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「自己顕示欲」ってなに?強い人の特徴・原因・改善法や、承認欲求との違いについて解説します!

この記事は約11分で読めます。

「自己顕示欲」とは、人間誰しもが持ちうる欲求です。

特に、SNSの浸透もあって、今まで以上に自己顕示欲の強さが“目に付く”時代となっており、目立ちたいと考えるばかりに間違った方向へ進んでしまう人もいます。

これが高すぎると、他者とのコミュニケーションが困難になりかねません。

この欲求が強くなる原因とはなにか。

どうすれば対処できるのか。

そして、「承認欲求」とはどう違うのか。

今回は、上記のような点に注目して解説していきたいと思います。

「自己顕示欲」とはなにか?


これは、「自分を目立たせたい」「他者から認められたい」という欲求のことをいいます。

極論を言ってしまうと“かまってちゃん”であり、自分を目立たせることで、周囲から注目されたり・褒められたりしたいのです。

ただし、この欲求は、成長過程において誰にでも生じるものではあります。

例えば、小さな子どものときは、親・先生・友達などの気を引こうとして、わざと目立つ行動を取ったりします。

若い世代であれば、実績も少なく・現状への不満やコンプレックスを抱えていることも多いため、あえて自分を大きく見せようとすることがあります(=虚勢を張ることである)。

「自信がないから、あえて自分を大きく見せようとする」「他者から認められたい・褒められたい」と考えること自体は、別に何も間違ったことではありません。

誰にだって、この欲求は大なり小なり存在します。

問題なのは、「度を越し過ぎて、周囲が引いてしまう」こと、そして「注目を浴びたいがために、人に迷惑をかける行為をする」ことにあるのです。

「承認欲求」との違いはなにか?


似た欲求として、「承認欲求」というものがあります。

「他者から認められたい」「自分を価値ある存在として認めたい」と感じる点では似ていますが、両者には微妙に違うものがあります。

それは、“能動的”“受動的”かという違いです。

自己顕示欲は“能動的”であり、欲求を満たすために具体的な行動を起こす傾向があります。

自分の存在を、周囲にアピールし、注目を得たいのです。

対して、承認欲求は“受動的”であり、他者に自分の存在や考え方を「認めてもらいたい」と考えます。

自分から何かアクションを起こすよりも、「ありのままの自分を承認してほしい」のです。

特徴について


特徴として挙げられるのは、主に以下のようなものです。

1.「自分の話が多い」
2.「自慢話やマウンティングが多い」
3.「他者からの評価に敏感である」
4.「承認欲求が強い」
5.「嘘をついたり戯言癖がある」

順に解説を加えていきましょう。

特徴1.「自分の話が多い」

自己顕示欲が強い人は、隙あれば自分の話にすり替える傾向があります。

例えば、相手が「〇〇を購入した」と話題を持ちかけると、「自分も購入した」「自分も持っている」などと自分の話題に変えてしまうのです。

相手の話を最後まで聞かず、会話を遮ってまで自分の話題に変えてしまう人もいます(人によっては話題そのものを変えることもある)。

相手の話題に興味がなく、とにかく自分のことを話したがるのです。

そのため、話の腰を折ったり、別の誰かの会話を遮ってしまう可能性が高く、行き過ぎてしまうと周囲を困らせてしまう可能性があります。

特徴2.「自慢話やマウンティングが多い」

◆「自分のことを知ってほしい」
◆「自分のことを褒めてほしい」
◆「周囲から一目置かれたい」

上記のような気持ちが強く、自慢話が多くなる傾向にあります。

学歴・所属・年収・外見・家族関係・プライベートなど話の内容はさまざまですが、普通に会話をしようとしているだけなのに、あらゆる話題に自慢話を挟み込もうとしてきます。

