれませんが、具体的にどんな仕事をするのかまではご存じないという方も多いかもしれません。
この「ソーシャルワーカー」は、いくつかの種類に分類されます。
今回は、具体的な仕事内容や種類、似た職業である「社会福祉士」との違いなどについて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
「ソーシャルワーカー」とはなにか?
概要
これは、「社会福祉支援を行う専門職」のことをいいます。
対象となるのは、「病気や障害などによって、生活になんらかの問題を抱える人」であり、そういった方々に対して“相談・支援”を行い、関係各所との連携などを行うこととなります。
どうすればなれるのか?
まず、「ソーシャルワーカー」という名の資格は、そもそも存在しません。
これは、あくまでも“総称”であり、「社会福祉士」や「児童福祉司」など“社会福祉に関するなんらかの支援活動”を行う人の総称として、この名称が存在するのです。
(社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ者に対して、ソーシャルワーカーという場合もある)
そのため、必要な資格や要件は、各職種によって異なることとなるのです。
資格を必要とする場合もありますし、実務経験が必要な場合もあったりと、職種によって条件はさまざまです。
ただし、上記でもご紹介した通り、この仕事は「病気や障害などによって生活に問題を抱える人に対して、社会福祉に関するなんらかの支援を行う専門職」のことをいいます。
そのため、ソーシャルワーカーの多くの職種において、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の国家資格があると、就職・転職・実務に有利となることは間違いありません。
「社会福祉士」「精神保健福祉士」とはなにが違うのか?
「日常生活に困難を感じている人に対して、専門的に相談や援助を行う」という点では、どれも共通した役割・目的が存在します。
では、これらの大きな違いはなんなのでしょうか?
結論を言うと、ソーシャルワーカーとは「社会福祉支援活動を行う人の総称」のことを指しています。
そのため、必要な資格や要件は職種によって異なります。
中には、必ずしも資格が必要でない場合もあり、未経験でも職に就くことが可能となるのです。
対して、社会福祉士や精神保健福祉士の場合は、職に就くためには同名の国家資格が必須となります。
資格を所持していないと、仕事に充実することがそもそもできないのです。
「多様な働き方」について
ここまでにご紹介した通り、ソーシャルワーカーは総称であり、働く場所や支援対象者によってその呼び方は異なることとなります。
そのため、勤務先も多種多様に存在します。
大別すると、以下のようになるでしょうか。
◆「精神科ソーシャルワーカー」
◆「コミュニティ・ソーシャルワーカー」
◆「スクールソーシャルワーカー」
以下より、それぞれの特長をご紹介していきたいと思います。
「医療ソーシャルワーカー」とは?
こちらは、病院などの医療機関を対象としています。
患者やその家族が抱えるさまざまな悩みや問題に関する相談支援を行うこととなります。
(医師や自治体などと連携して業務を進めていく)
ただし、“相談支援”と一言でいっても、その内容は多岐に渡ります。
例えば、以下のような場合です。
◆退院後の社会復帰に関する相談
◆国や自治体の制度の紹介
◆心のケア など
基本的には医療機関内の相談室に所属することが多いですが、近年では「老人保健施設」や「在宅介護支援センター」などにも所属していることがあり、活躍の場はどんどん広がっています。
こちらの場合、所持していると有利になる資格には「社会福祉士」が挙げられます。
後は、国公立病院や保健所で働く場合=公務員として働く場合は、別途「公務員試験」に合格しなければいけません。
「精神科ソーシャルワーカー」とは?
“精神”と記載されている通り、こちらは「精神障害者やその家族が抱えるさまざまな悩みや問題を解決するための相談援助」となります。
こちらも活躍の場は非常に広く、以下が挙げられます。
◆障害福祉サービス事業所
◆福祉行政機関
◆司法施設
◆介護施設
◆地域包括支援センター など
この職に就くためには、「精神保健福祉士」の国家資格が必須となります。
一応、ケースワーカーや相談員という形で資格なしで働ける場合もありますが、資格がないと「精神保健福祉士」と名乗ることはできません。
「コミュニティ・ソーシャルワーカー」とは?
“コミュニティ”と記載されている通り、コミュニティに焦点をあてた社会福祉活動を行います。
例えば、
◆上記の方々の生活圏の環境整備、地域住民との連携といった支援を行う
などです。
主な職場としては、「社会福祉協議会」や「社会福祉施設」に所属することとなります。
尚、資格としては必須となる資格こそありませんが、「社会福祉士」や「社会福祉主事任用資格」などがあれば、就職・転職・実務に優位となることは間違いありません。
※「社会福祉主事任用資格」については、以下記事を参照ください※
「スクールソーシャルワーカー」とは?
“スクール”と記載されている通り、こちらは「児童」を対象にしたソーシャルワーカーとなります。
「児童が抱える問題に対して、さまざまな人々と連携しながら相談支援を行い、問題の解決を図っていく」ことが主な業務となるのです。
例えば、
◆いじめ
◆暴力
◆虐待
などが挙げられるでしょうか。
相談支援を行うほか、教職員などの関係者に対し、問題解決の方法を教える研修なども行うこととなります。
勤務する職場は、主に「教育事務所」となります。
上記を拠点として、家庭や学校など関係各所を訪問しながら、問題解決を図っていくのです。
尚、この仕事に必要な資格は、以下のいずれかとなります。
●「精神保健福祉士」
●「臨床心理士」
基本的には非常勤として複数の学校を見るケースが多いですが、一学校などに勤務する場合は、別途公務員試験の合格が必須となる場合もあります。
どういう人が向いている?
まず結論からいうと、以下のような方が、この仕事に向いていると言えます。
◆「問題解決力」がある人
◆「想像力」がある人
◆「気配り」ができる人
◆「臨機応変な対応」ができる人
この仕事は、他者とのコミュニケーションが必須となります。
利用者(相談者)はもちろん、いろんな機関と連携して業務を行っていく事から、コミュニケーション力がある人の方が向いているといえるでしょう。
(特に、利用者の話をしっかりと聞く力が必要である)
加えて、この仕事には「課題を解決するための的確なアドバイス」が必要となります。
問題の原因を見極め、解決に導くための「問題解決力」が必要となるのです。
そして最後に、他者に対する「思いやりのある人」が、この仕事に向いているといえます。
悩みは一人ひとりさまざまに異なります。
そして、自分や自分の周囲だけでは解決ができない問題だからこそ、相談に来るのです。
そういった人たちに対し、親身になって相談に乗り、問題解決に導ける人こそが、この仕事に向いている人といえるのではないでしょうか。
まとめ
この仕事は、生活に不自由や問題を抱える人達が、社会の中で自分らしく生きられるようにサポートするとても重要な役割を担っています。
加えて、この仕事は“相談・支援”を業務として行っていることから、人でなければ行うことができない仕事でもあります。
機械による自動化が取り沙汰されているこの時代において、機械に取って代わられることのない仕事ともいえるのです。
これからのことから、この仕事は今後もますます重要な存在となることは間違いなく、将来性もしっかりあるといえるでしょう。
関心がある方は、ぜひ知見を広げて、その一歩を踏み出してみてください。
また、当社では関連サイトとして、「医療・介護・保育・福祉」などの採用サイトも取り扱っております。
詳細は以下リンクよりご参照いただければ幸いです。
さまざまな求人が掲載されておりますので、お仕事をお探しの方はぜひ活用ください。