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「有給休暇」ってなに?アルバイトやパートでも取得できる?制度の内容や取得条件を解説します!

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“給与をもらって休める労働者の権利”である「有給休暇」

これは、正規雇用の人だけでなく、アルバイトやパートなどの非正規雇用の人も取得することが可能です。

◆誰に付与されるものなのか
◆どんな条件でもらえるのか
◆何日もらえるのか

また、有給を使う場合に気になるであろう「いつでも使用できるのか」「会社に拒否されることはあるのか」など。

今回は、こういった有給の基本や疑問点について、詳しく解説していきたいと思います。

「有給休暇」とはなんなのか?

概要


その名の通り、「有給休暇=有給の休み」であり、「休暇として取得しても、所定の賃金が支払われる制度」のことを指しています。

これは、労働基準法第39条で定められている“働く人の権利”であり、一定期間同じ会社に勤務した人が、心身のリフレッシュを目的にした“ゆとりある生活を送るため”に与えられる特別な休暇のことをいいます。

一般的には“ゆうきゅう”と省略して使用することが多く、漢字で表すと「有給」もしくは「有休」のどちらでも意味が通るようになっています。

「労使協定」を結べば、時間単位でも取得することができる

基本的に、有給休暇は1日単位で取得するものではあります。

しかし、「労使協定」(※)を結べば、年5日を限度として時間単位で取得することも可能です。
(※)労使協定:労働者と使用者との間で締結される、書面による協定のこと

尚、“半休”と呼ばれる「半日単位年休」は、労使協定の締結なしに取得することができ、日数の上限もありません。

取得の「義務化」について

冒頭でもお伝えした通り、有給休暇の取得は“労働者の権利”であり、基本的に企業側はその申請を拒否することはできません。

しかし、法律で認められているはずなのに“日本での有給休暇の取得率は非常に低い”という問題がありました。

その理由は企業によってもさまざまでしょうが、

◆日本は同調圧力が強く、集団の和を乱す者に対して強く当たる傾向があること
◆プライベートよりも会社や仕事を優先する考え方が浸透していたこと

こういったものが主な原因として挙げられており、「有給を取りたくても、取りづらい(取れない)」といった風潮があったのです。

それに、企業サイドからすれば「給与を与えて従業員に休みを与えるよりも、有給を取らせずに働き続けてもらった方が利益を出しやすい」といった本音もあるでしょうか。

しかし、相次ぐ長時間労働や過度の残業、そして生産性の低下などが進み、社会的な問題として「過労死」などが発生したことなどを受けて、働き方改革の一環として“有給休暇の取得が義務付けられる”こととなったのです。

これによって、大企業の場合は2019年4月から、中小企業の場合2020年4月から、「年10日以上の有給休暇を与えている従業員には、5日以上の有給を取得させる必要がある」とされました。

ただし、すべての労働者に該当するわけではありません。

あくまでも「年間10日以上の有給が付与されている労働者」に限られます。
(雇用形態に関わらずである)

有給の「付与条件」について


有給休暇を取得するための条件は、以下の2つを満たすことです。

1.雇用日から6か月以上経過していること
2.全労働日の8割以上出勤していること

求人情報を見ていると、「有給休暇:6ヶ月経過後〇日支給」などと記載されていることがあるはずです。

有給休暇は、条件さえ満たせば、正規雇用だけでなくアルバイトやパートなどの非正規雇用の人も取得することができます。

ただし「付与日数」は、フルタイムで働いている一般労働者と、短時間または変則的に働いているパートタイム労働者とでは異なることとなります。

≪一般労働者≫
【雇用日より半年経つと10日の有給が付与され、最高20日まで付与される】
◆勤続年数0.5年→付与日数10日
◆勤続年数1.5年→付与日数11日
◆勤続年数2.5年→付与日数12日
◆勤続年数3.5年→付与日数14日
◆勤続年数4.5年→付与日数16日
◆勤続年数5.5年→付与日数18日
◆勤続年数6.5年以上→付与日数20日

≪週の所定労働日数が4日以下かつ週の所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者≫
【勤続年数と所定勤務日数によって決定される】
◆勤続年数0.5年:
・週所定勤務日数1日→1日
・週所定勤務日数2日→3日
・週所定勤務日数3日→5日
・週所定勤務日数4日→7日

◆勤続年数1.5年:
・週所定勤務日数1日→2日
・週所定勤務日数2日→4日
・週所定勤務日数3日→6日
・週所定勤務日数4日→8日

◆勤続年数2.5年:
・週所定勤務日数1日→2日
・週所定勤務日数2日→4日
・週所定勤務日数3日→6日
・週所定勤務日数4日→9日

◆勤続年数3.5年:
・週所定勤務日数1日→2日
・週所定勤務日数2日→5日
・週所定勤務日数3日→8日
・週所定勤務日数4日→10日

◆勤続年数4.5年:
・週所定勤務日数1日→3日
・週所定勤務日数2日→6日
・週所定勤務日数3日→9日
・週所定勤務日数4日→12日

◆勤続年数5.5年:
・週所定勤務日数1日→3日
・週所定勤務日数2日→6日
・週所定勤務日数3日→10日
・週所定勤務日数4日→13日

◆勤続年数6.5年以上:
・週所定勤務日数1日→3日
・週所定勤務日数2日→7日
・週所定勤務日数3日→11日
・週所定勤務日数4日→15日

有給は自由に取得することができるのか?


