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「保育士の仕事」と「子育て」って両立できる?両立する”コツ”について解説!

この記事は約11分で読めます。

以前に、「潜在保育士」についての記事を公開したことがありますが、現在の保育業界は「保育士不足」が大きな課題となっています。

しかし、保育業界はまだまだ女性の勤務率が多く(全体の9割)、「出産」「子育て」のために、仕事を退職もしくはお休みせざるを得ない場合もあります。

出産~1歳くらいまでは、育児休暇を取ることが可能です。

しかし、それ以後は「仕事に復帰するかどうかを選択しなければいけない」状況となります。

確かに、育児短時間勤務制を利用して勤務時間を調整することは可能ですが……、それでも「保育士と子育てを両立する」というのは可能なのでしょうか?

今回は、この点について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「保育士」と「子育て」の両立って難しいの?


保育士とは、「お子さんを預かり保育する仕事」のことを言います。

そして、子育ては「(自分の)子どもを育てること」を言います。

これだけを見ると「保育士の仕事と子育てって同じじゃないの?経験があるなら両立もしやすいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、実際に経験してみると分かりますが、この2つの意味合いは似ているようで全く違います。

最大の違いは、以下の2つが挙げられます。

「自分の子ども」「人様の子ども」
「親子(家族)として接する」「仕事として取り組む」

保育園での業務と違い、自分の子どもの育児は基本的に24時間体制で行う必要があります。

夜泣きはしょっちゅうですし、いつ・どこで・突発的に何をしでかすか分かりませんし、突然の体調不良で具合を悪くすることだってあるでしょう。

それに、親子としての信頼関係の構築も重要となってきます。

この子育ての大変さは、出産~乳幼児の間で否が応でも体感することとなるはずです。
(もちろん、幸せを感じる面もたくさんありますよ)

この「自分の子どもを育てる」という育児に加え、「保育士として人様のお子さんの保育も担当する」となるのですから、育児を経験したことがある人ほど「両立は難しいのではないか……」と感じる人が増えるのも無理はないかと思います。

両立が”できない”と感じる理由とは?


次に、保育士の仕事をしていて「子育てと両立ができない」と感じてしまう理由について、いくつかご紹介していきたいと思います。

1.育児と両立できる”業務量”ではない

恐らく、多くの保育士が「仕事と子育てを両立できない」と感じてしまう一番の原因がこれだと思います。

保育士の仕事は、「子どもと接している時間だけが”業務時間”ではありません」

子ども(保育)のために時間外でも様々な業務をこなしているため、それに合わせて子育ても並行して行う生活は、非常に多くの労力を必要とすることになります。

また、2020年から蔓延している「新型コロナウイルス」の影響もあって、現在は感染対策としてさらに業務量が増加しています。

「コロナによる保育現場の影響」については、以下の記事をご覧ください。

それに、現在は「保育士不足」が顕著であり、一人ひとりの業務量も増大しています。

勤務時間および業務量の問題が改善されない限りは、ママさん保育士の負担が軽減することはないのかもしれません……。

2.急な「休暇取得」が難しい(できない)

急な発熱などの”体調不良”を起こしやすいという子どもは多く、仕事中もしくは勤務前などで急な早退や休みを取得せざるを得ない状況に陥ることもあるでしょう。

しかし、上記でお伝えしたように、保育士不足である現在の保育業界では、急な早退や休暇取得が難しい(できない)場合も発生します。

いくら「職場が回らないから……」と言われても、自分の子どもの体調の方が最優先です。

そのため、子どもの病気や急な用事に備えて、退職を決心する保育士もいらっしゃるのです。

3.「託児制度」がないor「支援者」がいないから

現在は、「自分が勤務する保育所に、自分の子どもを預けることができる」という保育所も少しずつ増えてきています。

仮に、自身が勤務する保育所に預けることができなかったとしても、関連施設などで子どもの預け先を確保できたりなどの「託児制度」があれば、それを利用する方法もあるのですが……。

その制度がなければ、自身で別の保育所に子どもを預ける手はずを整えなくてはいけません。

しかし、ここでまた新たな問題が発生します。

それが「待機児童問題」です。

端的に言うと、「保育士の数が足りず、保育所に子どもを預けられない状況」のことを指しています(いわゆる”定員オーバー”)。

そしてもう一つ。

現在の日本は、“核家族世帯(※)”が増加しています。
※夫婦と未婚の子どもから成る世帯のこと※

地方から都心に引っ越して生活をしている家庭も多いでしょうし、そうなると自身や配偶者のご両親に子どもの面倒を見てもらうことも難しくなります。

こういった様々な理由があって、「子どもを預けられる環境にない」ことから、育児との両立を断念する人もいらっしゃるのです。

「保育士」と「育児」をうまく両立させる”コツ”とは?