特にビジネスシーンでは、自分の成果や実績をことさらに強調してくることが多く、聞いていないことまでペラペラと喋る傾向があります。

また、マウントを取りたがる人も多いです。

なぜかというと、「他人を認めてしまうと、自分が注目されなくなる」と感じてしまうから。

そのため、「自分は他者より優れている」ということを強くアピールしたり、「でもね」と他者を貶めるような発言をする場合もあるのです。

仮に、相手の方が優れていると頭では理解していても、です。

特徴3.「他者からの評価に敏感である」

ここまでにご紹介した感情は、そもそも他者がいないと成り立ちません。

そのため、自己顕示欲が強い人は、「他者からの評価に敏感である」ともいえます。

自分を目立たせることに重きを置くため、プライドも高く、時にはつまらない見栄を張ることもあります。

このことから、協調性がなく・個人プレーを好む人も多いのが特徴の一つに挙げられます。

特徴4.「承認欲求が強い」

こういう人は、同時に「承認欲求」も強い人が多いといわれています。

「相手に認められるかどうか」が行動や言動の源泉となっていることが多いのです。

とはいえ、発言が多い・言いたいことを言うのは、別に間違ったことではありません。

問題なのは“自己アピールが激しい”という点にあります。

また、自分に関心がないと分かると、途端に興味をなくすケースもあります。

特徴5.「嘘をついたり戯言癖がある」

例えば、以下のようなものです。

◆自分の実績や能力について、実際よりも大げさに伝えようとする
◆自分を良く見せるために、本音を偽ったような発言や行動を取ろうとする

自分を大きく見せることで、「自分の存在を目立たせて、注目されたい」と考えるのです。

ありのままの自分では周りから評価してもらえないと思うが故のものです。

そして問題なのは、1つ嘘をついてしまうと、その嘘がバレないようにさらに嘘を積み重ねてしまうことにあります。

何度も嘘を重ねるうちに周囲も気づき、いつしか「戯言癖がある人」というレッテルを張られてしまうこととなるのです。

場の雰囲気を悪くしてしまう可能性があるため、要注意!

欲求とは生きていく上で必要なものであり、それが原動力となって高いパフォーマンスを発揮します。

ただし、“度を越し過ぎてしまうこと”には注意しておかなくてはいけません。

必要以上に自分のことをアピールするあまり、周囲の顰蹙を買い、場の雰囲気や人間関係を悪くしてしまう可能性があるのです。

特に、仕事を行う上ではチームワークが非常に大切であり、過剰な人は周囲から煙たがられてしまいます。

原因を理解し、できる限り感情をセーブできるようになりましょう。

原因について

原因としては、主に以下が挙げられます。

1.自分に自信がない
2.自分が大好き
3.仕事やプライベートが上手くいっていない
4.育ってきた環境に影響されている

こちらも、順に解説を加えていきます。

原因1.自分に自信がない

「自己顕示欲が強くなる=自信のなさの表れ」ともいわれています。

自分に自信がないから、勝負できる手札が少ないから、ハッタリをかまそうとするのです。

自己肯定感が低い=自分で自分を認められない”からこそ、他の人に依存してしまいます。

これは、これまでの経験(成功体験が少ない)が影響している可能性が高いです。

これまで自分が納得のいく結果を出せなかったことから、「今いる環境でこそ……!」と承認欲求が高まってしまうのです。

原因2.自分が大好き

自信のなさとは対照的に、「自分が大好き」という人も欲が強くなりがちです。

「自分が好き」と感じることは、何も間違ったことではありません。

それが結果として自信につながり、パフォーマンスの向上につながるからです。

しかし、「自信」「自意識過剰」は、意味が違います。

自分が好きなもの・自分を好きになってくれる者のみを認め、それ以外には関心を示そうとしません(むしろ嫌悪する)。

自分は自分、他人は他人です。

「考え方や価値観は十人十色である」ということを理解し、人と接していくことが大切だと思います。

原因3.仕事やプライベートが上手くいっていない

◆家族・恋人・友人との関係がぎくしゃくしている
◆人間関係で悩んでいる
◆仕事で成果を出せていない

このように、仕事やプライベートが上手くいっていないときにも強くなる可能性があります。

“不満やストレスが大きくなる=自分に余裕がなくなる”ということで、つい自分を大きく見せようとしてしまうのです。

また、少しでも自身を満足させるための手段として、“他人からの評価を気にする”こととなります。

こういう時こそ、冷静になることです。

人は、余裕がなくなるとどうしても視野が狭くなってしまいます。

深呼吸し、好きなことをしてリフレッシュをし、少しずつ現状を変えていきましょう。

原因4.育ってきた環境に影響されている

人は環境に左右される生き物であり、「どんな人と関わってきたか?」で自分の性格や価値観が創造されていきます。

周囲の人たちから愛情深く育てられてきたならば、自分も人に優しく接することができるようになる。

逆に、「常に他人と比較され続けてきた」「否定され続けてきた」など、ネガティブな経験が多くなると、その固定概念に縛られ他者にも厳しく接してしまいます。

育ってきた環境に影響され、自己顕示欲が強くなってしまうケースもあり得るのです。

無関心・否定的な親のもとで育てられたならば、「自分からアピールしなければ関心を向けてもらえない」と考えるようになるかもしれません。

また、異常に過保護に育てられた場合、「世界は自分を中心に回っている」などと自己中心的な考えを持つようになるかもしれません。

とはいえ、環境や人間関係は状況(年齢)によって変わってきますので、経験を重ねながら適応していくことも可能ではあります。

経験を重ね、より良い自分に変化していきましょう。

自己顕示欲を弱めるには、どうしたらいい?