ここまでにお伝えした通り、有給休暇の取得は“従業員の権利”となります。

また、年間10日以上の有給が付与されている労働者にとって、有給の取得は“義務”であり、年間5日間は必ず取得しなければいけません。

このことから、基本的に労働者側は“好きな時に自由に有給を取得することが可能”となります。

もちろん、休みの理由は人それぞれであり、会社側に休む理由を告げる義務もありません。

ただし、一つだけ注意点があります。

それは、会社側には「時季変更権」という権利があるということです。

これは、労働基準法の第39条5項に定められているものであり、意味は「”事業の正常な運営を妨げる事情がある場合”に、会社側が労働者の有給申請を拒否して変更できる」というものです。

例えば、以下のような状況が挙げられるでしょうか。

◆事業の規模や内容
◆有給申請した従業員の担当する作業内容や性質
◆作業や時期の繁閑度
◆代行者配置の難易度
◆予定された休暇日数
◆同じ時期に有給を請求した人数

例えば、少し極端な話となりますが、「同じ時期に、従業員全員が一斉に有給を取得しようとした場合」

会社は従業員がいてこそ事業が成り立ちます。

もし従業員が一斉に有給を取ってしまえば、その日は完全に会社が運営できなくなってしまうのです。

少し極端ではありますが、こういう場合に企業側は「時季変更権」を行使することができます。

ただし、“日常的に人手不足だから……”という理由のみでこの権利を行使することはできません。

よほどの事情がない限りこの権利が行使されることはありませんが、一応この点には注意しておくといいでしょう。

有給休暇を取得させるための方法について

ここまでに記載した通り、働き方改革の一環として、年間10日以上の有給が付与されている労働者は有給休暇の取得が“義務化”されています。

もし、会社の都合や経営者の考えだけで「有給を付与しない」「有給の使用を許可しない」とした場合、労働基準法違反に該当することとなります。

ただ、有給の取得を各従業員の希望に任せたままでいると、どうしても5日分を消化できなさそうな従業員や、そもそも5日分の有給消化を忘れている従業員も出てくるかもしれません。

だからこそ、企業側で有給の取得状況をしっかりと把握しておかなくてはいけないのです。

有給を取得させる(する)方法としては、以下の3つが挙げられます。

◆「申請制」で個人的に取得する
◆企業側が「時季指定」して休ませる(もちろん従業員の希望も聞きつつ進めていく)
◆「計画年休」を行う

最後の「計画年休」というのは、「全従業員が同時に有給休暇を取得する日を前もって決めてしまう方法」のことをいいます。

人によっては、“自分から有給を取得することをためらう”人もいるかもしれません。

しかし、計画年休を行うことによって、お盆や年末年始・閑散期などに有給休暇を取得させる日を設け“全従業員を一斉に休ませる”ため、管理が簡略化されることに加え、従業員側もためらいなく有給を取得することができるのです。

ただし、計画年休で有給を取得させる場合は、労使協定の締結が必要となります。

有給休暇を管理する上での「注意点」について

有給を管理する側として、ルールや注意しておくべき点がいくつかあります。

まとめると、以下の通りです。

①管理帳簿を作成し、3年間保管しなくてはならない
②原則は従業員の請求通りに取得させるが「時季変更権」は行使できる場合がある
③基準日を変更する場合は必ず前倒し付与する
④有給休暇の期限は2年で、1年繰り越しできる
⑤有給休暇が消化できなかった時の買取は原則不可である

①は記載した通りであり、②は上記でご紹介した通りです。

③は、企業の中には、有給休暇の管理を簡略化するため、入社日にかかわらず基準日を統一している企業もあるかもしれません。

もし、その統一している基準日に変更があった場合、どうすればいいか?についてです。

基準日の変更自体は問題ないのですが、変更する際は必ず本来の基準日よりも前倒して有給休暇を付与しなくてはなりません。

そして、④についてです。

有給休暇の時効は、“最大2年間”と定められています。

そのため、前年度に与えられた有給を使いきれなかった場合は、余った有給を翌年に繰り越すことができます。

しかし、2年目に有給休暇を消化する際、“前年度から引き継いだ有給を使う”のか、それとも“新しく付与された有給休暇を使う”のかは就業規則や会社との話し合い次第となります。

就業規則として詳細が決まっている場合もありますが、もし内容が曖昧であった場合は、上司や管理職の人と相談して、どちらから消化するかを決めるようにしてください。

最後に、⑤です。

原則として、“有給休暇を企業側が買い取る”ことはできません

なぜかというと、有給の目的は「従業員の心身のリフレッシュを目的としたもの」だからです。

有給を買い取り仕事をさせていては本末転倒……、本来の意味に沿わない形となってしまいます。

ただし、例外が一つだけあります。

それは、「法律で定められている有給休暇より多く有給が付与されている場合」です。

この場合、“法定の日数を超えた部分の有給休暇”を企業側が買い取ることは可能となります。

このように、さまざまなルールや注意点がありますので、有給を取得する従業員側はもちろん、企業側も有給休暇の扱いには十分注意しておきましょう。

まとめ

以上が、「有給休暇」についてのご紹介となります。

「年10日以上の有給休暇を付与されている従業員が年5日以上の有給を取得できなかった場合」または、「従業員が請求する時季に有給休暇を取得させなかった場合」は、労働基準法違反となります。
(前者→企業側が30万円以下の罰金刑の対象となる、後者→6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金をかされる可能性がある)

企業側は、従業員との間でトラブルが発生しないように、基礎的な知識からしっかりと理解しておく必要があるといえます。

大事なことなので最後にもう一度言いますが、有給は“給与をもらって休める労働者の権利”です。

もちろん、組織は“人”で成り立っているため、一緒に働く人々への気配りも忘れてはいけないとは思います。

しかし、“周囲に気を遣って有給が取得できない”は、また意味が違ってきます。

有給は、自由に取得してもいいのです。

また、有給を取得する際の理由は人それぞれであり、それを会社に説明する義務もないのです。

有給を計画的に使用し心身のリフレッシュを行いながら、日々の業務を効率よく行えるように、工夫してみてください。

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