上記で「両立できない理由」を記載してきましたが、逆に「どうすれば、保育士と子育てを両立することができるようになる」のでしょうか?

この項目で、“両立するためのコツ”をいくつかご紹介していきたいと思います。

1.制度が充実している保育所を選択する

制度もですが、「育児に関して、理解のあるスタッフが多い」ことも挙げられます。

ある種、「これが一番難しい……」と感じる保育士さんもいらっしゃるかもしれませんが、やはりこれが両立するための最善策の一つなのです。

◆産前・産後の育児休暇は十分か?
◆「育児短時間勤務制度」の内容はどんなものか?
◆「託児制度」は用意されているか?
◆残業時間の制限は設けられているか?
◆育児期間中は、業務の負担が軽減される処置は取られているか?
◆周囲のスタッフは、仕事と育児の両立に理解があり、協力的になってくれているか?

結局、仕事と子育てをしている時に、子育て以外で一番時間を取られるのは“仕事”です。

ここに対して、「事業所やスタッフ(仲間)がどれだけ配慮をしてくれるか?」で、精神的な負担は大きく変わってきます。

すでに保育士として働いている人は、子育てを経験する前に、自分が勤めている保育所の状況を観察・把握しておくのも良いかと思います。

場合によっては、制度が充実している別の保育所に転職するのも良いかもしれません。

「家族の理解」と「配偶者との家事・育児の分業」

「仕事と子育てを両立させつつ、家事全般もこなす」なんていうのは、土台無理な話です。

そもそも、家事も育児もお母さん“だけ”がやらなければいけないものではありません。

だからこそ、配偶者(=旦那さん)の“積極的な協力”が必要不可欠なのです。

中には「仕事で疲れてるんだよ……」という人もいるようですが、それは“お母さん側も同じこと”です。

お互いにサポートし合って、育児であれ家事であれ、できることを分業して担当していければいいかと思います。

ちなみに、この時のポイントは、「できること(得意なこと)を中心に担当する」のがオススメです。

極端なことを言うと、「料理を作ったことがない人に、調理を任せる」と、余計に後始末が大変になります。

「家事」や「育児」と一言でいっても、やるべきことは山ほどあります。

得意なもの、任せられるものを分業して、それぞれ担当していくのがいいのではないかと思います。

そして、もし自身や配偶者のご両親と一緒にお住まいor近くに住んでいるという人は、「ご両親の理解」も併せて得ておくといいでしょう。

何せ、“自分を育ててくれた親”なので、子育てや家事に関する知識は自身以上に膨大です。

いざという時にも、その知識や経験に助けられることも多いことと思います。

場合によっては「転職」や「専業主婦」も視野に入れよう

「仕事と子育てを両立したい……けど、フルタイム勤務は難しい」「制度が充実しているorスタッフの理解がある保育所で働きたい」など、現在働いている保育所に不満に近いものを持っている人も少なくないかもしれません。

そういう時は、“転職”“雇用形態を変える”“専業主婦になる”という点も選択肢に入れてみると良いかと思います。

実は、公立保育園などで働く職員の“約半数”、私立保育園などで働く職員の“3~4割”は、パートやアルバイトといった「非正規職員」だったりします。

保育の業界は、人手不足が顕著な代わりに「戦力と成りうる人なら、雇用形態や勤務形態には拘らない」として、様々な雇用形態で求人募集が掛かっています。

そのため、正社員はもちろん、アルバイト/パート/契約社員/派遣社員など、様々な雇用形態で仕事を探しやすいと言えるでしょう。

加えて、「時短正社員」など、正社員ながら勤務時間を調整して働くことが可能な場合もあります。

専業主婦になるという手段もありますが家庭の事情や夫からの理解が得れないなど難しい方も多いと思います。

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自分が考えてるほど専業主婦になれるハードルは高くないかも知れません。