自己顕示欲が強い人の中には、「自分でも理解はしているけど、どうしたらいいのか分からない」と考えている人もいます。

頭で理解できているのであれば、弱める方法はあります。

その方法は、「ありのままの自分を受け入れること」です。

自分のことを真に理解しているのは、自分だけです。

「人に嫌われたくない」「人から好かれたい」という思いで自分を大きく見せようとしても、他者は“あなた自身に対して興味はない”のです。

だから、自分に得がある範囲で人付き合いをしようとするし、関心がなくなれば去っていきます。

他人の承認を得ることに躍起になっても、結局は自分の生き方が不自由になっていくだけです。

自分を幸せにするのは、他者ではなく、自分自身なのです。

他者の承認を得ることに躍起になるのではなく、ありのままの自分を受け入れ、自由に生きてみて下さい。

人によっては、人間関係から少し距離を置いてみるのもいいかもしれません。

特に、近年はスマホ依存症の人も多く、SNSでいいね稼ぎをする人も増えています。

中には自分を承認してくれる人ばかりでなく、匿名であることをいいことに批判をしてくる人も多いため、リアルの人間環境と同様……それ以上に神経をすり減らしてしまう可能性があります。

“他者からの評価を異常に気にする要因となってしまう”ため、人によってはこちらも距離を置いてみるのも良いかと思います。

他者からの評価ばかりを気にしていても、どんどん不自由な生き方になっていくだけです。

周りを気にせず、ありのままの自分で生きていけるように尽力してみて下さい。

最後にもう一つ。

自己顕示欲の強さは、「自分の意見を主張できる力や行動力につながる」という見方ができれば、長所にもなり得ます。

要は方向性の問題なだけであり、「自己顕示欲の強さを活かせ、周囲にも受け入れられる」ようになれば、捉え方が変わる可能性もあるのです。

“自己顕示欲が高い=悪いこと”ばかりではありません。

多少考え方を変える必要はあるかもしれませんが、見方を変え、活かせる方法を模索してみるのも良いかと思います。

自己顕示欲が強い人とは、どう関わっていけばいい?

ここまでにご紹介した通り、自己顕示欲とは誰もが持っている欲求の一つです。

ただ、「その欲求が強すぎる」ことが問題なだけなのです。

そのため、関わり方のポイントの一つは、「自己顕示欲は誰にもであるものだと理解する」ことです。

少し言葉は悪くなりますが、自己顕示欲の強い人は扱いやすいタイプともいえます。

とりあえず話を聞いてあげるだけでも、相手は「自分の話を聞いてくれている!」と感じます。

「自分は優秀だ」と思われたい欲求があるため、実際その通りの人物であるように接してあげることができれば、予想以上の力を発揮することもあるかもしれません(いわゆる”褒めて伸ばす”である)。

その人の本質を見極め、正しく接することで、パフォーマンスが向上する可能性もあるのです。

要は、“関わり方次第”なのです。

ただし、あまりに自己顕示欲が強すぎてストレスを感じてしまうという場合は、距離を置いたり・反応しないという選択肢を取るのも良いかと思います。

自己顕示欲が強い方は、「注目してくれない」「褒めてくれない」と感じたら、自分から距離を取る傾向があります。

自身のパフォーマンスが損なわれない程度に、うまく付き合っていきましょう。

まとめ

人は誰でも、大なり小なりの自己顕示欲を持っているもので、自己顕示欲があることを問題視する必要はありません。

そして、「今の若者は自己顕示欲が強い」という声にも、別に耳を傾ける必要もありません。

昔も今も関係なく、自己顕示欲が強い人は一定数いるのです。

ただし、SNSが大幅に普及したことで誰でも自由に情報を発信・閲覧できるようになり、昔に比べて「自己顕示欲が強い人が目に付きやすくなった」のは事実ではあります。

さらに問題なのは、自分を大きく見せようとするあまり、“度を越し過ぎる”ことにあるといえます。

人は思っている以上に敏感な生き物であり、“本音”“ハッタリ”かは意外と簡単に見抜けてしまうものです。

あまりに自己顕示欲が強すぎると、いつかはその人の元から去っていく可能性もあります。

そして、より「目立つ行動を……!」として、人に迷惑をかけるような問題行動を起こしてしまうパターンもあるのです。

実際に、度を越した自己アピールによって、法に罰せられるケースも出現しています。

こういった問題に発展しないように、自分の行動や言動には注意を向けておきましょう。

重要なのは、“ありのままの自分を受け入れること”です。

他者の評価を求める必要も、気にする必要もありません。

自分のペースで、自由に生きてみて下さい。

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