専業主婦になるには、夫の年収は最低どのぐらい必要?年収別の生活レベルと専業主婦になりたい女性の割合調査

専業主婦として在宅ワークも視野に入れることも選択肢のひとつなので
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アラフォー主婦の資格おすすめ10選!40代の専業主婦の在宅ワークに有利な資格を紹介

手段は一つではないので、今の環境に固執することなく、是非自分に合ったやり方で子育てと仕事のバランスを図ってみてください。

迷ったら、”優先順位”を決めよう


最後に、少しだけ脱線するのですが……。

当たり前のことですが、子どもを産んだ以上は、子どもが成人して立派な大人に成長するまで責任を持って育てなくてはいけません。

しかし、家庭(収入)の事情などで「少しでも家にお金を入れないと生活ができない」という人もいらっしゃるかもしれません。

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共働き家庭の生活費はどのぐらい?夫と妻の負担額はいくらずつが平等?気になる疑問を解説

保育士の仕事であれ別の仕事であれ、この時に大切なのは「優先順位を決めること」かと思います。

◆仕事を「退職」して、子育てのみに専念する(その後、落ち着いてきたら復職する)
◆仕事を「休業」して、子育てが落ち着いた頃に「復職」する
◆子どもを保育園に預けて、仕事を「継続」する

出産のタイミングは(当たり前ですが)必ず休業する必要があります。

しかし、仕事に復帰するタイミングは人によって様々です。

どんな道を選択するかも人それぞれですが、迷ったらやらなくてはいけないことに”優先順位”を付けて、そのために必要な環境を整備していくようにしましょう。

幸いなことに現在は、保育所など0歳から子どもを(長時間)預かってくれる施設もたくさんあります。

それに、自身や配偶者のご両親が近くにいれば、子どもを預かってくれるようにお願いするのも良いかと思います。

もちろん、子育てのために自分の時間をフルに費やすのもOKです。

なんにせよ、どんな形であっても、子どもと接するときは愛情深く接してあげてください。

ちなみに、仕事の復職タイミングですが、出産後あまりに早いタイミングで復帰してしまうと、ホルモンバランスの乱れから自分だけでなく周囲の人にも迷惑を掛けてしまう恐れがあるので要注意です。
(人によっては憂鬱状態になってしまう人もいるほど)

子どものため、家庭のためと“無茶”をしてしまう人もいるかもしれませんが、度を越し過ぎて“無理”だけはしないようご注意ください。

あなた自身も、“大切な家族の一員”なのですから……。

まとめ

冒頭でもお伝えしたように、保育士の仕事と子育ての両立はかなり困難ではあります。

ただ、“周囲の理解”“制度の充実具合”によって、自身に掛かる負担はかなり軽減されるはずです。

尚、仕事と子育ての両立を目指す上でもっとも大切なのは、「絶対に一人で抱え込まないこと」です。

仕事であれ、子育てであれ、悩みがあれば必ず誰かに相談するようにしましょう。

家族・職場の先輩や同僚・友人などなど……。

必ず身近な人のサポートを受けて、少しでも自身の負担を軽くしてあげることが大切です。

また、もしこれから出産を迎えるという保育士さんは、早いうちから出産後の生活を具体的にイメージしておくことをオススメします。

勤務している保育所の制度内容や協力体制の確認はもちろん、パートナーや両親とも今後についてきちんと話し合っておいて損はありません。

もう一度言いますが、「一人で抱え込まないこと」です。

育児だけでも大変なのに、そこに家のことや仕事のことも考えていかなければいけないとなれば、やはり本人に掛かる負担は大きくなります。

育児中は、必ずと言っていいほどストレスがたまり、何かしら問題が発生する可能性は相当に高いです。

「問題が発生してから対処する」のではなく、「問題が発生する前に、対処法について学んでおく」ことが非常に大切なのです。

何かあってからでは、家族・職場の人・友人などにも迷惑を掛けてしまう可能性もありますので、できうる準備は事前にしっかりと行っていきましょう。

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